電気事業法 第22条の2(兼業の制限等)
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- 一般送配電事業者は、小売電気事業、発電事業(小売電気事業の用に供するための電気を発電するものに限る。第百十七条の二第四号において同じ。)又は特定卸供給事業(小売電気事業の用に供するための電気を供給するものに限る。同号において同じ。)を営んではならない。ただし、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の認可を受けたときは、小売電気事業(その供給区域における一般の需要に応ずるものに限る。次項において同じ。)、発電事業(その供給区域における一般の需要に応ずる小売電気事業の用に供するための電気を発電するものに限る。同項において同じ。)又は特定卸供給事業(その供給区域における一般の需要に応ずる小売電気事業の用に供するための電気を供給するものに限る。同項において同じ。)を営むことができる。
- 2.経済産業大臣は、前項ただし書の認可の申請があつたときは、当該申請に係る一般送配電事業者が維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物の総体としての規模、その供給区域の自然的社会的条件等を勘案して当該一般送配電事業者が小売電気事業、発電事業又は特定卸供給事業を営むことがその供給区域内の電気の使用者の利益を確保するため特に必要であると認める場合でなければ、これを認可してはならない。
- 3.次の各号に掲げる者については、当該各号に定める規定は、適用しない。ただし、第一項ただし書の認可を受けた一般送配電事業者(以下この項において「認可一般送配電事業者」という。)の特定関係事業者(次条第一項に規定する特定関係事業者をいう。第三号において同じ。)である小売電気事業者、発電事業者又は特定卸供給事業者が、小売電気事業(当該認可一般送配電事業者の供給区域以外の地域における一般の需要に応ずるものに限る。)、発電事業(当該認可一般送配電事業者の供給区域以外の地域における一般の需要に応ずる小売電気事業の用に供するための電気を発電するものに限る。)又は特定卸供給事業(当該認可一般送配電事業者の供給区域以外の地域における一般の需要に応ずる小売電気事業の用に供するための電気を供給するものに限る。)を営むときは、この限りでない。
- 一認可一般送配電事業者次条第二項及び第二十三条第二項から第五項までの規定
- 二認可一般送配電事業者の取締役、執行役又は使用人その他の従業者(以下単に「従業者」という。)次条第一項の規定
- 三認可一般送配電事業者の特定関係事業者第二十三条の二第一項及び第二十三条の三第一項の規定
この条文の基本情報
兼業の制限等とは何ですか?
定義兼業の制限等とは、電気事業法第22条の2に定められた規定で、「一般送配電事業者は、小売電気事業、発電事業(小売電気事業の用に供するための電気を発電するものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第22条の2(兼業の制限等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第22条の2の条文原文は「一般送配電事業者は、小売電気事業、発電事業(小売電気事業の用に供するための電気を発電するものに限る。」で始まります。
- 電気事業法第22条の2は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第22条の2の前の条は電気事業法第22条です。
- 電気事業法第22条の2の次の条は電気事業法第22条の3です。
- 電気事業法第22条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第22条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第22条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/22_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法22条の2は、一般送配電事業者が小売電気事業・発電事業・特定卸供給事業を営むことを原則禁止し、経済産業大臣の認可がある場合に限り例外を認める。
Q · 電線を持つ送配電会社は、自分で電気を売ってもいいの?
原則できない。大臣認可を受けた場合だけ例外
電気事業法22条の2第1項により、一般送配電事業者は小売電気事業、小売向けの発電事業、特定卸供給事業を原則として営めません。例外は経済産業大臣の認可で、同条2項により、送配電設備の規模や供給区域の自然的社会的条件から、使用者の利益を確保するため特に必要と認められる場合に限られます。認可を受けたグループ会社が供給区域外で事業を営む場合は、3項ただし書により行為規制の適用除外が外れます。
解説
電線を持つ会社は電気を売ってはいけない。2020年4月、東京電力や関西電力などの大手電力は、送配電部門を別会社に切り出した。電柱や検針票で「東京電力パワーグリッド」「関西電力送配電」という社名を見たことがあるなら、それが本条の結果である。一般送配電事業者(地域の送電線・配電線を独占的に運用する会社)は、小売電気事業、発電事業、特定卸供給事業を原則として営めない。理由は単純だ。道路を管理する会社が自分の運送部門だけに優先レーンを開ければ、新電力(大手以外の電力小売会社)は勝負にならない。例外は経済産業大臣の認可だけである。それも、設備の規模や供給区域の自然的・社会的条件から見て、電気の使用者の利益のために「特に必要」と認められる場合に限られる。この認可を受けて発電から小売まで一体で営んでいるのが、本土の電力網とつながっていない小規模な島の電力網を運用する沖縄電力である。どの会社から電気を買っても電線の扱いが同じになるよう、送配電会社を競技者の席から外して中立の審判役に置いた。それが本条の役割である。
法的な位置づけ
電気事業法22条の2は、一般送配電事業者が小売電気事業、発電事業及び特定卸供給事業を営むことを原則として禁止する規定であり、送配電部門の法的分離の根拠となる。経済産業大臣は、送配電設備の規模や供給区域の自然的社会的条件等から、電気の使用者の利益確保に特に必要と認める場合に限り兼業を認可できる。
よくある質問 AI による整理
Q1送配電の法的分離とは何ですか?
送電網・配電網を運用する部門を大手電力から別会社に切り出し、小売や発電と兼業させない仕組みです。電気事業法22条の2が中核規定です。
Q2法的分離はいつから始まった?
2015年の電気事業法改正で導入され、2020年4月1日に施行されました。このとき大手電力の送配電部門が一斉に別会社化されました。
Q3一般送配電事業者はどこの会社ですか?
北海道から九州までの各地域の送配電会社(東京電力パワーグリッド、関西電力送配電など)と、認可により兼業を続ける沖縄電力の計10社です。
Q4送配電会社は発電所を持てる?
小売電気事業向けの発電事業は原則として営めません。ただし離島への供給など、一般送配電事業そのものに含まれる業務は別枠として扱われます。
Q5兼業の認可はどんな場合に下りる?
設備の規模や供給区域の自然的社会的条件から、使用者の利益確保のため「特に必要」と大臣が認める場合に限られます(22条の2第2項)。
Q6託送料金とは何ですか?
小売会社が送配電会社に支払う電線の使用料で、電気代に含まれています。送配電会社が小売で稼げないため、独立して国の審査を受けます。
Q7法的分離と所有権分離の違いは?
法的分離は送配電部門を別会社にしつつ資本関係は残す方式、所有権分離は資本関係まで断つ方式です。日本は法的分離を採用しています。
Q8送配電会社が兼業規制に違反したらどうなる?
経済産業大臣による業務改善命令などの行政処分の対象となりえます。具体的な処分内容や罰則の適用範囲は、個別に条文を確認する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1新電力に変えたら、停電のとき復旧が後回しにされたりしない?
されない。電線を運用する一般送配電事業者は、本条で小売事業を原則として禁じられ、23条で特定の小売事業者を優遇したり不利に扱ったりすることも禁じられている。復旧の順番を決めるのは契約先ではなく、設備と被害の状況である。実務のポイント:停電時の問い合わせ先は小売会社ではなく、地域の送配電会社である。送配電会社の停電情報サイトやアプリを事前に登録しておけば、小売会社のコールセンターに並ぶより早く復旧の見込みが分かる
Q2沖縄電力だけ分社化してないのって、ずるくない?
本条1項ただし書と2項は、送配電設備の規模や供給区域の自然的・社会的条件から、使用者の利益のために「特に必要」と大臣が認めた場合に限って兼業を認可する。本土とつながっていない小さな島の電力網では、分社化のコストが電気料金に跳ね返るおそれが大きい。ただし認可を受けても、23条1項の差別的取扱い禁止などの行為規制は残る。実務のポイント:3項ただし書により、そのグループ会社が沖縄の供給区域外で小売などを営む場合は適用除外が外れる。区域外では「沖縄だから規制が緩い」は通用しない
Q3大手電力の小売会社に勤めてるんだけど、送配電会社の同期に顧客のことを聞くのってアウト?
アウトになりうる。送配電会社が託送業務(他社の電気を電線で運ぶ業務)で知った情報を目的外に提供することは23条1項で禁止されている。グループ会社の側にも、本条3項が参照する23条の2第1項・23条の3第1項の行為規制がかかる。2023年の顧客情報の不正閲覧問題では、複数の大手電力グループに業務改善命令が出た。実務のポイント:処分を受けるのは主に会社だが、社内調査ではアクセスログが全件洗い出される。「聞いただけ」のつもりでも記録は残る
間違えやすい点 AI による整理
- 「送配電会社は電気を売れないはずなのに、契約していた新電力が撤退したら送配電会社から請求書が届いた。矛盾ではないか」という疑問は、問いの前提がずれている。最終保障供給(どの小売会社とも契約できない人への最後の受け皿としての供給)や離島供給は、法律上「一般送配電事業」の中身として定義されており、本条が禁じる小売電気事業とは別枠である。セーフティネットは審判の仕事に含まれている
- 送配電会社が別会社になったことは知られている。だが、社名を分けただけでは情報の流れは止まらない。2023年には複数の大手電力グループで、小売会社の社員が送配電会社のシステムを通じて新電力の顧客情報を閲覧できていた問題が発覚し、経済産業大臣が業務改善命令を出した。看板の掛け替えと中立性の実現は別物である。だからこそ本条の後ろに、兼職制限(22条の3)や行為規制(23条以下)が連なっている
- 利用者から見れば「電力会社」は一社だが、法律から見れば送配電、小売、発電はそれぞれ別の事業者で、負う義務も違う。停電の問い合わせを小売会社に入れても話が進まないのはこのためである。窓口の構造を知らないと、復旧情報にたどり着くまで遠回りすることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 22条の2:一般送配電事業者の事業範囲(小売・発電・特定卸供給の兼業) | 22条の3:送配電会社とグループ会社の役員・従業者の兼職 23条:送配電会社の情報の目的外利用・差別的取扱い |
| 規制の手法 | 事業そのものを原則禁止する構造規制 | 人事面での遮断 日常業務での行為規制 |
| 例外 | 経済産業大臣の認可(使用者の利益のため特に必要な場合) | 認可一般送配電事業者の従業者は22条の2第3項で適用除外 認可一般送配電事業者は2項から5項の適用除外、1項は残る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は輸配電業を国営として残しつつ、発電業・売電業との分離を段階的に進める設計で、日本の法的分離と目的を共有する
韓国は電気事業の兼業を制限する規定を置くが、韓国電力公社が送配電と販売を一体で担う構造が続いており、日本ほど分離は進んでいない
ドイツは EU 指令に基づき、配電事業者の法的・機能的分離を義務付け、送電事業者には所有権分離などより厳格な選択肢を課す
米国は送電網のオープンアクセスと機能的分離を連邦レベルで求め、法的分離の程度は州ごとの電力自由化政策に委ねられている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新電力に乗り換えた翌月の台風で、大手電力と契約している隣の家より自宅の復旧が遅かったら、どうなる? 送配電会社が契約先の小売会社によって扱いを変えることは、本条による分離と23条の差別的取扱い禁止で封じられている。停電と復旧の時刻を記録しておけば、電力・ガス取引監視等委員会に情報提供する材料になる
- あなたは大手電力グループの小売会社で営業をしている。同じグループの送配電会社にいる同期から「乗り換えを検討している顧客の情報」をもらえば、営業成績はすぐ上がる。しかし法的分離の後、それは送配電会社による情報の目的外提供(23条)に直結し、グループ全体が業務改善命令の対象になる。飲み会でのひと言が、グループ全体の処分案件になる
- 地域新電力を立ち上げる自治体の担当者。送配電網は地元大手の子会社が握っている。接続条件で差をつけられたら、本条がつくった分離構造そのものが交渉材料になる
- 沖縄電力グループの会社として本土で電力小売に参入する準備をしている。供給開始まであと1か月なのに、社内の兼職ルールや情報遮断ルールは沖縄向けの緩い基準のままである。本条3項ただし書により、認可を受けた送配電事業者のグループ会社が供給区域外で小売などを営むときは、適用除外が外れる。開業前に体制を組み直さなければ、初日から本土の他社と同じ行為規制に違反することになる(適用範囲の細部は実務上要確認)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 接続工事の日程、切り替え手続、検針データの提供などで送配電会社に他社と差をつけられたと感じたら、日時・担当者・やり取りを時系列で記録する2. 同じ種類の申込みについて、大手グループの小売会社と処理期間を比較できる資料を集める3. 電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に情報提供し、23条の差別的取扱い禁止の観点から調査を求める4. 損害を金額にできるなら、民法709条による損害賠償請求も並行して検討する
訴えられた側:1. 送配電会社とグループ会社の役員・従業者の兼務状況を洗い出し、22条の3の制限に触れる兼務を解消する2. 顧客情報システムへのアクセス権限をグループの小売・発電部門から遮断し、アクセスログを定期的に監査する3. 不適切な閲覧や情報提供の依頼が見つかったら、隠さず早めに当局へ報告し、再発防止策を示す。発覚後の隠蔽は処分を重くする方向に働く4. 本条1項の業務範囲を超えるおそれのある事業計画は、着手前に認可が必要かどうかを確認する
時効(請求できる期限):本条違反そのものに特定の時効はなく、業務改善命令などの行政処分はいつでも出されうる。損害賠償を請求する場合は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(民法724条)。契約上の請求には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正 電力システム改革の第三段階として、送配電部門の法的分離を定める本条を新設した。一般送配電事業者による小売電気事業・発電事業の兼業を原則禁止し、大臣認可による例外を設けた。施行は令和2年(2020年)4月1日
- 令和2年(2020年)改正(エネルギー供給強靱化法) アグリゲーターなどを念頭に置いた特定卸供給事業の制度創設にあわせ、兼業禁止の対象に特定卸供給事業を加えた。施行は令和4年(2022年)4月1日
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 新設:電力システム改革の第三段階として、一般送配電事業者の小売・発電兼業を原則禁止し、大臣認可による例外を設けた。令和2年(2020年)4月1日施行
- 2.令和2年(2020年) 改正:エネルギー供給強靱化法により特定卸供給事業の制度が創設されたことにあわせ、兼業禁止の対象に特定卸供給事業を加えた。令和4年(2022年)4月1日施行
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