刑事訴訟法 第173条
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- 鑑定人は、旅費、日当及び宿泊料の外、鑑定料を請求し、及び鑑定に必要な費用の支払又は償還を受けることができる。
- 2.鑑定人は、あらかじめ鑑定に必要な費用の支払を受けた場合において、正当な理由がなく、出頭せず又は宣誓若しくは鑑定を拒んだときは、その支払を受けた費用を返納しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第173条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第173条の条文原文は「鑑定人は、旅費、日当及び宿泊料の外、鑑定料を請求し、及び鑑定に必要な費用の支払又は償還を受けることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第173条は第十二章 鑑定に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第173条の前の条は刑事訴訟法第172条です。
- 刑事訴訟法第173条の次の条は刑事訴訟法第174条です。
- 刑事訴訟法第173条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第173条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第173条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/173
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法173条は、鑑定人が旅費・日当・宿泊料に加え鑑定料と必要費用を請求できると定める。前払い後に正当な理由なく鑑定を拒めば、その費用を返納しなければならない。
Q · 裁判所に頼まれた鑑定人は、どんなお金を請求できますか?
旅費・日当・宿泊料に加え鑑定料と必要費用を請求できます
刑事訴訟法173条により、鑑定人は旅費・日当・宿泊料のほか、鑑定料そのものと、鑑定に必要な費用(解剖費・試薬・機器使用料など)の支払または償還を請求できます。算定基準は刑事訴訟費用等に関する法律によります。ただし前払いを受けた鑑定人が正当な理由なく出頭せず、宣誓や鑑定を拒んだときは、受け取った費用を返納しなければなりません(同条2項)。最終的に、これらの鑑定料は有罪判決を受けた被告人の訴訟費用負担に回ることがあります(181条)。
解説
刑事裁判で「精神鑑定」「DNA 鑑定」「死因の鑑定」という言葉を聞いたことがあるはずだ。その鑑定を担う専門家(鑑定人、裁判所が選んだ外部のプロ)が、どこからお金を受け取っているのか。173条がその答えになる。鑑定人は旅費・日当・宿泊料に加え、鑑定料そのものと、鑑定に必要な実費(解剖費、試薬、機器使用料など)を請求できる。ここまでは当然に見える。だが見落としてはならないのは、この費用が最終的に誰の負担になるかだ。有罪判決を受けた被告人は、訴訟費用の一部または全部を負わされることがあり(181条)、その訴訟費用には鑑定料が含まれる。つまり、あなたの責任能力を判断した精神鑑定の代金を、有罪になったあなた自身が払う場面が現実に起きる。第2項はさらに、前払いを受けた鑑定人が正当な理由なく出頭せず、宣誓や鑑定を拒んだときは、受け取った費用を返納させる。専門家への信頼は、報酬とセットで管理されている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法173条は鑑定人の費用に関する規定であり、鑑定人が旅費・日当・宿泊料に加えて鑑定料および鑑定に必要な費用を請求できる権利と、前払いを受けながら正当な理由なく鑑定を拒んだ場合の費用返納義務を定める。専門知を刑事裁判の事実認定に動員するための報酬枠組みを規律する規定である。
手順
- 1.引受け前に報酬・実費の範囲を確認 鑑定人として選任されたら、着手前に鑑定料・旅費・日当・宿泊料に加え、解剖費・試薬・機器使用料など高額になりうる実費の請求範囲を裁判所書記官に確認し、概算見積りを提出する
- 2.鑑定終了後に費目別で明細請求 鑑定終了後、旅費・日当・宿泊料・鑑定料・必要費用を費目別に明細化して請求する。算定根拠は刑事訴訟費用等に関する法律に基づくため、基準を先に確認しておく
- 3.提示額が見合わなければ増額を交渉 裁判所の提示額が鑑定の難易度や所要時間に見合わない場合、作業時間と専門性の根拠を示して増額を申し入れる。最初から相場どおりと諦めない
- 4.被告人側は有罪時の費用負担を見越す 被告人として公的鑑定が行われたら、有罪時に鑑定料が訴訟費用として回りうることを弁護人と確認する。貧困で払えないなら費用負担確定後20日以内に執行免除を申し立てる(500条)
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定人とは何ですか?
裁判所が選任し、専門知識に基づいて事実判断の材料を提供する外部の専門家です。刑事訴訟法173条で旅費・日当・宿泊料に加え鑑定料を請求できます。
Q2鑑定料の相場はいくらですか?
刑事訴訟費用等に関する法律に基づき事件の難易度に応じて裁判所が定めます。専門家の市場価格より低いことが多く、固定相場はありません。
Q3精神鑑定の費用は誰が払うのですか?
公的鑑定は国がいったん立て替えますが、有罪判決を受けると訴訟費用として被告人に負担が回ることがあります(181条)。無罪なら国庫負担です。
Q4私的鑑定と公的鑑定の違いは何ですか?
公的鑑定は裁判所命令で費用を国が立て替え有罪時に被告人負担、私的鑑定は自費依頼で独立した結論を確保できます。証拠としての扱いも異なります。
Q5鑑定人は誰が選びますか?
裁判所が鑑定を命じ鑑定人を選任します(165条)。当事者が候補を推薦することはできますが、選任権限は裁判所にあります。
Q6鑑定を引き受けた後に拒否できますか?
病気や利益相反など正当な理由があれば拒否できます。正当な理由なく前払い後に拒むと、受け取った費用の返納を命じられます(173条2項)。
Q7司法解剖の費用は誰が負担しますか?
鑑定に必要な費用として鑑定人が請求し国がいったん立て替えます。有罪確定時に訴訟費用として被告人に回ることがあります。
Q8訴訟費用に鑑定料は含まれますか?
含まれます。刑の言渡しを受けた被告人は訴訟費用の全部または一部を負担させられ、その中に鑑定料が入ります(181条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所に頼まれて鑑定をやったのに、報酬がやけに安いんですが、これって普通ですか?
残念ながら珍しくありません。鑑定料は刑事訴訟費用等に関する法律に基づいて算定され、事件の難易度に応じて裁判所が定めますが、専門家の市場価格より低いことが多いのが実情です(173条1項)。実務のポイント:報酬が見合わず一流の専門家が公的鑑定を敬遠する結果、鑑定の質や中立性が課題になっている分野もある。引き受ける前に、想定される実費(解剖・機器・試薬費)を別途請求できる範囲を書記官に確認しておくと、自腹の持ち出しを防げる
Q2有罪になったら、自分の精神鑑定の費用まで払わされるって本当ですか?
本当です。刑の言渡しを受けると、訴訟費用の全部または一部を負担させられることがあり(181条)、その訴訟費用には鑑定料が含まれます。あなたの責任能力を判断した鑑定の費用を、有罪のあなたが負担する場面は現実にあります。実務のポイント:ただし貧困で支払えない場合は執行免除の申立てができる(500条)。判決確定後20日以内という期限があるので、負担命令が出たら放置せず弁護人に相談する
Q3鑑定を前払いでもらった後に、やっぱりできなくなったらどうなりますか?
正当な理由なく出頭せず、宣誓や鑑定を拒んだ場合は、受け取った費用を返納しなければなりません(173条2項)。逆に病気や利益相反など正当な理由があれば、返納義務は生じません。実務のポイント:鑑定人には証人尋問の規定が準用され(171条)、正当な理由のない不出頭や拒否には過料や刑罰の制裁もありうる(160条、161条)。引き受けた後に降りるなら、理由を書面で残し、早めに裁判所へ申し出るのが鉄則
間違えやすい点 AI による整理
- 「鑑定費用は国が負担するもので、自分には関係ない」という前提そのものがずれている。刑の言渡しを受けた被告人は訴訟費用を負担させられることがあり(181条)、その中に鑑定料が含まれる。問うべきは「誰が払うか」ではなく「どの結末になれば自分の負担になるか」だ
- 鑑定人がお金を請求できることは知っていても、その額の低さが鑑定の質や引受け手の確保に直結している深刻さは見落とされがちだ。報酬が見合わなければ一流の専門家は敬遠し、鑑定の信頼性そのものが揺らぐ
- 「前払いをもらった鑑定人は何があっても鑑定する義務がある」と思われがちだが、正当な理由があれば拒否でき、その場合は返納義務も生じない。逆に正当な理由なく拒めば、第2項で受け取った費用の返納を命じられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 鑑定人(173条) | 証人(164条) 被告人=最終負担者(181条) |
| 請求できる費用 | 旅費・日当・宿泊料+鑑定料+必要費用 | 旅費・日当・宿泊料 (負担側)訴訟費用=鑑定料等を含む |
| 費用の性質 | 専門役務への報酬+実費の前払い・償還 | 出頭に伴う補償 有罪に伴う費用負担 |
| 拒否・免除の仕組み | 正当な理由なき拒否は前払い金返納(2項) | 正当な理由なき不出頭は過料・刑罰(150・151条) 貧困時は執行免除の申立て(500条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も鑑定人の日費・旅費を法定し、鑑定は刑事訴訟法で規律。専門家報酬を別法(費用法)に置く構造は日本と類似する
韓国も鑑定(감정)を刑事訴訟法で規律し、費用を別途の費用法で算定。前払いと返納の枠組みも日本に近い
ドイツは鑑定人の選任・義務を StPO で、報酬・補償を独立した JVEG(司法報酬補償法)で時間単価方式により詳細に定める
米国は貧困被告人のための鑑定人費用を § 3006A(e) で公費保障し、証人手当を § 1821で定める。私的鑑定は当事者負担が原則
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが父親の不審死をめぐって遺族として刑事告訴し、検察が司法解剖と鑑定を行ったとしたら? その鑑定料は国がいったん立て替えるが、最終的に被告人が有罪なら被告人負担、無罪なら国庫負担になる。鑑定の結論が、費用の行き先まで左右する
- あなたが大学の法医学者や精神科医で、裁判所から鑑定人に選任された。報酬は173条に基づいて請求できるが、相場は事件の難易度次第で、複雑な鑑定でも見合わない額しか出ないことがある。前払いを受けた後に多忙を理由に出頭を渋れば、第2項で前払い金の返納を命じられる
- 被告人として精神鑑定を受けた。無罪や減軽を勝ち取っても、その鑑定費用が誰の負担かは別問題だ。鑑定の独立性は、報酬が国から出る仕組みに支えられている。
- 公的鑑定を求めるなら時間との勝負になる。あと数日で証拠調べが終わるという段階で裁判所に鑑定を申し立てても間に合わないことがある。鑑定を活用したいなら早い段階で申請しないと、専門知を入れる機会そのものを失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 鑑定人として選任されたら、引受け前に報酬・実費の範囲と概算を裁判所書記官に確認、特に高額の実費(解剖・機器・試薬)は事前に見積りを提出する2. 鑑定終了後、旅費・日当・宿泊料・鑑定料・必要費用を費目別に明細化して請求する3. 提示額が見合わなければ、鑑定の難易度と所要時間を示して増額を交渉する4. 算定根拠は刑事訴訟費用等に関する法律に基づくので、その基準を先に確認しておく
訴えられた側:1. 被告人として公的鑑定が行われたら、有罪時に訴訟費用として鑑定料を負担しうることを弁護人と確認する(181条)。無罪や一部無罪を勝ち取れば負担を免れる2. 訴訟費用の負担に納得できない、または貧困で払えないなら、執行免除の申立て(刑事訴訟法500条)で経済的事情を主張する3. 鑑定人として前払いを受けた後にやむを得ず鑑定できないときは、正当な理由(病気、利益相反など)を書面で疎明し、返納の要否を協議する
時効(請求できる期限):特定の出訴期限はない。ただし訴訟費用の負担は判決の確定により発生し、執行免除の申立ては費用負担を命じる裁判が確定した後20日以内に行う必要がある(刑事訴訟法500条)。鑑定人の費用請求は鑑定終了後速やかに行う(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、鑑定人の旅費・日当・宿泊料・鑑定料・必要費用の請求権、および前払い後の不出頭・拒否時の返納義務を定める規定として整備された
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