刑事訴訟法 第5条
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- 数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。
- 2.高等裁判所の特別権限に属する事件が高等裁判所に係属し、これと関連する事件が下級の裁判所に係属するときは、高等裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第5条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第5条の条文原文は「数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判するこ…」で始まります。
- 刑事訴訟法第5条は第一章 裁判所の管轄に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第5条の前の条は刑事訴訟法第4条です。
- 刑事訴訟法第5条の次の条は刑事訴訟法第6条です。
- 刑事訴訟法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法5条は、関連事件が上級裁判所と下級裁判所に分かれて係属するとき、上級裁判所が事物管轄を超えて決定で下級の事件を併せて審判できると定める。
Q · 共犯の裁判が高裁にあって、自分の事件は地裁。ずっと別々に裁かれ続けるの?
いいえ、高裁が決定で地裁の事件も併せて審判できます
刑事訴訟法5条1項により、数個の関連事件が上級裁判所と下級裁判所に各別に係属するとき、上級裁判所は事物管轄にかかわらず、決定で下級裁判所の事件まで併せて審判できます。被告人の同意は要件ではなく、矛盾判決の防止と訴訟経済という裁判所側の利益で動く職権の仕組みです。ただし上級審への吸い上げは、本来受けられた審級の利益を実質的に減らす可能性があるため、弁護人は併合が有利か不利かを早期に見極めます。
解説
共犯者と一緒に事件に問われ、なぜか相手の裁判は高等裁判所、あなたの裁判は地方裁判所で別々に進んでいる。普通なら「審級(裁判のランク)が違うのだから無関係」と思うはずだ。ところが刑事訴訟法5条は、その壁を取り払う。関連する数個の事件が上級裁判所と下級裁判所にバラバラに係属しているとき、上級裁判所は決定一つで、下級裁判所が扱うはずの事件まで吸い上げてまとめて審判できる。事物管轄(どのランクの裁判所が扱うか)を超えて、だ。あなたが知っておくべきは、これは裁判所側の都合(矛盾判決の防止、訴訟経済)で動く職権の仕組みであって、被告人の同意は要らないという点。そして併合で高裁に吸い上げられると、本来あなたが受けられたはずの審級の利益(地裁で負けても高裁、最高裁と争える段階)が実質的に減る可能性がある。だからこそ、弁護人は併合が有利か不利かを早い段階で見極める。
法的な位置づけ
刑事訴訟法5条は、関連事件の併合審判を定める規定である。数個の関連事件が上級裁判所と下級裁判所に各別に係属する場合、上級裁判所は事物管轄の違いにかかわらず、決定により下級裁判所の管轄事件を併せて審判できる。第2項は、高等裁判所の特別権限事件と関連する下級の事件についても同様の併合を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.関連事件の係属先と審級を把握する 共犯とされる人物や関連事件がどの裁判所(高裁か地裁か)に係属しているかを早期に確認する。上級審に関連事件がある場合、刑事訴訟法5条による併合審判の対象になり得ると認識する
- 2.弁護人と併合の有利・不利を見極める 弁護人に「5条による併合審判があり得るか」「併合は自分に有利か不利か(特に審級の利益の喪失)」を真っ先に確認する。共犯者と利害が対立する場合は同じ裁判所で裁かれる防御上の影響も想定する
- 3.審理が本格化する前に意見・異議を述べる 併合が審級の利益を損なうと判断する場合、各事件の審理が本格的に進行する前の早い段階で裁判所に意見・異議を述べる。手続が進んでからでは動いた審理の巻き戻しは極めて難しい
よくある質問 AI による整理
Q1関連事件の併合とは何ですか?
別々の裁判所に係属する関連性のある複数の事件を、一つの裁判所でまとめて審判することです。刑事訴訟法5条が上級裁判所による併合審判を定めています。
Q2刑事訴訟法5条の併合審判に被告人の同意は必要ですか?
不要です。併合審判は上級裁判所が矛盾判決の防止と訴訟経済のために行う職権の決定であり、被告人の同意は要件になっていません。
Q3事物管轄が違っても事件を併合できますか?
できます。刑事訴訟法5条は事物管轄にかかわらず、上級裁判所が下級裁判所の管轄事件を併せて審判できると明記しています。
Q4併合審判で審級の利益は減りますか?
上級審に事件が吸い上げられると、本来段階的に争えたはずの審級の段階が実質的に減る可能性があります。この点をめぐり運用は慎重です。
Q5高等裁判所の特別権限に属する事件とは何ですか?
内乱罪など、第一審を高等裁判所が扱うと法律で定められた事件です。刑事訴訟法5条2項はこれと関連する下級の事件の併合を認めます。
Q6刑事訴訟法5条と8条の違いは何ですか?
5条は上級審と下級審に分かれて係属する事件を上級裁判所が吸い上げる規定、8条は同一裁判所に係属する関連事件の併合・分離を定める規定です。
Q7関連事件とはどの範囲を指しますか?
刑事訴訟法9条が定義し、一人が犯した数罪、数人が共に犯した罪、犯人蔵匿や証拠隠滅などの関係にある罪が含まれます。
Q8併合された事件を後で分離できますか?
関連事件の分離・移送は刑事訴訟法7条が、同一裁判所内の併合・分離は8条が定めており、必要に応じて分離する余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共犯の片方が高裁、片方が地裁にいたら、ずっと別々に裁判するんですか?
必ずしも別々ではありません。刑事訴訟法5条1項により、上級の裁判所(この場合は高裁)が決定で、下級の裁判所(地裁)の管轄事件まで併せて審判できます。事物管轄(どのランクの裁判所が扱うか)の違いは障害になりません。実務のポイント:これは裁判所が矛盾判決を避け、訴訟経済を図るための職権の仕組みで、被告人の同意は要件ではありません。だからこそ弁護人は、併合が自分の依頼者に有利か不利か(特に審級の利益の喪失)を早い段階で見極めます。
Q2事件をまとめて一つの裁判所で裁いてもらうよう、こっちから頼めますか?
5条の併合審判自体は上級裁判所の職権による決定ですが、被告人や検察官が併合・移送を求めて動く余地はあります(関連条文として下級から上級への移送を定める刑訴法4条、同一裁判所内の併合・分離を定める8条があります)。実務のポイント:併合は便利に見えて、上級審への吸い上げは本来受けられた審級の段階を実質的に減らすことがあります。実務でも審級の利益を害するおそれから運用は慎重で、解釈が分かれる論点です。安易に「まとめてほしい」と頼む前に、それが有利か不利かを弁護人と詰めるべきです。
間違えやすい点 AI による整理
- 「審級が違う裁判所の事件は、絶対に一緒に裁かれない」と思い込んでいる人が多い。実際には5条が事物管轄の壁を越える例外を用意している。あなたの問いの前提そのものが、ここで崩れる
- 併合は被告人に有利だと単純に考えがちだが、深刻なのはその裏側。上級裁判所への併合は、被告人が本来受けられた審級の利益を減らす方向に働きうる。実務上、この点をめぐって運用は慎重で、解釈が分かれている論点でもある
- 「まとめて裁いてもらえば早く終わって楽」と思っている人ほど見落とすが、併合は裁判所の職権(矛盾判決の防止・訴訟経済という裁判所側の利益)で動く制度。被告人の便宜のための制度ではない、という視点の落差が、防御の準備を遅らせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 5条:関連事件が上級審と下級審に各別に係属 | 8条:同一裁判所に関連事件が係属 4条:下級から上級裁判所への移送 |
| 誰が動かすか | 上級裁判所の職権(決定) | 係属裁判所の職権(併合・分離の決定) 下級裁判所の決定による移送 |
| 事物管轄の壁 | 事物管轄にかかわらず越えられる | 同一裁判所内なので前提として問題にならない 上級裁判所へ事件を上げる手段 |
| 審級への影響 | 上級審吸い上げで審級の利益が減る余地 | 審級は変わらない 上級審に移ることで審級の段階に影響 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も相牽連案件について、異なる級の裁判所が管轄する場合は上級裁判所に併せて管轄できると定め、日本の5条に近い構造を持つ
韓国も関連事件の管轄・併合を定め、上級裁判所への併合の発想は日本と類似する
ドイツは関連する刑事事件(zusammenhängende Strafsachen)の併合・分離を定め、上級裁判所がまとめて管轄できる仕組みを持つ
米国は被告人や訴因の併合(Joinder)と複数事件の合同審理(Joint Trial)を定めるが、審級を越えた吸い上げではなく同一審級内の併合が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの共犯とされる人物が著名人で、その事件が世間の注目を集めて高裁の特別権限事件として係属していたら、どうなる? あなたの末端の事件まで5条で高裁に吸い上げられ、本来3段階あった争いの機会が事実上削られることがある
- 詐欺グループの末端で「名義を貸しただけ」のあなた。主犯格の事件が上級審にあり、検察が併合審判を求めて動く。あなたの防御戦略は、自分一人を見ていればよかったのに、グループ全体の主張と整合させる必要が出てくる。被告人側から見ると、戦場が一気に広がる
- あと数日で第一回公判。そこで突然、関連事件の併合審判の決定が出て審理する裁判所が変わると、それまで詰めてきた弁護方針を組み直す時間がほとんど残されていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害者・告訴人の立場では、関連する複数の被告人の事件がバラバラに進んでいると感じたら、担当検察官に「事件の関連性」と併合審判の可能性を確認する2. 矛盾した事実認定が出ると損害賠償(民法709条等)の民事にも影響するため、刑事の審理がどの裁判所に集約されるかを把握しておく3. 刑事手続への被害者参加(刑訴法316条の33以下)を検討している場合、併合で審理裁判所が変わると参加の段取りも変わるので、弁護士を通じて手続の所在を追う
訴えられた側:1. 関連事件が上級審にあると分かったら、弁護人に「5条による併合審判があり得るか」「併合は自分に有利か不利か」を真っ先に確認2. 併合が審級の利益を損なうと考えるなら、審理が本格化する前の早い段階で裁判所に意見・異議を述べる3. 共犯者と利害が対立する場合、同じ裁判所で併せて裁かれることの防御上の影響(供述の食い違い、責任の押し付け合い)を想定して方針を立てる4. 併合・分離・移送(刑訴法7条・8条)の関係条文も含め、手続選択肢を弁護人と整理する
時効(請求できる期限):本条による併合審判は上級裁判所の職権事項であり、特定の申立期間や時効はない。ただし弁護人として併合の可否や審級の利益を争うなら、各事件の審理が本格的に進行する前の早い段階で意見を述べる必要がある(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:5条の併合審判は、矛盾判決の防止と訴訟経済を目的とする上級裁判所の裁量的な職権事項である。一方で事物管轄を越えた上級審への吸い上げが被告人の審級の利益を損なうおそれがあるため、その運用は慎重であるべきとされ、解釈が分かれる論点である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定(昭和23年法律第131号)。関連事件が上級審と下級審に各別に係属する場合の上級裁判所による併合審判を規定し、第2項で高等裁判所の特別権限事件との併合を定めた。
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