要点国税徴収法 74 条は、差し押さえた組合等の持分が換価できず、他の財産でも国税に不足するとき、税務署長が組合等に持分の一部の払戻しを請求できると定める。請求には 30 日前の予告を要する。
Q · 信用金庫の出資金を差し押さえられました。売れない出資金でも税務署は取り立てられるんですか?
差し押さえた持分が売れなければ、組合本体に払戻しを請求できます
国税徴収法 74 条により、税務署長は差し押さえた組合等の持分について、再度の換価でも買受人がない、または法律・定款の譲渡制限で譲渡できないという理由があり、かつ持分以外の財産に滞納処分を執行してもなお国税に不足する場合に、組合等へ持分の一部の払戻しを請求できます。請求の相手方は滞納者ではなく組合等であり、実行には 30 日(脱退につき法律または定款が異なる予告期間を定めるときはその期間)前の予告が必要です。この予告期間が、換価の猶予申請などを検討できる最後の窓になります。
信用金庫の出資金や事業協同組合の持分は、預金と違って自由に引き出せない。だから税務署も手を出せない。そう考えている中小企業の経営者は少なくないが、国税徴収法 74 条はその思い込みを正面から崩す条文である。持分を差し押さえても、譲渡制限があったり、公売に二度かけても買い手がつかなければ、それは現金にならない。そこで本条は、税務署長に「組合や信用金庫の本体に対して、持分の一部を払い戻せと請求する権利」を与えた。請求される相手は滞納者であるあなたではなく、組合等という第三者である。ただし発動には絞りがある。他の財産に滞納処分を執行してもなお国税に不足すること、そして請求の 30 日前までに組合へ予告すること。この予告期間こそ、あなたに残された最後の交渉窓である。
国税徴収法 74 条は、差し押さえた持分の払戻請求権を定める規定である。企業組合、信用金庫その他任意に脱退できる法人(合名会社・合資会社・合同会社を除く)の構成員である滞納者の持分について、再度の換価不成立または譲渡制限により換価できず、かつ他の財産では徴収すべき国税に不足する場合に、税務署長は組合等に対して持分の一部の払戻しを請求できる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
差し押さえた組合等の持分が換価できないとき、税務署長が組合本体へ持分の一部払戻しを請求できると定める規定です。再度の換価不成立または譲渡制限、他の財産の不足、30 日前の予告が要件です。
原則 30 日前です。ただし脱退につき法律または定款がこれと異なる予告期間を定める場合は、その期間が適用されます(74 条 2 項)。中小企業等協同組合法では自由脱退に 90 日前の予告を求める規定があります。
差押えが解除されるわけではありません。再度の換価でも買受人がなければ、74 条により税務署長が組合等へ持分の一部払戻しを請求する段階に進みます。換価不能は徴収の終点ではありません。
対象外です。合名会社・合資会社・合同会社は条文上除外されています。持分会社については会社法 609 条が差押債権者に社員を退社させる権利を認めており、別ルートで回収される建て付けです。
構成員が任意に脱退できる法人の持分であれば対象になり得ます。74 条は企業組合、信用金庫その他の法人を広く含む建て付けで、農業協同組合の出資持分も実務上この枠組みで扱われます。
予告書を受け取ってから請求が行われるまでの間が実質的な勝負どころです。国税徴収法 151 条の 2 の申請による換価の猶予は、納付すべき国税の納期限から 6 か月以内の申請が要件とされています。
その持分以外の財産に滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足すると認められることが請求の要件である、という意味です。他に換価可能な財産の存在を示せれば、請求自体が成り立ちません。
中小企業等協同組合法に基づく企業組合、信用金庫その他、構成員が任意に脱退できる持分を有する法人を指します。合名会社・合資会社・合同会社は除かれます(74 条 1 項)。
差し押さえられる。持分は国税徴収法 72 条の無体財産権等として差押えの対象になる。ただし自由に売れないため、公売で二度買い手がつかない場合や譲渡制限がある場合は、74 条で信用金庫本体に払戻しを請求する流れになる。業界裏話ヒント:出資金は金額が小さくても手続が進むことがある。予告が組合に届いた時点で取引金融機関に滞納が伝わるため、金額が小さいから見逃されるという読みは危うい
避けられない。脱退すると持分は持分払戻請求権という債権に変わり、国税徴収法 62 条の債権差押えの対象になる。第三債務者である組合に差押通知が届けば、組合はあなたに払えなくなる。業界裏話ヒント:差押え後の脱退は、74 条の請求より徴収側に有利に働く場合がある。持分のまま置いておく方が、公売不成立や補充性の要件で時間を稼げることがある。動く前に順序を確認する
組合が払戻しに応じなければ、税務署は組合を相手に手続を進めうる。滞納者の財産である払戻請求権を差し押さえ、組合が第三債務者として取立てを受ける構図になり、無視は組合自身のリスクに転化する。業界裏話ヒント:74 条 2 項の予告期間は定款次第で 30 日より長くなる。定款を確認せずに 30 日で動こうとすると、資金手当ての時間を自ら放棄することになる
条文は「持分の一部の払戻し」を請求できると定めており、徴収すべき国税に不足する範囲で行われるのが建前である。組合等による譲受けが認められている持分については、払戻しではなく組合による譲受けを請求する形になる。業界裏話ヒント:請求の前提は他の財産では足りないという判断である。他に換価可能な財産の存在を示せれば、1 項の補充性要件が崩れ、請求自体が立たなくなる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の対象 | 74 条:差押済みだが換価できない組合等の持分 | — |
| 相手方 | 組合等(第三者)への払戻し請求 | — |
| 発動要件 | 再度の換価不成立または譲渡制限+他の財産では国税に不足+30 日前の予告 | — |
| 滞納者側の対抗手段 | 予告期間内に他の財産を示して補充性を崩す、換価の猶予(151 条の 2) | — |
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