道路運送車両法 第46条(保安基準の原則)
クイックジャンプ
第四十条から第四十二条まで、第四十四条及び前条の規定による保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準(以下「保安基準」という。)は、道路運送車両の構造及び装置が運行に十分堪え、操縦その他の使用のための作業に安全であるとともに、通行人その他に危害を与えないことを確保するものでなければならず、かつ、これにより製作者又は使用者に対し、自動車の製作又は使用について不当な制限を課することとなるものであつてはならない。
この条文の基本情報
保安基準の原則とは何ですか?
定義保安基準の原則とは、道路運送車両法第46条に定められた規定で、「第四十条から第四十二条まで、第四十四条及び前条の規定による保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準(以下「保安基準」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路運送車両法第46条(保安基準の原則)は、日本の道路運送車両法に含まれる条文です。
- 道路運送車両法第46条の条文原文は「第四十条から第四十二条まで、第四十四条及び前条の規定による保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準(以下「保安基準」という。」で始まります。
- 道路運送車両法第46条は第三章 道路運送車両の保安基準に置かれています。
- 道路運送車両法の公布日は昭和26年6月1日です。
- 道路運送車両法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 道路運送車両法第46条の前の条は道路運送車両法第45条です。
- 道路運送車両法第46条の次の条は道路運送車両法第47条です。
- 道路運送車両法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - 本サイト収録
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000185/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路運送車両法46条は、保安基準が車両の運行・操作の安全と通行人への危害防止を確保し、かつ製作者・使用者に不当な制限を課さないものであることを求める規定。
Q · 車検の保安基準って、国が好きなように厳しくできるの?
安全目的なら規制できるが、不当な制限は本条で禁じられている
道路運送車両法46条は、保安基準の中身に二つの条件を課しています。一つは、車両が運行に十分堪え、操作が安全で、通行人などに危害を与えないことを確保すること。もう一つは、製作者や使用者に自動車の製作・使用について不当な制限を課さないことです。具体的な数値は国土交通省令「道路運送車両の保安基準」と告示で決まりますが、安全や環境保全と結びつかない規制は本条の趣旨に反します。
解説
車検に通るか落ちるかを決める細かいルール、つまり窓ガラスの透け具合、車高、マフラーの音量などは、国会ではなく国土交通省が省令「道路運送車両の保安基準」で決めている。本条はその省令を縛る一段上のルールである。保安基準は二つの条件を同時に満たさなければならない。一つ目は、車が走行に十分耐え、運転操作が安全で、歩行者などに危害を与えないこと。二つ目は、自動車メーカーや車の持ち主に「不当な制限」を課さないこと。役所は安全のためなら何でも禁止できるわけではない。安全や環境保全に結びつかない規制は、本条の趣旨に反する。この二つ目の条件を知っているかどうかで、規制の読み方が変わる。「国が決めたことだから」と黙って従うだけだった人も、「その規制は何の危険を防ぐためのものか」と理由を問えるようになる。
法的な位置づけ
道路運送車両法46条は、同法40条から42条、44条及び45条に基づき定められる保安上・環境保全上の技術基準(保安基準)の制定原則を定める規定である。保安基準は、道路運送車両の構造・装置が運行に十分堪え、操作が安全で、通行人等に危害を与えないことを確保するものでなければならず、かつ製作者又は使用者に不当な制限を課すものであってはならない。
よくある質問 AI による整理
Q1保安基準とは何ですか?
道路運送車両法に基づき国土交通省令で定める、車両の構造・装置に関する保安上・環境保全上の技術基準です。車検の合否はこの基準への適合で判断されます。
Q2道路運送車両法46条 何が書いてある?
保安基準の作り方の原則です。安全と危害防止を確保しなければならず、同時に製作者や使用者に不当な制限を課してはならないと定めています。
Q3保安基準 誰が決める?
国会ではなく国土交通省です。省令「道路運送車両の保安基準」と細目告示で具体的な数値や試験方法が定められ、法改正なしで改正できます。
Q4保安基準に適合しない改造 違法?
保安基準に適合しなくなる改造は不正改造として禁止されています(99条の2)。整備命令(54条)や道路交通法上の整備不良の対象にもなりえます。
Q5車検に通った後に改造したらどうなる?
保安基準は車検の日だけでなく公道走行中は常に満たすべき状態です。車検後の不適合改造でも、その時点から整備命令等の対象になりえます。
Q6保安基準 古い車は適用が違う?
細目告示は製作年月日などで適用基準が分かれることが多く、同じ部品でも古い車は適合、新しい車は不適合となる場合があります。車検証で確認を。
Q7保安基準の改正に意見を出せる?
省令・告示の改正案はパブリックコメントの対象になることがあります。本条の「不当な制限」禁止に沿って、規制目的との結びつきを問う意見が有効です。
Q8自動運転車も保安基準の対象?
令和元年(2019年)の法改正で自動運行装置が保安基準の対象装置に加わりました。自動運転の安全要件も本条の原則の下で定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1車検の基準って、結局だれがいつ決めてるんですか?
大枠は道路運送車両法の40条から45条、具体的な数値は国土交通省令「道路運送車両の保安基準」と、その細目を定める告示で決まっている。本条(46条)は、その中身が安全と環境を確保し、しかも不当な制限にならないことを求めている。実務のポイント:細目告示は頻繁に改正され、しかも「製作年月日」で適用基準が分かれることが多い。同じ部品でも古い車は OK、新しい車は NG という事態が普通に起きるので、車検証の初度登録年月を必ず確認すること
Q2理不尽な規制だと思ったら、裁判で争えるんですか?
省令が法律の委任の範囲を超えていれば、違法・無効と判断されうる。医薬品のネット販売を省令で禁じた規定を無効とした最判平成25.1.11が代表例である。保安基準の場合、本条の「不当な制限」禁止がその判断材料になりうるが、安全目的の技術基準には行政の専門的な裁量が広く認められやすい(実務上、解釈が分かれている)。実務のポイント:個人で訴えるより、業界団体を通じた規制改革要望やパブリックコメントのほうが、実際に基準を動かしてきた
間違えやすい点 AI による整理
- 「保安基準は法律だから、国会で決まった数字だ」と思われがちだが、実際の数値の大半は国土交通省令と告示で決まっている。国会を通らずに改正できるため、変化も速い。数年前に調べた改造の可否が、今も同じとは限らない
- 規制が厳しいと感じたとき「国の決めたことに文句は言えない」と諦めるのは、問いの立て方が誤っている。本条は制限が「不当」であってはならないと明記しており、行政の側に、規制が安全や環境保全の目的と結びついていることを説明する責任を求めている。問うべきは「従うか否か」ではなく「この基準は何の危険を防ぐためのものか」である
- 車の持ち主から見れば、保安基準は車検の日だけ気にすればよい試験問題に見える。しかし法律から見れば、保安基準は公道を走るあいだ常に満たすべき状態であり、車検の翌日に不適合な改造をすれば、その時点から整備命令(54条)や道路交通法上の整備不良の対象になりうる。この落差が、車検後に改造する人を追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 46条:保安基準の内容に関する原則(安全確保+不当制限禁止) | 41条:保安基準の対象となる装置を列挙 99条の2:保安基準不適合となる不正改造の禁止 |
| 名宛人 | 保安基準を定める国(国土交通省) | 保安基準を定める国(対象範囲の画定) 何人も(整備事業者・使用者を含む) |
| 違反時の帰結 | 本条の趣旨に反する省令は委任の範囲を逸脱したと評価されうる | 列挙外の装置は保安基準の対象外 罰則・行政処分の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も車両の安全基準は行政規則で具体化される。法律レベルで「不当な制限の禁止」を明記する規定は見当たらず、日本の本条は規制の上限を明文化している点が特徴的
自動車の構造・装置が安全運行に必要な性能と基準に適合しなければならないとし、具体的基準は国土交通部令に委任する構造で日本と類似
車両は通常の運行で他者を害さず、危険・妨害を避けられるよう製作・装備されなければならないとする一般条項を置く。EU型式認可制度とも連動する
連邦自動車安全基準は実行可能(practicable)で安全の必要を満たし、客観的に表現されるべきと定める。規制に合理性の枠をはめる点で本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古で買った車の運転席側の窓に、前のオーナーが濃いスモークフィルムを貼っていた。車検で透過率を測ると70% に届かず不合格。「見た目の問題でしょ」と思うかもしれないが、この数値は本条のいう「通行人その他に危害を与えない」、つまり運転者が側方の歩行者を目視できることに直結している。規制の理由が分かれば、フィルムを剥がすべきか、どこまで許されるかの判断も早くなる
- 新しいエアロパーツを取り付けたら、なぜ車検が不要なまま合法でいられるのか? 平成7年(1995年)ごろの規制緩和で、一定の「指定部品」は構造等変更検査なしで取り付けられるようになった。背景にあったのは、安全と関係の薄い規制が使用者に「不当な制限」を課しているという問題意識である
- あなたは整備工場の店長。常連客にマフラー交換を頼まれ、車検まであと10日しかない。保安基準に適合しなくなる改造を請け負えば、不正改造の禁止(99条の2)に触れるのは工場側である。「お客さんの希望だから」は通用しない
学説
一般的理解:本条は保安基準を定める行政に対し、安全・環境保全の確保という下限と、製作者・使用者への不当な制限の禁止という上限を同時に課す指針規定と理解される。個別基準の適否は技術的専門性から行政裁量が広く認められやすい
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:道路運送車両法(昭和26年法律第185号)の制定により、保安基準の原則規定として設けられた
- 道路運送車両法 第41条保安基準の対象装置を列挙する本体規定
- 道路運送車両法 第58条有効な自動車検査証なき運行の禁止
- 道路運送車両法 第54条保安基準不適合車への整備命令
- 道路運送車両法 第99条の2保安基準不適合となる不正改造の禁止
- 道路運送車両法 第75条型式指定、製作段階での基準適合確認
- 道路交通法 第62条整備不良車両の運転禁止、路上での取締り
- 大気汚染防止法 第19条排出ガス許容限度を保安基準で確保
- 騒音規制法 第16条自動車騒音許容限度を保安基準で確保
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める