電気事業法 第23条の3(一般送配電事業者の特定関係事業者の禁止行為等)
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- 一般送配電事業者の特定関係事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。
- 一当該一般送配電事業者に対し、第二十三条第一項各号に掲げる行為又は同条第二項本文、第三項本文、第四項本文若しくは第五項本文の行為をするように要求し、又は依頼すること。
- 二前号に掲げるもののほか、電気供給事業者間の適正な競争関係を阻害するものとして経済産業省令で定める行為をすること。
- 2.経済産業大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、一般送配電事業者の特定関係事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。
この条文の基本情報
一般送配電事業者の特定関係事業者の禁止行為等とは何ですか?
定義一般送配電事業者の特定関係事業者の禁止行為等とは、電気事業法第23条の3に定められた規定で、「一般送配電事業者の特定関係事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第23条の3(一般送配電事業者の特定関係事業者の禁止行為等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第23条の3の条文原文は「一般送配電事業者の特定関係事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。」で始まります。
- 電気事業法第23条の3は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第23条の3の前の条は電気事業法第23条の2です。
- 電気事業法第23条の3の次の条は電気事業法第23条の4です。
- 電気事業法第23条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第23条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第23条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/23_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法23条の3は、一般送配電事業者の特定関係事業者が、同法23条で禁じられた行為を送配電会社にさせるよう要求・依頼することを禁じ、違反には経済産業大臣が停止・変更を命じうる。
Q · グループの送配電会社に新電力の顧客情報を頼んで、断られたらセーフ?
セーフではない。頼んだ時点で違反になりうる
電気事業法23条の3第1項1号は、一般送配電事業者と同じグループの特定関係事業者が、送配電会社に対し23条で禁じられた行為(託送業務で得た情報の目的外利用・提供や不当な差別的取扱い等)をするよう要求・依頼すること自体を禁じています。送配電会社が実際に応じたかどうかは問いません。違反があれば、経済産業大臣は同条2項に基づき行為の停止・変更を命じることができます。
解説
電気を新電力に切り替えても、電線とメーターは今までどおり大手電力グループの送配電会社が管理している。新電力の顧客リストや使用量データは、すべてこの会社を通る。送配電会社を親会社から法的に切り離す「法的分離」は令和2年(2020年)4月に施行された。ただ、同じグループの小売会社や発電会社が「ちょっと情報を回してくれ」「うちの案件を先に処理してくれ」と頼めば、分離は名ばかりになる。本条は送配電会社と同じグループの会社(特定関係事業者)を名指しし、送配電会社に禁止行為をさせるよう要求・依頼することを禁じた。実際に情報を漏らしたかどうかとは別に、頼んだ時点で違反になる。違反すると、経済産業大臣(国の電力行政を所管する大臣)が行為の停止や変更を命じることができる。新電力の担当者なら覚えておきたい。グループ内のやり取りは、頼む側の行為として単独で違法になりうる。
法的な位置づけ
電気事業法23条の3は、一般送配電事業者と同一グループに属する特定関係事業者(発電会社・小売会社等)に対し、当該送配電事業者へ同法23条所定の禁止行為をするよう要求・依頼すること、および経済産業省令で定める競争阻害行為をすることを禁止し、違反時には経済産業大臣が停止・変更を命じうる旨を定める行為規制である。
手順
- 1.不自然な引き戻し・遅延を一覧化する 切替え直後の大手電力からの勧誘や、系統接続手続での不自然な遅れを、日時・顧客名・担当者名・内容とともに一覧表に記録する
- 2.顧客の証言を書面で確認する 顧客から口頭で聞いた勧誘内容を、メールなど書面で顧客に確認してもらい、後から証拠として使える形にしておく
- 3.電力・ガス取引監視等委員会に情報提供する 複数件のパターンがたまった段階で、23条違反と本条違反の両面から調査を求めて委員会の相談窓口に情報提供する
- 4.損害が出ていれば賠償請求を検討する 顧客流出による具体的な損害が算定できる場合、民法709条に基づく損害賠償請求を弁護士と検討する。損害と加害者を知った時から3年以内に動く
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法の特定関係事業者とは何ですか?
一般送配電事業者と資本関係などで結ばれた同じグループの発電会社・小売会社などを指します。法的分離後も残るグループ内の影響力を規制する対象です。
Q2一般送配電事業者とはどんな会社ですか?
各エリアの送配電網を運営し、すべての電気事業者に託送供給を行う会社です。大手電力グループの送配電子会社がこれに当たります。
Q3送配電部門の法的分離はいつから?
令和2年(2020年)4月に施行されました。大手電力の送配電部門が別会社化され、グループ会社との行為規制もあわせて整備されました。
Q4新電力の顧客情報不正閲覧問題とは?
大手電力グループの小売部門が、送配電会社のシステムで新電力の顧客情報を閲覧していた問題です。2023年に複数社へ業務改善命令が出されました。
Q5送配電会社からの情報漏洩を疑ったら、どこに相談する?
電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に情報提供できます。日時・顧客名・勧誘内容を一覧にしてから持ち込むと受け止められやすくなります。
Q6特定関係事業者の禁止行為は条文に書かれたものだけ?
いいえ。本条1項2号により、適正な競争を阻害する行為を経済産業省令で追加できます。条文にない行為でも省令で禁止されている場合があります。
Q7大手電力が切替え直後の顧客を引き戻すのは違法?
勧誘そのものは直ちに違法ではありません。送配電会社経由で得た切替え情報を使っていれば、23条や本条の違反が問題になります。
Q8電気事業法23条の3の停止・変更命令に不服があるときは?
命令は行政処分なので、知った日の翌日から3か月以内に審査請求、知った日から6か月以内に取消訴訟を検討できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1グループの送配電会社に、エリアの需要見通しを聞くだけでもアウトなんですか?
誰でも入手できる公表情報なら問題になりにくい。一方、託送業務を通じて得た個別の顧客情報や非公開データを求めれば、23条1項1号の目的外利用をさせる要求として本条1項1号に触れうる。実務のポイント:送配電会社が公表している資料と同じ水準かどうかが、実務上の線引きの目安になる。公表資料を指して聞くのと、口頭で「ざっくり教えて」と頼むのとでは、記録に残ったときの見え方がまったく違う
Q2違反したら、すぐに罰金になるんですか?
本条違反だけで直ちに刑罰が科されるわけではない。まず経済産業大臣が本条2項に基づいて行為の停止・変更を命じ、その命令に従わない場合に罰則が問題になる構造である(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:事業者にとって本当に痛いのは罰金よりも、命令や業務改善命令が公表されて報道されることだ。法人顧客の入札で取引先から外される実害は、罰金の額をはるかに超える
間違えやすい点 AI による整理
- 「送配電会社が実際に情報を出さなければ問題ない」と考えるのは誤りである。本条1項1号は、要求または依頼する行為そのものを禁じている。結果が出たかどうかを問わず、頼んだ側の行為として独立に違反が成立する
- グループ会社同士の情報共有は「社内の話」に見える。しかし法律の目から見れば、送配電会社と小売・発電会社は競争市場をはさんで向き合う別々のプレーヤーである。この視点の落差を軽く見たグループは、2023年に業務改善命令を受けて社会的信用を大きく失った
- 禁止されるのは露骨な情報要求だけ、という理解は浅い。1項2号は、適正な競争を阻害する行為を経済産業省令(大臣が定める細則)で追加できる受け皿になっている。条文に書かれていない行為でも、省令で禁止されている場合がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制される主体 | 23条の3:特定関係事業者(同一グループの発電・小売会社等) | 23条:一般送配電事業者自身 22条の2:一般送配電事業者(兼業規制、現行条文要確認) |
| 禁止される内容 | 23条の禁止行為をさせる要求・依頼+省令で定める競争阻害行為 | 託送業務で得た情報の目的外利用・提供、不当な優先・不利な取扱い等 送配電事業と発電・小売事業の兼業(法的分離) |
| 成立のタイミング | 要求・依頼した時点(相手が応じたかを問わない) | 送配電会社が実際に禁止行為をした時点 兼業状態にある時点 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は発電・輸配電・售電を区分し、輸配電業に公平開放と中立性を求める。日本と同じくグループ内連携の中立性確保が課題
ドイツは EU 指令に基づき送配電事業者の機密情報の秘匿と、商業的に有利な情報の非差別的開示を義務づける
米国 FERC は送電事業者が関連マーケティング会社への情報の導管とならないよう、No-Conduit Rule を含む行為基準を定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大手電力の小売子会社の営業部長が、送配電会社の旧同僚に「新電力に流れた法人顧客の契約電力だけ教えてくれ」と電話した。送配電側が断ったとしても、頼んだ時点で本条1項1号の対象になりうる
- 新電力の営業担当であるあなたは、契約切替えの直後に顧客から「大手電力から戻ってくれと電話が来た」と聞かされる。それが三件続いた。偶然なのか、情報が漏れているのか? この違和感こそ、本条違反を疑う出発点である
- グループ内の会議で「系統接続の検討を自社グループの発電所案件から先に進めてほしい」という発言が出て、議事録に残った。発言者は送配電会社の社員ではなく、発電子会社の役員だった
- 経済産業省から報告徴収(役所が事業者に資料や説明を出させる手続)の通知が届いた。提出期限まであと10日。社内チャットに残る送配電部門とのやり取りのうち、どこまでが要求・依頼に当たるのかを洗い出さなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 切替え直後の引き戻し勧誘や、系統接続手続での不自然な遅れを、日時・顧客名・内容とともに一覧にする2. 顧客から聞き取った内容はメールなど書面で確認しておく3. 電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に情報提供し、23条違反と本条違反の両面から調査を促す4. 損害が具体的に出ていれば、民法709条による損害賠償請求も弁護士と検討する
訴えられた側:1. 送配電会社とのメール・チャット・会議記録を保全し、要求・依頼に当たるやり取りがあったかを法務部門が精査する2. 該当しうる行為があれば直ちにやめ、社内の情報遮断ルールと教育を見直す3. 報告徴収には正確に応じる。虚偽報告は別の罰則の対象になりうる4. 停止・変更命令を受けた場合、内容に不服があれば審査請求や取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):本条違反そのものに特定の時効はない。停止・変更命令(行政処分)に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。損害賠償請求は損害と加害者を知った時から3年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正(令和2年(2020年)4月施行) 送配電部門の法的分離に伴い、特定関係事業者の禁止行為を定める規定として整備されたと考えられる。新設か既存条文の改正か、またその後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 改正:電気事業法改正により送配電部門の法的分離が決まり、令和2年(2020年)4月施行。これに伴い特定関係事業者の禁止行為を定める規定が整備されたとみられる(新設か改正かは要検証)
- 電気事業法 第23条送配電事業者自身の禁止行為、本条1号の参照先
- 電気事業法 第22条の2送配電事業者の兼業規制(法的分離)(現行効力を要確認)
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条不公正な取引方法の一般的禁止(通称 独占禁止法)
- 民法 第709条競争阻害による損害の賠償請求
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