道路運送車両法 第63条の2(改善措置の勧告等)
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- 国土交通大臣は、前条第一項の場合において、その構造、装置又は性能が保安基準に適合していないおそれがあると認める同一の型式の一定の範囲の自動車(検査対象外軽自動車を含む。以下この項及び次項並びに次条第一項から第三項までにおいて同じ。)について、その原因が設計又は製作の過程にあると認めるときは、当該自動車(自動車を輸入することを業とする者以外の者が輸入した自動車その他国土交通省令で定める自動車を除く。以下「基準不適合自動車」という。)を製作し、又は輸入した自動車製作者等に対し、当該基準不適合自動車を保安基準に適合させるために必要な改善措置を講ずべきことを勧告することができる。
- 2.国土交通大臣は、前条第一項の場合において、保安基準に適合していないおそれがあると認める同一の型式の一定の範囲の装置(自動車の製作の過程において取り付けられた装置その他現に自動車に取り付けられている装置であつてその設計又は製作の過程からみて前項の規定により当該自動車の自動車製作者等が改善措置を講ずることが適当と認められるものを除く。以下「後付装置」という。)であつて主として後付装置として大量に使用されていると認められる政令で定めるもの(以下「特定後付装置」という。)について、その原因が設計又は製作の過程にあると認めるときは、当該特定後付装置(自動車の装置を輸入することを業とする者以外の者が輸入した特定後付装置その他国土交通省令で定める特定後付装置を除く。以下「基準不適合特定後付装置」という。)を製作し、又は輸入した装置製作者等(自動車の装置の製作を業とする者又は外国において本邦に輸出される自動車の装置を製作することを業とする者から当該装置を購入する契約を締結している者であつて当該装置を輸入することを業とするものをいう。以下この条、次条第二項から第四項まで及び第六十三条の四第一項において同じ。)に対し、当該基準不適合特定後付装置を保安基準に適合させるために必要な改善措置を講ずべきことを勧告することができる。
- 3.国土交通大臣は、その原因が設計又は製作の過程にあると認める基準不適合自動車又は基準不適合特定後付装置について、次条第一項の規定による届出をした自動車製作者等又は同条第二項の規定による届出をした装置製作者等による改善措置が講じられ、その結果保安基準に適合していないおそれがなくなつたと認めるときは、第一項又は前項の規定による勧告をしないものとする。
- 4.国土交通大臣は、第一項又は第二項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた自動車製作者等又は装置製作者等がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
- 5.国土交通大臣は、第一項又は第二項に規定する勧告を受けた自動車製作者等又は装置製作者等が、前項の規定によりその勧告に従わなかつた旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつたときは、当該自動車製作者等又は装置製作者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
- 6.国土交通大臣は、第一項又は第二項の規定による勧告を行おうとする場合において必要があると認めるときは、自動車の構造、装置若しくは性能又は特定後付装置が保安基準に適合していないおそれの原因が設計又は製作の過程にあるかどうかの技術的な検証を機構に行わせるものとする。
- 7.機構は、前項の技術的な検証を行つたときは、遅滞なく、当該技術的な検証の結果を国土交通大臣に通知しなければならない。
この条文の基本情報
改善措置の勧告等とは何ですか?
定義改善措置の勧告等とは、道路運送車両法第63条の2に定められた規定で、「国土交通大臣は、前条第一項の場合において、その構造、装置又は性能が保安基準に適合していないおそれがあると認める同一の型式の一定の範囲の自動車(検査対象外軽自動車…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路運送車両法第63条の2(改善措置の勧告等)は、日本の道路運送車両法に含まれる条文です。
- 道路運送車両法第63条の2の条文原文は「国土交通大臣は、前条第一項の場合において、その構造、装置又は性能が保安基準に適合していないおそれがあると認める同一の型式の一定の範囲の自動車(検査対象外軽自動車…」で始まります。
- 道路運送車両法第63条の2は第五章 道路運送車両の検査等に置かれています。
- 道路運送車両法の公布日は昭和26年6月1日です。
- 道路運送車両法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 道路運送車両法第63条の2の前の条は道路運送車両法第63条です。
- 道路運送車両法第63条の2の次の条は道路運送車両法第63条の3です。
- 道路運送車両法第63条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第63条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - 本サイト収録
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第63条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000185/63_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路運送車両法63条の2は、設計・製作に原因がある保安基準不適合のおそれについて、国土交通大臣がメーカー等に改善措置を勧告できると定める。従わなければ公表・命令へ進む。
Q · 国はメーカーにリコールを強制できるの?
まず勧告、従わなければ公表、最後は命令できる
道路運送車両法63条の2により、国土交通大臣は、保安基準に適合しないおそれがあり、その原因が設計・製作の過程にあると認める自動車や特定後付装置について、メーカーや輸入業者に改善措置を勧告できます。勧告に従わなければその旨を公表でき(4項)、公表後もなお正当な理由なく措置をとらなければ命令できます(5項)。ただし、メーカーが自主的に届出をして改善を終え、不適合のおそれがなくなっていれば勧告はされません(3項)。
解説
リコールは「メーカーの良心」で行われていると思われがちだが、法律の設計はもっと冷徹である。国土交通大臣は、事故が多発するなどして保安基準(国が定める車の安全・環境の最低ライン)に適合しないおそれがあり、その原因が設計や製作の段階にあると判断すれば、メーカーや輸入業者に改善措置を「勧告」できる。従わなければ社名を「公表」し、それでも正当な理由なく動かなければ「命令」に進む。勧告、公表、命令の三段階である。注目すべきは第3項だ。メーカーが自分から届出をして直し終えていれば、勧告はされない。つまり、この条文の本当の役割は勧告を乱発することではなく、「自主リコールしないと国に名指しされる」という圧力を常にかけ続けることにある。さらに、タイヤやチャイルドシートのような後付け部品のメーカーも対象になる。一方で、業者を通さず個人で輸入した車はこの仕組みの外にある。あなたの車に不具合の兆候があるとき、声を上げる相手はディーラーだけではない。
法的な位置づけ
道路運送車両法第63条の2は、保安基準不適合のおそれがあり、その原因が設計または製作の過程にある同一型式の自動車および特定後付装置について、国土交通大臣が製作者・輸入業者に改善措置を勧告し、不服従の場合に公表、正当な理由のない不履行の場合に命令できる旨を定める規定である。自主届出に基づく改善が完了している場合は勧告しない。
よくある質問 AI による整理
Q1リコール勧告とは何ですか?
保安基準に適合しないおそれがあり、原因が設計・製作にある車について、国土交通大臣がメーカーに改善措置を求める制度です。道路運送車両法63条の2が根拠です。
Q2リコール命令に違反するとどうなる?
命令は勧告・公表を経た最終段階で、違反すれば罰則の対象となりえます。具体的な罰則条項と法定刑は、最新の条文で確認してください。
Q3タイヤやチャイルドシートのリコールは誰が対応する?
政令で指定された特定後付装置であれば、その製作者または輸入業者が勧告の相手方になります。車メーカーではなく装置メーカー側の責任です(63条の2第2項)。
Q4リコール勧告は取消訴訟で争える?
勧告は行政指導にあたり、原則として取消訴訟の対象になりません。一方、5項の命令は行政処分にあたるため、取消訴訟などで争う余地があります。
Q5車の不具合を国に報告する方法は?
国土交通省の自動車不具合情報窓口(不具合情報ホットライン)で届け出られます。同じ型式の報告が集まることが、勧告を判断するときの材料になります。
Q6リコールの原因を技術的に検証するのは誰?
条文上の「機構」、つまり独立行政法人自動車技術総合機構です。国土交通大臣が必要と認めるときに検証を行わせ、機構は結果を遅滞なく大臣に通知します。
Q7リコール勧告に期限はある?
勧告を出す時期について条文上の期限はありません。保安基準不適合のおそれと設計・製作上の原因が認められれば、発売から時間が経った車でも対象になりえます。
Q8軽自動車もリコール勧告の対象?
対象です。第1項は車検を受けない検査対象外軽自動車も含むと明記しており、車検の有無で勧告の対象から外れることはありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1リコールが出たら、修理代はタダになるんですか?
届出や勧告に基づく改善措置は、メーカーや輸入業者が保安基準に適合させるために行うもので、実務上は無償で改修される。根拠は第63条の2と第63条の3の枠組みである。実務のポイント:リコールの前段階として、保安基準違反ではない不具合に対する「改善対策」や「サービスキャンペーン」という区分もある。こちらは無償範囲や期間がメーカーの判断に委ねられる部分が大きいため、通知書でどの区分かを必ず確認すること
Q2国が勧告したら、ニュースで社名が出ちゃうんですか?
条文上、公表されるのは勧告に従わなかった場合である(第4項)。勧告された時点で必ず公表されるわけではない。ただし公表されてもなお正当な理由なく措置をとらなければ、命令に進む(第5項)。実務のポイント:実際には勧告に至る前に、行政とのやり取りの中で自主届出に切り替えるメーカーがほとんどである。「勧告件数が少ない=問題が少ない」とは読めないので、制度の実効性は届出件数と合わせて見るべきである
Q3並行輸入車に乗ってるけど、リコールは関係ないの?
輸入を業とする者を通して輸入された車であれば、その輸入業者が「自動車製作者等」として勧告の相手になりうる。除外されるのは、業者でない者が輸入した車などである(第1項括弧書き)。実務のポイント:並行輸入業者の中には、本国のリコール情報を追いかける体制がない零細業者もある。購入時に、リコール発生時の対応窓口と部品の調達ルートを書面で確認しておくと、後で動きやすさがまるで違う
間違えやすい点 AI による整理
- 「リコールは国が命じるもの」と思われがちだが、実際のリコールのほとんどはメーカー自身の届出(第63条の3)から始まる。勧告はその届出が出ないときに初めて使われる後詰めの手段であり、第3項は、改善が済んでいれば勧告しないと明記している
- 勧告の重さを軽く見る人が多い。勧告自体は行政指導(役所からの「お願い」で、それ自体に法的な強制力はない)にあたり、原則として取消訴訟では争えない。しかし従わなければ社名が公表され、その先には命令と罰則が控えている。自動車業界では、公表されることが販売とブランドに大打撃を与えることは、2000年代の大規模なリコール隠し事件で証明済みである
- 「どんな車でも国がリコールで守ってくれる」という前提がそもそも誤っている。業者を通さず個人で輸入した車や、国土交通省令で除外された車は、勧告の対象外である。保護の範囲は、車を買ったルートによって変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動くか | 63条の2:国土交通大臣が勧告→公表→命令 | 63条の3:メーカー・輸入業者が自ら改善措置を届出 63条:国土交通大臣が臨時検査を公示 |
| 法的性質 | 勧告は行政指導、命令は行政処分 | 事業者による届出(自主リコール) 使用者に検査を受けさせる公示 |
| 相互関係 | 63条の3の届出・改善が済めば勧告しない(3項) | 届出と改善の完了で63条の2の勧告を回避できる 本条は63条1項の場面を前提に発動する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では自動車に特化した勧告・公表・命令の三段構造ではなく、消費者保護法の商品回収義務と主管機関の回収命令によって対応する
韓国は製作者に製作欠陥の是正を義務づけ、国土交通部長官が是正を命じうる構造で、日本より強制色の濃い設計とされる
中国は行政法規で自主リコールと主管部門による責令召回の二本立てを定め、日本の届出と勧告・命令に近い構造をとる
米国は NHTSA が欠陥を認定しメーカーに通知と無償改修を義務づけうる。日本の勧告・公表という段階的な行政指導型とは設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同じ車種に乗る人たちの SNS で「高速走行中に急にエンジン警告灯が点いて減速した」という投稿が何十件も並んでいる。ディーラーに持ち込んでも「異常なし」と返される。国土交通省の不具合情報窓口に届け出た一件一件が、「保安基準に適合しないおそれ」を示す材料として積み上がっていく
- もし買ったばかりのチャイルドシートの固定具に割れが見つかり、同じ製品で同様の報告が相次いでいたら、どうなる? チャイルドシートは車メーカーではなく装置メーカーの製品である。それでも特定後付装置として、製造元や輸入業者が勧告の相手になりうる
- あなたは海外タイヤブランドの輸入販売会社で品質保証を担当している。国交省から「技術的検証を機構に依頼した」と連絡が入った。勧告される前に自主的に届出をして改修を進めるか、検証結果を待つか。判断を先延ばしにするほど、「従わなかった会社」として公表されるリスクが大きくなる
- 並行輸入業者を通さずに、アメリカから自分で旧車を輸入した。本国でリコールが出ても、この条文による勧告の対象からは外れる。部品の手配も改修の段取りも自分でやるしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不具合の症状、発生日時、走行状況を動画や写真で記録する。2. ディーラーでの点検結果は書面でもらう。3. 国土交通省の自動車不具合情報窓口に届け出る。同じ型式の報告が集まることが勧告判断の材料になる。4. 事故や損害が出た場合は、製造物責任法3条に基づくメーカーへの賠償請求を別に検討する。5. リコール情報は国交省のサイトで車台番号をもとに定期的に確認する
訴えられた側:1. 市場からの不具合情報を型式単位で集計し、設計・製作段階に原因があるかどうかを早い段階で社内で判定する。2. 原因が疑われるなら、勧告を待たずに第63条の3の届出をして改修を始める(第3項により勧告を避けられる)。3. 機構の技術的検証には技術資料を揃えて誠実に協力する。4. 命令が出た場合、命令は行政処分(役所が直接下す法的な決定)にあたるため、取消訴訟などで争う余地がある。ただし公表による評判の損失は取り返しにくい
時効(請求できる期限):勧告そのものに期限の定めはない。被害の賠償については、製造物責任法による請求権は損害と賠償義務者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、引渡しから10年で消滅する(同法5条)。一般の不法行為は民法724条、契約責任は一般消滅時効(民法166条、5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条の勧告は行政手続法上の行政指導にあたり、それ自体に法的強制力はなく、原則として取消訴訟の対象とならない。これに対し5項の命令は名宛人に義務を課す行政処分であり、抗告訴訟で争う余地があると解される。
改正沿革 AI による整理
- 要人的検証 リコール制度は通達による運用から法定の届出制へ移行し、2000年の大規模なリコール隠し事件の後に、勧告・公表・命令や特定後付装置の規定が整備されたとされる。改正年と各項の新設・改正の区別は、官報で確認が必要である
- 要人的検証 技術的検証を「機構」(独立行政法人自動車技術総合機構)に行わせる第6項・第7項は、検証機関の組織再編に合わせて改正されたとみられる。時期は要確認
- 道路運送車両法 第63条臨時検査、本条発動の前提場面
- 道路運送車両法 第63条の3改善措置の届出、自主リコールの根拠
- 道路運送車両法 第63条の4改善措置の実施状況等の報告(現行効力を要確認)
- 道路運送車両法 第46条保安基準の原則、適合性判断の基準
- 製造物責任法 第3条欠陥車による被害の無過失賠償責任
- 消費生活用製品安全法 第39条一般製品の危害防止命令、並列するリコール制度
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