児童福祉法 第37条
クイックジャンプ
乳児院は、乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む。)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第37条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第37条の条文原文は「乳児院は、乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む。」で始まります。
- 児童福祉法第37条は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第37条の前の条は児童福祉法第36条です。
- 児童福祉法第37条の次の条は児童福祉法第38条です。
- 児童福祉法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法37条は、乳児院を、乳児を入院させて養育し、退院した者への相談援助も行う施設と定める。特に必要な場合は幼児も対象となる。
Q · 乳児院にいる子どもは、1歳になったら必ず別の施設に移らないといけないの?
特に必要な場合は、1歳を過ぎても乳児院に残れる
児童福祉法37条は、乳児院の対象を原則として乳児(1歳未満)としつつ、括弧書きで「保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合」には幼児(小学校就学前まで)を含むと定めています。医療的ケアが必要な場合や、担当職員との愛着関係を保つ必要がある場合などには、年齢だけを理由に自動的に児童養護施設(同法41条)へ移す必要はありません。措置変更は児童相談所が判断します。
解説
乳児院と聞いて、赤ちゃんが並ぶ静かな部屋を思い浮かべたなら、条文はその想像を二か所で裏切る。第一に、乳児院に入るのは乳児(1歳未満)だけではない。「保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む」と書いてある。つまり小学校入学前の子どもも、事情によっては乳児院で育つ。この括弧書きは2004年(平成16年)改正で入ったもので、それ以前は1歳になれば原則として児童養護施設へ移すしかなかった。愛着形成の途中で環境を切り替えることの害が、立法で認められた瞬間である。第二に、乳児院の仕事は「養育」だけで終わらない。条文は「あわせて退院した者について相談その他の援助を行う」と続く。子どもが家庭に戻ったあと、あるいは里親に委託されたあとも、乳児院には相談に応じる法的責務が残る。あなたが実親でも里親でも、退院後に困ったとき、乳児院に連絡する権利は条文上ここに根拠がある。
法的な位置づけ
乳児院とは、児童福祉法37条に基づく児童福祉施設であり、乳児を入院させて養育するとともに、退院した者に対する相談その他の援助を行うことを目的とする。保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要がある場合には、幼児も入院の対象となる。入所は主に同法27条1項3号の措置による。
手順
- 1.養育の限界を感じたら早めに相談する 市区町村の子ども家庭支援窓口または児童相談所(全国共通ダイヤル189)に連絡する。睡眠時間、支援者の有無、通院歴などを時系列でメモにして持参すると状況が伝わりやすい
- 2.児童相談所の調査・判断を受ける 児童相談所が家庭状況を確認し、一時保護や在宅支援、乳児院への入所措置(児童福祉法27条1項3号)など支援方針を検討する。措置内容と理由の説明を受け、教示文を確認する
- 3.入所中は面会と生活再建の記録を積み上げる 面会・通信を継続し、通院や支援機関の利用実績を記録する。家庭復帰の判断では客観的な変化が重視される
- 4.退院後の困りごとは元の乳児院に相談する 家庭復帰や里親委託の後に育児上の不安が生じたら、児童福祉法37条後段の相談援助を根拠に、子どもの生育歴を把握している元の乳児院へ連絡する
よくある質問 AI による整理
Q1乳児院とはどんな施設ですか?
児童福祉法37条に基づき、乳児を入院させて養育する児童福祉施設です。特に必要な場合は幼児も対象とし、退院後の相談援助も行います。
Q2乳児院には何歳まで入れますか?
原則は1歳未満の乳児ですが、保健上や生活環境の安定のため特に必要な場合は、小学校就学前の幼児まで入所できます(児童福祉法37条・4条)。
Q3乳児院に預ける方法は?
市区町村の子ども家庭支援窓口や児童相談所に相談し、児童相談所の判断により都道府県の入所措置(児童福祉法27条1項3号)で入所するのが基本です。
Q4乳児院の費用はいくらかかりますか?
措置費は公費で賄われ、保護者は所得に応じた費用徴収を受ける仕組みです。具体的な額は自治体と世帯の状況で異なるため、児童相談所に確認してください。
Q5乳児院に入っている間、面会はできますか?
原則として親子の面会や通信は可能です。虐待事案などで制限される場合は、児童虐待防止法等に基づく別の手続が必要になります。
Q6乳児院と児童養護施設の違いは?
乳児院は乳児(必要なら幼児)を、児童養護施設(児童福祉法41条)は主に乳児以外の児童を養育します。年齢で役割分担されていますが、境界は柔軟です。
Q7乳児院を退院したあとも相談できる?
できます。児童福祉法37条は退院した者への相談その他の援助を乳児院の目的として明記しており、家庭復帰後や里親委託後も相談できます。
Q8乳児院に入った子はどこへ退院する?
家庭復帰のほか、里親委託、特別養子縁組、児童養護施設への措置変更などがあります。家庭養育優先原則(児童福祉法3条の2)により家庭的環境が優先されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1乳児院って、一度預けたら何年も戻ってこないんですか?
実際には短期利用が相当数を占め、数週間から数か月で家庭復帰する例も多い。目的は分離の固定ではなく、養育環境の立て直しである(児童福祉法37条、27条1項3号)。実務のポイント:児童相談所は家庭復帰の判断で「親の反省の言葉」より客観的変化を見る。通院の継続記録、支援機関の利用実績、面会の頻度。この三つを最初から積み上げている家庭は、復帰の時期が明確に早い
Q21歳を過ぎたら必ず別の施設に移されるんですよね?
そうとは限らない。37条の括弧書きは、保健上の理由や安定した生活環境の確保のため特に必要な場合に幼児も対象とする。2004年改正で明文化された部分である。実務のポイント:措置変更は児童相談所の判断で動くが、施設側の意見書が実務上大きな重みを持つ。担当職員に「継続が必要と考える理由を書面で出してもらえますか」と依頼できることを、家族側はほとんど知らない
Q3里親に委託されたあとで困ったら、乳児院には相談できないんですか?
できる。37条は「あわせて退院した者について相談その他の援助を行う」と目的に書き込んでおり、退院後の相談援助は施設の法的機能である。里親支援専門相談員を置く乳児院もある。実務のポイント:委託直後の数か月が最も崩れやすい時期で、ここで孤立すると委託解除に至る。元の乳児院は子どもの生育歴を最も詳しく持つ機関であり、児童相談所より具体的な助言が出てくることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「乳児院は親のいない赤ちゃんが入るところ」という理解は、実態と大きくずれている。厚生労働省の調査では、入所児の大半に親が存在し、主な入所理由は親の精神疾患、虐待、経済的困窮、養育困難である。親がいるからこそ入るのが乳児院だと、認識を入れ替える必要がある
- 乳児院は1歳未満までと思われているが、条文の括弧書きは幼児(満1歳から小学校就学前、児童福祉法4条)まで射程に入れている。2004年改正の趣旨は、年齢だけで機械的に施設を移すことの害を避けることにあった。1歳を過ぎたから自動的に転所、というのは法の要求ではない
- 「乳児院に預けたら親権を失う」という恐怖が相談を遅らせている。だがこれは問いの立て方そのものが誤っている。入所措置(児童福祉法27条1項3号)は親権の喪失や停止とは別の制度で、親権停止は家庭裁判所の審判(民法834条の2)を要する。混同したまま相談を避けることが、結果として最も重い介入を招く
- 退院したら乳児院との関係は終わりだと当事者も支援者も思いがちだが、条文は「あわせて退院した者について相談その他の援助を行う」と明記している。相談援助は施設の好意ではなく、目的規定に書き込まれた機能である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 児童福祉法37条(乳児院):乳児。特に必要な場合は幼児を含む | 児童福祉法41条(児童養護施設):乳児を除く児童。特に必要な場合は乳児を含む |
| 主な機能 | 入院させて養育+退院者への相談その他の援助 | 入所させて養護+退所者への相談その他の自立支援 |
| 入所の経路 | 児童相談所の判断に基づく入所措置(児童福祉法27条1項3号) | 同じく児童福祉法27条1項3号の入所措置 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は乳児専用の施設類型を独立させず、安置及教養機構の中で乳幼児も養育する。家庭寄養(里親)優先の方向性は日本と共通
韓国は아동양육시설が乳幼児から児童までを一体的に養育する設計で、年齢による施設区分は日本より緩やか
ドイツはHeimerziehungを家族への復帰準備または自立支援として位置付け、乳幼児は里親(Vollzeitpflege, § 33)が優先される運用
米国は施設養護への連邦補助を厳しく制限し、里親・親族養育を原則とする。乳幼児の施設養育は例外的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 産後うつが重く、夫も単身赴任で頼れる親族がいない。児童相談所に相談したら乳児院の利用を勧められた。これは「子どもを取り上げられる」話ではなく、37条の養育機能を一時的に使う話である。母子分離を恐れて相談を避けた結果、虐待通告というもっと重い経路で介入されるケースの方が多い
- 1歳の誕生日が近づいた入所児について、児童相談所が児童養護施設への措置変更を検討している。だが子どもは重い医療的ケアを要し、担当保育士との愛着関係も安定している。37条の括弧書きを根拠に「保健上の理由」「安定した生活環境の確保」で乳児院継続を主張できる。この一文を知っているかどうかで、児童福祉審議会での議論の組み立てが変わる
- 里親としてようやく委託を受けた。だが夜泣きが止まらず、ミルクも受けつけない。誰に聞けばいいのか。答えは条文の後段にある。退院した者への相談援助は乳児院の目的そのもので、「もう関係ない施設」ではない
- もし、あなたが乳児院の職員で、退院後3か月の家庭から虐待を疑わせる相談が入ったとしたら? 37条の相談援助義務と、児童福祉法25条の通告義務が同時に立ち上がる。動けるのは今日と明日だけかもしれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 養育が限界に近いと感じたら、市区町村の子ども家庭支援窓口または児童相談所(全国共通ダイヤル189)に相談。状況により一時保護や27条1項3号の入所措置が検討される2. 相談時は事実を時系列で書いたメモを持参、睡眠時間・支援者の有無・医療受診歴を具体的に3. 入所となっても親子の面会・通信は原則可能、制限には別途手続が要る(児童福祉法12条の4関連の運用を確認) 4. 退院後に不安が出たら、37条後段を根拠に元の乳児院へ相談してよい
訴えられた側:1. 虐待を疑われて調査が入った場合、感情的に拒絶せず事実関係を整理して提示。調査拒否は立入調査・臨検(児童福祉法29条、9条の3関連)という重い手続を招く2. 入所措置に不服がある場合、都道府県知事の措置は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、審査請求または取消訴訟の対象になりうる。教示文を必ず確認3. 家庭復帰を目指すなら、児童相談所の支援計画に沿った具体的行動の記録を残す。「反省している」という言葉より通院記録と面会実績が効く
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし入所措置の期間は原則2年を超えられず、必要なら更新される(児童福祉法28条2項の承認事案)。措置決定に対する審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)
学説
家庭養育優先原則との調和:児童福祉法3条の2の家庭養育優先原則のもと、乳児院は長期養育の場ではなく、家庭復帰や里親委託につなぐ一時的・専門的な養育機関と位置付けられる。後段の相談援助はその出口支援の法的根拠とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)改正 対象を乳児に限定していた規定に括弧書きを追加し、保健上その他特に必要な場合には幼児も入所できるものとした。あわせて退院者への相談援助を目的に加えたとされるが、追加時期および文言の変遷は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法制定時に、乳児を入院させて養育することを目的とする施設として規定
- 2.平成16年(2004年) 改正:特に必要な場合には幼児を含む旨の括弧書きを追加し、退院者への相談その他の援助を目的に加えた(文言変遷の詳細は原典で要確認)
- 児童福祉法 第4条乳児・幼児の定義、本条の対象範囲を画する
- 児童福祉法 第7条児童福祉施設の種別列挙、乳児院の位置付け
- 児童福祉法 第41条児童養護施設の目的、年長児への接続先
- 児童福祉法 第27条入所措置の決定権限、本条施設への入口
- 児童福祉法 第45条施設の設備運営基準の省令委任
- 児童福祉法 第3条の2家庭養育優先原則、施設措置の位置付けを規律
- 民法 第817条の2特別養子縁組、退院後の恒久的家庭への接続
- 児童虐待の防止等に関する法律 第8条虐待通告後の保護、入所措置に至る経路
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める