電気事業法 第23条(一般送配電事業者の禁止行為等)
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- 一般送配電事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
- 一託送供給及び電力量調整供給の業務に関して知り得た他の電気供給事業者に関する情報及び電気の使用者に関する情報(電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない情報として経済産業省令で定めるものを除く。)を当該業務及び再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号。以下「再生可能エネルギー電気特措法」という。)第二条第五項又は第二条の七第一項に規定する特定契約又は一時調達契約に基づき調達する再生可能エネルギー電気特措法第二条第一項に規定する再生可能エネルギー電気の供給に係る業務の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供すること。
- 二その託送供給及び電力量調整供給の業務その他の変電、送電及び配電に係る業務について、特定の電気供給事業者に対し、不当に優先的な取扱いをし、若しくは利益を与え、又は不当に不利な取扱いをし、若しくは不利益を与えること。
- 三前二号に掲げるもののほか、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するものとして経済産業省令で定める行為をすること。
- 2.一般送配電事業者は、通常の取引の条件と異なる条件であつて電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれのある条件で、その特定関係事業者その他一般送配電事業者と経済産業省令で定める特殊の関係のある者(第百六条第五項において「一般送配電事業者の特定関係事業者等」という。)と取引を行つてはならない。ただし、当該取引を行うことにつきやむを得ない事情がある場合において、あらかじめ経済産業大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
- 3.一般送配電事業者は、その託送供給及び電力量調整供給の業務その他の変電、送電及び配電に係る業務をその特定関係事業者又は当該特定関係事業者の子会社等(特定関係事業者に該当するものを除く。)に委託してはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
- 4.一般送配電事業者は、その最終保障供給又は離島等供給の業務を委託する場合においては、経済産業省令で定めるところにより、これらの業務を受託する者を公募することなく、その特定関係事業者である小売電気事業者、発電事業者又は特定卸供給事業者にこれらの業務を委託してはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
- 5.一般送配電事業者は、その特定関係事業者である小売電気事業者、発電事業者又は特定卸供給事業者からその営む小売電気事業、発電事業又は特定卸供給事業の業務を受託してはならない。ただし、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがない場合として経済産業省令で定める場合は、この限りでない。
- 6.経済産業大臣は、前各項の規定に違反する行為があると認めるときは、一般送配電事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。
この条文の基本情報
一般送配電事業者の禁止行為等とは何ですか?
定義一般送配電事業者の禁止行為等とは、電気事業法第23条に定められた規定で、「一般送配電事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第23条(一般送配電事業者の禁止行為等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第23条の条文原文は「一般送配電事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。」で始まります。
- 電気事業法第23条は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第23条の前の条は電気事業法第22条の3です。
- 電気事業法第23条の次の条は電気事業法第23条の2です。
- 電気事業法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法23条は、一般送配電事業者が託送業務で得た情報を目的外に利用することや、特定の事業者を優遇・冷遇することを禁じる。違反には経済産業大臣が停止・変更を命じうる。
Q · 送配電会社が新電力の顧客情報をグループの小売会社に回したら違法なの?
託送業務の情報を営業に回せば23条違反になりうる
電気事業法23条1項1号は、一般送配電事業者が託送供給・電力量調整供給の業務で知り得た他の電気供給事業者や電気の使用者の情報を、当該業務等の目的以外に利用・提供することを禁じています。グループの小売会社に渡して営業に使わせる行為はこれに当たりえます。外部に漏らさず社内で営業目的に使うだけでも「利用」として対象です。違反があれば、経済産業大臣は同条6項により行為の停止・変更を命じることができます。
解説
電柱と電線は、どの電力会社と契約しても同じものを使っている。新電力に乗り換えても、電気を家まで届けるのは地域の送配電会社である。そのため送配電会社は、どの家がいつ、どの小売会社へ乗り換えたかを業務上知ることになる。電気事業法23条は、その「見えてしまう立場」に鍵をかける条文である。託送業務で知った他社の情報や利用者の情報を目的外に使ったり、外部に渡したりすることを禁じる。特定の電力会社を不当に優遇することや冷遇することも禁じる。同じグループの小売会社や発電会社との取引は通常の条件で行わなければならず、業務の委託や受託にも制限がある。違反があれば、経済産業大臣は行為の停止や変更を命じることができる。新電力を経営する立場なら、送配電会社はライバル企業の兄弟会社でありながら、あなたに対して中立でなければならない存在である。不自然な扱いを受けたとき、それを「運が悪かった」で片付けず、法律違反の可能性がある事実として記録しておける。
法的な位置づけ
電気事業法23条は、一般送配電事業者の行為規制を定める規定である。託送供給等の業務で得た情報の目的外利用・提供の禁止、特定の電気供給事業者に対する差別的取扱いの禁止、特定関係事業者との通常と異なる条件での取引の禁止、業務の委託・受託の制限を内容とし、送配電網の中立性を確保する。
手順
- 1.不自然な出来事を日時つきで記録する 乗り換え直後の営業電話、接続手続の遅れ、見積りの差などについて、日時・相手の氏名・やり取りの内容を記録する。「なんとなく」ではなく事実として残すことが出発点になる
- 2.比較できる客観資料をそろえる 同じエリア・同じ時期に他の事業者がどう扱われたかが分かる見積書、回答期限、手続の経過などを集める。差別的取扱いの立証では比較資料が最も重みを持つ
- 3.電力・ガス取引監視等委員会に相談する 記録と比較資料を添えて、電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に事実を伝える。違反が認められれば、経済産業大臣が23条6項に基づく停止・変更命令を検討する
- 4.損害が出ていれば弁護士と賠償請求を検討する 顧客の流出など具体的な損害が生じている場合、民法709条に基づく損害賠償請求の可能性を弁護士と検討する。不法行為構成では損害と加害者を知った時から3年の消滅時効に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1一般送配電事業者の禁止行為とは?
電気事業法23条が定める行為規制です。託送業務で得た情報の目的外利用・提供、特定事業者の優遇・冷遇、グループ会社との不当な条件での取引、業務の委託・受託などが原則禁止されます。
Q2一般送配電事業者とはどこの会社ですか?
地域ごとに送配電網を運営する事業者で、東京電力パワーグリッドや関西電力送配電など全国10社が該当します。2020年4月の法的分離で大手電力から別会社化されました。
Q3託送供給とは何ですか?
送配電会社が自社の送配電網を使って、小売電気事業者などの電気を需要家まで届けるサービスです。新電力も大手電力も、同じ託送供給を利用して電気を供給しています。
Q4電力会社の顧客情報不正閲覧はなぜ問題になった?
送配電会社が持つ新電力の顧客情報を、グループの小売部門が閲覧できる状態だったためです。23条1項1号の目的外利用・提供の禁止に抵触するとして、行政処分の対象になりました。
Q5特定関係事業者とは誰のことですか?
一般送配電事業者と資本関係などで結びついたグループの小売電気事業者や発電事業者などを指します。具体的範囲は電気事業法と経済産業省令で定められています。
Q623条違反の情報はどこに相談できる?
電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口が中心です。差別的取扱いや情報流用の疑いは、日時・担当者・資料つきで相談すると構造問題として扱われやすくなります。
Q7送配電会社がグループ会社と取引するのは違法?
取引自体は違法ではありません。23条2項が禁じるのは、通常の取引条件と異なり競争を阻害するおそれのある条件での取引です。やむを得ない事情があれば大臣承認で例外となります。
Q823条に違反するとどうなる?
経済産業大臣が同条6項により行為の停止または変更を命じることができます。命令違反には電気事業法上の罰則が問題となり、業務改善命令など別の行政処分が併せて検討されることもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1新電力に替えたら元の電力会社から営業が来たんですけど、これって違法なんですか?
営業電話そのものが違法とは限らない。問題は、その電力会社が乗り換えの事実をどこから知ったかである。送配電会社が託送業務で得た情報をグループの小売会社に渡していたなら、23条1項1号の目的外利用・提供にあたりうる。実務のポイント:実際に不正閲覧問題では、新電力の顧客情報が営業活動に使われた事例が確認された。電話の日時と相手の話し方を記録しておくと、相談時の重要な手がかりになる
Q2送配電会社と小売会社って、もう別会社なんですよね? なぜまだ規制が必要なんですか?
別会社になっても、同じ持株会社の傘下にあることが多い。資本関係が残る以上、身内をひいきする動機は消えない。そのため23条2項から5項は、グループ会社との取引条件、業務の委託、受託まで細かく縛っている。実務のポイント:法的分離は2020年4月に始まったが、監視当局が最も警戒しているのは露骨な違反ではなく、人の行き来や共用システムを通じた目立たない情報の流れである
Q3送配電会社に冷遇されている気がします。どこに言えばいいですか?
電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口が最初の窓口になる。違反があれば、経済産業大臣が23条6項に基づき行為の停止や変更を命じることができる。実務のポイント:「なんとなく遅い」では動いてもらいにくい。同じ時期に同じエリアで他社がどう扱われたかという比較資料があると、相談の重みがまったく違う。同業者との情報交換が実は最強の証拠集めになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「法的分離で別会社になったのだから、もう情報は漏れない」と思われがちである。実際には、別会社になった後も2022年末から2023年にかけて、複数の大手電力グループで送配電会社が持つ新電力の顧客情報をグループの小売側が閲覧していた問題が発覚した。会社を分けただけでは不十分で、システムの権限設計まで落とし込まないと23条は守れない
- 情報の目的外利用が問題になるのは「漏らしたとき」だけだと考える人は多い。しかし1項1号は「利用」も「提供」も禁じている。社内で営業目的に使うだけでも対象になる。外部に出していないから大丈夫、という言い訳は通らない
- 新電力側から見れば、接続の遅れや見積りの差は「個別の交渉事」に見える。しかし法律から見れば、特定の事業者を不当に優遇しているか冷遇しているかという構造的な問題である。交渉で何とかしようとしている間に記録が残らず、後で規制当局に申告しようとしても裏付けが残っていない。視点のずれがそのまま不利になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 電気事業法23条:一般送配電事業者の行為(情報利用・差別的取扱い・取引条件・委託受託) | 電気事業法22条の2:一般送配電事業者が小売・発電事業を兼ねること(法的分離) 電気事業法23条の2:グループ会社との取締役等の兼職 |
| 規制の手法 | 行為規制:資本関係は認めたうえで個々の行為を禁止 | 構造規制:事業そのものを別会社に分ける 人的規制:人の行き来による情報流通を遮断 |
| 例外の設け方 | 経済産業省令で定める場合、または事前の大臣承認(2項) | 法令で定める例外(現行内容は要確認) 法令で定める例外(現行内容は要確認) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も発電・売電の自由化に合わせ、輸配電業を公共インフラとして位置付け、公平な電力網の開放を求める。日本と同じく送配電の中立性が改革の柱
ドイツは EU 指令に基づき、系統運営者が得た商業上機微な情報の秘密保持と差別のない開示を義務付ける。日本の23条1項1号と同じ発想
米国 FERC は送電事業者の職員と販売部門の分離や非公開送電情報の共有禁止を Standards of Conduct として定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新電力に乗り換えて2週間後、元の大手電力の営業から「戻りませんか」と電話が来た。なぜ乗り換えたことを知っているのか? 送配電会社が持つ切替情報がグループの小売部門に流れていたなら、23条1項1号の目的外利用にあたる可能性がある
- 地方の新電力を経営している。系統接続の工事見積りが、同じエリアにある大手電力グループの発電所より明らかに遅く、条件も厳しい。客観的な理由が説明されないまま差が続くなら、2号の「不当に不利な取扱い」を疑う材料になる。担当者とのやり取りを日付つきで残しておく
- あなたは送配電会社の情報システム部門にいる。グループの小売会社と共用している端末で、新電力の顧客情報が誰でも閲覧できる設定になっていた。「見られる状態」を放置した組織の責任が問われる。2022年末から大手電力グループで相次いで発覚した不正閲覧問題は、まさにこの構造だった
- 送配電会社がグループの小売会社に事務所の一部を相場よりかなり安く貸していた。2項の通常取引条件ルールに抵触しうる。やむを得ない事情があるなら、事前に経済産業大臣の承認が必要だった
- 経済産業省から報告徴収の通知が届き、回答期限まであと10日。グループ会社との委託契約一覧と、情報アクセス権限のログを今週中にそろえなければならない。社内のどの部署が何を持っているか、今日のうちに洗い出す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不自然な営業電話、接続手続の遅れ、見積りの差などを日時・担当者・内容つきで記録する2. 同じエリアの他の事業者と比べられる客観的な資料(見積書、回答期限、メールのやり取り)を保存する3. 電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に事実と資料を添えて相談する4. 損害が具体的に出ている場合は、民法709条に基づく損害賠償請求の可能性も弁護士と検討する
訴えられた側:1. 報告徴収や指摘を受けたら、まず情報システムのアクセス権限とログを保全し、削除や改変を一切しない2. グループ会社との取引条件を一覧にし、通常の取引条件との差とその理由を整理する3. 委託・受託関係が経済産業省令の例外に当たるか確認する4. 問題が見つかったら、命令が出る前に自主的な是正と再発防止策を示す。初動の誠実さが処分の重さに影響しうる
時効(請求できる期限):23条自体に特定の時効はない。民事で損害賠償を請求する場合は一般の消滅時効(民法166条、債権5年または10年)、不法行為構成なら損害と加害者を知った時から3年(民法724条)が適用される。行政上の停止・変更命令には期間制限の定めがない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:23条の行為規制は、22条の2による法的分離(構造規制)を補完するものと理解される。別会社化だけでは資本関係を通じた情報流通や身内びいきの動機が残るため、個々の行為を禁止して中立性を担保する
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成28年(2016年)4月施行 電力システム改革の第2段階で一般送配電事業者の類型が設けられ、情報の目的外利用や差別的取扱いの禁止が整備された(詳細は要確認)
- 平成27年(2015年)改正、令和2年(2020年)4月施行 送配電部門の法的分離に合わせ、特定関係事業者との取引条件、業務の委託・受託の制限など行為規制が強化された(詳細は要確認)
- 令和2年(2020年)以降の改正 再生可能エネルギー電気特措法の特定契約・一時調達契約に係る業務を目的内利用として位置付ける文言等が加わった(改正年と内容は要確認)
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:電力システム改革第2段階の改正(平成28年4月施行)。一般送配電事業者の類型が設けられ、情報の目的外利用や差別的取扱いの禁止が整備された
- 2.平成27年(2015年) 改正:電力システム改革第3段階の改正(令和2年4月施行)。送配電部門の法的分離に合わせ、特定関係事業者との取引条件や業務の委託・受託の制限など行為規制が強化された
- 電気事業法 第22条の2一般送配電事業者の兼業禁止(法的分離)(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第23条の2取締役等の兼職制限(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第23条の3情報管理等の体制整備義務(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第27条業務改善命令による是正(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第106条報告徴収、特定関係事業者等を含む
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条不公正な取引方法の一般的禁止
- 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 第2条再生可能エネルギー電気等の定義
- 個人情報の保護に関する法律 第18条個人情報の利用目的による制限
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