国家公務員法 第106条の16(違反行為の疑いに係る任命権者の報告)
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任命権者は、職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為(第百六条の二から第百六条の四までの規定に違反する行為をいう。以下同じ。)を行つた疑いがあると思料するときは、その旨を委員会に報告しなければならない。
この条文の基本情報
違反行為の疑いに係る任命権者の報告とは何ですか?
定義違反行為の疑いに係る任命権者の報告とは、国家公務員法第106条の16に定められた規定で、「任命権者は、職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為(第百六条の二から第百六条の四までの規定に違反する行為をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第106条の16(違反行為の疑いに係る任命権者の報告)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第106条の16の条文原文は「任命権者は、職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為(第百六条の二から第百六条の四までの規定に違反する行為をいう。」で始まります。
- 国家公務員法第106条の16は第二款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第106条の16の前の条は国家公務員法第106条の15です。
- 国家公務員法第106条の16の次の条は国家公務員法第106条の17です。
- 国家公務員法第106条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/106_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法106条の16は、天下り規制違反の疑いがあると思料したとき、任命権者に再就職等監視委員会への報告を義務づける。違反の確定は要件ではない。
Q · 天下りの疑いが省内で出たら、役所は外部に報告しないといけないの?
はい。疑いの段階で監視委員会へ報告する義務があります
国家公務員法106条の16により、大臣などの任命権者は、職員や元職員に再就職等規制違反行為(106条の2から106条の4の違反)の疑いがあると思料するとき、内閣府の再就職等監視委員会に報告しなければなりません。基準は「違反の確定」ではなく「疑い」です。事実の解明は委員会の調査に委ねられており、省内だけで白黒をつけて報告を見送ることは、制度の想定から外れた対応になります。
解説
「疑いがある」段階で、役所のトップは外部の監視役に知らせなければならない。国家公務員法106条の16が定めるのは、この報告義務である。対象になる違反行為は三つ。現役職員が他の職員の再就職を企業に頼むこと(106条の2)、在職中に利害関係のある企業へ自分の就職を求めること(106条の3)、OB が古巣へ働きかけること(106条の4)である。報告先の「委員会」は、内閣府に置かれた再就職等監視委員会(106条の5)だ。任命権者(職員を採用し、異動させる権限を持つ大臣や長官など)は「違反を確かめてから」ではなく、「疑いがあると考えたとき」に報告しなければならない。身内を調べて、問題がなければ黙っておく。そうした省内での握りつぶしを防ぐために、この条文は置かれている。あなたが役所に出入りする企業の担当者でも、公務員の家族でも、省内の異常を外部の監視機関へ流す回路があると知っているかどうかで、「どうせ内輪で済まされる」とあきらめるか、声を上げるかが変わってくる
法的な位置づけ
国家公務員法106条の16は、再就職等規制違反行為の疑いに関する任命権者の報告義務を定める規定である。任命権者は、職員または職員であった者が、他の職員の再就職依頼、利害関係企業等への在職中の求職、再就職者による働きかけの各禁止に違反した疑いがあると思料するとき、内閣府に置かれた再就職等監視委員会へ報告しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.疑いの端緒を記録する 再就職のあっせん、在職中の求職、OB による働きかけの打診などを把握したら、日時・関係者・やりとりの内容を記録し、メールや面談メモを保全する
- 2.任命権者が再就職等監視委員会へ報告する 違反の確定を待たず、疑いがあると思料した段階で、国家公務員法106条の16に基づき委員会へその旨を報告する。把握日と報告日の間隔は後から必ず検証される
- 3.省内で調査する場合は委員会へ通知する 任命権者が自ら調査を行おうとするときは、同法106条の17に従い委員会へ通知する。調査の主導権を省内だけで完結させない
- 4.調査に協力し処分を検討する 委員会の調査に資料提供で協力し、違反が認定された場合は国家公務員法82条による懲戒処分を検討する。対応の経緯はすべて文書化しておく
よくある質問 AI による整理
Q1再就職等監視委員会とは?
国家公務員法106条の5に基づき内閣府に置かれた機関です。天下り規制違反の疑いについて報告を受け、調査し、結果を公表する外部の監視役を担います。
Q2任命権者とは誰のこと?
職員を採用・昇任・異動させる権限を持つ者で、各省の大臣や外局の長官などが該当します。本条の報告義務は、この任命権者に課されています。
Q3106条の16の報告に期限はある?
条文に日数の期限はありません。ただし「疑いがあると思料するとき」に報告すべきとされており、把握から報告までの遅れは、それだけで隠蔽を疑われる原因になります。
Q4報告しなかった任命権者に罰則はある?
本条自体には刑事罰の定めは置かれていません。ただし報告を怠れば、国会や報道で組織のガバナンスが追及され、政治的・行政的な責任を問われることになります。
Q5退職した元職員の違反も報告の対象?
対象です。条文は「職員又は職員であつた者」と定めており、OB が古巣へ働きかける行為(106条の4違反)の疑いも報告しなければなりません。
Q6「思料する」とはどういう意味?
「そう考える」という意味です。証拠がそろって違反が確定している必要はなく、合理的に疑いを抱いた段階で報告義務が生じると読まれます。
Q7文科省の天下り問題とは何だった?
平成29年(2017年)、再就職等監視委員会の調査で文部科学省による組織的な再就職あっせんが明らかになり、事務次官の辞任に発展した事件です。
Q8天下り違反の疑いを外部から情報提供できる?
再就職等監視委員会には情報提供の受付窓口があります。省内の報告ルートが機能しないと感じる場合の外部の通路になり、公益通報者保護法の保護が及ぶ場合もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1天下りって、結局バレても処分されないんじゃないの?
違反の疑いは、本条によって任命権者から再就職等監視委員会へ報告される。委員会は調査結果を公表でき、国家公務員法82条による懲戒処分や、悪質な事案では刑事罰につながることもある。実務のポイント:実務で最も影響が大きいのは処分の重さより「公表」である。委員会の公表資料は報道機関が必ず読み込むため、組織名が載った時点で国会追及の材料になる
Q2民間企業がOBを採用するのって、違法なの?
採用そのものは違法ではない。規制の対象は、現役職員による他の職員の再就職あっせん(106条の2)、在職中の求職(106条の3)、OB による古巣への働きかけ(106条の4)である。実務のポイント:企業側で危ないのは「誰の紹介で来たか」の経路である。人事部の記録に現役職員の名前が紹介者として残っていると、それだけで調査の入口になる
間違えやすい点 AI による整理
- 天下り規制で罰を受けるのは天下りした本人だけだと思われがちだが、この条文が義務を課しているのは任命権者、つまり大臣などの組織のトップである。疑いを知りながら報告しなければ、組織のガバナンスそのものが問われる。平成29年(2017年)に文部科学省の組織的なあっせんが発覚したときも、批判は個人の違反から省全体の隠蔽体質へと広がった
- 「違反が確定してから報告すればよい」という発想は、問いの立て方そのものが間違っている。条文の基準は「疑いがあると思料するとき」であり、事実を確定させる作業は委員会の調査に委ねられている。省内だけで白黒をつけようとすること自体が、制度の想定から外れた動きになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 106条の16:違反の疑いを委員会へ報告する手続規定 | 106条の2:他の職員の再就職依頼を禁じる行為規制 106条の4:再就職者による働きかけを禁じる行為規制 |
| 義務を負う者 | 任命権者(大臣・長官など) | 現職の職員 退職して再就職した元職員(OB) |
| 発動の基準 | 違反の「疑いがあると思料するとき」 | 再就職の依頼・情報提供をした時点で違反 古巣の職員への働きかけをした時点で違反 |
| 違反した場合の帰結 | 条文上の罰則はなく、組織のガバナンス責任が問われる | 懲戒処分(82条)の対象 過料・刑事罰の対象となる場合がある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は離職後の就業制限(旋転門条款)を置くが、任命権者に疑いの段階で外部機関への報告を義務づける日本型の手続規定は見当たらない
韓国は退職公職者の就業を公職者倫理委員会の審査にかける事前審査型で、事後の違反報告よりも入口規制に重点を置く
ドイツは退職公務員に就業の届出義務を課し、利益相反のおそれがあれば所属官庁が禁止できる。本人の届出が起点になる
米国は元職員の古巣への接触を刑事規制で制限し、政府倫理局(OGE)が倫理プログラムを所管する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 許認可を担当する課の係長に、取引先の人事部長から「課長の天下り先としてうちはどうか」という打診が来た。係長が上司に相談すると、話は大臣官房まで上がった。この時点で任命権者は、106条の2違反の疑いを委員会に報告すべき立場にある
- 省内で人事の噂がすでに広まり、週刊誌も取材を始めている。任命権者が報告をためらっている間に報道が先に出れば、報告しなかったこと自体が組織ぐるみの隠蔽として追及される。残された時間は数日しかない
- もしあなたが、退官を半年後に控えた局長だったらどうなるか。業者との会食で「うちに来てもらえれば」と言われ、軽くうなずいた。この一言が在職中の求職規制(106条の3)違反の疑いとして報告の対象になり、退職前の最後の半年が調査の半年に変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 省内で OB のあっせんや求職の働きかけを見聞きしたら、日時、人物、内容をすぐにメモに残す2. 上司経由の報告が握りつぶされそうなときは、再就職等監視委員会へ直接情報提供できる窓口がある(公益通報者保護法の保護が及ぶ場合もある) 3. メールや LINE は削除せずに保全する4. 報告が遅れていると感じたら、報告済みかどうかを記録に残る形で確認する
訴えられた側:1. 疑いをかけられた職員は、打診を受けた時期、断った事実、上司への報告の記録を時系列で整理する2. 委員会の調査には誠実に協力する。虚偽の説明は懲戒(82条)のリスクを大きくする3. 任命権者の側は、疑いを把握した日から委員会へ報告するまでの経緯を文書化し、先延ばしの印象を与えない4. 法的な評価が微妙な事案は、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条には特定の報告期限の定めがないが、「思料するとき」に報告しなければならず、遅れはそれだけで問題視される。違反行為そのものに刑事罰が科される場合は、その法定刑に応じた公訴時効(刑事訴訟法250条)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)国家公務員法改正 再就職等規制と再就職等監視委員会の制度導入に伴って設けられたとみられるが、条番号の変遷を含めて人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:国家公務員法改正(平成19年法律第108号)により再就職等規制と再就職等監視委員会の制度が導入され、その一部として任命権者の報告義務が設けられた。施行は平成20年(2008年)末とされる
- 国家公務員法 第106条の2他の職員の再就職依頼の禁止
- 国家公務員法 第106条の3在職中の求職規制
- 国家公務員法 第106条の4再就職者による働きかけの禁止
- 国家公務員法 第106条の5報告先である再就職等監視委員会の設置
- 国家公務員法 第82条違反職員への懲戒処分の根拠
- 公益通報者保護法 第3条違反を通報した職員の保護(現行効力を要確認)
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