商業登記法 第64条(株主名簿管理人の設置による変更の登記)
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株主名簿管理人を置いたことによる変更の登記の申請書には、定款及びその者との契約を証する書面を添付しなければならない。
この条文の基本情報
株主名簿管理人の設置による変更の登記とは何ですか?
定義株主名簿管理人の設置による変更の登記とは、商業登記法第64条に定められた規定で、「株主名簿管理人を置いたことによる変更の登記の申請書には、定款及びその者との契約を証する書面を添付しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第64条(株主名簿管理人の設置による変更の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第64条の条文原文は「株主名簿管理人を置いたことによる変更の登記の申請書には、定款及びその者との契約を証する書面を添付しなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第64条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第64条の前の条は商業登記法第63条です。
- 商業登記法第64条の次の条は商業登記法第65条です。
- 商業登記法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法64条は、株主名簿管理人を置いたことによる変更登記の申請書に、定款と契約を証する書面の添付を求める規定。登記は効力発生から2週間以内に必要となる。
Q · 株主名簿管理人を置いた登記って、結局どの書類を出せばいいんですか?
定款と契約を証する書面の2点。定款変更を伴えば議事録と株主リストも要ります。
商業登記法64条が明記する添付書面は、定款と株主名簿管理人との契約を証する書面の2点です。ただし定款に「株主名簿管理人を置く」旨の定めがない場合は、先に定款変更の株主総会特別決議(会社法466条、309条2項11号)が必要となり、その議事録と商業登記規則61条の株主リストも添付することになります。登記の期限は変更が生じた時から2週間以内(会社法915条1項)で、懈怠は100万円以下の過料の対象です(同法976条1号)。
解説
添付書面が二つしか書かれていない条文は、商業登記法の中でも珍しい。株式の名義書換や株主名簿の管理を信託銀行や証券代行会社に委託する、それが株主名簿管理人である(会社法123条)。委託した事実そのものが登記事項になり(会社法911条3項11号)、その申請書に付けるのは定款と契約を証する書面の二つだけ、それが本条の中身だ。ここで多くの担当者が躓く。定款にもともと「株主名簿管理人を置く」旨の定めがあれば、あとは取締役会決議と契約締結で足り、株主総会は開かなくてよい。定めがなければ定款変更の特別決議が要り、招集手続の期間だけでスケジュールが2週間ずれる。上場準備の会社が証券代行と契約する場面で、この差が申請日を動かす。そして登記されたその名称と営業所は、将来あなたの株を相続する人が名義書換に出向く住所になる。
法的な位置づけ
商業登記法64条は、株主名簿管理人の設置による変更登記の申請における添付書面を定める規定である。株式会社が会社法123条に基づき株主名簿の作成・備置きその他の事務を第三者に委託した場合、その事実は登記事項となり、申請書には定款及び受託者との契約を証する書面の添付が求められる。定款上の根拠と現実の委託関係の双方を登記官が確認するための形式的要件である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.定款末尾に株主名簿管理人の定めがあるか確認 原始定款および現行定款を開き、「株主名簿管理人を置くことができる」旨の条項があるか確認する。定めがあれば株主総会は不要で取締役会決議に進める。定めがなければ定款変更の特別決議が先行するため、全体スケジュールが2週間以上後ろにずれる
- 2.必要な決議機関を決めて決議を通す 定款に定めがある場合は取締役会決議で受託者を具体的に決定する(会社法362条4項)。定めがない場合は株主総会の特別決議で定款変更を行う(会社法466条、309条2項11号)。議事録は登記添付書面になるため、決議事項の記載を登記申請内容と一致させる
- 3.信託銀行・証券代行会社と委託契約を締結し効力発生日を確定 契約書に効力発生日を明示的に記載する。2週間の登記期間の起算点が書面上一義的に定まり、後日「いつから数えるか」で過料の当否を争う余地が消える。登記される営業所の表示も契約書と一致させる
- 4.添付書面を揃えて本店所在地で変更登記を申請 商業登記法64条の定款と契約を証する書面に加え、定款変更を伴う場合は株主総会議事録と商業登記規則61条の株主リスト、司法書士に依頼する場合は委任状(商業登記法18条)を添付する。添付書面が欠けると同法24条により申請が却下される
- 5.登記完了後、履歴事項全部証明書で記載を検証 完了後に履歴事項全部証明書を取得し、株主名簿管理人の名称・住所・営業所が契約内容どおり記載されているか確認する。以後、委託先の営業所移転や商号変更の案内が届いた際に変更登記が必要になるため、社内で監視担当を明示しておく
よくある質問 AI による整理
Q1株主名簿管理人とは何ですか?
会社に代わって株主名簿の作成・備置き・名義書換などの事務を行う者で、実務では信託銀行や証券代行会社が務めます。根拠は会社法123条で、設置には定款の定めが必要です。
Q2株主名簿管理人を置く登記の必要書類は?
商業登記法64条が定めるのは定款と契約を証する書面の2点です。定款変更を伴う場合は株主総会議事録と商業登記規則61条の株主リスト、代理申請なら委任状が加わります。
Q3株主名簿管理人の登記はいつまでにする?
委託契約の効力が発生した時から2週間以内に本店所在地で申請します(会社法915条1項)。期限は契約締結日ではなく効力発生日から起算する点に注意が必要です。
Q4株主名簿管理人の登記事項は何ですか?
氏名又は名称、住所、営業所が登記事項です(会社法911条3項11号)。実際に株主が名義書換を請求する窓口となる営業所まで公示される点が重要です。
Q5株主名簿管理人の営業所が移転したらどうなる?
営業所は登記事項なので、委託した会社側に変更登記の義務が生じます。委託先の内部都合による移転であっても、登記懈怠の責任は自社と代表取締役が負います。
Q6株主名簿管理人は非上場会社でも置ける?
置けます。会社法123条は上場会社に限定していません。ただし受託側の証券代行会社が引き受けるか否かは商業上の判断で、実務上は上場準備段階で契約するのが一般的です。
Q7株主名簿管理人をやめる場合も登記が要る?
必要です。廃止も登記事項の変更にあたるため、2週間以内に変更登記を申請します。定款の定めまで削除する場合は定款変更の特別決議が別途必要になります。
Q8会社設立と同時に株主名簿管理人を置けますか?
置けます。その場合は設立登記の中で処理され、添付書面は商業登記法47条の規律によります。設立後に置くケースの本条64条とは条文の適用場面が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株主名簿管理人を置くのに、わざわざ株主総会を開かないとダメなんですか?
定款に既に「株主名簿管理人を置く」旨があるなら不要で、取締役会決議と契約締結で足りる(会社法123条、362条4項)。定めがなければ定款変更の特別決議が要る(会社法466条、309条2項11号)。実務のポイント:会社設立時のひな型定款には、この一文が最初から入っていることが少なくない。原始定款を1枚めくるだけで、株主総会の招集そのものを省略できる場合がある。
Q2登記を出し忘れたら、実際どうなるんですか?
変更から2週間を過ぎると登記懈怠となり、100万円以下の過料の対象になる(会社法915条1項、976条1号)。申請自体はその後でも受理されるので、気付いた時点で速やかに出すのが正解だ。実務のポイント:過料の通知は会社宛ではなく代表取締役個人宛に裁判所から届き、会社経費で処理しにくい性質のものだ。役員変更の登記漏れなど他の懈怠と合算されて金額が膨らむこともある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主名簿管理人を置く登記に何が必要か」と検索する前に開くべきは定款である。定款に既に定めがあるかどうかで、必要な決議機関も所要期間も、そもそも株主総会を開くかどうかも変わる。問いの立て方が最初から一段ずれている。
- 登記事項が「氏名又は名称、住所、営業所」であることは知っていても、その営業所が変わるたびに自社が変更登記をする義務を負う、という重さを知らない担当者が多い。委託先の内部都合で、自社側に登記義務が発生し続ける構造になっている。
- 本条に定款と契約書しか書かれていないから提出は2点で済む、と読むのは早い。定款変更の決議を同時に要する場合は、商業登記規則61条により株主リストの添付も必要になる。条文だけを読んで窓口に行くと、その場で足りないと言われる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 商業登記法64条:設立後に株主名簿管理人を置いた変更登記 | 商業登記法47条:設立時から置く場合の設立登記 商業登記法54条:役員等の変更登記 |
| 条文が明記する添付書面 | 定款+契約を証する書面の2点 | 定款・設立時役員の選任関係書面等の設立一式 就任承諾書・本人確認証明書・株主総会議事録等 |
| 追加で要る書面 | 定款変更を伴えば議事録+株主リスト(商業登記規則61条) | 設立手続全体の書面が包括的に必要 登記すべき事項により本人確認書面が追加 |
| 欠けた場合の効果 | 商業登記法24条により申請却下、2週間経過で過料リスク | 設立登記自体が完了せず会社が成立しない 同じく却下、登記懈怠は会社法976条1号の過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公開発行会社が股務代理機構に株式事務を委託できるが、金融監督管理委員会の行政規則が枠組みを定める構造で、日本のように委託の事実そのものが会社登記の登記事項として公示される仕組みとは異なる
韓国も名義書換代理人の制度を持ち、定款の定めに基づき設置する点で日本と近い。登記事項としての取扱いおよび添付書面の細目は韓国商業登記法制の確認を要する
ドイツは記名株式について会社が Aktienregister を備える義務を負う。事務の外部委託自体は可能だが、受託者を商業登記簿に登記する制度は日本のような形では置かれていない
米国は transfer agent が SEC 等に登録する規制型のアプローチをとる。会社側の州会社登記に受託者を記載させるのではなく、受託者自身を連邦規制の対象とする点で発想が逆向きである
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、相続した非上場株の名義を書き換えたいのに、会社に電話して「うちの担当ではない」と言われたら? 履歴事項全部証明書を取れば、株主名簿管理人の名称と営業所がそこに載っている。行き先はその一行だ。
- 証券代行との委託契約を締結した日が月初、上場申請のスケジュールはすでに詰まっている。効力発生から2週間で変更登記を出さないと、過料の通知は会社ではなく代表取締役個人に届く(会社法915条1項、976条1号)。定款に定めがなければ株主総会の招集手続の期間も上乗せされ、残り日数はもう足りない。契約書の効力発生日を後ろにずらす交渉が、この時点での唯一の手になる。
- 信託銀行から「証券代行業務の営業所を移転します」という案内が届いた。委託したのはあなたの側だが、営業所は登記事項なので、変更登記の義務を負うのはあなたの会社だ。案内を社内回覧で流して終わりにすると、数年後の登記簿点検で懈怠が一気に露見する。
取るべき行動
被害を受けた側:株主・相続人の側なら、1. 会社の履歴事項全部証明書を法務局またはオンラインで取得し、株主名簿管理人の名称・住所・営業所欄を確認する2. 記載があればその営業所へ名義書換を請求、なければ会社が窓口3. 会社が「証券代行に聞け」と言うのに登記に記載がない場合、登記懈怠の可能性がある。会社に登記の有無を書面で照会し、回答を記録に残す4. 上場株なら証券会社経由で振替手続になるため、窓口はさらに別になる点も併せて確認する
訴えられた側:会社・登記義務者の側なら、1. 定款に株主名簿管理人の定めがあるか確認、なければ定款変更の株主総会特別決議(会社法466条、309条2項11号)を先に組む2. 定めがあれば取締役会決議で具体的な受託者を決定3. 委託契約を締結し、効力発生日を確定4. その日から2週間以内に、定款と契約を証する書面(定款変更を伴う場合は株主総会議事録と株主リストも)を添えて本店所在地で申請5. 登記懈怠が既に発生している場合でも、速やかに申請すれば過料額の判断で有利に働く
時効(請求できる期限):変更が生じた時(委託契約の効力発生時)から2週間以内に本店所在地で登記(会社法915条1項)。懈怠は100万円以下の過料で、代表取締役個人が名宛人になる(会社法976条1号)。登録免許税は登記事項の変更として定額(最新の改正状況をご確認ください)。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 旧商法下の「名義書換代理人」に関する規律が、会社法の「株主名簿管理人」に置き換えられ、商業登記法の添付書面規定も同用語に整備された。ただし条番号の異動時期と施行細目については人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法の制定により、旧商法および非訟事件手続法に散在していた商業登記手続が単行法として統合された。添付書面の限定列挙という立法技術もこの時に整えられた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備により、旧商法下の「名義書換代理人」に関する規律が「株主名簿管理人」に置き換えられ、商業登記法の添付書面規定も同用語に整備された。条番号の異動時期と施行細目については人的検証を要する
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