刑事訴訟法 第162条
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裁判所は、必要があるときは、決定で指定の場所に証人の同行を命ずることができる。証人が正当な理由がなく同行に応じないときは、これを勾引することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第162条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第162条の条文原文は「裁判所は、必要があるときは、決定で指定の場所に証人の同行を命ずることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第162条は第十一章 証人尋問に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第162条の前の条は刑事訴訟法第161条です。
- 刑事訴訟法第162条の次の条は刑事訴訟法第163条です。
- 刑事訴訟法第162条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第162条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第162条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/162
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法162条は、裁判所が決定で指定の場所への証人の同行を命じ、正当な理由なく応じない証人を勾引できると定める。被告人だけでなく第三者の証人も対象となる。
Q · 証人として呼ばれて行かなかったら、本当に強制連行されるの?
原則は勾引されうるが、正当な理由があれば別
刑事訴訟法162条により、裁判所は決定で指定の場所への証人の同行を命じることができ、証人が正当な理由なく応じないときは勾引、つまり身柄を強制的に裁判所へ連れて行くことができます。対象は被告人に限らず、事件と無関係な目撃者である証人も含まれます。過料(150条)や罰金(151条)とは別系統の制度で、罰を払っても出頭義務は消えません。分かれ目は「正当な理由」の有無であり、入院・葬儀など真にやむを得ない事情は期日前に書面で申し出る必要があります。
解説
事件の現場をたまたま目撃した。それだけで、あなたは刑事裁判に強制的に巻き込まれる立場になりうる。刑事訴訟法162条は、裁判所が必要と判断したとき、決定で指定の場所(法廷だけでなく、事件現場や病院など)に証人を同行させ、正当な理由なく応じなければ勾引(身柄を強制的に裁判所へ連れて行く処分)できると定める。多くの人がここで誤解するのは、勾引は被告人や容疑者だけの話だと思い込んでいる点だ。証人、つまり事件と直接関係のない第三者でも、裁判所の出頭命令を無視し続ければ、身柄拘束の対象になる。しかもこれは過料や罰金(150条、151条)とは別系統の制度で、罰を受けた上にさらに強制連行されることもありうる。あなたが握っておくべきカギは一つ、勾引を分けるのは「正当な理由」の有無であり、何が正当な理由になるのかを事前に把握しているかどうかだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法162条は証人の同行命令と勾引を定める規定であり、裁判所が必要と認めるときに決定で指定の場所への同行を命じ、証人が正当な理由なく応じない場合に身柄を強制的に引致する勾引を認める。証人尋問の実効性を担保するための手続的強制手段であり、被告人のみならず第三者たる証人にも適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.召喚状を放置せず出頭日時と不利益を確認 裁判所から証人召喚状や同行命令が届いたら絶対に放置しない。出頭の日時・場所と、欠席時の不利益(過料・罰金・勾引)をまず確認する
- 2.出られない事情は期日前に書面で正当な理由を申し出る 入院・海外渡航・近親者の葬儀などやむを得ない事情があれば、欠席して後から弁解するのではなく、期日の前に書面で裁判所へ「正当な理由」を申し出て期日変更を求める
- 3.証言内容に不安があれば証言拒絶権を弁護士に確認 証言そのものに不安があるなら、自己や近親者の刑事責任に関わる場合の証言拒絶権(刑訴146条以下)の有無を弁護士に確認する。出頭義務と証言義務は別であることを理解する
- 4.当事者側なら逃げ腰の証人に同行命令・勾引を申し立てる 被告人・弁護側で有利な証言をする証人が出廷を渋るなら、証人尋問請求とあわせて同行命令・勾引の発動を裁判所に促す。独断で動かず弁護人と尋問戦略を詰めてから申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1証人の勾引とは何ですか?
出頭命令に応じない証人の身柄を強制的に裁判所へ連れて行く処分です。刑事訴訟法162条が根拠で、被告人の勾引規定を準用します(153条)。
Q2証人でも勾引されることがありますか?
あります。勾引は被告人だけの制度ではなく、事件と無関係な目撃者でも、正当な理由なく同行命令に応じなければ162条で勾引の対象になります。
Q3同行命令と勾引はどう違いますか?
同行命令は指定の場所へ来るよう命じる処分、勾引は応じない場合に身柄を強制連行する処分です。まず同行命令、それでも応じないと勾引という段階構造です。
Q4正当な理由とは具体的に何ですか?
入院、近親者の葬儀、海外渡航などやむを得ない事情を指します。仕事多忙や「関わりたくない」は原則として正当な理由になりません。
Q5勾引された証人はどのくらい留置されますか?
勾引された証人の留置については刑事訴訟法153条の2に定めがあります。具体的な時間制限は最新の条文をご確認ください。
Q6民事裁判でも証人は勾引されますか?
されます。民事訴訟法194条が出頭しない証人の勾引を定め、刑事の規定を準用します。貸し借りトラブルの証人も射程に入ります。
Q7被告人側から証人の勾引を求められますか?
求められます。有利な証言をする証人が出廷を渋る場合、証人尋問請求とあわせて裁判所に同行命令・勾引の発動を促すことができます。
Q8証言拒絶権があれば出頭しなくてよいですか?
いいえ。証言拒絶権(刑訴146条以下)は法廷で証言を拒める権利であり、出頭義務そのものは免れません。出頭した上で拒絶を主張します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証人として呼ばれたけど、仕事が忙しくて行けません。欠席したらどうなりますか?
正当な理由のない不出頭には過料(刑訴150条)や罰金・拘留(151条)があり、さらに162条で勾引、つまり身柄を強制的に裁判所へ連れて行かれることもあります。「仕事が忙しい」は原則として正当な理由になりません。実務のポイント:行けない事情があるなら、欠席して後から弁解するのではなく、期日の前に書面で期日変更の上申を出すのが鉄則。事前申告か事後弁解かで、裁判所の心証は天と地ほど違う
Q2勾引って逮捕と同じですか? 前科がついたりしますか?
勾引は逮捕とは別の制度で、出頭しない証人を強制的に裁判所へ連れて行く手続です(162条、被告人の勾引規定を準用する153条)。犯罪の処罰ではないので、それ自体で前科がつくわけではありません。実務のポイント:ただし不出頭に対する罰金(151条)は刑罰なので、これは前科として扱われうる。勾引は『罰』ではないが、その引き金になった不出頭が別途処罰される、という二段構えを知らない人が多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「勾引されるのは被告人や容疑者だけ」と思われているが、162条は証人にも勾引を認める。事件と無関係な目撃者であっても、出頭を拒み続ければ身柄を強制的に連れて行かれる
- 証人尋問を無視しても過料や罰金で済む、と知っている人は多いが、その深刻さを見誤っている。罰を払っても出頭義務は消えず、別途162条で勾引されうる。お金を払えば終わり、ではない
- 「行きたくないから理由をつけて断ればいい」と問いを立てる人が多いが、その問いの立て方自体が誤っている。法律が見ているのは断る理由が『正当』かどうかであって、本人がどれだけ嫌かは一切関係ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 162条:身柄を強制連行する処分(勾引) | 150条:不出頭に対する過料(行政罰的) 151条:不出頭に対する罰金・拘留(刑罰) |
| 発動の段階 | 同行命令に正当な理由なく応じない場合の最終手段 | 不出頭の段階で科される穏当な手段 悪質な不出頭に対する刑罰的手段 |
| 前科 | 勾引自体は処罰ではなく前科はつかない | 過料は刑罰ではなく前科はつかない 罰金は刑罰であり前科として扱われうる |
| 重複適用 | 過料・罰金とは別系統、併科されうる | 罰金・勾引と併存しうる 過料・勾引と併存しうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も証人不出頭に過料を科した上で拘提を認める点で日本と同様の段階構造をとる
韓国も召喚に応じない証人の구인(勾引)を認め、出頭義務の強制という発想は日本と共通する
ドイツは不出頭の証人に費用負担と過料を科し、強制的な引致(zwangsweise Vorführung)を認める
米国は重要証人について身柄確保のための令状を認めるが、証人の強制は日本より限定的で逃亡等の要件を要する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが交通事故を目撃して証人に召喚されたのに、仕事を理由に二度欠席したら? 三度目には「指定の場所へ同行せよ」という命令が届き、それも無視すれば勾引状が発せられる。残された猶予は次の期日まで、その間に「正当な理由」を書面で示せるかどうかが分かれ目になる
- 近所のもめ事で、あなたが唯一の目撃者になった。怖くて関わりたくないと出頭を拒んだ。だが「関わりたくない」は正当な理由にならず、勾引の射程に入る
- あなたが被告人で、無罪を裏づける鍵を握る証人が出廷を渋っている。この162条を使えば、裁判所に同行命令や勾引の発動を促し、逃げ腰の証人を法廷に引き出せる。証人が逃げ得にならない仕組みが、ここに用意されている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 召喚状や同行命令が届いたら絶対に放置しない。出頭の日時・場所と、欠席時の不利益(過料・罰金・勾引)をまず確認2. どうしても出られない事情(入院、海外渡航、近親者の葬儀など)があれば、期日の前に書面で裁判所へ「正当な理由」を申し出て期日変更を求める3. 仕事多忙や「関わりたくない」は正当な理由にならないと心得る4. 証言内容そのものに不安があれば、証言拒絶権(刑訴146条以下、自己や近親者の刑事責任に関わる場合)の有無を弁護士に確認する
訴えられた側:1. あなたが被告人・弁護側で、有利な証言をする証人が出廷を渋るなら、証人尋問請求とあわせて同行命令・勾引の発動を裁判所に促す2. 逆に相手方が申請する証人を争うなら、その尋問の必要性自体を争点化して採用を防ぐ3. 勾引で無理やり連れてきた証人の証言は、しぶしぶ語る分だけ不安定になりやすい点も計算に入れる4. いずれも独断で動かず、弁護人と尋問戦略を詰めてから申し立てる
時効(請求できる期限):同行・勾引の前提となる「正当な理由」の申し出は、各期日の前に行うのが実務上の鉄則。勾引された証人の留置については刑訴153条の2に定めがある(具体的な時間制限は最新の条文をご確認ください)
学説
通説:証人の出頭・証言義務は国家の真実発見作用に対する公法上の義務であり、162条の勾引は、まず召喚・過料・罰金という穏当な手段を尽くした上での最終的な強制手段と位置づけられる。被告人勾引規定(153条)の準用により手続が補完される。
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