刑事訴訟法 第106条
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公判廷外における差押え又は捜索は、差押状又は捜索状を発してこれをしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第106条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第106条の条文原文は「公判廷外における差押え又は捜索は、差押状又は捜索状を発してこれをしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第106条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第106条の前の条は刑事訴訟法第105条の2です。
- 刑事訴訟法第106条の次の条は刑事訴訟法第107条です。
- 刑事訴訟法第106条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第106条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第106条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/106
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法106条は、公判廷外での差押え・記録命令付差押え・捜索には、差押状・記録命令付差押状・捜索状という令状を発しなければならないと定める。
Q · 裁判所が法廷の外で差押えや捜索をするとき、令状なしでもできるんですか?
原則として令状が必要で、令状なしの捜索・押収は違法になりえます
刑事訴訟法106条により、公判廷外での差押え・記録命令付差押え・捜索には、差押状・記録命令付差押状・捜索状という令状を必ず発しなければなりません。法廷の中(裁判所の面前)では令状は不要ですが、その目の届かない外へ出た瞬間に紙の根拠が要求されます。この令状主義は憲法35条を受けたもので、捜査機関による強制処分(刑訴法218条)も同じ原則の上に立っています。記載された場所・物の範囲を超えた押収・捜索は違法と評価され、後に証拠能力を争う入口になります。
解説
裁判所が法廷の外で証拠物を差し押さえたり、誰かの家を捜索したりするとき、口頭の命令だけでは足りない。106条は、公判廷の外で行う差押え、記録命令付差押え、捜索には、必ず令状(差押状・記録命令付差押状・捜索状)を発しなければならないと定める。法廷という監視の効いた場所を一歩出た瞬間、権力の行使には紙の根拠が要るということだ。これは単なる事務手続ではない。捜査段階で警察があなたの家に踏み込む218条も、この同じ令状主義の上に立っている。令状なき押収・捜索は、後にその証拠能力を否定されうる入口になる。あなたが知るべきは、目の前に差し出された一枚の紙が、何を、どこまで許可しているのかを読む力である。記録命令付差押えという耳慣れない言葉は、スマホやクラウドの中のデータ(電磁的記録)を対象にした新しい押収の形を指す。
法的な位置づけ
刑事訴訟法106条は、公判廷外における差押え、記録命令付差押え及び捜索について令状を要求する規定である。裁判所がこれらの強制処分を法廷外で行う場合、差押状・記録命令付差押状・捜索状のいずれかを発する必要があり、令状なき押収・捜索は違法と評価されうる。記録命令付差押えは電磁的記録を対象とする押収形態を指す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.令状の呈示を求めて記載を確認 捜索差押えに立ち会うとき、まず刑訴法110条に基づき令状の呈示を求める。『捜索すべき場所』『差し押さえるべき物』『有効期間』を声に出して確認し、写真かメモで記録する
- 2.範囲外の捜索・押収をその場で記録 令状に記載のない場所や物に手が及んだ瞬間、その内容を日時とともに記録し、口頭で異議を述べる。記憶ではなく客観的記録だけが後の主張で武器になる
- 3.押収品目録の交付を必ず受ける 押収を受けたら刑訴法120条に基づき押収品目録の交付を求める。目録に記載された物と実際に消えた物を照合できる唯一の根拠になる
- 4.範囲逸脱には準抗告と弁護士相談 令状の範囲を超えた押収には準抗告(刑訴法430条)で取消しを求められる。令状の写しと押収品目録を持って早急に弁護士に相談し、証拠排除の主張を組み立てる
よくある質問 AI による整理
Q1令状主義とは何ですか?
強制処分には中立の裁判官が発する令状を要するという原則です。刑訴法106条・憲法35条が根拠で、令状なき捜索・押収は原則違法になります。
Q2記録命令付差押えとは何ですか?
電磁的記録(スマホやクラウド内のデータ)を対象に、記録媒体の保有者へ記録を提供・印刷させて差し押さえる押収形態です。平成23年に新設されました。
Q3差押状と捜索状は何が違うのですか?
差押状は物の占有を強制的に取得する令状、捜索状は人の身体・物・住居を探す令状です。刑訴法106条はいずれも公判廷外では令状を要すると定めます。
Q4公判廷の中なら令状はいらないのですか?
はい。裁判所の面前である公判廷内の差押え・捜索には令状を要しません。監視の効いた法廷を出た瞬間に令状が必要になる構造です。
Q5捜索差押許可状の有効期間はどれくらいですか?
裁判官が令状ごとに定めますが、実務上は原則7日以内が一般的です。期間を過ぎた執行は違法になります(最新の運用はご確認ください)。
Q6令状に書いてない物まで押収されたらどうなりますか?
記載のない物の押収は範囲を逸脱した違法処分です。準抗告(刑訴法430条)で取消しを求められ、証拠能力も争えます。
Q7クラウド上のデータも差し押さえられますか?
記録命令付差押えにより対象になりえます。電磁的記録の保有者に記録を提供・印刷させて差し押さえる仕組みです。
Q8捜索のとき令状の呈示は求められますか?
求められます。刑訴法110条は執行に当たり令状を処分を受ける者に呈示すべき旨を定めます。場所・物・有効期間を確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察が令状なしで家に入ってきたら、追い返していいんですか?
原則として令状なしの捜索は拒否できる。憲法35条と刑訴法の令状主義がそれを保障している。ただし例外があり、現行犯逮捕や逮捕の現場では令状なしの捜索・差押えが許される(刑訴法220条)。また、あなたが任意に同意すれば令状は不要になる。実務のポイント:現場で『同意しますか』と聞かれて頷くと、その瞬間に令状主義の盾を自分から下ろすことになる。安易に頷かず、まず令状の呈示を求めるのが鉄則だ
Q2令状に書いてないパソコンまで持っていかれたんですが、取り返せますか?
取り返せる可能性がある。令状に記載のない物の押収は範囲を逸脱した違法な処分で、押収処分の取消しを求める準抗告(刑訴法430条)を裁判所に申し立てられる。違法と認められれば、その証拠が公判で使えなくなることもある。実務のポイント:範囲外押収を争う鍵は『その場の記録』だ。令状の記載と実際に持ち出された物のズレを写真やメモで残した人だけが後で勝てる。記憶だけでは水掛け論になりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 『令状があるなら何でも取られて当然』と思い込みがちだが、令状は記載された『場所』と『物』に限って効力を持つ。記載のない物や場所への押収・捜索は違法で、後に証拠から排除されうる
- 令状が必要なことは知っていても、その令状に『有効期間』があり、期間を過ぎた執行は違法になることまでは意識されていない。一枚の紙にも使える期限がある
- 『拒否すれば捜索を止められる』という問いの立て方そのものが誤っている。適法な令状による捜索は拒否できず、抵抗すれば公務執行妨害になりうる。本当に問うべきは『どう止めるか』ではなく『範囲をどう記録するか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 106条:公判廷外の差押え・記録命令付差押え・捜索に令状を要求 | 99条:裁判所の差押え・記録命令付差押えの実体的権限 218条:捜査機関による令状主義の対応規定 |
| 主体 | 裁判所(公判廷外での執行) | 裁判所(押収権限そのもの) 検察官・警察官など捜査機関 |
| 令状の記載要件 | 令状を発すること自体を要求 | 押収の対象・範囲を画定 107条と同様の記載特定性が前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も搜索票・扣押について令状(または法定の例外)を要する令状主義を採る。違法搜索の証拠排除も明文・判例で議論される点が日本と類似する。
韓国は押収・捜索・検証について裁判官の令状(영장)を要求する。違法収集証拠の排除も明文化されており、日本と近い構造をとる。
ドイツは捜索について原則として裁判官の命令(Richtervorbehalt)を要し、急速を要する場合に検察官・警察の命令を例外的に認める。事前の司法審査を重視する点が共通する。
米国は捜索・押収に相当の理由(probable cause)に基づく令状を原則とし、場所と物の特定(particularity)を要求する。日本の令状主義はこの英米型審査を戦後に受容したもの。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、ある朝あなたの自宅に令状を持った捜査員が現れたら、最初の数分で何を確認すべきか。令状の『有効期間』『捜索すべき場所』『差し押さえるべき物』を読まないまま立ち会えば、記載範囲を超えた捜索も気付かないまま通してしまう。確認できる時間は、踏み込まれた最初の数分しかない
- 取引先が摘発され、あなたの会社にも捜索が入った。サーバー内のデータが記録命令付差押えで持ち出される。令状に書かれた範囲外のデータまで含まれていないか、その場で確認して記録できるのはあなただけだ
- 家族が逮捕され、自宅が捜索された。残されたあなたの手元には一枚の押収品目録だけ。そこに書かれた物と、実際に部屋から消えた物が一致しているか、あなたには照合する権利がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 令状の呈示を求める(刑訴法110条)、写真撮影かメモで『捜索すべき場所』『差し押さえるべき物』『有効期間』を記録2. 範囲外への立ち入りや押収があれば、その場で口頭で異議を述べ、日時と内容を残す3. 押収されたら押収品目録の交付を必ず受ける(刑訴法120条) 4. 範囲を超えた押収には準抗告(刑訴法430条)で取消しを求められる。令状の写しと目録を持って弁護士に早急に相談する
訴えられた側:1. 違法な手続で集められた証拠は証拠能力を争える(違法収集証拠排除法則、最高裁判例で確立)、令状の瑕疵や範囲逸脱を一つずつ拾う2. 黙秘権を行使し、押収現場でのやり取りも弁護人と共有3. 令状記載の特定性(『一切の物』のような包括的記載は違法の疑い)を弁護人と検討4. 準抗告および本案での証拠排除の申立てを早期に組み立てる
時効(請求できる期限):捜索差押許可状には裁判官が定める有効期間があり(実務上は原則7日以内)、期間経過後の執行は違法。押収処分への準抗告(刑訴法430条)に法定の出訴期間はないが、押収状態が続く間に速やかに行うのが実務(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:106条の令状主義は憲法35条の具体化であり、令状には捜索すべき場所・差し押さえるべき物の特定が要求される。『一切の物』のような包括的記載は特定性を欠き違法の疑いがあるとされ、範囲逸脱の押収は違法収集証拠排除法則の対象となりうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年) 情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正により『記録命令付差押え』及び『記録命令付差押状』が新設され、本条の文言にもこれらが追加された。電磁的記録を対象とする新たな押収手段が、デジタル時代に対応して導入された
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、公判廷外の差押え・捜索に令状を要求する令状主義の規定として置かれた。
- 2.平成23年(2011年) 改正:情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正により『記録命令付差押え』及び『記録命令付差押状』が新設され、本条の文言にも追加。電磁的記録を対象とする押収手段がデジタル時代に対応して導入された。
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