要点著作権法 42条の4 は、公文書館等が歴史公文書等を保存する目的で著作物を複製し、公文書管理法 19条の方法で公開することを、必要と認められる限度で許す権利制限規定である。
Q · 役所に出した書類や寄贈した写真が公文書館に入ったら、著作権はどうなるの?
著作権は消えないが、保存と公開に必要な限度でのみ館が利用できる
著作権法 42条の4 により、公文書館等の長は、公文書管理法に基づき歴史公文書等を保存する目的であれば、必要と認められる限度で著作物を許諾なく複製できます(1項)。また公衆への提供・提示は、公文書管理法 19条が定める方法の限度でのみ許されます(2項)。あなたの著作権は存続していますが、公共の記録という場では保存と公開に必要な範囲で一歩後退します。逆に言えば、館が限度や法定の方法を超えて商業利用すれば、依然として著作権侵害になりうるということです。
あなたが市役所に提出した陳情書、寄贈した古い写真、審議会で配った資料。これらが「歴史公文書」として公文書館に移管されると、あなたの著作物であっても、館長はあなたの許可なく複製し、一般に公開できる。著作権法 42条の4 がそれを正面から認めているからだ。ポイントは二つ。第一に、複製が許されるのは「保存のために必要と認められる限度」に限られる。劣化したフィルムをデジタル化する、酸性紙を別媒体に移す、その範囲だ。第二に、公開(公衆への提供・提示)は、公文書管理法 19条が定める方法に従う限度でしか許されない。つまり、館が好き勝手に商業利用していいわけではない。あなたの著作権は消えていないが、公文書という公共財の中では、知る権利の側に一歩だけ譲っている。この線引きを知っていれば、自分の作品が公文書館に入ったとき、何が許され何が許されないかを具体的に主張できる。
著作権法 42条の4 は、公文書館における著作物利用の権利制限規定であり、公文書館等の長が、歴史公文書等の保存のために必要な限度で複製すること、および公文書管理法 19条の方法に従い公衆へ提供・提示することを許容する。著作権者の複製権・公衆送信権等に対する例外として、保存目的と公開目的の二つの枠内でのみ機能する。
公文書館等の長が、歴史公文書等の保存目的で著作物を複製し、公文書管理法 19条の方法で公開することを、必要な限度で許す著作権の権利制限規定です。
著作権は消えず、寄贈者や相続人に残ります。ただし館は保存と公開に必要な限度で許諾なく複製・利用でき、その範囲では権利行使が制限されます。
公文書管理法に基づき、歴史資料として重要な公文書等をいいます。正式に移管されて初めて 42条の4 が適用され、移管前は本条を根拠にできません。
1項が許すのは「保存に必要と認められる限度」の複製です。劣化媒体のデジタル化は入りますが、利便性や公開のための網羅的複製は超える余地があります。
利用請求に対する閲覧・写しの交付などの利用方法を定める規定です。42条の4 第2項の公開は、この 19条の方法の限度でのみ許されます。
対象が正式に移管された歴史公文書等でない場合、保存に必要な限度を超える複製、公文書管理法 19条の方法を逸脱した公開、目的外の商業利用などです。
なりません。著作権は存続し、42条の4 が許すのは保存目的の複製と法定方法の公開だけです。館の目的外利用は依然として侵害となりえます。
いいえ。42条の4 は館の利用を許すだけで、閲覧者が転載・出版する権利まで与えません。第三者利用には別途許諾または他の権利制限規定が必要です。
資料が公文書管理法に基づき歴史公文書等として正式に移管され、同法19条の方法で公開されているなら、42条の4 第2項により適法で、原則として差止めはできません。著作権が遺族に相続されていても、公開行為そのものは止められない。ただし館が必要な限度や法定の方法を超えていれば話は別です。業界裏話ヒント:争点は「著作権があるか」ではなく「館の利用が42条の4の枠内か」に絞られる。弁護士でも著作権の一般論で攻めがちだが、公文書管理法19条の「方法」逸脱という入口から崩すほうが実務的に効く
いいえ。42条の4 第1項が認めるのは「保存することを目的とする場合」に「必要と認められる限度」での複製だけです。劣化媒体の保全のための複製は入りますが、利便性や公開のための網羅的デジタル化は第1項を超え、第2項(公文書管理法19条の方法)や他の根拠が必要になります。業界裏話ヒント:「保存目的」と「公開目的」は条文上きっちり分かれている。館側が一括スキャンを「保存」と称して公開にも転用していないか、ここは実務上、解釈が分かれている論点だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 目的 | 42条の4:歴史公文書等の保存・公開(公文書管理法連動) | — |
| 主体 | 国立公文書館等・地方公文書館等の長 | — |
| 許容行為 | 保存目的の複製(1項)+ 公文書管理法 19条の方法での提供・提示(2項) | — |
| 制約 | 必要と認められる限度+公文書管理法 19条の方法 | — |
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