国家公務員法 第56条(採用候補者名簿による採用)
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採用候補者名簿による職員の採用は、任命権者が、当該採用候補者名簿に記載された者の中から、面接を行い、その結果を考慮して行うものとする。
この条文の基本情報
採用候補者名簿による採用とは何ですか?
定義採用候補者名簿による採用とは、国家公務員法第56条に定められた規定で、「採用候補者名簿による職員の採用は、任命権者が、当該採用候補者名簿に記載された者の中から、面接を行い、その結果を考慮して行うものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第56条(採用候補者名簿による採用)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第56条の条文原文は「採用候補者名簿による職員の採用は、任命権者が、当該採用候補者名簿に記載された者の中から、面接を行い、その結果を考慮して行うものとする。」で始まります。
- 国家公務員法第56条は第四款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第56条の前の条は国家公務員法第55条です。
- 国家公務員法第56条の次の条は国家公務員法第57条です。
- 国家公務員法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法56条は、任命権者が採用候補者名簿に記載された者の中から面接を行い、その結果を考慮して職員を採用すると定める。試験の合格は採用を保証しない。
Q · 国家公務員試験に最終合格したら、必ず採用されるの?
されない。合格は名簿登載で、採用は面接で決まる
国家公務員法56条により、採用候補者名簿による採用は、任命権者(各府省の大臣など)が名簿に記載された者の中から面接を行い、その結果を考慮して行います。最終合格で得られるのは名簿への登載であり、任命権者に採用義務はありません。名簿には有効期間があり、期間内にどこからも採用されなければ合格の効力は失われます。ただし面接での判断も、27条の平等取扱原則に反する差別は許されません。
解説
試験に合格した瞬間、多くの受験生は「これで公務員になれる」と胸をなでおろす。だが国家公務員法56条を読めば、その安心は半分しか正しくないと分かる。合格して手に入るのは採用候補者名簿(採用試験の合格者を載せた「採用してよい人のリスト」)への登載であり、採用の約束ではない。実際に誰を採るかは、各府省の任命権者(大臣など、人事の最終決定権を持つ者)が名簿の中から面接をして決める。条文が「面接を行い、その結果を考慮して」と書く以上、筆記の順位だけで採用が決まる仕組みではない。試験の点数は入場券であり、勝負を決めるのは各府省の面接、いわゆる官庁訪問である。しかも名簿には有効期間があり、期間内にどこからも採用されなければ、合格の効力はそのまま消える。合格発表の日はゴールではない。二回戦の始まりである。
法的な位置づけ
国家公務員法56条は、採用候補者名簿による職員の採用方法を定める規定である。採用試験の合格者が記載された採用候補者名簿の中から、任命権者が面接を行い、その結果を考慮して採用者を決定する。試験による能力の実証と、任命権者による選択の裁量を組み合わせた二段階の任用手続を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の名簿有効期間を確認する 最終合格後すぐに、人事院の案内で自分の試験区分の採用候補者名簿の有効期間を確認し、残り期間を把握する
- 2.志望府省・機関を複数リストアップする 同じ名簿を使う本府省・地方出先機関を幅広く調べ、業務説明会や採用情報をもとに面接を申し込む先を複数選ぶ
- 3.官庁訪問・面接を受ける 任命権者側が実施する面接に臨む。筆記の順位より、その府省の業務への理解度と適性が評価の中心となるため、府省ごとの業務研究を準備する
- 4.不採用なら他府省へ即座に対象を広げる 一つの府省で不採用になっても名簿登載は消えない。有効期間内に他の府省・機関へ速やかに応募を続ける
- 5.不当な選考が疑われる場合は記録を確認する 差別的な判断がうかがえる場合、個人情報の保護に関する法律に基づき自己の面接記録の開示請求を検討し、損害が生じていれば弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1採用候補者名簿とは何ですか?
国家公務員の採用試験に合格した人を試験区分ごとに記載した名簿です。各府省の任命権者は、原則としてこの名簿の中から面接を経て職員を採用します。
Q2官庁訪問とは何ですか?
最終合格者や受験者が志望府省を訪れて面接を受ける採用活動の通称です。国家公務員法56条の「面接を行い」という規定が法的な土台となっています。
Q3公務員試験の名簿の有効期間はいつまで?
試験区分ごとに人事院が定めており、一律ではありません。期間内に採用されなければ合格の効力は失われるため、必ず最新の人事院の案内で確認してください。
Q4公務員試験の合格順位は採用に影響する?
参考にはされますが、決め手ではありません。56条は面接の結果を考慮して採用すると定めており、下位合格者が採用されることも制度上正常です。
Q5最終合格後に内定が取り消されることはある?
例外的にはありえます。取消しに対して取消訴訟を起こすのは困難とされますが、信頼を裏切られた損害については国家賠償請求の余地があります。
Q6国家公務員の面接で聞いてはいけない質問は?
性別、信条、社会的身分、門地など、国家公務員法27条の平等取扱原則に反する事項に基づいて判断することは許されません。本籍や家族の職業などの質問には特に注意が必要です。
Q7公務員試験に合格しても採用されない人はいる?
います。合格は名簿に載っただけなので、どの府省の面接でも選ばれずに有効期間が切れれば採用されません。複数府省への積極的な応募が重要です。
Q8民間で働きながら公務員の名簿から採用される?
名簿の有効期間内であれば可能です。在職中でも官庁訪問や府省の面接を受けられるため、転職時期を有効期間に合わせて計画できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最終合格したのにどこからも採用されなかったら、どうなるんですか?
名簿の有効期間内なら、他の府省や機関の面接を受け続けられる。しかし期間が過ぎれば合格の効力は消え、もう一度受験するしかない。56条は面接で選ばれた人だけを採用するという構造だからだ。実務のポイント:本府省で不採用でも、同じ名簿を使う地方出先機関で採用される例は少なくない。一つ落ちてもすぐに対象を広げて動くかどうかで結果が分かれる
Q2筆記は上位だったのに面接で落とされました。違法じゃないんですか?
それだけで違法とはならない。国家公務員法56条は、名簿に載った人の中から面接をして、その結果を考慮して採用すると定めており、任命権者に広い裁量を認めている。違法になりうるのは、27条の平等取扱原則に反する差別的な判断などの場合だ。実務のポイント:筆記の順位は面接の場では参考資料の一つにすぎず、面接官が重視するのはその府省の仕事への理解度である。点数の差は取り返せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「最終合格=採用決定」と思われがちだが、法律上の意味はまったく違う。最終合格で手に入るのは名簿への登載だけで、任命権者に採用する義務はない。合格しても、どの府省からも採用されないまま名簿の有効期間が切れる人は実際にいる
- 筆記の順位が上なら面接でも有利なことは多くの人が知っている。だが、その有利さが限定的だという点は知られていない。56条は採用判断で面接結果を考慮すると明記しており、上位合格者が面接で落ち、下位の合格者が採用されることは制度上まったく正常な結果である
- 不採用になったとき「どうすれば取り消させられるか」と考える人がいるが、その問いの立て方自体がずれている。最高裁は地方公務員の採用内定取消について、内定通知は処分(役所が一方的に権利義務を決める行為)ではないとして取消訴訟を認めなかった(最判昭和57.5.27)。争う道があるとすれば、不採用の取消ではなく、信頼を裏切られたことへの損害賠償などである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 56条:名簿登載者の中から面接を経て採用する具体的手続 | 33条:任用は能力の実証に基づくという根本基準 36条:採用は競争試験が原則、例外として選考 |
| 任命権者の裁量 | 名簿の範囲内で面接結果を考慮する選択裁量あり | 能力実証を離れた情実任用は否定 試験か選考かの方法選択は法定の枠内 |
| 受験者から見た意味 | 合格しても面接で選ばれなければ採用されない | コネではなく能力で評価されることの保障 原則として試験を受けなければ名簿に載らない |
| 採用後との関係 | 採用決定の段階を規律 | 昇任・転任にも及ぶ任用全体の基準 採用の入口の方式を規律(採用後は59条の条件付任用へ) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は考試院系統の試験合格者を原則として成績順に分発する仕組みで、任命権者の面接による選択余地は日本より小さい
韓国も採用候補者名簿に基づく任用制度を持ち、日本の名簿制度と構造が近い
ドイツは適性・能力・専門的業績による最良者選抜(Bestenauslese)を憲法上の原則とし、不採用者による競争者訴訟が認められる点で日本より司法統制が強い
米国連邦公務員制度も有資格者リストからの選抜を定め、日本の名簿制度の参照元の一つとされる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国家公務員一般職試験に最終合格したのに、志望した三つの出先機関すべてから連絡が来ない。合格者なのになぜ採用されないのか? 答えは56条にある。合格は名簿に載っただけで、面接で選ばれない限り、いつまでも採用はされない
- 内々定を出した府省の人事担当者として、あなたは同じ名簿から二人の候補者を面接した。筆記で上位だった方を落とし、面接評価の高い方を採った。56条は面接結果を考慮することを明文で認めているが、評価の記録が残っていなければ、後で説明を求められたとき立場が苦しくなる
- 名簿の有効期間は試験区分ごとに決まっていて、満了が近づいている。民間企業で働きながら「いつか公務員に」と考えているなら、動けるのは期間内だけだ(有効期間は試験区分ごとに異なるため、最新の人事院の案内をご確認ください)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 人事院の案内で自分の試験区分の名簿有効期間を確認し、残り期間を把握する2. 一つの府省に不採用とされても名簿登載は消えないので、同じ名簿を使う他の府省・機関へすぐに面接を申し込む3. 評価に不当な差別がうかがえる場合は、個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求で面接記録の有無を確認する4. 内定取消などで具体的な損害が出た場合は、国家賠償法による損害賠償請求を弁護士に相談する
訴えられた側:1. 面接官・人事担当者は、評価項目と評価の根拠を面接ごとに文書で残す2. 性別・出身地・障害の有無など、国家公務員法27条の平等取扱原則に反しうる質問はしない3. 内定を出したら、取消は例外中の例外と考える。取消が避けられないときは理由を具体的に記録し、早期に本人へ説明する4. 障害者の採用計画など、他の法律上の義務との整合も確認する
時効(請求できる期限):特定の時効はない。採用候補者名簿の有効期間が実質的な期限であり、試験区分ごとに異なる(最新の人事院の案内をご確認ください)。内定取消などの損害賠償は国家賠償法4条により民法が適用され、損害及び加害者を知った時から3年(民法724条)
学説
通説:56条は能力実証主義(33条)を前提に、試験で絞り込んだ名簿の範囲内でのみ任命権者の選択裁量を認める規定と理解される。裁量は広いが、平等取扱原則(27条)や情実任用の禁止による限界がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定により、採用候補者名簿による採用の規定が設けられた。その後の改正経過は e-Gov 法令検索で要確認。
- 国家公務員法 第27条採用を含む平等取扱いの原則
- 国家公務員法 第33条任用は能力の実証に基づく根本基準
- 国家公務員法 第36条採用は競争試験が原則、例外として選考
- 国家公務員法 第38条欠格条項、名簿登載者でも採用不可
- 国家公務員法 第59条採用後の条件付任用期間
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第38条国の任命権者の障害者採用計画義務(現行効力を要確認)
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