電気事業法 第17条の3(収入の見通しに関する命令及び処分)
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- 経済産業大臣は、一般送配電事業者の託送供給等の業務における能率的かつ適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該一般送配電事業者に対し、相当の期限を定め、前条第一項の承認を受けた収入の見通し(同条第四項の変更の承認又は次項の規定による変更があつたときは、その変更後のもの。次条第三項第一号及び第四項において同じ。)の変更の承認を申請すべきことを命ずることができる。
- 2.経済産業大臣は、前項の規定による命令をした場合において、同項の期限までに承認の申請がないときは、その収入の見通しを変更することができる。
- 3.経済産業大臣は、前項の規定により収入の見通しを変更したときは、速やかに、その変更の内容を当該一般送配電事業者に対して通知するものとする。
この条文の基本情報
収入の見通しに関する命令及び処分とは何ですか?
定義収入の見通しに関する命令及び処分とは、電気事業法第17条の3に定められた規定で、「経済産業大臣は、一般送配電事業者の託送供給等の業務における能率的かつ適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該一般送配電事業者に対し、相当の期限を定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第17条の3(収入の見通しに関する命令及び処分)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第17条の3の条文原文は「経済産業大臣は、一般送配電事業者の託送供給等の業務における能率的かつ適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該一般送配電事業者に対し、相当の期限を定…」で始まります。
- 電気事業法第17条の3は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第17条の3の前の条は電気事業法第17条の2です。
- 電気事業法第17条の3の次の条は電気事業法第18条です。
- 電気事業法第17条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第17条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第17条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/17_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法17条の3は、経済産業大臣が一般送配電事業者に収入の見通しの変更申請を命じ、期限内に申請がなければ大臣自ら見通しを変更できると定める。
Q · 送配電会社が大臣の見直し命令に応じなかったら、収入の見通しはどうなるの?
期限内に申請がなければ大臣が自ら見通しを変更する
電気事業法17条の3第1項により、経済産業大臣は託送供給等の業務の能率的かつ適正な運営を確保するため必要と認めるとき、一般送配電事業者に相当の期限を定めて収入の見通しの変更承認申請を命じられます。期限までに申請がなければ、第2項により大臣が見通しを職権で変更でき、第3項によりその内容を速やかに事業者へ通知します。命令を放置しても承認済みの数字は守られません。
解説
毎月の電気代の明細には「送電網の利用料」という行はない。それでも料金のかなりの部分は、送配電網を持つ一般送配電事業者(各地域で電線と変電所を保有・運用する会社、例:東京電力パワーグリッド)に支払われる託送料金(電気を運ぶ網の使用料)である。新電力に乗り換えても、この部分から逃れることはできない。2023年度からは、この託送料金の総額が「収入の見通し」として経済産業大臣の承認を受ける仕組み(レベニューキャップ制度、一定期間の収入上限を先に決める方式)に変わった。本条は、その承認済みの見通しを大臣の側から動かすための条文である。運営が非効率、または適正でないと大臣が認めたときは、期限を定めて事業者に変更申請を命じることができる。期限内に申請しなければ、大臣が自分で見通しを書き換える(第2項)。命令を放置しても事業者の都合のよい数字は残らない。黙っていれば、自分で書いた数字ではなく役所が書いた数字で5年間の収入が決まる。送電網の巨額のお金に最後の調整をかけられるのは、事業者ではなく大臣だということを、この条文は示している。
法的な位置づけ
電気事業法第17条の3は、経済産業大臣が一般送配電事業者の託送供給等の業務の能率的かつ適正な運営を確保するため必要と認めるとき、同法17条の2で承認された収入の見通しについて相当の期限を定めて変更承認の申請を命じ、期限内に申請がない場合には大臣自らが見通しを変更し、その内容を速やかに通知する旨を定める規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1レベニューキャップ制度とは
一般送配電事業者が一定期間の収入の上限(収入の見通し)について経済産業大臣の承認を受け、その範囲で託送料金を設定する仕組みです。2023年度から導入されました。
Q2収入の見通しの変更命令 要件は?
託送供給等の業務の能率的かつ適正な運営を確保するため必要があると大臣が認めることです(電気事業法17条の3第1項)。具体的な線引きは条文上明らかでなく、運用の確認が必要です。
Q3変更命令の期限 いつまで?
条文は「相当の期限」とだけ定め、具体的な日数は命令ごとに大臣が定めます。命令書に記載された期限を即日確認することが実務の第一歩です。
Q4大臣が収入の見通しを職権で変更できる?
できます。変更申請を命じたのに期限までに申請がない場合、大臣は自ら収入の見通しを変更でき(17条の3第2項)、内容を速やかに事業者へ通知します(同第3項)。
Q5託送料金 誰が決める?
一般送配電事業者が大臣承認を受けた収入の見通しを前提に託送供給等約款で定めます(電気事業法17条の2・18条)。小売電気事業者が独自に決めることはできません。
Q6収入見通しの変更命令 取消訴訟できる?
命令や職権変更が処分に当たれば取消訴訟や審査請求の対象となり得ますが、処分性の判断や不服申立ての方法は個別に確認が必要です。
Q7変更命令が出ると電気代は下がる?
収入の見通しが引き下げられれば、それを前提とする託送料金が見直され、電気代の託送部分に反映される可能性があります。ただし即時・自動ではありません。
Q8収入の見通し 変更承認と変更命令の違いは?
変更承認(17条の2第4項)は事業者が自ら申請して受けるもの、変更命令(17条の3)は大臣側から申請を命じるものです。命令に応じなければ職権変更に進みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1送電網の料金って、電力会社が勝手に決めてるんじゃないの?
勝手には決められない。一般送配電事業者は一定期間の収入の見通しについて大臣の承認を受け(電気事業法17条の2)、託送料金はそれを前提とした約款で決まる(18条)。承認後も、本条によって大臣が見直しを命じられる。実務のポイント:見通しの審査は電力・ガス取引監視等委員会が中心となって公開の会合で議論しており、会社ごとの費用の査定結果が資料として公表されている。値上げ理由の答えは、ニュースより一次資料のほうが具体的である
Q2命令に従わなかったら罰金なの?それとも何か別のことが起きる?
条文に定められた直接の帰結は、大臣による収入見通しの職権変更である(本条2項)。変更した場合、大臣は速やかに事業者へ通知する(3項)。実務のポイント:命令違反に罰則が別途適用されるかは、罰則章の規定と照らして確認が必要である。ただ実務上は、罰則よりも「自社の積算根拠が一切反映されない数字で規制期間を過ごす」ことのほうが、経営への打撃ははるかに大きい
間違えやすい点 AI による整理
- 託送料金は新電力に乗り換えれば下がると考える人が多いが、乗り換えで変わるのは主に発電・小売の部分である。送配電網の利用料は、どの小売事業者と契約しても地域の一般送配電事業者の約款が基礎になる。下げる力を持つのは消費者の選択ではなく、収入の見通しの承認とその変更命令の仕組みである
- 「一度承認された5年分の収入見通しは確定した権利だ」と事業者側が考えるのは危うい。第1項の要件は「能率的かつ適正な運営を確保するため必要があると認めるとき」と幅広く、規制期間の途中でも見直しを命じられる余地がある。ただし、どの程度の事情があれば命令できるかの具体的な線引きは条文上明らかでなく、実務の運用を見る必要がある
- 変更命令を受けたら「申請するか、争うか」の二択だと考えるのは、前提を見落としている。第2項があるため、何もしないことは中立の選択ではない。主導権を大臣に渡す、事業者にとって最も不利な選択になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動かすか | 電気事業法17条の3:経済産業大臣が変更申請を命じ、不申請なら職権変更 | 電気事業法17条の2:一般送配電事業者が収入の見通しを申請し大臣が承認 電気事業法18条:一般送配電事業者が託送供給等約款を定める |
| 対象 | 承認済み(または変更後)の収入の見通し | 一定期間の収入の見通しそのもの 託送料金その他の供給条件 |
| 発動のきっかけ | 能率的かつ適正な運営の確保に必要と大臣が認めるとき | 規制期間ごとの事業者の申請、または事業者からの変更承認申請 収入の見通しを前提とした料金設定 |
| 事業者が応じない場合 | 期限経過後、大臣が見通しを変更し速やかに通知 | 承認を受けなければ見通しが確定しない 約款の内容は収入の見通しとの整合が求められる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は輸配電業を台電の国営体制で維持し、電力網使用費は主管機関の審議・核定を経る。承認済み収入を途中で職権変更する独立規定があるかは要確認
韓国は韓国電力公社が送配電を一体運営し、電気料金・供給約款は政府の認可制。レベニューキャップ型の収入上限規制は採られていない
ドイツはインセンティブ規制により規制期間ごとに Erlösobergrenze(収入上限)を設定し、連邦ネットワーク庁が効率性比較に基づき決定する。規制当局主導の点で本条と近い
FERC は既存料金が不当・不合理と認めるとき、職権で公正な料金を定めることができる。当局が承認後に逆向きに介入できる構造が本条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一般送配電事業者の経営企画部に、経済産業大臣から収入見通しの変更申請命令が届いた。期限まであと30日。社内では「申請せずに様子を見よう」という声も出ている。だが申請しなければ、大臣が職権で見通しを変更できる(第2項)。自社の積算根拠を一行も反映できないまま確定する道を、自分から選ぶことになる
- 電気代が上がる中で、送配電会社の設備投資が計画より大幅に遅れていると報道された。それなのに収入の見通しはそのままなのか。こうした食い違いは、大臣が本条の変更命令を検討する典型的な場面の一つである
- 工場の電力コストを管理していて、託送料金の改定が見通しの変更に連動すると知った。審議会の資料を読む習慣ができた
- 新電力の担当者として、顧客から「送電料金分が高すぎる」と問い合わせを受けた。託送料金は自社では決められず、一般送配電事業者の約款と、その前提となる収入の見通しで決まる。説明責任は自社にあるのに決定権は他社にある。この構図を顧客に三分で説明できるかどうかが、解約を防ぐ分かれ目になる
取るべき行動
被害を受けた側:消費者や需要家(電気を使う側の企業・家庭)は、本条の命令を直接申し立てる立場にはない。取れる手は情報と意見の経路である。1. 電力・ガス取引監視等委員会の託送料金・レベニューキャップ関係の公開資料で、自分の地域の事業者の見通しと実績の乖離を確認する2. パブリックコメントの募集時に、具体的なデータを添えて意見を出す3. 大口需要家は業界団体を通じて意見を集約する。単独の声より採用されやすい
訴えられた側:一般送配電事業者が変更申請命令を受けた場合:1. 命令書の期限と、指摘された非効率の根拠を即日特定する2. 期限内に自社の積算根拠に基づく変更申請を出し、職権変更(第2項)を避ける3. 命令や職権変更に不服があれば、審査請求や取消訴訟を検討する。ただし、これらが処分性(裁判で争える行政の決定に当たるか)を持つかや、不服申立ての方法は個別に確認が必要である4. 監視等委員会との事前のやり取りを記録に残す
時効(請求できる期限):変更申請は命令で定められた「相当の期限」まで(第1項)。その期限を過ぎると、大臣による職権変更が可能になる(第2項)。命令や変更に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。電気事業法上の特則の有無は、最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)改正(強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律) 託送料金の総括原価方式からレベニューキャップ制度への移行に伴い、収入の見通しの承認(17条の2)とともに、本条の変更命令・職権変更の規定が設けられたとみられる。新設時期とその後の改正の有無は人的検証が必要である
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 新設:強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律により、託送料金のレベニューキャップ制度が導入され、収入の見通しの承認(17条の2)と一体の規定として整備されたとみられる。本条の正確な新設・施行日は e-Gov の改正履歴で要確認
- 電気事業法 第17条の2収入の見通しの承認と変更承認の本体規定
- 電気事業法 第18条収入の見通しを前提とした託送供給等約款
- 電気事業法 第2条一般送配電事業者・託送供給の定義
- 行政手続法 第13条不利益処分前の意見陳述手続(適用関係を要確認)
- 行政事件訴訟法 第14条命令・職権変更を争う出訴期間
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