電気事業法 第23条の4(電気供給事業者間の適正な競争関係を確保するための体制整備等)
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- 一般送配電事業者は、経済産業省令で定めるところにより、託送供給及び電力量調整供給の業務に関して知り得た情報その他その一般送配電事業の業務に関する情報を適正に管理し、かつ、託送供給及び電力量調整供給の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他電気供給事業者間の適正な競争関係を確保するために必要な措置を講じなければならない。
- 2.一般送配電事業者は、毎年、経済産業省令で定めるところにより、前項の規定により講じた措置を経済産業大臣に報告しなければならない。
この条文の基本情報
電気供給事業者間の適正な競争関係を確保するための体制整備等とは何ですか?
定義電気供給事業者間の適正な競争関係を確保するための体制整備等とは、電気事業法第23条の4に定められた規定で、「一般送配電事業者は、経済産業省令で定めるところにより、託送供給及び電力量調整供給の業務に関して知り得た情報その他その一般送配電事業の業務に関する情報を適正に管理…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第23条の4(電気供給事業者間の適正な競争関係を確保するための体制整備等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第23条の4の条文原文は「一般送配電事業者は、経済産業省令で定めるところにより、託送供給及び電力量調整供給の業務に関して知り得た情報その他その一般送配電事業の業務に関する情報を適正に管理…」で始まります。
- 電気事業法第23条の4は第二款 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第23条の4の前の条は電気事業法第23条の3です。
- 電気事業法第23条の4の次の条は電気事業法第24条です。
- 電気事業法第23条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第23条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第23条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/23_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法23条の4は、一般送配電事業者に託送供給等で知り得た情報の適正管理と監視体制の整備を義務づけ、講じた措置を毎年経済産業大臣へ報告させる規定。
Q · 新電力に乗り換えたら、自分の情報は前の大手電力グループに伝わってしまうの?
送配電会社には情報を守る体制づくりが義務づけられている
電気事業法23条の4により、一般送配電事業者は託送供給及び電力量調整供給の業務で知り得た情報を適正に管理し、業務の実施状況を監視する体制を整えなければなりません。さらに講じた措置を毎年、経済産業大臣に報告する義務があります。グループの小売部門への情報の目的外利用は同法23条でも禁じられています。ただし2023年には不正閲覧が発覚しており、ルールがあっても運用で破られることがあります。
解説
電気の契約を新電力に切り替えた瞬間、あなたの名前、住所、毎月の使用量は、切り替え前の大手電力会社のグループ企業のシステムにも記録される。電線とメーターを管理する一般送配電事業者(地域の送電網を独占的に運営する会社、例:東京電力パワーグリッド、関西電力送配電)は、どの会社と契約していても全員分のデータを持つ立場にあるからだ。本条はこの会社に二つの義務を課している。託送供給(他社の電気を自社の送電網で届けるサービス)で知った情報を適正に管理すること、そして社内でその運用を監視する体制をつくり、毎年経済産業大臣に報告することだ。2023年には、大手電力の送配電子会社の端末から、グループの小売部門の社員が新電力の顧客情報を閲覧していた問題が次々に発覚し、経済産業大臣が業務改善命令を出した。条文に書かれた「体制」が実際には働いていなかったわけである。電力会社を乗り換えた人も、新電力を経営する人も、自分の情報がどの壁に守られているはずなのかを知っておけば、問題が起きたときに誰を問い詰めればよいかが分かる。
法的な位置づけ
電気事業法23条の4は、一般送配電事業者の情報管理体制を定める規定であり、託送供給及び電力量調整供給の業務に関して知り得た情報その他の業務情報の適正管理、業務実施状況の監視体制の整備その他電気供給事業者間の適正な競争関係を確保するための措置を義務づけ、その措置を毎年経済産業大臣に報告させるものである。
手順
- 1.託送情報の範囲を洗い出す 託送供給及び電力量調整供給の業務で扱う情報(契約者情報、使用量データ、切替申込み等)を棚卸しし、競争上重要な情報として管理対象を特定する
- 2.アクセス権限と物理区分を整備する システムのアクセス権限から小売・発電部門やグループ会社のアカウントを除外し、共用端末や執務室の区分を見直す
- 3.監視部門とログ点検の担当・頻度を決める 社内に監視担当部門を置き、誰がどの頻度でアクセスログを確認するかを規程で定め、研修を実施する
- 4.年次報告を作成し経済産業大臣へ提出する 講じた措置、監視の結果、発見した問題と再発防止策を経済産業省令の定めに沿ってまとめ、毎年報告する
よくある質問 AI による整理
Q1一般送配電事業者とは何ですか?
地域の送電網と配電網を運営し、どの小売電気事業者の顧客にも電気を届ける会社です。東京電力パワーグリッドや関西電力送配電などがこれにあたります。
Q2託送供給とはどういう意味ですか?
小売電気事業者などが調達した電気を、一般送配電事業者が自社の送配電網を使って需要家まで届けるサービスです。新電力の電気もこの仕組みで届きます。
Q3電力会社の不正閲覧問題とは何だったのですか?
2023年、大手電力の送配電子会社が管理する新電力顧客の情報を、グループの小売部門の社員が閲覧できていた問題です。経済産業大臣が業務改善命令を出しました。
Q4電気事業法23条の4の報告はいつまでに出すのですか?
毎年、経済産業省令で定める時期と方法に従って報告します。具体的な期限や様式は省令で定められているため、最新の施行規則を確認する必要があります。
Q5送配電事業者が情報管理を怠ったら違法ですか?
本条の措置義務に違反する状態となり、経済産業大臣による業務改善命令などの行政処分の対象になりえます。個人情報が絡めば個人情報保護法の問題も生じます。
Q6電力会社の情報漏えいはどこに相談できますか?
電力市場の監視を担う電力・ガス取引監視等委員会が主な窓口です。日時、相手方、相手が知っていた情報を記録してから情報提供すると伝わりやすくなります。
Q7スマートメーターのデータは誰が管理していますか?
30分ごとの使用量などのデータは一般送配電事業者が収集・管理しています。本条により、そのデータを適正に管理する体制の整備が求められます。
Q8新電力の顧客情報は大手電力の営業に使われる?
法律上は使ってはならない仕組みです。本条の体制整備義務と23条の目的外利用禁止がこれを支えていますが、運用の不備で漏れた事例が実際にありました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1新電力に変えたら、前の電力会社に自分の情報って伝わっちゃうんですか?
送配電事業者は託送供給の業務を通じて全員分の契約・使用量情報を持っていますが、電気事業法23条の4によってその情報を適正に管理する体制をつくることが義務づけられています。グループの小売会社への提供は23条でも禁止されています。実務のポイント:問題はルールの有無ではなく運用で、2023年の不正閲覧はシステムのアクセス権限設定の甘さから起きていました。おかしいと思ったら、記録を残して監視等委員会へ伝えるのが有効です
Q2うちは小さな新電力ですが、顧客を大手に取り返されている気がします。どこに言えばいいですか?
電力・ガス取引監視等委員会が窓口です。本条の体制整備と23条の情報目的外利用の禁止は、委員会の監視対象の中心にあります。実務のポイント:一件だけの訴えは「営業努力の結果」と片付けられがちです。切替申込みから大手が接触してくるまでの日数を複数件そろえて示すと、偶然では説明しにくいパターンとして受け取ってもらいやすくなります
Q3体制整備って、具体的に何をすればいいんですか?罰則はあるんですか?
情報システムのアクセス制限、物理的な執務室の区分、社内規程、研修、監視部門の設置などを、経済産業省令の定めに沿って整えることが求められます。義務を果たしていない場合は、経済産業大臣の業務改善命令などの対象になりえます。実務のポイント:行政が見るのは規程があるかどうかより、ログを実際に誰が定期的に確認しているかです。監視の担当者と頻度が決まっていない体制は、書面が整っていても弱いと評価されます(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「2020年に送配電部門が別会社になったのだから、情報漏れはもう起きない」と思われがちだが、2023年に発覚した不正閲覧はまさに分社化した後に起きていた。会社を分けることと、システムのアクセス権限やグループ内の人の行き来を断つことは別問題であり、本条はその後者を求めている
- 情報管理の問題というと個人情報保護法の話だと考えがちだが、視点が違う。本条が守っているのは個人のプライバシーそのものよりも、電力市場の公正な競争である。そのため氏名を含まない法人顧客の使用量データや、切替申込みの事実だけでも、競争上の重要情報として保護の対象に入りうる
- 報告義務というと、紙を一枚出せば済む形だけの手続きに見える。実際には、毎年の報告内容が電力・ガス取引監視等委員会の監視の出発点になる。報告と実態がずれていたことが後で判明すれば、それ自体が会社の信用と行政処分の判断を重くする材料になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 23条の4:情報管理・監視体制の整備と年次報告 | 23条:情報の目的外利用・差別的取扱いなどの禁止行為 |
| 規律の性格 | 予防的な体制整備義務(組織の仕組みづくり) | 個別の行為を禁じる行為規制 |
| 国との関係 | 毎年、講じた措置を経済産業大臣に報告 | 違反行為があれば是正の対象 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も電力自由化に伴い輸配電業の中立性と公平開放を求める。ただし台湾電力の一体経営が続いており、日本のような法的分離後の情報遮断体制とは段階が異なる
ドイツは商業上の機密情報の保護と、系統運用者の差別防止プログラム・年次報告を定めており、本条の体制整備+年次報告と構造が近い
米国は送電部門と販売部門の従業員の分離、非公開送電情報の共有禁止を定め、遵守状況の公開を求める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新電力に切り替えて二週間後、元の大手電力から「お戻りになりませんか」と妙にタイミングのよい電話が来た。偶然か、それとも送配電側の解約・切替情報が漏れたのか。疑ったら、電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に具体的な日時を添えて情報提供できる
- もしあなたが一般送配電事業者のシステム担当者で、グループの小売会社の同期から「新電力に流れた大口顧客のリスト、ちょっと見せてよ」と頼まれたら、どうなる? 断らなければ、会社の体制整備義務違反の当事者になり、懲戒処分や会社への業務改善命令の引き金を引くことになる
- 新電力の経営者として、営業先の工場を回ったら「先週、大手さんが御社より安い見積もりを持ってきた」と言われた。その工場の切替申込みは、まだ送配電事業者にしか出していなかった
- 社内監査で、小売部門のアカウントから託送システムへのアクセスログが見つかった。年次報告の提出期限はあと一か月。隠して報告するか、自主申告して是正策を書くか、今週中に決めないと間に合わない
- 友人が「電力会社を変えると個人情報が大手に筒抜けになるんでしょ?」と聞いてきた。法律上は筒抜けになってはならない仕組みであり、筒抜けになったら違法になる、と答えられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不自然な営業や情報流出を疑ったら、日時、相手の会社と担当者名、相手が知っていた情報の内容をメモやメールで残す2. 新電力の事業者であれば、切替申込みの日時と競合から接触があった日時を表にまとめて照合する3. 電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に情報提供する4. 営業上の損害が具体的に出ている場合は、民法709条に基づく損害賠償や独占禁止法上の申告を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 送配電事業者の社員であれば、グループ会社からの閲覧依頼は理由にかかわらず断り、記録に残す2. アクセス権限の設定とログを点検し、小売部門のアカウントやグループ会社との共用端末が残っていないか洗い出す3. 問題を見つけたら、隠さずに社内のコンプライアンス部門へ報告し、年次報告の中で原因と再発防止策を具体的に示す4. 行政調査が入った場合は、事実関係を早期に開示して処分の重さに影響しうる誠実な対応を記録に残す
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の時効はないが、措置の報告は毎年、経済産業省令で定める時期に行う必要がある。流出による損害賠償を請求する場合は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
- 電気事業法 第23条情報目的外利用・差別的取扱いの禁止
- 電気事業法 第18条託送供給等約款、本条の対象業務の基礎
- 電気事業法 第2条一般送配電事業者・託送供給の定義
- 電気事業法 第22条の2送配電と小売・発電の兼業規制(現行効力を要確認)
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条不公正な取引方法の禁止、競争法上の一般則
- 個人情報の保護に関する法律 第23条個人データの安全管理措置義務
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