電気事業法 第22条の3(一般送配電事業者の取締役又は執行役の兼職の制限等)
クイックジャンプ
- 一般送配電事業者の取締役又は執行役は、その特定関係事業者(一般送配電事業者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。以下同じ。)、親会社(同条第四号に規定する親会社をいう。以下この項及び第二十七条の十一の三第一項において同じ。)若しくは当該一般送配電事業者以外の当該親会社の子会社等(同法第二条第三号の二に規定する子会社等をいう。以下同じ。)に該当する小売電気事業者、発電事業者若しくは特定卸供給事業者又は当該小売電気事業者、発電事業者若しくは特定卸供給事業者の経営を実質的に支配していると認められる者として経済産業省令で定める要件に該当する者をいう。以下この款において同じ。)の取締役、執行役その他業務を執行する役員(以下この項及び第二十七条の十一の三第一項において「取締役等」という。)又は従業者を、一般送配電事業者の従業者は、その特定関係事業者の取締役等を、それぞれ兼ねてはならない。ただし、電気を供給する事業を営む者(以下「電気供給事業者」という。)の間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
- 2.一般送配電事業者は、次の各号に掲げるその特定関係事業者ごとに当該各号に定める当該特定関係事業者の従業者を、当該一般送配電事業者が営む一般送配電事業の業務その他変電、送電及び配電に係る業務のうち、電気供給事業者間の適正な競争関係の確保のためその運営における中立性の確保が特に必要な業務として経済産業省令で定めるもの(第二十三条の二第一項において「特定送配電等業務」という。)に従事させてはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
- 一小売電気事業者小売電気事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの
- 二発電事業者発電事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの
- 三特定卸供給事業者特定卸供給事業の業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの
- 四前項本文の経済産業省令で定める要件に該当する者その経営を実質的に支配していると認められる小売電気事業者、発電事業者又は特定卸供給事業者の経営管理に係る業務の運営において重要な役割を担う従業者として経済産業省令で定める要件に該当するもの
- 3.経済産業大臣は、一般送配電事業者の取締役、執行役又は従業者が第一項の規定に違反した場合には一般送配電事業者又はその特定関係事業者に対し、一般送配電事業者が前項の規定に違反した場合には一般送配電事業者に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
この条文の基本情報
一般送配電事業者の取締役又は執行役の兼職の制限等とは何ですか?
定義一般送配電事業者の取締役又は執行役の兼職の制限等とは、電気事業法第22条の3に定められた規定で、「一般送配電事業者の取締役又は執行役は、その特定関係事業者(一般送配電事業者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第22条の3(一般送配電事業者の取締役又は執行役の兼職の制限等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第22条の3の条文原文は「一般送配電事業者の取締役又は執行役は、その特定関係事業者(一般送配電事業者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。」で始まります。
- 電気事業法第22条の3は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第22条の3の前の条は電気事業法第22条の2です。
- 電気事業法第22条の3の次の条は電気事業法第23条です。
- 電気事業法第22条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第22条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第22条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/22_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法22条の3は、一般送配電事業者の役員とグループ内の小売・発電会社の役員等との兼職を原則禁止し、重要な従業者の特定送配電等業務への配置も禁じる規定。
Q · 送配電会社の役員は、同じグループの電力小売会社の役員を兼ねられるの?
原則できない。省令が定める例外に当たる場合のみ認められる
電気事業法22条の3第1項により、一般送配電事業者の取締役・執行役は、グループ内の小売電気事業者・発電事業者・特定卸供給事業者の取締役等や従業者を兼ねることができません。送配電会社の従業者が、それらの会社の取締役等を兼ねることも禁じられています。例外は、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合に限られます。違反には経済産業大臣の是正命令(3項)があり得ます。
解説
電柱と電線を持つ会社と、あなたに電気を売る会社は、2020年4月から別の会社になっている。東京なら東京電力パワーグリッドと東京電力エナジーパートナー、関西なら関西電力送配電と関西電力だ。ただ、会社を分けても同じ人が両方の役員を兼ねていれば、分けた意味はない。電気事業法22条の3はその抜け道を人事の面で塞いでいる。送配電会社の取締役・執行役は、グループ内の小売・発電会社の役員や従業者を兼ねられない。送配電会社の従業者も、そうした会社の役員を兼ねられない。さらに、小売・発電側で重要な役割を担う人を、送配電の中立性が特に求められる業務に就かせることも禁じている。違反すれば、経済産業大臣が是正を命じられる。この条文の価値がはっきりするのは、新電力に乗り換えたあと、送配電会社の対応が旧来の大手電力より遅いと感じたときだ。その違和感を確かめる入口になり、確かめるための法的な枠組みもここにある。
法的な位置づけ
電気事業法第22条の3は、一般送配電事業者とその特定関係事業者との間の人的な独立性を確保する規定である。取締役等の兼職禁止と、特定関係事業者で重要な役割を担う従業者を特定送配電等業務に従事させることの禁止を定め、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合を例外とする。
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法22条の3とは何ですか?
一般送配電事業者とグループ内の小売・発電会社などとの役員兼職を原則禁止し、重要な従業者の送配電中立業務への配置も禁じる規定です。
Q2特定関係事業者とは誰のことですか?
一般送配電事業者の子会社・親会社・兄弟会社等に当たる小売電気事業者、発電事業者、特定卸供給事業者と、それらを実質的に支配する者をいいます。
Q3送配電会社の従業者が小売会社の取締役を兼ねるのは違法?
原則として違法です。22条の3第1項は、送配電会社の従業者が特定関係事業者の取締役等を兼ねることを禁じています。省令の例外に当たる場合のみ許されます。
Q4特定送配電等業務とはどんな業務ですか?
送配電の業務のうち、電気供給事業者間の適正な競争のために運営の中立性が特に必要な業務として経済産業省令で定めるものです。具体的範囲は省令で確認します。
Q5兼職制限の例外はどんな場合に認められる?
電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合です。該当性は省令の要件に照らして個別に判断します。
Q6兼職制限に違反するとどうなりますか?
経済産業大臣が、一般送配電事業者や特定関係事業者に対し、違反を是正するために必要な措置を命じることができます(22条の3第3項)。
Q7兼職制限はいつから始まった?
一般送配電事業者の法的分離が施行された2020年(令和2年)4月1日から適用されています。電力システム改革の第三段階の一部です。
Q8送電事業者にも兼職制限はありますか?
あります。電気事業法27条の11の3が、送電事業者について同種の兼職制限を定めています。対象と例外の構造は22条の3とほぼ同じです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1送配電会社って結局大手電力の子会社でしょ? 本当に中立なんですか?
資本関係は残っている。2020年の改正は資本を切り離す所有権分離ではなく、会社を分ける法的分離だからだ。その分、22条の3の兼職制限と23条の情報の目的外利用の禁止などの行為規制で中立性を担保している。実務のポイント:この規制が守られているかを日常的に監視しているのは、経済産業省の本体よりも電力・ガス取引監視等委員会である。苦情を出すなら、委員会の窓口に具体的な記録を添えて出すほうが動きやすい
Q2送配電会社から小売会社への異動って、全部禁止なんですか?
異動そのものが全面的に禁じられているわけではない。1項は役員と従業者の兼職を禁じ、2項は小売・発電側で重要な役割を担う従業者を、中立性が特に必要な送配電業務に就かせることを禁じている。どの業務とポストが対象かは経済産業省令が定め、例外もある。実務のポイント:問題になりやすいのは異動そのものより、異動後もアクセス権が残っている状態だ。2022年末以降の顧客情報閲覧問題も、システム上の権限管理が焦点だった
Q3違反したらどうなるんですか? 罰金ですか?
まず3項に基づき、経済産業大臣が送配電会社やその特定関係事業者に是正措置を命じる。命令に従わなければ、電気事業法の罰則が適用されうる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実務上の痛手は罰則より、命令の公表と報道による信用の失墜である。託送料金の審査や規制当局との関係にも影響が残るため、大手電力は是正命令に至る前の段階での自主是正を強く意識している
間違えやすい点 AI による整理
- 「発送電分離で、送配電会社は大手電力と無関係になった」と思われているが、実際は持株会社や親会社の下にある兄弟会社・子会社のままだ。2020年の改正は資本関係を切る「所有権分離」ではなく、会社を分ける「法的分離」である。資本でつながったまま中立性を保つため、兼職制限のような行為規制が欠かせない
- 役員の兼職禁止は知っていても、その範囲が従業者の配置にまで及ぶことはあまり知られていない。2項により、小売・発電側で重要な役割を担う従業者を、中立性が特に必要な送配電業務に就かせること自体が禁じられている。役員だけ見て人事を組むと、現場の配置で違反が生じる
- 「兼務がなければ情報は漏れない」と考えるのは前提が誤っている。2022年末以降に発覚した大手電力グループの新電力顧客情報の閲覧問題は、システムのアクセス権設定などから生じたものだった。兼職制限は中立性を守る柱の一本にすぎず、情報管理や業務体制に関する規制(23条、23条の2)と組み合わさって初めて機能する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 22条の3:人(役員の兼職・重要従業者の配置) | 22条の2:事業(送配電事業者自身の小売・発電の兼業) 23条:情報と取扱い(目的外利用・差別的取扱い) |
| 遮断する経路 | 同じ人物が送配電と小売・発電の意思決定に関与すること | 同一法人内で送配電と小売・発電を営むこと 託送業務で得た情報の流用や特定事業者の優遇 |
| 例外の有無 | 競争を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合 | 法定の例外に限られる 条文の定めによる |
| 違反時の措置 | 経済産業大臣の是正命令(3項) | 電気事業法上の監督処分 経済産業大臣の是正命令等 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も発電業と輸配電業の分離を進める方向で法改正したが、日本のような条文単位の役員兼職制限の詳細は別途確認が必要
ドイツは配電系統運用者の運用上の分離と、送電系統運用者の人員独立性を明文で定め、日本の兼職制限より細かい人事規律を置く
米国は送電部門と販売部門の職員の独立機能を求める行為規範型の規制で、日本の配置制限(2項)と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新電力の営業担当であるあなたが、送配電会社の窓口で手続きを進めるたびに、なぜか大手電力グループの小売部門が先回りして顧客に営業をかけてくる。偶然なのか。送配電側の誰が小売側とつながっているのか、人事の兼務関係を疑うのは筋が通っている
- 大手電力グループの人事部にいるあなたは、送配電子会社の配電計画の担当者を小売子会社の営業企画部長に出向させる辞令案を作っている。兼務のまま発令すれば22条の3に抵触しうる。発令日まであと10日、省令の例外に当たるかを法務と詰める時間は少ない
- グループの持株会社が、送配電子会社の役員に小売子会社の社外取締役を兼ねさせたいと言ってきたら、どうなる? 原則として兼職はできない。例外は経済産業省令が認める場合に限られる
- 地域の再エネ発電事業者が系統接続の検討を申し込んだところ、回答期限ぎりぎりまで放置された。同じ地域の大手発電子会社の案件は早く進んでいるという噂もある。担当者の兼務関係と、送配電の中立性確保の体制を確かめる価値がある
- 就職面接で、送配電会社の人事担当者が「グループ内異動は自由です」と説明した。実際には、送配電の中立性が求められる業務と、小売・発電の重要ポストとの間には法律上の壁がある。キャリアの選択肢は、あなたが聞かされたほど自由ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 系統接続や切替手続で受けた遅れや差別的対応を、日付・担当部署・やり取りの内容まで時系列で記録する2. 相手グループの役員構成を有価証券報告書や公式サイトで確認し、兼務の有無を洗い出す3. 電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に、記録と兼務の疑いをまとめて情報提供する4. 実害が大きければ、独占禁止法上の問題として公正取引委員会への申告も並行して検討する
訴えられた側:1. 指摘を受けたら、該当する役員・従業者の兼職と配置の状況を全件洗い出す2. 省令が定める例外(適正な競争関係を阻害するおそれがない場合)に当たるか、根拠を文書で整理する3. 例外に当たらなければ、是正命令を待たずに兼職を解き、配置を換える4. 再発防止として、人事発令前に兼職と配置を点検する仕組みを社内規程に組み込み、監視等委員会への説明に備える
時効(請求できる期限):本条違反そのものに特定の時効はない。是正命令(3項)に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が原則である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正、令和2年(2020年)4月1日施行 電力システム改革の第三段階として、一般送配電事業者の法的分離に伴い、兼職制限を定める条文として新設されたと理解されている(人的検証が必要)
- 令和2年(2020年)改正 特定卸供給事業者(アグリゲーター)の制度化に伴い、規制対象の特定関係事業者に特定卸供給事業者が加えられたとみられる(改正年・施行日は要確認)
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 新設:電力システム改革第三段階の電気事業法改正により、一般送配電事業者の法的分離に伴う兼職制限として新設。2020年4月1日施行
- 2.令和2年(2020年) 改正:特定卸供給事業者(アグリゲーター)制度の創設に伴い、特定関係事業者の範囲に特定卸供給事業者が加えられたとみられる(施行日は要確認)
- 電気事業法 第22条の2送配電事業者の小売・発電兼業禁止
- 電気事業法 第23条情報の目的外利用・差別的取扱いの禁止
- 電気事業法 第23条の2特定送配電等業務の実施体制の整備
- 電気事業法 第27条の11の3送電事業者に対する同種の兼職制限
- 会社法 第2条子会社・親会社・子会社等の定義を借用
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第3条私的独占の禁止、競争阻害への一般的規制(通称 独占禁止法)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める