国家公務員法 第84条(懲戒権者)
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- 懲戒処分は、任命権者が、これを行う。
- 2.人事院は、この法律に規定された調査を経て職員を懲戒手続に付することができる。
この条文の基本情報
懲戒権者とは何ですか?
定義懲戒権者とは、国家公務員法第84条に定められた規定で、「懲戒処分は、任命権者が、これを行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第84条(懲戒権者)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第84条の条文原文は「懲戒処分は、任命権者が、これを行う。」で始まります。
- 国家公務員法第84条は第二款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第84条の前の条は国家公務員法第83条です。
- 国家公務員法第84条の次の条は国家公務員法第84条の2です。
- 国家公務員法第84条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第84条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第84条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/84
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法84条は、懲戒処分を任命権者が行うと定め、人事院も同法に規定された調査を経て職員を懲戒手続に付すことができるとする規定である。
Q · 国家公務員の懲戒処分って、結局だれが決めるの?
原則は任命権者、例外的に人事院も懲戒手続に付せる
国家公務員法84条1項により、懲戒処分は任命権者(大臣や庁の長など、55条)が行います。任命権が委任されていれば、委任を受けた局長や出先機関の長も懲戒権者になります。さらに同条2項により、人事院は同法に定める調査を経て、職員を自ら懲戒手続に付すことができます。処分に不服がある場合は、処分説明書(89条)を受け取ってから3か月以内に人事院へ審査請求(90条)を行います。
解説
国家公務員を懲戒できる者は一人ではない。本条第1項は、懲戒処分(免職・停職・減給・戒告の四種、82条)を下すのは「任命権者」、つまりその職員を採用した大臣や庁の長(55条)だと定める。ここまでは想像どおりだろう。見落とされやすいのは第2項だ。人事院は、この法律に定める調査を行ったうえで、職員を自ら懲戒手続に付すことができる。ふだん懲戒の判断は所属組織の中で完結している。ただ、組織が身内をかばって処分を見送ったり軽くしたりしたときでも、制度の上では外に人事院という第二の懲戒ルートが残っている。もっとも、人事院がこの権限を使った例は多くない。それでも、懲戒権者が誰かが分かれば、処分への不服をどこへ出すか、誰の判断を問題にするかが決まる。処分を受ける側なら、処分説明書(89条)に書かれた処分者の名前が、審査請求(90条)で争う相手になる。
法的な位置づけ
国家公務員法84条は、国家公務員に対する懲戒処分の権限の所在を定める規定である。第1項は懲戒処分を任命権者が行うとし、第2項は人事院が同法所定の調査を経て職員を懲戒手続に付することができるとする。懲戒の種類と事由は82条、任命権者の範囲と委任は55条が定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.処分説明書の処分者と日付を確認 処分説明書(国家公務員法89条)を受け取ったら、処分理由より先に処分者の氏名・職名、処分日、受領日を確認し、審査請求の期限(受領日の翌日から3か月)をカレンダーに記録する
- 2.処分者の任命権(委任)を確かめる 処分者が大臣など本来の任命権者でない場合、55条2項に基づく任命権の委任があるか、各省の訓令などの委任根拠を確認する。委任がなければ権限のない者による処分として争う筋が立つ
- 3.量定を懲戒処分の指針と比べる 人事院の「懲戒処分の指針」に示された標準例と自分の非違行為を照らし合わせ、処分の種類・程度が重すぎないか、同種事案との均衡を欠いていないかを検討する
- 4.期限内に人事院へ審査請求 手続の瑕疵と量定の問題を整理し、期限内に人事院へ審査請求(90条)を行う。口頭審理を求めるかどうかもこの段階で判断する。必要に応じて弁護士に相談する
- 5.裁決後に取消訴訟を検討 人事院の裁決に納得できない場合、裁決があったことを知った日から6か月以内に取消訴訟を提起する(国家公務員法92条の2、行政事件訴訟法14条)
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員の懲戒権者とは?
懲戒処分を行う権限を持つ者のことで、国家公務員法84条1項により任命権者(大臣・庁の長など)がこれにあたります。任命権の委任を受けた者も含まれます。
Q2国家公務員の懲戒処分の種類は?
国家公務員法82条が定める免職・停職・減給・戒告の4種類です。訓告や厳重注意は法律上の懲戒処分ではなく、事実上の措置と扱われます。
Q3訓告は懲戒処分に入る?
入りません。訓告は懲戒権者が行う法定の4種の処分に含まれない事実上の措置で、人事院への審査請求の対象にならないのが原則とされています。
Q4懲戒処分の審査請求はいつまで?
処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に人事院へ申し立てます(国家公務員法90条の2)。
Q5懲戒処分の取消訴訟はすぐ起こせる?
原則として起こせません。国家公務員法92条の2により、人事院への審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消訴訟を提起できない仕組みです。
Q6懲戒免職になると退職金はどうなる?
国家公務員退職手当法により、懲戒免職の場合は退職手当の全部または一部を支給しない処分が行われる方向で扱われます。退職後に返納を命じられる仕組みもあります。
Q7処分説明書がもらえないのは違法?
国家公務員法89条は、懲戒処分などを行う際に処分の事由を記載した説明書を交付するよう求めています。交付がなければ手続上の問題として争点になり得ます。
Q8公務員の懲戒処分は公表される?
人事院の「懲戒処分の公表指針」に沿って、免職・停職など一定の処分は原則公表の対象とされています。公表の範囲は事案の性質や被害者への配慮で調整されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1出先の局長から処分されたんですけど、大臣じゃなくても懲戒ってできるんですか?
任命権が局長などに委任されていれば(国家公務員法55条2項)、その者も本条の任命権者として懲戒できると解されている。逆に、委任がないのに処分していれば権限のない者による処分になる。実務のポイント:委任の根拠は各省の訓令などで決められていて、処分説明書には書かれていないことが多い。審査請求の段階で委任の根拠規定を開示するよう求めると、処分側の弱点が見つかることがある
Q2人事院が直接処分することって本当にあるんですか?
本条2項に基づき、人事院は法律上の調査を経たうえで職員を懲戒手続に付すことができる。ただし実際に使われた例は多くなく、ふだんは所属組織が懲戒している。実務のポイント:この権限は、めったに使われないからこそ、組織に「内部で握りつぶすと外から介入されうる」という緊張を与える働きをしている。記録つきの申出があると、組織の側は放置しにくくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「上司に叱られて始末書を書かされた。これで懲戒処分を受けた」と思い込む人は多いが、懲戒処分は本条の懲戒権者が下す免職・停職・減給・戒告の四種だけだ。訓告や厳重注意は法律上の懲戒処分ではない事実上の措置で、人事院への審査請求の対象にならないのが原則とされている。何を受けたのかを取り違えると、争う道の選び方も間違える
- 「懲戒処分される前に辞めれば逃げ切れる」という考えは半分しか当たっていない。退職した人は職員ではないので、懲戒処分自体はもうできない。ところが国家公務員退職手当法には、懲戒免職に相当する行為があった場合に退職手当の支給を差し止めたり、支払った手当の返納を命じたりする仕組みがある。懲戒の網から抜けても、お金の網は残っている
- 処分を受けた職員から見れば、問題は「処分が重すぎる」ことにある。しかし法律上まず確認されるのは、正しい懲戒権者が、処分説明書を交付するなどの正しい手続で処分したかどうかだ。量定の重さだけを訴えて手続の瑕疵を見逃すと、使えたはずの論点を自分で捨てることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 84条:懲戒処分を行う者(任命権者+人事院の手続権限) | 82条:懲戒事由と処分の4種類(免職・停職・減給・戒告) 55条:任命権者の範囲と任命権の委任 |
| 処分を受けた職員の確認ポイント | 処分者に懲戒権があるか | 懲戒事由に該当するか、処分の種類は適切か 処分者に任命権が委任されているか |
| 争い方との関係 | 権限のない者の処分は手続違法として取消しの筋が立つ | 事由不該当・量定過重を審査請求で主張 委任の根拠規定の開示を求めて検証 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は懲戒法院が懲戒を審理する司法型を基本とし、一定職等以下の記過・申誡は主管長官が直接行える二元構造。日本の任命権者中心型とは設計が異なる
韓国は懲戒委員会の議決を経て任命権者などが処分する方式で、委員会の関与が制度上組み込まれている
ドイツでは軽い処分は上司(Dienstvorgesetzte)の処分決定で行い、免職などの重い処分は行政裁判所への懲戒訴えを要する
米国連邦職員は各機関が不利益処分を行い、不服は独立機関の MSPB(功績制度保護委員会)へ申し立てる。人事院の審査機能と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 省庁の上司からパワハラを受け、内部の相談窓口に訴えた。ところが半年たっても加害者は処分されず、昇任までしている。こういうとき人事院に第2項の権限があると知っていれば、人事院の苦情相談などの外部窓口に経緯を記録つきで持ち込む、という次の一手が見えてくる
- もし出先機関の所長名義で停職処分を受けたら、その処分は有効なのか? 任命権が所長に委任されていれば(55条2項)、所長は正式な懲戒権者になる。委任の有無と範囲を確かめることが、争い方の最初の分かれ道になる
- 処分説明書を受け取った日から、審査請求の期限である3か月のカウントが始まっている。机の引き出しにしまい込んでいる間にも、期限は減り続ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公務員の非違行為で被害を受けたら、日時・発言・証拠を記録し、所属省庁の相談窓口へ書面で申し出る2. 回答の有無と日付を保存する3. 放置されたら、その記録を添えて人事院の相談窓口に経緯を伝える4. 金銭的な救済は懲戒とは別の手続で、国家賠償法1条による請求を検討する
訴えられた側:1. 処分説明書(89条)の処分者・処分理由・日付を確認する2. 処分者に任命権(委任を含む)があるか確かめる3. 人事院の「懲戒処分の指針」の標準例と比べて、量定が重すぎないか検討する4. 期限内に人事院へ審査請求(90条)を出し、口頭審理を求めるかどうかを判断する5. 取消訴訟は原則として人事院の裁決を経た後でなければ起こせない(92条の2)
時効(請求できる期限):人事院への審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から起算して3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)。裁決後の取消訴訟は、裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・判例:懲戒権は任命権と一体として任命権者に帰属し、処分の選択には裁量が認められる。ただし権限のない者による処分や、処分説明書の不交付など手続の瑕疵は、量定とは別に処分の違法事由となり得る。
- 国家公務員法 第82条懲戒事由と処分の四種類
- 国家公務員法 第55条任命権者の範囲と委任
- 国家公務員法 第89条処分説明書の交付義務
- 国家公務員法 第90条人事院への審査請求
- 国家公務員法 第92条の2取消訴訟の審査請求前置
- 国家公務員退職手当法 第12条懲戒免職時の退職手当支給制限
- 行政事件訴訟法 第14条取消訴訟の出訴期間
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