国家公務員法 第61条の8(特殊性を有する幹部職等の特例)
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- 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣法制局、内閣府及びデジタル庁を除く。以下この項において「内閣の直属機関」という。)、人事院、検察庁及び会計検査院の官職(当該官職が内閣の直属機関に属するものであつて、その任命権者が内閣の委任を受けて任命権を行う者であるものを除く。)については、第六十一条の二から第六十一条の五までの規定は適用せず、第五十七条、第五十八条及び前条第一項の規定の適用については、第五十七条中「採用(職員の幹部職への任命に該当するものを除く。)」とあるのは「採用」と、第五十八条第一項中「転任(職員の幹部職への任命に該当するものを除く。)」とあるのは「転任」と、同条第二項中「降任させる場合(職員の幹部職への任命に該当する場合を除く。)」とあるのは「降任させる場合」と、同条第三項中「転任(職員の幹部職への任命に該当するものを除く。)」とあるのは「転任」と、前条第一項中「、政令」とあるのは「、当該機関の職員が適格性審査を受ける場合その他の必要がある場合として政令で定める場合に限り、政令」とする。
- 2.警察庁の官職については、第六十一条の二、第六十一条の三、第六十一条の四第四項及び第六十一条の五の規定は適用せず、第五十七条、第五十八条、第六十一条の四第一項から第三項まで及び前条第一項の規定の適用については、第五十七条中「採用(職員の幹部職への任命に該当するものを除く。)」とあるのは「採用」と、第五十八条第一項中「転任(職員の幹部職への任命に該当するものを除く。)」とあるのは「転任」と、同条第二項中「降任させる場合(職員の幹部職への任命に該当する場合を除く。)」とあるのは「降任させる場合」と、同条第三項中「転任(職員の幹部職への任命に該当するものを除く。)」とあるのは「転任」と、第六十一条の四第一項中「に協議した上で、当該協議に基づいて行う」とあるのは「(任命権者が警察庁長官である場合にあつては、国家公安委員会を通じて内閣総理大臣及び内閣官房長官)に通知するものとする。この場合において、内閣総理大臣及び内閣官房長官は、任命権者(任命権者が警察庁長官である場合にあつては、国家公安委員会を通じて任命権者)に対し、当該幹部職に係る標準職務遂行能力を有しているか否かの観点から意見を述べることができる」と、同条第二項中「に協議する」とあるのは「(任命権者が警察庁長官である場合にあつては、国家公安委員会を通じて内閣総理大臣及び内閣官房長官)に通知する」と、「当該協議」とあるのは「当該通知」と、同条第三項中「内閣総理大臣及び内閣官房長官に通知するとともに、遅滞なく」とあるのは「遅滞なく」と、「に協議し、当該協議に基づいて必要な措置を講じなければならない」とあるのは「(任命権者が警察庁長官である場合にあつては、国家公安委員会を通じて内閣総理大臣及び内閣官房長官)に通知しなければならない。この場合において、内閣総理大臣及び内閣官房長官は、任命権者(任命権者が警察庁長官である場合にあつては、国家公安委員会を通じて任命権者)に対し、当該幹部職に係る標準職務遂行能力を有しているか否かの観点から意見を述べることができるものとする」と、前条第一項中「、政令」とあるのは「、当該機関の職員が適格性審査を受ける場合その他の必要がある場合として政令で定める場合に限り、政令」とする。
- 3.内閣法制局、宮内庁、外局として置かれる委員会(政令で定めるものを除く。)及び国家行政組織法第七条第五項に規定する実施庁の幹部職(これらの機関の長を除く。)については、第六十一条の四第四項の規定は適用せず、同条第一項及び第三項の規定の適用については、同条第一項中「内閣総理大臣」とあるのは「任命権者の属する機関に係る事項についての内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣(第三項において単に「主任の大臣」という。)を通じて内閣総理大臣」と、同条第三項中「内閣総理大臣」とあるのは「主任の大臣を通じて内閣総理大臣」とする。
この条文の基本情報
特殊性を有する幹部職等の特例とは何ですか?
定義特殊性を有する幹部職等の特例とは、国家公務員法第61条の8に定められた規定で、「法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣法制局、内閣府及びデジタル庁を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第61条の8(特殊性を有する幹部職等の特例)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第61条の8の条文原文は「法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣法制局、内閣府及びデジタル庁を除く。」で始まります。
- 国家公務員法第61条の8は第六款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第61条の8の前の条は国家公務員法第61条の7です。
- 国家公務員法第61条の8の次の条は国家公務員法第61条の9です。
- 国家公務員法第61条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第61条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第61条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/61_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法61条の8は、幹部人事の一元管理の特例を定める。検察庁や会計検査院などは適用除外、警察庁は協議でなく通知、実施庁などは主任の大臣を通じて協議する。
Q · 警察庁の幹部人事に、総理大臣や官房長官はどこまで関与できるの?
通知を受け、能力の観点から意見を述べるだけ
国家公務員法61条の8第2項により、警察庁の官職には適格性審査(61条の2)、幹部候補者名簿(61条の3)、総理側からの協議要求(61条の4第4項)、降任特例(61条の5)が適用されません。任免は総理大臣と官房長官への「協議」ではなく「通知」で足り、総理側は標準職務遂行能力を有しているかという観点に限って意見を述べられます。任命権者が警察庁長官の場合、通知も意見も国家公安委員会を通じて行います。
解説
2014年に内閣人事局ができて、各省の部長級以上、約600の幹部ポストの人事は首相官邸を通るようになった。内閣総理大臣が適格性審査を行い(61条の2)、幹部候補者名簿を作り(61条の3)、任命権者は総理大臣と官房長官に協議してから任命する(61条の4)。いわゆる「官邸主導人事」である。ただし、この仕組みは全省庁に同じ強さでかかってはいない。三つの段階がある。第1項:人事院、検察庁、会計検査院などは仕組みの外に置かれ、適格性審査も名簿も協議もない。第2項:警察庁は「協議」ではなく「通知」になり、総理と官房長官は標準職務遂行能力の観点から「意見」を述べられるだけである。第3項:内閣法制局、宮内庁、外局の委員会(政令で定めるものを除く)、国税庁や特許庁のような実施庁の幹部(長を除く)は、協議を主任の大臣経由で行い、総理側から協議を求める権限(61条の4第4項)も使えない。「官邸が霞が関の人事を全部握っている」というニュースの見出しを見たとき、どの役所が仕組みの外にいるのかを確かめられるかどうかで、ニュースの読み方が変わる。
法的な位置づけ
国家公務員法61条の8は、幹部職員人事の一元管理に関する特例規定である。内閣の直属機関、人事院、検察庁及び会計検査院の官職には61条の2から61条の5を適用せず、警察庁の官職では任免協議を通知と意見陳述に読み替え、内閣法制局・宮内庁・外局委員会・実施庁の幹部職(長を除く)では協議を主任の大臣経由とする。
よくある質問 AI による整理
Q1内閣人事局とは何ですか?
2014年に内閣官房に置かれた組織で、各府省の幹部職員人事を一元的に管理します。適格性審査や幹部候補者名簿の作成などの事務を担います。
Q2幹部職とはどの役職ですか?
国家公務員法34条が定義しており、事務次官、局長、部長など、内閣の重要政策の実施に関わる上位の官職を指します。
Q3国家公務員法61条の8で官邸人事の対象外となる機関は?
内閣の直属機関(内閣法制局、内閣府、デジタル庁を除く)、人事院、検察庁、会計検査院です。これらの官職には61条の2から61条の5が適用されません。
Q4幹部候補者名簿とは何ですか?
適格性審査に合格した者を載せる名簿で、内閣総理大臣が作成します(61条の3)。幹部職への任命は原則としてこの名簿の中から行われます。
Q5デジタル庁は61条の8の特例の対象ですか?
対象外です。第1項の括弧書きで内閣の直属機関から除かれているため、デジタル庁の幹部には通常どおり内閣人事局の一元管理の仕組みが適用されます。
Q6国税庁の幹部人事は官邸が決めますか?
国税庁は実施庁のため、長官以外の幹部職の任免協議は財務大臣を通じて総理大臣に行います(第3項)。総理側から協議を求める権限は使えません。
Q7幹部職の適格性審査とは何ですか?
幹部職に求められる標準職務遂行能力を有しているかを内閣総理大臣が確認する審査です(61条の2)。検察庁や警察庁の官職には適用されません。
Q8公正取引委員会の幹部人事は内閣人事局の対象ですか?
外局の委員会は原則として第3項の対象で、協議は主任の大臣を通じて行います。ただし政令で除外される委員会があるため、幹部職員の任用等に関する政令の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検察の幹部人事って、結局官邸が決めてるんじゃないんですか?
国家公務員法61条の8第1項により、検察庁の官職には内閣人事局の適格性審査、幹部候補者名簿、任免協議の規定が適用されません。ただし検事総長、次長検事、検事長の任免は検察庁法15条で内閣が行うので、トップ人事には内閣が関わります。実務のポイント:報道で問題になるのは、たいてい本条の仕組みではなく、内閣が直接任命するトップ層や定年、勤務延長の運用です
Q2警察庁の人事に首相が「意見」を言えるって、事実上の指示じゃないですか?
61条の8第2項では協議が通知に置き換わり、総理と官房長官は標準職務遂行能力を有しているかという観点に限って意見を述べられます。しかも警察庁長官が任命権者の場合は国家公安委員会を通じて行います。実務のポイント:法的な拘束力の有無と、実際の影響力は別の話です。意見がいつ、どの経路で伝わったかを示す記録が、検証の決め手になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「内閣人事局は全省庁の幹部人事を握っている」と思われがちだが、人事院、検察庁、会計検査院などでは、適格性審査、名簿、協議、降任特例の条文そのものが適用されない(第1項)。官邸が握っているのは霞が関のすべてではなく、全体の大部分にとどまる
- 警察庁が例外扱いだとは知っていても、その差の大きさまで知る人は少ない。協議は相手の合意を前提に進める手続だが、通知は知らせれば済む。総理と官房長官が述べられるのは「標準職務遂行能力を有しているか」という観点からの意見に限られる。国家公安委員会を挟む構造も合わせて、警察の政治的中立を守る二重の緩衝材になっている
- 「官邸人事は是か非か」という問いの立て方そのものが粗すぎる。法律は機関の性質(会計検査、捜査・公訴、治安、徴税・審査の実務)ごとに、官邸との距離をあらかじめ段階的に設計している。問うべきは、どの機関で、どの段階の関与が、どこまで及んでいるかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 任免時の総理・官房長官の関与 | 61条の8:対象外(第1項)/通知と意見(第2項・警察庁)/主任の大臣経由の協議(第3項) | 61条の4:原則として総理大臣・官房長官に協議し、協議に基づいて任免 61条の2:任免前提となる適格性審査を総理大臣が実施 |
| 総理側からの協議要求(61条の4第4項) | 第1項〜第3項のいずれの機関でも適用しない | 総理大臣・官房長官は任命権者に協議を求めることができる 該当なし |
| 適格性審査・幹部候補者名簿 | 第1項・第2項の機関は適用除外、第3項の機関は通常どおり適用 | 名簿登載者からの任命が前提 総理大臣が標準職務遂行能力を審査し名簿作成へ(61条の3) |
| 制度趣旨 | 検査・公訴・治安・実務執行機関の独立性や中立性の確保 | 縦割り人事を排し内閣が幹部人事を一元管理 幹部の能力を内閣が統一基準で確認 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では政務官と常務職の区分が明確で、検察官の人事は検察官人事審議委員会が関与する仕組みを持つ。行政権による検察人事への関与を制度で緩衝する点で本条第1項と問題意識が共通する
韓国は2006年に高位公務員団を導入し、幹部人事を政府横断で管理する。日本の内閣人事局制度に先行するモデルとして比較されることが多い
ドイツは次官等を政治的官吏とし、理由を示さず一時退職させられる。政治と幹部官僚の距離を官職単位で区分する点で、機関単位で区分する本条と対照的
米国は上級管理職(SES)の一部を政治任用とし、残りを職業公務員とする。司法省や会計検査院(GAO)の独立性は別の法制度で担保される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 検察幹部の人事をめぐる政治介入報道を見た。検察庁は第1項で官邸の適格性審査と任免協議の対象外である。ただ、2020年の検事長の勤務延長問題は、この条文ではなく定年と勤務延長の規定をめぐって起きた。制度の防火壁と、実際に火が回った経路は別物である
- 警察庁の局長人事が官邸の意向で決まったのでは?そう疑う記事が出たとき、第2項を知っていれば、官邸にあるのは協議の権限ではなく通知を受けて意見を述べる権限だと分かる。意見がどれだけ重く扱われたかは、別に検証しなければならない
- あなたは国税庁の課長で、来月の異動で部長級に上がる予定である。昇任の協議は財務大臣を通じて総理大臣に回る。官邸側から協議を求めることはできない(第3項)。あなたの人事を最初に動かすのは、官邸ではなく本省の大臣ラインである
取るべき行動
被害を受けた側:幹部登用や降任で不透明な扱いを受けたと感じる職員の場合:1. 自分の所属機関が本条第1項から第3項のどれに当たるかを確認し、適用される手続(協議、通知、大臣経由)を特定する2. 人事評価記録と、処分説明書が交付されたかどうかを確認する3. 降任など不利益処分に当たる場合は、人事院への審査請求(90条)を検討する。単なる転任は不利益処分に当たらない場合が多い点に注意
訴えられた側:手続違反を指摘された任命権者や人事担当の場合:1. 当該官職が本条のどの項の特例に当たるかを確認し、57条・58条の読替え後の文言で選考手続を再点検する2. 警察庁なら通知の記録と、総理・官房長官から受けた意見の扱い、実施庁なら主任の大臣を経由した協議の記録を保存する3. 外局委員会が政令の除外対象に当たるかは、幹部職員の任用等に関する政令で必ず確認する
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。不利益処分(降任など)に不服がある場合、人事院への審査請求は処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、処分があった日の翌日から1年以内に限られる(国家公務員法90条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年) 国家公務員法等の一部を改正する法律により、内閣人事局による幹部職員人事の一元管理とあわせ、特殊性を有する機関の特例として新設されたとみられる(要人的検証)
- 令和3年(2021年) デジタル庁の設置に伴い、第1項の除外機関にデジタル庁が加えられたとみられる(要人的検証)
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:内閣人事局の設置と幹部職員人事の一元管理を導入した国家公務員法改正にあわせ、61条の2から61条の7とともに特殊性を有する機関の特例として新設された
- 2.令和3年(2021年) 改正:デジタル庁の設置に伴い、第1項の「内閣の直属機関」から除く機関としてデジタル庁が加えられた。デジタル庁の幹部には通常どおり一元管理の仕組みが適用される
- 国家公務員法 第61条の2適格性審査、本条で適用除外
- 国家公務員法 第61条の3幹部候補者名簿、本条で適用除外
- 国家公務員法 第61条の4任免協議、本条で通知等に読替え
- 国家公務員法 第61条の5幹部職員の降任特例の適用除外
- 国家公務員法 第58条昇任・降任・転任の方法の読替え
- 警察法 第16条警察庁長官の任免と国家公安委員会
- 検察庁法 第15条検事総長等の内閣による任免
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