要点地方自治法80条は、選挙権者の3分の1以上の連署で選挙区選出の議会議員の解職を請求できる制度を定める。成立後は住民投票に付され、過半数の同意で議員は失職する。
Q · 署名を3分の1集めたら、その議員はクビになるの?
署名だけでは失職せず、住民投票の過半数同意が必要です
地方自治法80条により、選挙区の有権者総数の3分の1以上(人口40万超は緩和計算式)の連署を集め、代表者が選挙管理委員会に提出すると、議会議員の解職を請求できます。署名だけで議員が失職するわけではなく、請求成立後に選挙区の住民投票に付され、過半数の同意があって初めて失職します(83条)。さらに就職後1年・前回投票後1年は請求できない制限期間があります(84条)。
あなたの選挙区選出の市議が任期途中で不祥事を起こした。次の選挙まで何年もただ待つしかない、多くの人はそう諦める。だが地方自治法80条は別の道を開く。選挙区の有権者総数の3分の1(人口40万を超える自治体は計算式で緩和される)の署名を集めて選挙管理委員会に提出すれば、その議員の解職を請求できる。請求が成立すれば選挙区の住民投票にかけられ、過半数が賛成すれば議員は失職する。これが解職請求、いわゆるリコールだ。肝心なのは、これが議員一人を狙い撃ちできる制度だという点。議会全体を解散させる76条とは別物で、特定の議員だけを標的にできる。さらに就職後1年間は原則請求できないなどの期間制限もある。住民が選んだ代表を、住民の手で任期途中に引きずり下ろす最終手段が、ここに用意されている。
議員の解職請求は、選挙区の選挙権を有する者が、その総数の3分の1以上(人口40万超は緩和計算式による)の連署をもって代表者から選挙管理委員会に行う直接請求である。請求が成立すると当該選挙区の住民投票に付され、過半数の同意があれば対象議員は失職する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
選挙区の有権者総数の3分の1以上の署名を集め、代表者が選挙管理委員会に提出して議会議員の解職を求める制度です。地方自治法80条が根拠で、いわゆるリコールにあたります。
原則は選挙区の有権者総数の3分の1です。ただし人口40万超の自治体では緩和され、40万超の部分は6分の1、80万超の部分は8分の1を乗じた数で算定します(80条1項)。
代表者を立て、法定期間内に選挙人名簿登録者の自筆署名を集め、選挙管理委員会へ提出します。要旨が公表され、選挙区の住民投票で過半数が賛成すると議員は失職します。
署名収集には政令で定める期間制限があり、都道府県は2か月、その他の市町村は1か月が原則です。期間を過ぎた署名は無効になるため、計画的な収集が必要です。
一律3分の1ではなく緩和計算式が適用されます。40万を超え80万以下は超過分に6分の1、80万超はさらに8分の1を乗じて算定し、大規模自治体の負担を軽減しています。
80条の解職請求は特定の議員一人を狙えるのに対し、76条の解散請求は議会全体を対象とします。標的と効果が異なり、必要署名や手続も別制度として規定されています。
解職投票における有効投票の過半数の同意を指します(83条)。過半数が賛成すれば対象議員は失職し、過半数に達しなければ職にとどまります。実質的な信任投票です。
選挙人名簿に登録されていない人の署名、自筆でない署名、記載不備、法定期間外の署名などは無効です。必要数ぎりぎりでは無効分で不足することが多くあります。
なりません。3分の1の署名で得られるのは『住民投票に持ち込む権利』だけです(80条1項・3項)。その後、選挙区の住民投票で過半数の賛成があって初めて議員は失職します(83条)。署名はゴールではなく入口です。業界裏話ヒント:実務では署名段階で必要数に届かず頓挫する例が圧倒的に多い。40万都市なら約13万筆、しかも有効署名に限られ、縦覧で無効分が削られる。必要数ぎりぎりを狙うと、まず足りません
知られる可能性があります。提出された署名簿は一定期間縦覧に付され(74条5項以下の準用)、関係人は閲覧できます。署名の有効・無効を争うための手続ですが、結果として誰が署名したかが地域に伝わることもあります。業界裏話ヒント:これがリコール運動の隠れた障壁です。匿名ではないため、職場や近所の目を気にして署名を渋る人が多い。地盤の固い議員ほど、この心理的圧力を利用して署名を抑え込みます
原則できません。就職の日から1年間(無投票当選の場合を除く)は解職請求が禁止されています(84条)。新人議員に最低限の活動期間を保障する趣旨です。業界裏話ヒント:この制限期間を知らずに署名活動を始め、提出して却下される運動が後を絶ちません。動き出す前に、対象議員の就職日と前回の解職投票の有無を選挙管理委員会で確認するのが鉄則です
狙えます。80条は個々の議員の解職請求で、議会全体を解散させる76条とは別制度です。問題のある議員一人を、その選挙区単位で標的にできます。業界裏話ヒント:戦略上、議会解散(76条)と議員個人の解職(80条)はハードルが状況で逆転します。選挙区が小さければ必要署名数も少なく一点突破しやすい一方、大選挙区選出の議員は母数が大きく守られやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象 | 80条:選挙区選出の議会議員(個々の議員一人) | — |
| 必要署名 | 選挙区の有権者総数の3分の1(40万超は緩和) | — |
| 成立後の手続 | 選挙区の住民投票、過半数同意で失職(83条) | — |
| 制限期間 | 就職後1年・前回投票後1年は請求不可(84条) | — |
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