貨物保険契約で定める船舶を変更したときは、保険者は、その変更以後に発生した事故によって生じた損害を塡補する責任を負わない。
要点商法 824 条は、貨物保険で定めた船舶を変更すると、保険者は変更後に発生した事故の損害を塡補しないと定める。ただし荷主の責めによらない変更なら免責されない。
Q · 貨物を積む船が予定と変わった後に海難が起きたら、保険は本当に効かないの?
原則ダメ。ただし船会社都合の変更なら補償は継続
商法 824 条により、貨物保険で定めた船舶を変更すると、保険者は変更以後に発生した事故による損害の塡補責任を負いません。海上保険が特定の船の堪航性を前提に危険を引き受けているためです。ただし二つの抜け道があります。事故が変更より前なら免責は適用されず、また変更が保険契約者・被保険者の責めに帰せない事由によるものなら、ただし書により保険は継続します。コンテナのトランシップなど運送人主導の変更は、後者に該当し得ます。
中国から仕入れた在庫を貨物保険にかけ、証券には運ぶ船の名前まで書き込んだ。ところが船会社の都合で、貨物は別の老朽船に積み替えられ、その船が時化で沈んだ。保険金を請求すると、保険会社は商法824条を盾に「船が変わった後の事故だから払えない」と言う。これがこの条文の現場だ。海上保険は、特定の船の堪航性や船齢を前提に保険料を計算している。だから船が勝手に変われば、保険会社は引き受けた危険とは別物を負わされ、変更後の損害について免責される。だが条文には逃げ道がある。ただし書だ。その船の変更が、あなた(保険契約者・被保険者、つまり保険をかけた本人や保険の対象となる荷物の持ち主)の責めに帰すことができない事由によるものなら、保険は生き続ける。コンテナ船の世界で、どの船に積むかを決めるのは荷主ではなく運送人だ。この一文を知っているかどうかで、数千万円の積荷が補償されるか泣き寝入りかが分かれる。
商法 824 条は、貨物保険における船舶の変更と保険者の免責を定める規定である。当事者が保険契約で特定した船舶を変更した場合、保険者は変更以後に発生した事故による損害について塡補責任を負わない。ただし、その変更が保険契約者または被保険者の責めに帰することができない事由による場合は、免責の例外として保険が継続する。
貨物保険契約で定めた運送船を別の船に変えることです。商法 824 条により、変更以後に発生した事故による損害は原則として保険者が塡補しません。
船舶変更が保険契約者・被保険者の責めに帰することができない事由による場合、保険者は免責されないと定める免責の例外規定です。
保険給付請求権は行使できる時から原則として 3 年で時効消滅します(保険法 95 条)。免責争いに気を取られ期間を過ぎないよう注意が必要です。
実務の貨物保険は ICC ベースが多く、商法の船舶変更ルールより荷主に有利な補償条件が約款で優先されることが一般的です。
ただし書の例外を主張する荷主側にあります。船荷証券やブッキング記録で、変更が運送人の判断であったことを示す必要があります。
海上を運送される積荷を対象とする貨物海上保険契約に適用されます。船舶自体を対象とする船舶保険とは適用条文が異なります。
航海の変更(商法 820 条)は目的地等の変更、船舶の変更(824 条)は運送船自体の変更を指し、いずれも変更後の損害を免責とする同系列の規律です。
商法 824 条は変更以後に発生した事故のみ免責とします。船舶変更より前に起きた事故による損害は、引き続き保険者が塡補する義務を負います。
変更後に起きた事故の損害は原則として免責されます(商法824条本文)。ただし抜け道が二つ。変更前の事故なら適用外、変更があなたの責めによらないなら、ただし書で補償は継続します。業界裏話ヒント:実務の貨物保険はほとんどが協会貨物約款(ICC)ベースで、商法の船舶変更ルールより荷主に有利な手当てがされていることが多い。824条の文言だけで諦める前に、自分の証券がどの約款かを保険代理店に確認すべき
あなたが指示していない、つまり責めに帰すことができない事由による変更なら、商法824条ただし書により保険者は免責されません。運送人が勝手に行うトランシップは、典型的にあなたの責めによらない変更です。業界裏話ヒント:鍵は立証責任があなた側にあること。運送人のブッキング記録や船荷証券で『変更は運送人の判断』だと示せる資料を、事故直後に確保する。時間が経つと運送人が記録を出し渋ることがある
それはあなたの責めによる船舶変更にあたり、変更後の事故による損害は免責される可能性が高いです(商法824条本文)。良かれと思った積み替えが保険を失わせます。業界裏話ヒント:船を変える必要が生じたら、積み替え前に必ず保険会社へ通知し、承認(裏書)を得ること。事前通知して証券に変更を反映させれば、新しい船でも補償が続く。事後では手遅れになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 変更の対象 | 船舶の変更(商法 824 条) | — |
| 免責の効果 | 変更以後に発生した事故による損害を免責 | — |
| 免責の例外 | 保険契約者・被保険者の責めに帰せない変更 | — |
| 共通の趣旨 | 引き受けた危険の同一性の維持 | — |
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