電気事業法 第17条の2(託送供給等に係る収入の見通し)
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- 一般送配電事業者は、経済産業省令で定める期間ごとに、経済産業省令で定めるところにより、その供給区域における託送供給及び電力量調整供給(次項、次条第一項及び第十八条において「託送供給等」という。)の業務に係る料金の算定の基礎とするため、その業務を能率的かつ適正に運営するために通常必要と見込まれる収入(以下この条から第十八条までにおいて「収入の見通し」という。)を算定し、経済産業大臣の承認を受けなければならない。
- 2.経済産業大臣は、一般送配電事業者による収入の見通しの適確な算定に資するため、託送供給等の業務に係る適正な原価及び物価その他の社会的経済的事情を勘案し、必要な指針を定め、これを公表するものとする。
- 3.経済産業大臣は、第一項の承認の申請があつた場合において、当該申請に係る収入の見通しが前項の指針に照らして適切なものであると認めるときは、その承認をするものとする。
- 4.一般送配電事業者は、第一項の経済産業省令で定める期間中において、同項の承認を受けた収入の見通しを変更しようとするときは、経済産業大臣の承認を受けなければならない。
- 5.経済産業大臣は、前項の変更の承認の申請があつた場合において、当該申請に係る収入の見通しが次に掲げる基準に適合するものであると認めるときは、その承認をするものとする。
- 一変更の目的が次のいずれかに該当するものであること。
- 一需要の変動その他の一般送配電事業者がその事業の遂行上予見し難い事由として経済産業省令で定めるものに対応するためのものであること。
- 二他の法律の規定により支払うべき費用の額の変動に対応する場合(当該費用の額の増加に対応する場合にあつては、一般送配電事業を行うに当たり当該費用を節減することが著しく困難な場合に限る。)として経済産業省令で定める場合に該当するものであること。
- 二変更の内容が第二項の指針に照らして適切なものであること。
- 6.一般送配電事業者は、第一項の承認若しくは第四項の変更の承認を受け、又は次条第三項の規定による変更の通知を受けたときは、経済産業省令で定めるところにより、その収入の見通しを公表しなければならない。
この条文の基本情報
託送供給等に係る収入の見通しとは何ですか?
定義託送供給等に係る収入の見通しとは、電気事業法第17条の2に定められた規定で、「一般送配電事業者は、経済産業省令で定める期間ごとに、経済産業省令で定めるところにより、その供給区域における託送供給及び電力量調整供給(次項、次条第一項及び第十八…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第17条の2(託送供給等に係る収入の見通し)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第17条の2の条文原文は「一般送配電事業者は、経済産業省令で定める期間ごとに、経済産業省令で定めるところにより、その供給区域における託送供給及び電力量調整供給(次項、次条第一項及び第十八…」で始まります。
- 電気事業法第17条の2は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第17条の2の前の条は電気事業法第17条です。
- 電気事業法第17条の2の次の条は電気事業法第17条の3です。
- 電気事業法第17条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第17条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第17条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/17_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法17条の2は、一般送配電事業者が一定期間ごとに託送料金の基礎となる収入の見通しを算定し、経済産業大臣の承認を受けることを義務付ける。期間中の変更も再承認が必要。
Q · 託送料金の上限って、誰がどうやって決めているの?
事業者が算定し、経済産業大臣が指針に照らして承認する
電気事業法17条の2により、一般送配電事業者は経済産業省令で定める期間(現行制度では5年)ごとに、託送供給等の業務を能率的かつ適正に運営するために通常必要な収入の見通しを算定し、経済産業大臣の承認を受けます。大臣は公表済みの指針に照らして審査します。期間中の変更は、限定された目的に該当し指針に適合する場合に限り再承認され、承認された見通しは公表されます。
解説
毎月の電気代には、どの電力会社と契約していても必ず「送配電網の利用料」が含まれている。託送料金と呼ばれる部分だ。新電力に乗り換えても、地域の一般送配電事業者(東京電力パワーグリッドや関西電力送配電など)の電線を使う限り、この部分からは逃げられない。本条は、その託送料金の天井をどう決めるかを定めている。一般送配電事業者は、経済産業省令で定める期間(現行制度では5年)ごとに「能率的かつ適正な運営に通常必要な収入」を見積もり、経済産業大臣の承認を受けなければならない。大臣は自ら定めた指針に照らして審査する。これがいわゆるレベニューキャップ制度(収入上限規制)である。期間中に見通しを変えるにも再承認が要り、承認された数字は公表が義務付けられている。つまり、あなたの電気代の一部は5年単位で国の承認を経て決まっており、その算定の根拠は誰でも見られる場所に出ている。知っていれば、値上げのニュースを「仕方ない」で終わらせずに、中身を確かめに行ける。
法的な位置づけ
電気事業法第17条の2は、一般送配電事業者の託送供給等に係る料金の算定基礎となる収入の見通しについて、経済産業省令で定める期間ごとの算定と経済産業大臣の承認、大臣による指針の策定・公表、期間中の変更承認、承認後の公表義務を定める規定である。いわゆるレベニューキャップ制度(収入上限規制)の中核をなす。
手順
- 1.省令で定める期間と算定方法を確認する 一般送配電事業者は、経済産業省令で定める規制期間と算定方法、経済産業大臣が公表した指針を確認し、収入の見通し算定の前提を固める
- 2.収入の見通しを算定し承認を申請する 託送供給等の業務を能率的かつ適正に運営するために通常必要と見込まれる収入を算定し、根拠資料を添えて経済産業大臣に承認を申請する(本条1項)
- 3.指針に照らした審査に対応する 大臣は指針に照らして適切と認めるときに承認する(本条3項)。審査過程での照会や査定に対し、費目ごとの必要性と効率化の根拠を説明する
- 4.承認後に収入の見通しを公表する 承認または変更承認を受けたとき、あるいは次条3項の変更の通知を受けたときは、経済産業省令の定めに従い収入の見通しを公表する(本条6項)
よくある質問 AI による整理
Q1レベニューキャップ制度とは?
一般送配電事業者が一定期間の収入の上限(収入の見通し)を算定し、国の承認を受けて託送料金の基礎とする制度です。電気事業法17条の2が根拠です。
Q2託送料金とは何ですか?
小売電気事業者などが、地域の一般送配電事業者の送配電網を利用する対価として支払う料金です。最終的には電気料金を通じて利用者が負担しています。
Q3レベニューキャップ 規制期間 いつまで?
期間は経済産業省令で定められ、現行制度では5年です。第1規制期間は2023年度から2027年度とされています。最新の改正状況は確認が必要です。
Q4収入の見通しはどこで公表されている?
本条6項により、承認を受けた一般送配電事業者自身が公表します。各社の公式サイトのほか、国の審査資料も公開されることが多いです。
Q5新電力に変えると託送料金は安くなる?
安くなりません。同じ供給区域なら、どの小売事業者でも同じ一般送配電事業者の網を使うため、託送料金の基礎となる収入は共通です。
Q6収入の見通しの審査基準は?
経済産業大臣が、適正な原価や物価その他の社会的経済的事情を勘案して定め公表した指針に照らし、適切かどうかを審査します(本条2項・3項)。
Q7収入の見通しの承認が下りないとどうなる?
事業者は理由の提示(行政手続法8条)を確認し、審査請求や取消訴訟を検討できます。申請内容を指針に沿って見直し再申請する道もあります。
Q8電気代の値上げ理由は託送料金?
値上げの原因は燃料費や市場価格など多様で、託送料金はその一部です。託送部分の変動は、承認された収入の見通しと公表資料で確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1託送料金って結局だれが払ってるんですか?
制度上は小売電気事業者などが一般送配電事業者に支払い、最終的には電気料金を通じて利用者が負担しています。その料金の基礎となる収入を、電気事業法17条の2で国が承認しています。実務のポイント:小売事業者の料金プランの差は、託送料金以外の部分でしか生まれません。「乗り換えで半額」のような宣伝を見たら、託送料金部分は誰でも同じという前提で計算し直すと、実際の節約幅が見えてきます
Q2国が承認してるなら、値上げはもう止められないってことですか?
承認後、規制期間中は原則としてその見通しが基礎になりますが、承認前の審査段階では費用の査定が行われ、申請額が削られることもあります(17条の2第3項、指針による審査)。実務のポイント:審査の議論は電力・ガス取引監視等委員会の会合資料として公開されることが多く、どの費目がどれだけ査定されたかまで追えます。報道の見出しより、会合資料の査定一覧のほうが情報量は圧倒的に多い
Q3災害で設備が壊れたら、その場で料金を上げられるんですか?
期間中の変更には経済産業大臣の再承認が必要で、変更目的が17条の2第5項の列挙事由に当たり、かつ指針に適合することが求められます。自由に上げられるわけではありません。実務のポイント:期間中の費用増をすべて変更承認で吸収できるとは限らず、事業者が効率化で吸収するか次期に回すかの判断になります。だからこそ、次期申請の中身に過去の災害対応費がどう織り込まれているかが注目点になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「電力自由化で電気代はすべて市場で決まるようになった」と思われがちだが、送配電部門は地域独占の自然独占事業として残され、料金の基礎となる収入は本条の承認制で縛られている。自由化されたのは発電と小売であって、電線は今も規制の世界にある
- 「国の承認」と聞くと、事業者の申請をそのまま追認する形式手続だと受け止める人が多い。実際には指針に照らした審査があり、効率化の要請や費用の査定を通じて申請額が削られることもある。審査の過程と結果は公表されるため、承認額は外部から検証できる数字である
- 「期間中に費用が増えたら、事業者は自由に見通しを変えて値上げできる」という発想自体が、条文の構造を見誤っている。第4項・第5項は変更に再承認を求め、変更目的が限定列挙された事由に当たることと指針適合の双方を要件とする。いつでも変えられる仕組みではなく、原則は期間中固定である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 電気事業法17条の2:収入の見通しの算定・承認・変更承認・公表 | 電気事業法17条の3:承認済み収入の見通しの変更通知(現行効力は要確認) 電気事業法18条:収入の見通しを基礎とする託送供給等約款 |
| 動く主体 | 一般送配電事業者が申請し、経済産業大臣が承認 | 大臣側からの変更の通知が起点 一般送配電事業者が約款を定める |
| 利用者への影響 | 託送料金の天井となる収入の枠が決まる | 期間中に枠が見直される場合がある 具体的な託送料金の料率が定まる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では輸配電業が国営の台湾電力に集中しており、電力網使用費率は主管機関の審議を経て定められる。事前に複数年の収入上限を承認する日本型の仕組みとは構造が異なる
韓国は韓国電力公社が送配電と小売を一体で担い、電気料金は政府の認可対象。送配電部門単独の収入上限規制は日本ほど明確に分離されていない
ドイツは規制期間ごとに系統事業者の収入上限(Erlösobergrenze)を定めるインセンティブ規制を採用しており、日本の制度設計と発想が近い
米国は州際送電料金を FERC が、配電料金を各州公益事業委員会が規制する二層構造。複数年の料金計画を認める州もあるが、全国一律の制度ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 電力会社を新電力に切り替えたのに、思ったほど安くならない。なぜか? 請求額の中の託送料金部分は、どの小売会社を選んでも同じ一般送配電事業者の承認済み収入をもとに決まっているからだ。乗り換えで削れるのは残りの部分だけである
- あなたは工場の総務担当で、来期のエネルギーコスト予算を組んでいる。次の規制期間の収入の見通しが承認されれば、託送料金が動く可能性がある。承認と公表のタイミングを把握していないと、予算が数か月後に崩れる
- あなたは一般送配電事業者の料金担当。豪雨災害で設備復旧費が想定を大きく超えた。期間途中で収入の見通しを引き上げたいが、第4項の変更承認には第5項の目的要件と指針適合の両方を満たす必要がある。社内の「とにかく申請しよう」という空気をどう説明するか
- 近所に大規模データセンターの建設計画が出た。送電網の増強投資が必要になれば、その費用は次期の収入の見通しに織り込まれうる。地域住民の電気代とデジタル産業の誘致は、ここで一本の線につながっている
- 次の規制期間の審査が始まる。電力・ガス取引監視等委員会の審査資料は公開される。あと数週間で意見募集が締め切られるかもしれないのに、あなたはまだ一度も資料を開いていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 電気料金の明細や小売事業者の説明で、託送料金相当部分がどの程度を占めるか確認する2. 一般送配電事業者が本条第6項に基づき公表した収入の見通しと、電力・ガス取引監視等委員会の審査資料に目を通す3. 次期申請の審査で意見募集が行われる場合は、具体的な費目を挙げて意見を出す4. 事業者として影響が大きい場合は、業界団体を通じた意見表明が効果的である。なお、承認処分そのものを利用者が取消訴訟で争う原告適格は認められにくいとされ、実務上は審査過程への関与が現実的な手段である
訴えられた側:1. 一般送配電事業者側は、指針に沿った費用算定と効率化目標の根拠資料を申請段階で厚く整える2. 期間中の変更申請は、第5項の変更目的に該当することを論証できるかを最初に検討し、該当しない費用増は次期に織り込む方針を社内で共有する3. 承認・変更承認の後は第6項の公表義務を確実に履行する4. 承認されなかった場合は理由の提示(行政手続法8条)を確認し、審査請求または取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):収入の見通しは経済産業省令で定める期間(現行のレベニューキャップ制度では5年、第1規制期間は2023年度から2027年度)ごとに承認が必要(最新の改正状況をご確認ください)。承認しない処分を事業者が争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)改正、令和5年(2023年)4月施行 強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律により、託送料金について一定期間ごとに収入の見通しを承認するレベニューキャップ制度が導入された。条文の新設か既存条文の改正かは人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 改正:強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律により、託送料金の収入上限を一定期間ごとに承認するレベニューキャップ制度を導入(2023年4月施行)。本条の新設か改正かは要確認
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