電気事業法 第57条(調査の義務)
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- 一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下この条、次条及び第八十九条において「電線路維持運用者」という。)は、経済産業省令で定める場合を除き、経済産業省令で定めるところにより、その一般用電気工作物が前条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。ただし、その一般用電気工作物の設置の場所に立ち入ることにつき、その所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない。
- 2.電線路維持運用者は、前項の規定による調査の結果、一般用電気工作物が前条第一項の経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、遅滞なく、その技術基準に適合するようにするためとるべき措置及びその措置をとらなかつた場合に生ずべき結果をその所有者又は占有者に通知しなければならない。
- 3.経済産業大臣は、電線路維持運用者が第一項の規定による調査若しくは前項の規定による通知をせず、又はその調査若しくは通知の方法が適当でないときは、その電線路維持運用者に対し、その調査若しくは通知を行い、又はその調査若しくは通知の方法を改善すべきことを命ずることができる。
- 4.電線路維持運用者は、帳簿を備え、第一項の規定による調査及び第二項の規定による通知に関する業務に関し経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
- 5.前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。
この条文の基本情報
調査の義務とは何ですか?
定義調査の義務とは、電気事業法第57条に定められた規定で、「一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下この条、次条及び第八十九条において「電線路維持運用者」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第57条(調査の義務)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第57条の条文原文は「一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し、及び運用する者(以下この条、次条及び第八十九条において「電線路維持運用者」という。」で始まります。
- 電気事業法第57条は第三節 一般用電気工作物に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第57条の前の条は電気事業法第56条です。
- 電気事業法第57条の次の条は電気事業法第57条の2です。
- 電気事業法第57条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第57条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第57条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/57
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法57条は、電線路維持運用者に一般用電気工作物の技術基準適合調査を義務付ける。不適合なら所有者等に通知するが、立入りを断られれば調査義務はない。
Q · 電気保安協会の点検って、受けなきゃいけないの?
事業者の法的義務だが、住人が立入りを断れば義務は外れる
電気事業法57条1項により、一般用電気工作物と直接接続する電線路を維持・運用する事業者は、住宅の屋内配線などが技術基準に適合しているかを調査しなければなりません。ただし所有者又は占有者が立入りを承諾しなければ、調査義務はなくなります。断っても、設備を技術基準に適合させておく責任は所有者側に残り、不適合なら国が修理などを命じうる(同法56条)点に注意が必要です。
解説
4年に一度、自宅の分電盤を見に来る「電気保安協会」の人がいる。あれは善意のサービスでも営業でもない。電気事業法57条が、家まで電線を引いて維持・運用している送配電事業者など(条文上の「電線路維持運用者」)に課した法律上の義務である。住宅の屋内配線や家庭用の小型太陽光発電設備のような「一般用電気工作物」(一般家庭や小さな店舗にある、比較的危険の少ない電気設備)が、国の技術基準(漏電や絶縁不良を防ぐ安全ルール)に合っているかを調べる。合っていなければ、とるべき措置と、放置した場合に起きる結果を遅滞なく通知しなければならない。この法定調査は、その場で修理や機器を売る仕組みではない。だから玄関先で即決の工事代金を迫る「点検員」は、この制度の外にいると疑ってよい。さらに見落とされがちなのが、ただし書である。所有者や居住者が立入りを断れば、調査義務はなくなる。断る自由はある。ただしその瞬間、漏電を見つけるための公的な網が一本外れる。
法的な位置づけ
電気事業法第57条は、一般用電気工作物の技術基準適合性について、電線路維持運用者に調査義務を課す規定である。不適合を認めた場合の所有者又は占有者への通知義務、調査・通知に関する帳簿の備付けと保存義務、経済産業大臣による調査・通知の実施又は方法改善の命令権を併せて定める。設置場所への立入りに承諾が得られない場合、調査義務は免除される。
手順
- 1.訪問者の身元を確認する 「電気の点検」で訪問を受けたら、ドアを開ける前に身分証明書と委託元の送配電事業者名を確認する。不安があれば、自分で調べた事業者・調査機関の代表番号に電話して照会する
- 2.調査を受けるか、日程を変えるかを決める 都合が悪いだけなら断らずに日程変更を申し出る。立入りを承諾しなければ調査義務は外れるが、設備を技術基準に適合させる責任は残る点を踏まえて判断する
- 3.不適合の通知書を保管し、複数の見積りを取る 技術基準に適合しないとの通知を受けたら、記載された措置内容を電気工事士のいる工事店複数社に見せて相見積りを取る。その場での即決契約はしない
- 4.賃貸なら賃貸人へ即日連絡する 賃貸物件では通知書の写しを写真付きで大家・管理会社へメール等で送り、送信記録を残す。修繕が必要な旨を遅滞なく伝える義務(民法615条)を果たし、修繕を求める(民法606条)
- 5.是正工事の記録を残す 工事完了後、工事内容の記録と領収書を保管する。将来事故が起きた場合に、通知後に是正したことを示す防御材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1一般用電気工作物とは何ですか?
一般家庭や小規模な店舗の屋内配線、低圧で受電する設備、住宅用の小型太陽光発電設備など、比較的危険の少ない電気設備を指します(電気事業法38条)。
Q2電気の定期調査は何年ごと?
経済産業省令で原則4年に1回以上と定められています。登録点検業務受託法人が点検業務を受託している設備は5年に1回以上です。
Q3電気保安協会 本物 見分け方
身分証と委託元の送配電事業者名を確認し、自分で調べた代表番号に電話して照会します。その場で有料工事の契約を迫る相手は疑ってよいでしょう。
Q4電気の調査 不在だとどうなる?
不在票が入り、日程調整の連絡を求められるのが一般的です。調査機関に連絡すれば日程を変えて調査を受けられることが多いです。
Q5技術基準に適合しないと言われたら罰則はある?
通知を受けただけで直ちに罰則はありません。ただし放置すれば、経済産業大臣が所有者・占有者に修理や使用制限を命じうる(電気事業法56条)ため、早めの是正が安全です。
Q6電気の調査で家に入られたくない場合は?
立入りを承諾しない自由はあり、その場合調査義務はなくなります(57条1項ただし書)。ただし屋外の確認のみで済む場合もあるため、まず調査機関に相談しましょう。
Q7漏電の通知を受けたら どこに修理を頼む?
電気工事士のいる電気工事店に依頼します。屋内配線工事は有資格者に限られる(電気工事士法3条)ため、通知書を見せて複数社から見積りを取るのが賢明です。
Q8電線路維持運用者とは誰のこと?
一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持・運用する者で、主に一般送配電事業者が該当します。実際の調査は登録調査機関に委託されることが多いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1電気保安協会の点検って、断っても大丈夫なんですか?
法律上は断れる。57条1項ただし書により、所有者・占有者の承諾が得られなければ調査義務はなくなる。ただし配線を技術基準に合わせておく責任はあなたの側に残り、不適合なら56条で国から修理を命じられることもある。実務のポイント:日時が合わないだけなら、調査機関に連絡すれば日程変更に応じてもらえることが多い。「断る」と「日を変える」は別物で、後者を選べば無料の安全確認を失わずに済む
Q2点検に来た人に「ブレーカーが古いから交換しないと危ない」って言われたんだけど、払わなきゃダメ?
法定の調査(57条)は技術基準に適合しているかを確認して結果を通知するもので、その場で工事を売る仕組みではない。修理が必要でも、どの業者に頼むかはあなたが決める。実務のポイント:本物の通知は「とるべき措置」と「放置した場合の結果」を示すだけである(同条2項)。即決を迫られた時点で疑ってよい。契約してしまった場合は、訪問販売としてクーリング・オフ(特定商取引法9条)の対象になりうる
Q3賃貸で漏電の通知が来たんですけど、修理代って誰が払うんですか?
建物に付いている配線なら、原則として賃貸人の修繕義務(民法606条)の範囲である。通知は占有者であるあなたに届くことがあるが、借主には修繕が必要な旨を賃貸人に遅滞なく伝える義務がある(民法615条)。実務のポイント:伝えずに放置して損害が広がると、拡大した分を借主側が負担させられる可能性がある。通知書の写しをメールで送り、送信記録を残すのが最も安い保険になる
間違えやすい点 AI による整理
- 電気保安協会の点検は任意の訪問サービスで、受けても受けなくても同じだと思われがちである。実際には、電線路維持運用者が法律上負う調査義務の履行であり、費用も訪問時に請求される仕組みではない。「無料だから怪しい」のではなく、「その場で有料の話を始める相手が怪しい」
- 通知書をもらったことは覚えていても、その紙の重さを知らない人が多い。57条2項の通知を出した時点で、調査者側の義務はいったん果たされたことになる。そこから先、直す責任はあなたの側に移る。技術基準に適合しないまま放置すれば、経済産業大臣が所有者・占有者に修理や使用制限を命じうる(56条)
- あなたから見れば、調査員は「家に上がり込んでくる他人」かもしれない。しかし法律から見れば、あなたの家の漏電が火災となり隣家へ燃え広がる前に、連鎖を断ち切るために置かれた存在である。断るかどうかは、あなた一人のプライバシーの問題ではなく、近隣の安全にも関わる選択だという視点が抜け落ちている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務・権限の主体 | 電気事業法57条:電線路維持運用者(調査・通知・帳簿の義務) | 電気事業法56条:経済産業大臣(技術基準適合命令の権限) 電気事業法57条の2:電線路維持運用者が調査業務を登録調査機関に委託 |
| 名宛人 | 調査は事業者が行い、通知は所有者又は占有者へ | 一般用電気工作物の所有者又は占有者に命令 委託を受けた登録調査機関が調査業務を担う |
| 住人の拒否の効果 | 立入りの承諾がなければ調査義務は課されない | 命令は承諾の有無に関係なく発しうる 委託先でも承諾が前提である点は同じ |
| 実務上の意味 | 危険の発見と通知(予防) | 不適合設備の是正の強制(是正) 電気保安協会などが訪問する根拠(執行体制) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも需要家側の用電設備の安全基準と検査の枠組みがあるが、定期調査を送配電側に義務付ける日本型の仕組みとの対応は個別に要確認
韓国では一般用電気設備の定期点検を韓国電気安全公社が担う制度があり、住宅の電気安全を公的機関が定期的に確認する点で日本と類似
ドイツでは配電網事業者が需要家設備(Kundenanlage)を点検できる規定があるが、定期調査の義務付けではなく権限としての色彩が強い
米国では電力会社による定期調査ではなく、新築・改修時に自治体の電気検査官が NEC 適合を確認する方式が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 調査員から「絶縁抵抗値が基準を下回っています、漏電のおそれ」と書かれた通知書を渡された。放置したらどうなるのか。57条2項の通知には「措置をとらなかった場合に生ずべき結果」まで書くことになっている。「火災のおそれ」と書かれた紙が手元にある状態で火が出れば、あとから「知らなかった」とは言えない
- インターホン越しに「電気の点検です。ブレーカーが古いので交換が必要です、今日なら3万円」と言われた。本物の定期調査は、その場で工事を売りつけない。
- 賃貸マンションで通知書を受け取ったのは入居者のあなた。しかし配線の所有者は大家である。通知の宛先は「所有者又は占有者」なので、占有者に届くことがある。修繕は原則として大家の負担(民法606条)だが、借主には修繕が必要なことを遅滞なく伝える義務がある(民法615条)。伝えなければ何も動かないし、伝え忘れている間に損害が広がれば、借主側の責任を問われるおそれもある
- あなたは送配電事業者から調査業務を受託した調査機関の担当者である。月末まであと10日、担当エリアで400戸が未訪問のまま、不在票を入れても連絡がない。承諾が得られなければ調査義務は外れる。しかし、その経緯を記録し帳簿に記載していなければ(57条4項)、調査方法の改善命令(同条3項)を受けうる
- 屋根に6kW の太陽光パネルを載せた。パワーコンディショナー周りの配線工事が雑だったとしたら、誰が気付くのか。出力10kW 未満の住宅用太陽光は原則として一般用電気工作物にあたり、本条の調査対象になる。施工業者以外の第三者が配線を見る数少ない機会である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調査員が来たら、身分証明書と委託元の送配電事業者名を確認する。不安なら、自分で調べた代表番号に電話して照会する2. 不適合の通知を受けたら、通知書を電気工事士のいる工事店に見せて複数の見積りを取る(屋内配線工事は電気工事士法3条により有資格者に限られる) 3. 賃貸なら、通知書の写しを即日、大家・管理会社へ送る4. その場で工事契約をさせられた場合は、特定商取引法のクーリング・オフ(法定書面の受領から8日)を検討する
訴えられた側:1. 立入りを断っても、配線を技術基準に合わせておく責任は消えない。不適合なら国は所有者・占有者に修理などを命じうる(56条) 2. 通知を放置していたなら、今からでも工事店で是正し、工事記録と領収書を保管する。事故が起きた後の責任追及では、是正した記録が防御材料になる3. 調査を担う事業者側なら、承諾拒否や不在の経緯も含めて帳簿に記載する(57条4項)。改善命令(同条3項)への最大の備えは記録である
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。調査の頻度は経済産業省令(電気事業法施行規則)で定められ、定期調査は原則4年に1回以上(登録点検業務受託法人が点検業務を受託している設備は5年に1回以上)。不適合時の通知は「遅滞なく」が要件である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)公布、平成13年(2001年)施行 中央省庁再編に伴い「通商産業省令」「通商産業大臣」が「経済産業省令」「経済産業大臣」に改められたとみられる(要人的検証)
- 令和4年(2022年)改正 本条の文言ではなく定義規定の改正により、出力10kW 以上50kW 未満の太陽光発電設備などが「小規模事業用電気工作物」として一般用電気工作物から外れ、本条の射程が変わったとみられる(要人的検証)
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法(昭和39年法律第170号)の制定により、一般用電気工作物について電気を供給する側の事業者に調査・通知義務を課す仕組みが置かれた(条文の文言は以後の改正で変更あり、要確認)
- 電気事業法 第56条技術基準適合命令、調査基準の根拠
- 電気事業法 第57条の2調査業務の登録調査機関への委託
- 電気事業法 第38条一般用電気工作物の定義
- 電気工事士法 第3条是正工事を有資格者に限定する特則
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