道路運送車両法 第97条(登録自動車に対する強制執行等)
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- 登録自動車に対する強制執行及び仮差押えの執行については、地方裁判所が執行裁判所又は保全執行裁判所として、これを管轄する。ただし、仮差押えの執行で最高裁判所規則で定めるものについては、地方裁判所以外の裁判所が保全執行裁判所として、これを管轄する。
- 2.前項の強制執行及び仮差押えの執行に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
- 3.前二項の規定は、登録自動車の競売について準用する。
- 4.前三項の規定は、自動車抵当法第二条但書に規定する大型特殊自動車については、適用しない。
この条文の基本情報
登録自動車に対する強制執行等とは何ですか?
定義登録自動車に対する強制執行等とは、道路運送車両法第97条に定められた規定で、「登録自動車に対する強制執行及び仮差押えの執行については、地方裁判所が執行裁判所又は保全執行裁判所として、これを管轄する。ただし、仮差押えの執行で最高裁判所規則で…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路運送車両法第97条(登録自動車に対する強制執行等)は、日本の道路運送車両法に含まれる条文です。
- 道路運送車両法第97条の条文原文は「登録自動車に対する強制執行及び仮差押えの執行については、地方裁判所が執行裁判所又は保全執行裁判所として、これを管轄する。ただし、仮差押えの執行で最高裁判所規則で…」で始まります。
- 道路運送車両法第97条は第七章に置かれています。
- 道路運送車両法の公布日は昭和26年6月1日です。
- 道路運送車両法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 道路運送車両法第97条の前の条は道路運送車両法第96条の19です。
- 道路運送車両法第97条の次の条は道路運送車両法第97条の2です。
- 道路運送車両法第97条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第97条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - 本サイト収録
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第97条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000185/97
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路運送車両法97条は、登録自動車への強制執行と仮差押えの執行を地方裁判所の管轄とし、手続の細目を最高裁判所規則に委ねる。軽自動車は対象外。
Q · 相手の普通車を差し押さえたいとき、執行官に頼めばいいの?
原則は地方裁判所。執行官の動産執行は軽自動車など
道路運送車両法97条により、運輸支局で登録を受けた普通車などの登録自動車に対する強制執行と仮差押えの執行は、地方裁判所が管轄します。管轄は車の使用の本拠の位置を管轄する地方裁判所です(民事執行規則87条)。執行官に申し立てる動産執行は、登録自動車には使えません。軽自動車や原付は登録自動車に当たらないため、執行官による動産執行の対象になります。申立て前に登録事項等証明書で、所有者が債務者本人かを確認してください。
解説
判決に勝っても、相手の車を勝手に持って行くことはできない。しかも「車だから執行官に頼めばいい」と考えた時点で、一手遅れている。本条は、登録自動車(運輸支局で登録を受けた普通車や小型車)への強制執行と仮差押えの執行を、地方裁判所の担当と定める。登録自動車は、法律上は単なる動産(持ち運べる物)ではない。所有権は自動車登録ファイルで公示され、差押えもそのファイルに記録される。扱いは不動産に近い。そのため、執行官が現場で物を押さえる動産執行は使えない。車の「使用の本拠の位置」(主に使う場所)を管轄する地方裁判所に、強制競売を申し立てることになる(民事執行規則87条)。一方、軽自動車や原付は「登録自動車」に当たらず、執行官による動産執行の対象になる。同じ車でも、種類によって入口の扉がまったく違う。扉を間違えれば書類は戻される。その間に車は売られ、名義は移る。
法的な位置づけ
道路運送車両法第97条は、自動車登録ファイルに登録された登録自動車に対する強制執行及び仮差押えの執行の管轄を定める規定である。原則として地方裁判所が執行裁判所又は保全執行裁判所となり、手続の細目は民事執行規則等の最高裁判所規則に委ねられる。競売にも準用され、建設機械として登記された大型特殊自動車には適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債務名義と執行文をそろえる 確定判決、和解調書、執行証書などの債務名義を確保し、必要に応じて執行文の付与と送達証明を受ける。判決前なら仮差押命令の申立てを検討する
- 2.登録事項等証明書で所有者と使用の本拠を確認 運輸支局等で登録事項等証明書を取得し、所有者が債務者本人か、所有権留保がないか、使用の本拠の位置はどこかを確認する。所有者が第三者なら差押えの見直しが必要
- 3.管轄の地方裁判所に自動車執行を申し立てる 使用の本拠の位置を管轄する地方裁判所に強制競売を申し立て、予納金を納付する。開始決定により差押えの登録が嘱託される
- 4.執行官による車の引渡し確保 開始決定後、執行官が車の引渡しを受ける。期間内に引渡しを受けられないと手続が取り消されることがあるため、車の保管場所や使用状況の情報を事前に集めておく
- 5.競売と配当 裁判所が車を評価して売却し、売却代金から手続費用を差し引いた額が債権者に配当される
よくある質問 AI による整理
Q1車の差し押さえとは何ですか?
債務名義に基づき、債務者の車を裁判所の手続で押さえて競売し、代金から債権を回収する手続です。登録自動車では地方裁判所が担当します。
Q2車の差し押さえはどこの裁判所に申し立てる?
登録自動車の場合、自動車登録ファイルに記録された使用の本拠の位置を管轄する地方裁判所です(民事執行規則87条)。債権者の住所地ではありません。
Q3ローン中の車は差し押さえられる?
車検証の所有者が信販会社やディーラーなら、債務者の財産として差し押さえるのは困難です。真の所有者から第三者異議の訴えを起こされる可能性があります。
Q4判決に勝ったら相手の車を持って行ってもいい?
できません。自力での持ち去りは違法な自力救済となり、窃盗等に問われるおそれもあります。必ず裁判所の執行手続によってください。
Q5車の差押えに費用はかかる?
申立手数料のほか、競売手続のための予納金が必要です。金額は裁判所が定めるため、申立て先の地方裁判所に事前に確認してください。
Q6車を差し押さえられたら乗れなくなる?
自動車執行が開始されると、原則として車は執行官に引き渡されます。登録による仮差押えだけなら、乗り続けられる場合があります。
Q7ショベルカーなどの重機も同じ手続?
建設機械として登記された大型特殊自動車は本条4項で適用除外です。建設機械抵当法側の執行ルールで扱われるため、事前に登記の有無を確認します。
Q8差押えの登録はどこで確認できる?
運輸支局等で登録事項等証明書を取得すると、所有者や差押え・仮差押えの登録の有無を確認できます。請求要件は運輸支局で確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1軽自動車も地方裁判所に申し立てて差し押さえるんですか?
違う。本条の対象は登録自動車だけで、軽自動車・二輪・原付は動産として執行官に申し立てる動産執行になる。執行官が現地で車を確保するので、車がどこにあるかを把握していることが前提になる。実務のポイント:軽自動車は売っても安く、執行費用で赤字になりやすい。実務家は車を追う前に、第三者からの情報取得手続(民事執行法206条・207条)で給与や預貯金を探すことが多い
Q2訴える前に相手の車を押さえておきたい。どこに申し立てればいいですか?
仮差押えの執行も、原則は地方裁判所が保全執行裁判所になる(本条1項本文)。ただし、最高裁判所規則で定める仮差押え、つまり仮差押えの登録をする方法によるものは、地方裁判所以外が担当になり得る(同項ただし書、民事保全規則)。実務のポイント:登録だけの仮差押えなら相手は車に乗り続けられるが、売却は事実上止まる。車を取り上げるか処分だけを止めるかで、費用も相手の反発も大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「どの裁判所に申し立てるか」を考える前に、確かめるべきことがある。その車の登録上の所有者が本当に債務者なのかという点だ。ローン中の車の多くは、ディーラーや信販会社が所有者として登録されている(所有権留保)。管轄を正しく選んでも、他人名義の車を差し押さえれば、本当の所有者から第三者異議の訴え(民事執行法38条)を起こされて手続は止まる
- 差押えが登録ファイルに記録されることは知っていても、それが時間との勝負だと知る人は少ない。登録制度では、先に登録された権利が勝つ。申立ての準備に手間取っている間に、第三者への売却や名義変更が登録されれば、債権者の立場は一気に弱くなる。書類の出来より、先に動くことが重要になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 道路運送車両法97条:登録自動車への強制執行・仮差押えの執行の管轄 | 道路運送車両法5条:登録自動車の所有権の得喪の対抗要件 民事執行法122条以下:動産執行(軽自動車・原付など) |
| 担当機関 | 地方裁判所(使用の本拠の位置を管轄) | 運輸支局等の登録行政 執行官 |
| 公示の方法 | 自動車登録ファイルへの差押え・仮差押えの登録 | 自動車登録ファイルへの所有権の登録 執行官の占有・封印等 |
| 実務上の要点 | 扉を間違えると却下・移送で時間を失う | 登録上の所有者が債務者でなければ差押えは困難 車の所在把握が前提、換価額が低く費用倒れになりやすい |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では自動車は動産執行の対象で、執行裁判所が監理機関に禁止処分の登記を嘱託して処分を封じる運用がある
韓国も自動車の強制執行を大法院規則に委ね、不動産執行に準じた登録型の手続を採る点で日本と近い
ドイツでは自動車は動産として執行官が差押える。日本のような登録型の裁判所執行は採らない
フランスは県庁への差押申告や車両の移動禁止(immobilisation)という自動車専用の差押方法を置く
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 交通事故の賠償判決を勝ち取ったのに、相手は任意保険に入っておらず、一円も払わない。見えている財産は、相手が毎日乗っている自家用の普通車だけ。どこに何を申し立てればいいのか? 判決正本を持って執行官室へ行っても、登録自動車は扱ってもらえない。車の使用の本拠地を管轄する地方裁判所に強制競売を申し立て、差押えの登録を入れる。相手が車を売るか名義を移すまで、残りは数日かもしれない
- カードローンの返済を放置していたら、地方裁判所から自動車執行の開始決定が届いた。車を執行官に引き渡すよう命じる内容も付いている。差押えの登録が入った後に家族へ名義を移しても、債権者には対抗できない。
- 友人から「ローンで買った車が差し押さえられそうだ」と相談を受けた。車検証の所有者欄を見ると、信販会社の名前がある。登録上の所有者が友人でなければ、友人の債権者がその車を友人の財産として競売にかけるのは難しい。ただし、支払が止まった時点で、信販会社は所有権を根拠に車を引き揚げに来る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決・和解調書・執行証書などの債務名義(強制執行を可能にする公的な文書)を確保し、執行文の付与を受ける2. 登録事項等証明書を取り、所有者が債務者本人か、使用の本拠の位置はどこかを確認する3. 管轄の地方裁判所に自動車執行を申し立てる。開始決定と差押登録を急ぎ、執行官が車を確保できる場所の情報を集めておく4. 判決前なら、仮差押えの登録で売却や名義変更を先に封じる
訴えられた側:1. 開始決定の内容と債務名義を確認する。すでに弁済済み、または時効が完成しているなら、請求異議の訴え(民事執行法35条)を検討する2. 管轄違いや手続の瑕疵があれば、執行異議(同法11条)を申し立てる3. 車が家族や信販会社の所有なら、真の所有者が第三者異議の訴え(同法38条)で争える4. 差押登録後の名義移転は無意味なので、隠すより分割弁済の交渉の方が現実的
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。確定判決等で確定した債権の消滅時効は10年である(民法169条)。仮差押命令は、債権者に送達された日から2週間を過ぎると執行できない(民事保全法43条2項)。自動車執行は、開始決定後の一定期間内に執行官が車の引渡しを受けられないと、手続が取り消される(民事執行規則。期間は最新の規則でご確認ください)
学説
通説:登録自動車は民法上は動産だが、登録制度により所有権と担保権が公示されるため、執行手続上は不動産に準じて扱われる。本条はその帰結として執行を地方裁判所に集中させ、差押えを登録で公示させる。
- 道路運送車両法 第4条登録が運行の前提、登録自動車の範囲
- 道路運送車両法 第5条所有権の得喪は登録が対抗要件
- 自動車抵当法 第2条4項で除外する大型特殊自動車の範囲
- 民事執行法 第38条真の所有者による第三者異議の訴え
- 民事保全法 第43条保全執行の2週間の期間制限
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