道路交通法 第75条の26(特定自動運行実施者に対する指示)
クイックジャンプ
- 公安委員会は、特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が、特定自動運行に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分又は他の法令の規定に違反した場合において、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、特定自動運行実施者に対し、特定自動運行に関し必要な措置をとるべきこと(措置をとるまでの間、特定自動運行を行わないことを含む。)を指示することができる。
- 2.公安委員会は、前項の規定による指示をしようとする場合において、当該指示に係る特定自動運行実施者による特定自動運行が道路運送法第二条第二項に規定する自動車運送事業(貨物自動車運送事業法第二条第四項に規定する貨物軽自動車運送事業を除く。)又は貨物利用運送事業法第二条第八項に規定する第二種貨物利用運送事業として行われるものであるときは、当該事業を監督する行政庁の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
特定自動運行実施者に対する指示とは何ですか?
定義特定自動運行実施者に対する指示とは、道路交通法第75条の26に定められた規定で、「公安委員会は、特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が、特定自動運行に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第75条の26(特定自動運行実施者に対する指示)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第75条の26の条文原文は「公安委員会は、特定自動運行実施者又はその特定自動運行業務従事者が、特定自動運行に関しこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定若しくはこの法律の規定に基づく処分…」で始まります。
- 道路交通法第75条の26は第四章の三 特定自動運行の許可等に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第75条の26の前の条は道路交通法第75条の25です。
- 道路交通法第75条の26の次の条は道路交通法第75条の27です。
- 道路交通法第75条の26には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第75条の26 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第75条の26(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/75_26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法75条の26は、特定自動運行実施者等が法令に違反し道路の危険防止の必要があるとき、公安委員会が必要な措置を指示でき、その措置には運行停止も含まれると定める。
Q · 自動運転バスの許可を取ったら、あとは自由に走らせていいんですか?
いいえ、公安委員会の指示一本で運行停止まで命じられます
道路交通法75条の26により、公安委員会は、特定自動運行実施者やその業務従事者が道路交通法令その他の法令に違反し、道路における危険を防止する必要があると認めるときは、必要な措置をとるよう指示できます。この措置には「措置をとるまで特定自動運行を行わないこと」、つまり実質的な運行停止が含まれます。ただし第2項により、その特定自動運行が自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く)又は第二種貨物利用運送事業として行われる場合、公安委員会は事前に監督行政庁の意見を聴かなければなりません。
解説
レベル4、つまり運転席に人が座らない自動運転を事業として道路で走らせるには、都道府県の公安委員会の許可がいる。だが許可さえ取れば安泰、と思っているなら危うい。道路交通法75条の26は、許可を出したその公安委員会に、走り出した後の事業者を「止める」権限を与えている。事業者やその従事者が道路交通法だけでなく「他の法令」に違反し、道路の危険を防ぐ必要があると認めれば、公安委員会は「必要な措置をとれ」と指示できる。しかもその措置には「措置をとるまで運行するな」、事実上の運行停止が含まれる。無人運転が売りのサービスにとって、1日の停止は資金繰りに直撃する。さらに条文の第2項には、あなたを守る仕掛けもある。その事業が道路運送法や貨物利用運送事業法上の運送事業なら、公安委員会は勝手に指示を出せず、その事業を監督する行政庁の意見を聴かなければならない。この一行の手続を飛ばした指示は、後で覆せる。
法的な位置づけ
道路交通法75条の26は、公安委員会が特定自動運行実施者に対して有する指示権限を定める規定である。指示は、実施者又は業務従事者が道路交通法令その他の法令に違反し、道路における危険の防止等の必要がある場合に発動され、措置をとるまで特定自動運行を行わないことを含む。運送事業として行われる場合は監督行政庁の意見聴取を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.指示書の措置範囲と運行停止の有無を特定する 受け取った指示書で、求められている措置の内容と、「措置をとるまで特定自動運行を行わないこと」が含まれているかを最初に確認する。運行停止の有無で損害額と対応の優先順位が根本から変わる
- 2.第2項の意見聴取を経ているか手続を検証する 自社の運行が道路運送法2条2項の自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く)又は第二種貨物利用運送事業に当たるかを確認し、当たる場合は監督行政庁への意見聴取が行われたかを公安委員会に照会する。飛ばされていれば手続違反として取消事由になる
- 3.指示された措置を実施し、公安委員会へ報告する 争う方針であっても、運行再開を早めるため措置の実施は並行して進める。運行管理システムの改修、遠隔監視体制の見直し、従事者教育などを記録付きで実施し、証拠を添えて報告する
- 4.不服がある場合は執行停止と併せて争う 審査請求(行政不服審査法18条:処分を知った日の翌日から3か月)又は取消訴訟(行政事件訴訟法14条:処分を知った日から6か月)を検討し、運行停止の損害拡大を止めるため執行停止(行政事件訴訟法25条)の申立てを急ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1特定自動運行とは何ですか?
運転者が乗車しないレベル4相当の自動運転を、道路交通法上の制度として位置づけたものです。都道府県公安委員会の許可を受けた実施者だけが行えます。
Q2道路交通法75条の26の指示に従わないとどうなりますか?
指示は行政処分であり、従わない場合は許可の取消しなど、より重い処分に段階が上がる建て付けです。まず指示、次に取消しという順序で規制が強まります。
Q3自動運転レベル4の許可はどこに申請しますか?
運行を行う場所を管轄する都道府県公安委員会(実務窓口は各県警)です。運送事業として行う場合は、国土交通省側の事業許可も別途必要になります。
Q4公安委員会の指示は行政処分ですか?
行政処分です。したがって審査請求や取消訴訟の対象になり、運行停止による損害を止めるため執行停止の申立ても併せて検討できます。
Q5特定自動運行業務従事者とは誰のことですか?
実施者に雇われ、遠隔監視や現場対応など特定自動運行の業務に従事する人を指します。この従事者の法令違反も、実施者への指示の引き金になります。
Q6意見聴取が必要になる運送事業の範囲は?
道路運送法2条2項の自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く)と、貨物利用運送事業法2条8項の第二種貨物利用運送事業です。それ以外は意見聴取不要です。
Q7自動運転の運行停止はいつまで続きますか?
条文に期間の定めはなく、指示された措置をとるまでです。措置を実施して公安委員会に報告するまで停止が続くため、対応速度がそのまま損害額を左右します。
Q8貨物軽自動車運送事業はなぜ意見聴取の対象外なのですか?
第2項が明文で除外しているためです。届出制で監督の枠組みが異なる事業類型であり、公安委員会は意見聴取を経ずに指示を出せる整理になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自動運転バスの実証運行をやってるんですが、警察から急に『止めろ』って言われることあるんですか?
あります。75条の26で公安委員会は事業者に必要な措置を指示でき、その中に『措置をとるまで運行しない』が含まれます。つまり実質の運行停止です。実務のポイント:これは許可取消(別条)より手前の中間措置で、まず指示、従わなければ取消・罰則へと段階的に上がる。指示の段階で自主的に対応すれば許可自体は守れるので、突っぱねるより措置を詰めて報告する方が事業として得なことが多い
Q2その指示に納得いかないとき、従うしかないんですか?
いいえ、指示は行政処分なので審査請求や取消訴訟で争えます。運行停止の損害が大きいので執行停止の申立ても併せて検討します。実務のポイント:あなたの事業が道路運送法上の運送事業なら、75条の26第2項で公安委員会は監督行政庁の意見を聴く義務がある。この意見聴取を飛ばして出された指示は手続違反で取り消される余地がある。だから指示書は中身より先に『意見聴取を経たか』を確認するのが弁護士の初動だ
Q3自動運転って国土交通省の管轄じゃないんですか? なんで警察が出てくるんです?
許可を含め道路上の運行の安全は道路交通法の世界で、これを所管するのが公安委員会(県警)です。一方、運送事業としての許可は国土交通省。二つの役所が重なって監督しています。実務のポイント:だから第2項でわざわざ監督行政庁の意見聴取が要求されている。事業者は二つの役所の板挟みになるが、逆に言えば片方の手続不備を突ける。どちらの窓口を先に押さえるかで、規制対応のスピードが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自動運転は国が一括で規制している」と思って国土交通省ばかり見ているなら、問いの立て方そのものがずれている。道路上を走る車両を止める権限は、国ではなく都道府県の公安委員会(つまり県警)にある。監督官庁が二つに割れているという構造を見落とすと、規制対応の窓口を間違える
- 「指示は許可取消より軽い、大したことない」と知っていても、その深刻度を見誤りがちだ。指示に含まれる「措置をとるまで運行しない」は、名前こそ指示だが実質は営業停止命令に等しい。無人運転が事業の核であるほど、1日の停止が売上と資金繰りに開ける穴は深い
- 「道路交通法さえ守っていれば指示は来ない」と思い込んでいるが、条文は「他の法令の規定に違反した場合」も対象にしている。車両の整備不良で道路運送車両法違反、従事者の過重労働で労働法違反、そうした道交法の外の違反が引き金になって、公安委員会の指示が飛んでくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の性質 | 道交法75条の26:指示(措置命令+運行停止を含む中間措置) | 道交法75条の12:特定自動運行の許可(授益的処分) 道交法75条の2:使用者に対する自動車の使用制限命令 |
| 発動要件 | 実施者又は業務従事者の法令違反+道路の危険防止の必要性 | 申請と審査基準の充足 違反行為の反復等、使用者側の管理責任 |
| 他省庁との関係 | 運送事業として行う場合は監督行政庁の意見聴取が必須(第2項) | 許可段階では別途、運送事業許可が必要 意見聴取の規定なし |
| 事業への打撃 | 措置完了まで運行ゼロ、無人運転が核の事業ほど直撃 | 不許可なら事業開始自体が不能 対象車両の使用のみ制限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は自動運転を一般規制ではなく実験サンドボックス(経済部主管)で扱い、実験許可の停止・廃止という形で行政が運行を止める。日本のように交通警察機関へ停止権限を集約する構造ではない
韓国は自動運転の商用化促進法を独立法として制定し、国土交通部が中心的な監督主体となる。日本のように公安委員会(警察)が運行停止権限を持つ設計とは主管の重心が異なる
ドイツはレベル4車両の運行許可と技術監督者の義務を道路交通法(StVG)本体に取り込み、監督官庁が運行を制限できる建て付けを持つ。日本の75条の26と機能的に近い
米国は連邦の統一規制ではなく州法中心。カリフォルニアでは DMV が自動運転の展開許可を発給し、安全上の問題があれば許可を停止・取消できる。停止権限が交通行政機関にある点は日本と類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜、運行管理システムの不具合で自動運転バスが交差点に立ち往生した。翌朝、公安委員会から「安全確保の措置をとるまで運行するな」と指示書が届いたら、あなたの路線は明日から動かせるのか。稼働ゼロの日が、契約先の物流計画ごと止める
- 配送ロボット事業で軽微な接触が続いた。公安委員会が「必要な措置」を指示。だが何をどこまでやれば再開できるのか、基準は条文に書いていない。裁量の霧の中で、あなたは公安委員会と交渉することになる
- 指示書が届いた。従うまで運行停止。あと数日で稼働を戻さないと物流が止まり違約金が発生する。措置を詰めて公安委員会へ報告するまでのカウントダウンが、今この瞬間から始まっている
- 過疎地であなたが毎朝乗っていた自動運転バスに、ある日「運休」の張り紙。運行会社の都合ではなく、公安委員会の指示で止まっていた。あなたの通勤の足は、事業者ではなく警察の判断で消えた
取るべき行動
被害を受けた側:自動運転車で危険な思いをした住民・歩行者の立場なら、1. 日時・場所・車両・状況を記録(動画とドライブレコーダー相当の証拠が有効) 2. 都道府県警(公安委員会)へ情報提供・通報。これが75条の26の指示発動の端緒になる3. ただし指示を出すかは公安委員会の裁量で、あなたが直接強制はできない点を理解する4. 現に事故被害を受けたなら、指示とは別軌道で民事の損害賠償(民法709条)・自賠責を進める
訴えられた側:指示書を受け取った事業者なら、1. まず「運行停止を含むか」と措置の具体的範囲を確認2. 次に、事業が運送事業に当たる場合は第2項の監督行政庁への意見聴取を経ているか手続をチェック、飛ばしていれば取消事由3. 争う方針なら、運行停止で損害が拡大するため執行停止(行政事件訴訟法25条)を申し立てつつ審査請求・取消訴訟を検討4. 同時に、指示された措置を履行して公安委員会へ報告し早期再開も追う。弁護士は行政事件・運輸規制に強い者を選ぶ
時効(請求できる期限):指示は行政処分であり、不服申立ての期限がある。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。運行停止による損害を止めるには、これと並行して執行停止の申立てを急ぐ(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)新設・令和5年(2023年)4月1日施行 自動運転(レベル4)を「特定自動運行」として道路交通法第4章の3に新設した改正の一環として追加された条文。公安委員会に特定自動運行実施者への指示権限を付与し、運送事業として行われる場合の監督行政庁との意見聴取手続を定めた。新設後の実質改正は確認されていない
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:自動運転(レベル4)を「特定自動運行」として道路交通法に位置づけた改正の一環として新設。公安委員会に特定自動運行実施者への指示権限を付与し、運送事業として行われる場合の監督行政庁との意見聴取手続を定めた。令和5年(2023年)4月1日施行
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める