医療法 第30条の7
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- 医療提供施設の開設者、管理者及び設置者は、医療計画の達成の推進に資するため、医療連携体制の構築のために必要な協力をするよう努めるものとする。
- 2.医療提供施設のうち次の各号に掲げるものの開設者及び管理者は、前項の必要な協力をするに際しては、良質かつ適切な医療を効率的に提供するため、他の医療提供施設との業務の連携を図りつつ、それぞれ当該各号に定める役割を果たすよう努めるものとする。
- 一病院病床の機能に応じ、地域における病床の機能の分化及び連携の推進に協力し、地域において必要な医療を確保すること。
- 二病床を有する診療所その提供する医療の内容に応じ、患者が住み慣れた地域で日常生活を営むことができるよう、次に掲げる医療の提供その他の地域において必要な医療を確保すること。
- 一病院を退院する患者が居宅等における療養生活に円滑に移行するために必要な医療を提供すること。
- 二居宅等において必要な医療を提供すること。
- 三患者の病状が急変した場合その他入院が必要な場合に入院させ、必要な医療を提供すること。
- 3.病院又は診療所の管理者は、医療計画の達成の推進に資するため、居宅等において医療を提供し、又は福祉サービスとの連携を図りつつ、居宅等における医療の提供に関し必要な支援を行うよう努めるものとする。
- 4.病院の開設者及び管理者は、医療計画の達成の推進に資するため、当該病院の医療業務に差し支えない限り、その建物の全部又は一部、設備、器械及び器具を当該病院に勤務しない医師、歯科医師又は薬剤師の診療、研究又は研修のために利用させるように努めるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第30条の7は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第30条の7の条文原文は「医療提供施設の開設者、管理者及び設置者は、医療計画の達成の推進に資するため、医療連携体制の構築のために必要な協力をするよう努めるものとする。」で始まります。
- 医療法第30条の7は第二節 医療計画に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第30条の7の前の条は医療法第30条の6です。
- 医療法第30条の7の次の条は医療法第30条の8です。
- 医療法第30条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第30条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第30条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/30_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法30条の8は、医療提供施設に医療計画の達成に向けた医療連携体制への協力を求める努力義務規定。罰則はないが、病床の機能分化や在宅医療支援の法的な土台となる。
Q · 「急性期が終わったので転院を」と言われたのは、病院に追い出されているということ?
病院の都合だけでなく、地域で役割を分ける仕組みの一環です
医療法第30条の8第2項は、病院に対し、病床の機能(急性期・回復期・慢性期など)に応じて地域の機能分化と連携に協力するよう求めています。急性期病院からの転院は、この役割分担の流れの中で行われるものです。ただし患者側も言いなりになる必要はなく、同法1条の4が求める退院時の連携を踏まえ、地域医療連携室に転院先の候補、日程、情報の引き継ぎ方法を具体的に示してもらうことが大切です。
解説
「努めるものとする」という条文は、守らなくても罰則がない。だから医療関係者の多くは読み飛ばす。ところが本条は、日本の医療が「一つの病院で全部やる」形から「地域で役割を分ける」形へ移るときの土台になっている。第1項は、病院・診療所・薬局などの医療提供施設(病院、診療所、調剤薬局など医療を提供する場所の総称)に、医療計画を進めるための協力を求める。第2項は役割を分ける。病院は病床の機能(救急・急性期・回復期・慢性期など)に応じて地域の役割分担に協力し、病床のある診療所は、患者が住み慣れた地域で暮らし続けられるための医療を担う。第3項は在宅医療とその支援、第4項は病院の建物や医療機器を、そこに勤めていない医師・歯科医師・薬剤師にも使わせるよう求めている。患者の立場から見ると、「急性期を過ぎたので転院してください」という話の根っこはここにある。あなたの家族が退院を迫られたとき、病院の都合で追い出されているのではない。地域の中で次の受け皿へ移す仕組みが動いているのだ。そう分かれば、怒る前に「次の受け皿はどこか」を病院に聞けるようになる。
法的な位置づけ
医療法第30条の8は、医療提供施設の開設者・管理者等に、医療計画の達成に資する医療連携体制の構築への協力を求める努力義務規定である。病院には病床機能に応じた機能分化への協力、有床診療所には地域生活を支える医療の確保、病院・診療所には在宅医療の提供または支援、病院には設備等の外部医師等への開放を求める。
手順
- 1.入院初期に地域医療連携室へ相談予約を入れる 退院や転院を告げられる前、入院後できるだけ早い段階で地域医療連携室(医療ソーシャルワーカー)に面談を申し込み、退院後の療養先の見通しを聞く
- 2.転院先の候補と日程を書面で確認する 転院や退院を告げられたら、候補となる施設、転院予定日、診療情報の引き継ぎ方法をメモや書面で確認し、家族内で共有する
- 3.退院前カンファレンスに関係者の同席を依頼する 自宅に戻る場合、ケアマネジャー、訪問診療医、訪問看護師が退院前カンファレンスに同席できるよう連携室に依頼し、急変時の受け入れ先まで決めておく
- 4.納得できない場合は医療安全支援センターに相談する 説明に納得できない場合、都道府県などが設置する医療安全支援センターに相談し、第三者の立場から助言を受ける
よくある質問 AI による整理
Q1医療連携体制とは何ですか?
病院、診療所、薬局、在宅医療、介護などが役割を分けて連携し、地域で切れ目なく医療を提供する体制です。都道府県の医療計画で具体化されます。
Q2開放型病院とは?
その病院に勤務していない地域の開業医などが、病院の病床や設備を使って入院患者を診療できる病院です。医療法30条の8第4項の考え方に沿った仕組みです。
Q3急性期病院からの転院は断ることができる?
拒否の意思を伝えることはできますが、入院の継続は医学的必要性と病院の判断によります。居座るより、候補先や時期の調整を求める方が現実的です。
Q4有床診療所の役割とは?
医療法30条の8第2項第2号は、有床診療所に、患者が住み慣れた地域で日常生活を続けられるよう、地域で必要な医療を確保する役割を求めています。
Q5病院が在宅医療を支援するとはどういうこと?
自ら訪問診療を行うほか、在宅患者の急変時の受け入れや、在宅医療を担う診療所との情報共有など、居宅での医療を後方から支えることを指します。
Q6地域医療構想とは?
将来の医療需要を踏まえ、地域ごとに必要な病床の機能と量を見通し、機能分化と連携を進めるための構想です。都道府県の医療計画の一部として定められます。
Q7医療計画はいつ見直される?
都道府県が策定する医療計画は、現行制度では6年ごとに改定され、中間年に見直しが行われます。最新の運用は各都道府県の公表資料で確認してください。
Q8薬剤師も勤め先以外の病院の設備を使える?
医療法30条の8第4項は、病院に勤務しない医師・歯科医師に加え薬剤師の診療・研究・研修のため、病院設備を利用させるよう努めることを求めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1努力義務って、結局は守らなくてもいいってことですか?
罰則はありません。ただ、協力の姿勢は、地域医療構想調整会議での説明、知事の要請や勧告の手続き(医療法30条の14以下)、補助金の相談などで判断材料になります。実務のポイント:行政の担当者は「条文上の義務」よりも「会議に出てきて説明した施設かどうか」をよく覚えています。欠席と沈黙がいちばん高くつきます。
Q2かかりつけの先生が入院先の病院に来て診てくれることって、本当にあるんですか?
あります。本条第4項は、病院の建物や機器をそこに勤めていない医師にも使わせるよう求めており、この考え方で運営されているのが開放型病院です。実務のポイント:地域医療支援病院は、医療法16条の2などでこの共同利用が制度として求められています。入院前に「この病院は開放型か」と聞けば、主治医との関係を保ったまま入院できる可能性があります。
Q319床の有床診療所ですが、在宅医療もやれと言われても人が足りません
第2項第2号と第3項はどちらも努力義務で、すべてを自分で担う必要はありません。在宅医療を提供するか、在宅を担う施設を支援するか、どちらかの形で応えることが想定されています。実務のポイント:病床を急変時の受け皿(在宅患者の短期入院先)として近くの在宅クリニックに提供するだけでも、地域では評価されます。人を増やさなくても果たせる役割を探すのが近道です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「努力義務だから無視しても何も起きない」と考えるのは半分だけ正しい。本条違反そのものに罰則はない。しかし協力の姿勢は、地域医療構想調整会議での説明、都道府県知事からの要請や勧告(医療法30条の15以下、現行効力を要確認)、地域医療介護総合確保基金による補助の相談などで評価される。罰則はなくても、その後の手続きでは確実に響く
- 患者側の多くは「退院を迫られたら言いなりになるしかない」か「居座れば何とかなる」の二択で考える。問いの立て方がそもそも違う。本条と医療法1条の4は、病院に対して退院後の療養先との連携を求めている。聞くべきは「いつ出るか」ではなく「次の受け皿と連携の中身を示してほしい」である
- 「在宅医療は訪問診療をしている一部のクリニックの話」と思われているが、第3項の相手は病院と診療所の管理者全員である。在宅医療を自分で提供しない病院も、在宅を担う医療機関を支えるよう求められている。大病院も在宅医療の当事者として位置づけられている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の相手 | 医療法30条の8:医療提供施設の開設者・管理者等 | 医療法1条の4:医師・歯科医師・薬剤師等の医療の担い手と病院等の管理者 医療法4条:地域医療支援病院の承認を受けようとする病院 |
| 義務の強さ | 努力義務(罰則なし) | 努力義務を中心とする責務規定 都道府県知事の承認要件として共同利用体制等が求められる |
| 連携の中身 | 病床機能の分化、在宅医療の提供・支援、設備の外部開放 | 施設間の連携、退院時の療養先との連携 紹介患者中心の医療、共同利用、救急医療、研修の実施 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は中央主管機関が医療区域を劃分し分級医療制度を整備する形で、行政主導の色彩が日本より強い
韓国は医療人が他の医療機関の長の同意を得て施設・装備を利用して診療できると定め、第4項の開放型の考え方に近い
ドイツは公的医療保険法の中で病院の退院管理と、開業医が病院の病床で診療する Belegarzt 制度を定める
米国は Medicare の参加条件として病院に退院計画の策定を求め、努力義務ではなく報酬と結びついた要件として運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が脳梗塞で救急病院に入院して2週間。主治医から「急性期の治療は終わったので、回復期リハビリの病院へ移ってください」と言われた。見捨てられたと感じたが、実際には病床を機能ごとに分ける仕組みの一場面である。まず地域医療連携室の担当者に、候補の病院と転院の日程を具体的に出してもらうこと
- あなたは19床の有床診療所を経営する院長。県の地域医療構想調整会議から、病床の今後の使い方を説明するよう求められた。条文上は努力義務でも、会議を欠席して説明もしなければ、地域での立場も補助金の相談もしにくくなる。会議まであと10日、病床稼働率と在宅患者数のデータを今週中にまとめる必要がある
- 開業医の先生に「入院先の病院に私も行って一緒に診ますよ」と言われたら、どういう仕組みなのか? 自分の病院の医師でなくても、建物や機器を使って診療できる開放型病院(オープン病院)の制度がある。第4項がそれを後押ししている
- 退院まであと3日。自宅で胃ろうの管理ができるのか、訪問診療は誰が来るのか、まだ何も決まっていない
- 友人の薬剤師が、近くの総合病院の研修に参加させてもらえることになった。勤め先ではない病院の設備を使える根拠を聞かれた。薬剤師まで条文に含まれていることを知っている人は、医療従事者でも少ない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 退院や転院を告げられたら、候補施設、転院日、情報の引き継ぎ方法を書面かメモで確認する2. 地域医療連携室の医療ソーシャルワーカーと面談し、退院前カンファレンスにケアマネジャーや訪問診療医が同席できるよう頼む3. 自宅に戻るなら、訪問診療、訪問看護、急に容体が変わったときの受け入れ先を退院前に決める4. 説明に納得できない場合は、都道府県などが設置する医療安全支援センター(医療法6条の13)に相談する
訴えられた側:1. 本条は努力義務なので、違反を理由に直接罰せられることはない。慌てて病床を変える前に事実関係を整理する2. 県から説明を求められたら、病床稼働率、救急受け入れ数、在宅患者数などのデータで自分の施設の役割を示す3. 在宅支援、開放型病床、研修の受け入れなど、協力できる形を先に提案する4. 知事の要請や勧告に進んだ段階では、行政手続に詳しい弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に時効や提出期限はない。一般消滅時効(民法166条、債権は5年または10年)が問題になる場面も通常はない。実務上の期限は、医療計画の改定(6年ごと)、毎年の病床機能報告、調整会議の開催日程である(最新の運用をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)第五次医療法改正 医療計画に医療連携体制の考え方が導入され、医療提供施設の協力を求める規定が整備された(本条の条番号と文言の変遷は要人的検証)
- 平成26年(2014年)医療介護総合確保推進法 病床機能報告制度と地域医療構想が導入され、病院の病床機能に応じた役割分担や在宅医療との連携が強調された(本条文言の改正の有無は要人的検証)
- 医療法 第1条の4医師等の責務、施設間連携と退院時連携
- 医療法 第30条の4都道府県医療計画、協力の目標を定める
- 医療法 第30条の13病床機能報告、役割分担の現状把握
- 医療法 第30条の14協議の場、地域での役割分担の調整(現行効力を要確認)
- 医療法 第4条地域医療支援病院、共同利用の中核施設
- 地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律 第4条都道府県計画、医療と介護の連携を財政面で支える
- 介護保険法 第115条の45地域支援事業、在宅医療と介護の連携推進
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