商業登記法 第62条(株式譲渡制限の定款の定めの設定による変更の登記)
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譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めの設定による変更の登記(株券発行会社がするものに限る。)の申請書には、第五十九条第一項第二号に掲げる書面を添付しなければならない。
この条文の基本情報
株式譲渡制限の定款の定めの設定による変更の登記とは何ですか?
定義株式譲渡制限の定款の定めの設定による変更の登記とは、商業登記法第62条に定められた規定で、「譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めの設定による変更の登記(株券発行会社がするものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第62条(株式譲渡制限の定款の定めの設定による変更の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第62条の条文原文は「譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めの設定による変更の登記(株券発行会社がするものに限る。」で始まります。
- 商業登記法第62条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第62条の前の条は商業登記法第61条です。
- 商業登記法第62条の次の条は商業登記法第63条です。
- 商業登記法第62条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第62条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第62条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/62
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法62条は、株券発行会社が譲渡制限の定めを設定する変更登記の申請書に、株券提出公告をしたことを証する書面または株券不発行を証する書面の添付を義務づける規定である。
Q · 譲渡制限を入れる登記に、株券の公告って本当に必要なんですか?
株券を実際に発行していなければ証明書1通で足ります
商業登記法62条により、株券発行会社が譲渡制限の定めを設定する変更登記を申請するときは、59条1項2号の書面が必要です。株券を現に発行していれば、効力発生日の1か月前までに株券提出公告をしたことを証する書面を、1枚も発行していなければ、株式の全部について株券を発行していないことを証する代表取締役作成の書面を添付します。定款に株券を発行する旨の定めがそもそもなければ、62条の適用はありません。
解説
株主総会で譲渡制限の決議を通した。議事録も印鑑証明も揃えた。それでも法務局のカウンターで補正を告げられることがある。株券発行会社には、もう一通だけ必要な書面があるからだ。商業登記法62条は、株券を発行する旨の定款の定めがある会社が「株式を譲渡するには会社の承認が要る」という規定を新設して登記するとき、59条1項2号の書面、つまり株券提出公告をしたことを証する書面か、株式の全部について株券を発行していないことを証する書面の添付を義務づけている。会社法219条1項1号は譲渡制限の設定を株券提出手続の対象としており、その公告は効力発生日の1か月前までに済ませておかなければならない。決議当日に思い立っても間に合わない。逆に、実際には株券を1枚も刷っていない会社なら、代表取締役名義の証明書1通で足りる。この分岐を知らずに日程を組むと、総会をやり直すことになる。
法的な位置づけ
商業登記法62条は、譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨の定款の定めの設定による変更の登記のうち、株券発行会社が申請するものに限り、同法59条1項2号に掲げる書面の添付を要求する添付書面規定である。当該書面とは、株券提出公告をしたことを証する書面、または株式の全部について株券を発行していないことを証する書面を指す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.定款と登記事項証明書で株券発行の定めを確認 最新の定款と登記事項証明書を並べ、「当会社の株式については、株券を発行する」旨の定めが残っているかを確認する。この一行の有無だけで、商業登記法62条の適用があるかどうかが決まる
- 2.株券の実際の発行実績を調査し、ルートを確定 株主名簿、金庫、旧経理資料を確認し、株券を1枚でも交付した事実があるかを調べる。未発行なら代表取締役作成の株券不発行証明書ルート、発行済みなら株券提出公告ルートに分岐する
- 3.発行済みなら効力発生日の1か月前までに公告と各別の通知 会社法219条1項1号に基づき、株券提出公告を定款所定の公告方法で行い、株主および登録株式質権者へ各別の通知を送る。官報は申込みから掲載まで2週間前後かかるため、逆算して着手する
- 4.株主総会で特殊決議を行い、議事録と株主リストを整える 会社法309条3項の特殊決議で定款変更を可決し、議決権の数だけでなく賛成株主の頭数も議事録に明記する。併せて商業登記規則61条の株主リストを作成する
- 5.効力発生日から2週間以内に変更登記を申請 議事録、株主リストに加え、商業登記法62条の書面(公告証明書または株券不発行証明書)を添付して本店所在地を管轄する法務局へ申請する。登録免許税は3万円
よくある質問 AI による整理
Q1譲渡制限の登記に必要な書類は?
株主総会議事録(特殊決議)と株主リスト(商業登記規則61条)が基本です。株券発行会社の場合は商業登記法62条により、59条1項2号の書面、つまり株券提出公告の証明書か株券不発行証明書が追加で必要になります。
Q2株券提出公告はどこに出すの?
定款で定めた公告方法によります。官報が原則で、日刊新聞紙や電子公告を定款で選んでいればそちらです。公告と併せて株主および登録株式質権者への各別の通知も必要で、効力発生日の1か月前までに完了させます。
Q3自分の会社が株券発行会社か調べる方法は?
現在の定款と登記事項証明書を確認します。「株券を発行する旨の定め」が登記されていれば株券発行会社です。実際に紙を刷ったかは無関係で、平成18年の会社法施行時のみなし規定のまま残っている中小企業が多くあります。
Q4譲渡制限の設定にはどんな決議が必要?
株主総会の特殊決議です。議決権を行使できる株主の半数以上という頭数要件と、その議決権の3分の2以上という要件を同時に満たす必要があり(会社法309条3項)、通常の特別決議より重い関門です。
Q5譲渡制限の登記はいつまでに申請する?
効力発生日から2週間以内です(会社法915条1項)。起算点は決議日ではなく定款変更の効力発生日である点に注意が必要で、懈怠した場合は代表者個人に過料の制裁が科されることがあります。
Q6株券不発行証明書は誰が作る?
会社の代表取締役が作成し、会社実印を押します。「当会社は株式の全部について株券を発行していない」旨を記載した1枚の書面で足りるのが登記実務の取扱いです。事前に法務局へ書式を確認しておくと安全です。
Q7譲渡制限の登記の登録免許税はいくら?
資本金の額にかかわらず1件3万円です。同一の申請書で株券を発行する旨の定めの廃止など他の変更登記も同時に申請する場合、課税区分が同じであれば全体で3万円に収まります。
Q8譲渡制限に違反した株式譲渡は無効?
会社との関係では効力を主張できず、会社は譲受人を株主として扱う必要がありません。他方、譲渡した当事者どうしの間では有効と解するのが判例・通説の立場で、代金返還までは当然には生じません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うち、株券なんて一度も刷ってないんですけど、それでも公告っているんですか?
実際に発行していなければ公告は不要で、株式の全部について株券を発行していないことを証する書面、実務では代表取締役作成の証明書を添付すれば足ります(商業登記法62条、59条1項2号)。実務のポイント:定款に株券を発行する旨の一行が残っているだけで株券発行会社の扱いになります。譲渡制限を入れるついでに株券発行の定めの廃止も決議して登記してしまえば、以後この論点が二度と出てこない。司法書士が同時申請を勧めるのはこのためです
Q2公告を出し忘れて1か月前を過ぎてしまいました。もう詰みですか?
詰みではありません。効力発生日を公告日から1か月以上先に設定し直せば足り、必要なら効力発生日を変更する決議を経ます。決議そのものをやり直す必要は必ずしもありません。実務のポイント:官報は申込みから掲載まで2週間前後かかるため、実質的には効力発生日の1か月半前から動く必要があります。定款の公告方法を電子公告にしておくと掲載までの待ち時間と費用が大きく縮み、こうした差し戻しに強くなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「株券なんて発行していないから、うちは株券発行会社ではない」という前提そのものが誤っている。株券発行会社かどうかは、実際に紙を刷ったかではなく、定款に株券を発行する旨の定めがあるかで決まる(会社法117条7項)。平成18年の会社法施行時にみなし規定で株券発行会社となったまま定款を放置している中小企業は今も多く、その一行が62条の添付書面を呼び込む
- 譲渡制限の設定に株主総会の特殊決議が要ることまでは知っていても、その深刻度が見えていない。反対した株主には株式買取請求権が発生し(会社法116条1項1号)、価格が折り合わなければ裁判所の価格決定手続に持ち込まれる。閉鎖性を手に入れる代わりに、会社は予定外の現金流出リスクを抱え込む
- オーナーから見れば「会社を守るための当然の措置」だが、法律から見れば「株主の財産処分の自由を事後的に制限する行為」である。この落差があるからこそ、特殊決議、株券提出公告、買取請求という三重の関門が置かれている。関門を軽い事務手続だと見積もった側が、日程でも資金繰りでも足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法62条:譲渡制限設定の登記に限って添付書面を上乗せする特則 | 商業登記法59条:株式の消却・併合等の登記における添付書面の原型規定 商業登記法24条:添付書面を欠く申請の却下事由(結果側の規定) |
| 適用対象 | 株券発行会社がする譲渡制限の定めの設定による変更登記のみ | 株券提出手続を要する各種の登記全般 商業登記の申請すべて |
| 求められる書面 | 59条1項2号の書面(公告証明書または株券不発行証明書) | 各登記事由に応じた決議書面・公告証明書等 書面の指定はなく、欠缺の効果のみを定める |
| 怠った場合 | 添付書面不足として補正、放置すれば却下(24条7号) | 同じく補正・却下の対象 登記官が申請を却下する根拠となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は株式譲渡自由が原則で、閉鎖性股份有限公司についてのみ定款で譲渡制限を定め登記事項とする。台湾では株券(股票)の実体発行が原則任意化されており、日本のような株券提出公告を登記の添付書面として要求する構造はない
韓国も定款による譲渡制限を認め登記事項とする点で日本と近い。株券実物の回収手続を登記添付書面として明文化する点は、日本の商業登記法に固有の運用色が強い
ドイツは GmbH の持分譲渡に定款で会社の同意を要求でき、株式会社では記名株式に限り Vinkulierung が可能。持分譲渡自体が公正証書を要するため、株券回収という発想が前面に出ない
米国は譲渡制限を株券面またはノーティスに表示することを対抗要件とし、州務長官への登記ではなく証券自体への記載で公示する。公示の担い手が登記簿ではなく証券である点が日本と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 来週の株主総会で譲渡制限を入れる決議をする予定だが、株券提出公告をまだ出していないとしたら、どうなる? 決議自体は有効でも、効力発生日を1か月以上先に置き直さない限り登記は通らない。官報は掲載申込みから実際の掲載まで2週間前後かかるので、今日動き出しても総会当日には間に合わない
- 金庫に古い株券が1枚眠っている少数株主のあなたに、会社から株券提出の通知が届いた。紙を握ったまま日を過ごすと、反対株主の買取請求の窓が効力発生日の前日で閉じる。株券の回収に応じるかどうかより先に、その窓の残り日数を数えるべきだ
- 創業メンバーの1人が退職し、持株を外部に売ると言い出した。慌てて譲渡制限を入れようと決議しても、株券発行会社であれば1か月の公告期間が挟まり、その間に譲渡は完了しうる。定款に「当会社の株式については、株券を発行する」の一行が残っているかどうかが、間に合うか間に合わないかを分ける
取るべき行動
被害を受けた側:株券を持つ少数株主として提出通知を受けたら、1に通知書と公告の日付を保存し、効力発生日を特定する。2に決議で反対の意思表示をし、議事録に残す。3に効力発生日の20日前から前日までに、書面で株式買取請求を行う(会社法116条3項、5項)。4に価格が折り合わなければ、効力発生日から30日以内に裁判所へ価格決定を申し立てる。株券は請求後に会社の指示に従って提出すればよく、先に手放す必要はない
訴えられた側:登記を通す側なら、1に定款で株券発行の定めの有無を確認する。2に定めがあれば、実際の発行実績を調べ、未発行なら代表取締役名義の株券不発行証明書、発行済みなら効力発生日の1か月前までの公告と各別の通知を手配する。3に官報の掲載リードタイムを見込み、公告日から逆算して総会日と効力発生日を設定する。4に株主リスト(商業登記規則61条)と議事録を揃え、効力発生日から2週間以内に申請する
時効(請求できる期限):株券提出公告は効力発生日の1か月前まで(会社法219条1項)。反対株主の買取請求は効力発生日の20日前の日から前日まで(会社法116条5項)。登記申請は効力発生日から2週間以内(会社法915条1項)で、懈怠には過料の制裁がある(会社法976条1号)。起算点はいずれも決議日ではなく効力発生日である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
登記実務の取扱い:株式の全部について株券を発行していないことを証する書面は、代表取締役が作成した証明書で足りると扱われている。株券発行会社に当たるかは定款の定めを基準とし、発行実績の有無は公告ルートか証明書ルートかの分岐にのみ影響する
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備(要人的検証) 会社法の制定により株券不発行が原則とされたことに伴い、株式関係の登記規定が全面的に組み替えられ、本条に「株券発行会社がするものに限る」という限定が置かれた。新設か既存規定の改正かの区別、および前後の改正の有無は要確認
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定により株券不発行が原則とされたことに伴い、株式関係の登記規定が組み替えられ、本条に「株券発行会社がするものに限る」という限定が置かれた。新設か既存規定の改正かの区別、および前後の改正の有無は要検証
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