保険業法 第186条(日本に支店等を設けない外国保険業者等)
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- 日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約(政令で定める保険契約を除く。次項において同じ。)を締結してはならない。ただし、同項の許可に係る保険契約については、この限りでない。
- 2.日本に支店等を設けない外国保険業者に対して日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約の申込みをしようとする者は、当該申込みを行う時までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。
- 3.内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合には、前項の許可をしてはならない。
- 一当該保険契約の内容が法令に違反し、又は不公正であること。
- 二当該保険契約の締結に代えて、保険会社又は外国保険会社等との間において当該契約と同等又は有利な条件で保険契約を締結することが容易であること。
- 三当該保険契約の条件が、保険会社又は外国保険会社等との間において当該契約と同種の保険契約を締結する場合に通常付されるべき条件に比して著しく権衡を失するものであること。
- 四当該保険契約を締結することにより、被保険者その他の関係者の利益が不当に侵害されるおそれがあること。
- 五当該保険契約を締結することにより、日本における保険業の健全な発展に悪影響を及ぼし、又は公益を害するおそれがあること。
この条文の基本情報
日本に支店等を設けない外国保険業者等とは何ですか?
定義日本に支店等を設けない外国保険業者等とは、保険業法第186条に定められた規定で、「日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約(政令で定め…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第186条(日本に支店等を設けない外国保険業者等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第186条の条文原文は「日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約(政令で定め…」で始まります。
- 保険業法第186条は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第186条の前の条は保険業法第185条です。
- 保険業法第186条の次の条は保険業法第187条です。
- 保険業法第186条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第186条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第186条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/186
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法186条は、日本に支店等を設けない外国保険業者との保険契約を原則禁止する。契約したい側は、申込みを行う時までに内閣総理大臣の許可を受けなければならない。
Q · 日本に支店のない海外の保険会社と契約したら違法になるんですか?
原則禁止。申込み前に内閣総理大臣の許可が必要です
保険業法186条1項は、日本に支店等を設けない外国保険業者が、日本に住所・居所を有する人、日本に所在する財産、日本国籍の船舶・航空機に係る保険契約を締結することを原則禁止します。2項は、その契約を申し込もうとする者に対し、申込みを行う時までに内閣総理大臣の許可を受けることを義務づけます。政令で定める保険契約は除外され、3項は五つの不許可事由を定めます。義務の名宛人が保険会社ではなく契約者側である点が最大の盲点です。
解説
海外の保険会社が出しているサイバー保険が、日本の同種商品より年間200万円安い。役員から「あれ入れよう」と言われて契約書にサインする。その瞬間、あなたの会社は保険業法186条違反の当事者になりうる。この条文は「日本に支店等を設けない外国保険業者」との契約を原則禁止し、契約を結びたい側、つまり契約者であるあなたに、申込みを行う時までに内閣総理大臣(実務上は金融庁長官へ委任)の許可を取れと命じている。ここが盲点だ。禁止されるのは1項で外国保険業者だが、許可申請の義務は2項で日本側の契約者に課される。海外の保険会社は日本の法律に無頓着なまま契約書を送ってくるし、そこには「日本の許可を取ってください」とは書いていない。しかも許可は事後では意味をなさない。申込み前でなければ取れないからだ。無許可で契約した側には保険業法317条の2により罰則が及ぶ。安いから入った、が、罰則と無保険状態の二重リスクに変わる。
法的な位置づけ
保険業法186条は、日本に支店等を設けない外国保険業者による国内関連保険契約の締結を原則禁止し、例外として内閣総理大臣の事前許可を定める規定である。対象は日本に住所若しくは居所を有する人、日本に所在する財産、日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約であり、政令で定める保険契約は除外される。許可の申請義務は申込みをしようとする者に課され、3項が五つの不許可事由を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.引受会社の日本拠点の有無を最初に確認 海外保険の提案を受けたら、保険料の欄より先に引受会社名と日本の支店等・免許の有無を確認する。日本に支店等がなければ186条の射程であり、申込み前の許可取得が前提になる
- 2.政令の適用除外に当たるかを条文と突き合わせる 1項括弧書きが委任する政令の除外類型(海上保険等)に当たるかを確認する。除外に当たれば許可不要で締結でき、当たらなければ2項の許可手続に進む。ここの判定を飛ばすと結論が正反対になる
- 3.日本の保険会社から同種商品の見積りを先に取る 3項2号は「保険会社または外国保険会社等と同等または有利な条件で契約することが容易であること」を不許可事由とする。国内引受先が存在しない、または条件が著しく劣ることを、自社の見積り資料で先に立証できる状態にしておく
- 4.申込みを行う時までに許可申請を完了させる 2項は「当該申込みを行う時までに」と定めており、事後の追完は制度上想定されていない。内閣府令の定めに従い金融庁へ申請し、許可が下りるまで申込みボタンを押さない・契約書にサインしない運用を社内で徹底する
- 5.許可が取れない場合はフロンティング等の代替設計に切り替える 日本国内の保険会社が証券を発行し、海外側は再保険で引き受ける設計に変更すれば、日本の保険会社との契約になるため186条の問題を回避できる。海外本社に対してはこの設計を要求するのが実務の定石
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法186条とは何ですか?
日本に支店等を設けない外国保険業者が、日本の人・財産・船舶等に係る保険契約を締結することを原則禁止し、契約を申し込む側に内閣総理大臣の事前許可を義務づける規定です。政令で定める保険契約は除外されます。
Q2「日本に支店等を設けない外国保険業者」とはどういう意味ですか?
日本国内に支店や拠点を置かず、日本の免許も受けていない海外の保険会社を指します。拠点がないため金融庁の継続的な監督が及ばず、186条が原則禁止の対象としています。
Q3186条の許可申請は誰がどこに出しますか?
申請義務を負うのは保険を申し込もうとする契約者側です。宛先は内閣総理大臣で、実務上の窓口は金融庁になります。申込みを行う時までに、内閣府令の定めに従って手続する必要があります。
Q4適用除外となる保険契約はどこで確認できますか?
1項の括弧書きが政令に委任しており、保険業法施行令に除外類型が置かれています。海上保険など実務で除外される類型があるため、条文本体だけでなく政令の最新版を必ず確認してください。
Q5無許可で締結した保険契約は無効になりますか?
私法上の効力については議論がありますが、実務上より重いのは監督と補償の不在です。引受会社が破綻しても保険契約者保護機構の補償は及ばず、支払拒否時に日本の裁判所で争える保証もありません。
Q6「日本に所在する財産」とはどこまで含まれますか?
条文は日本に住所若しくは居所を有する人、日本に所在する財産、日本国籍を有する船舶・航空機を挙げます。海外本社が一括手配した保険でも、対象に日本の資産が含まれれば射程に入りえます。
Q7海外の P&I クラブに加入する場合も許可が必要ですか?
日本国籍の船舶に係る保険契約は186条が明示する対象ですが、海上保険を中心に政令による除外が置かれています。除外に当たるかどうかで許可の要否が正反対になるため、政令の確認が出発点です。
Q8保険業法185条と186条はどう違いますか?
185条は日本に支店等を設けて営業する外国保険業者の免許制を定めます。186条は支店等を設けない業者との契約そのものを原則禁止し、許可義務を契約者側に課す点で、規律の名宛人が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外旅行中に現地で入った保険も、これに引っかかるんですか?
対象は日本に住所・居所を有する人、日本所在の財産、日本国籍の船舶・航空機に係る契約で、契約地が海外でも射程には入りえます。ただし186条1項の括弧書きが政令による除外を認めており、旅行保険を含め実務上除外される類型があります。実務のポイント:186条は条文本体より、除外を定める政令のリストの方が実務上は重要です。条文だけ読んで危ないと判断する前に、まず政令の除外類型を確認する。ここを見ずに騒ぐ担当者と、先に確認する担当者で結論が正反対になる
Q2許可って、申請すれば普通に下りるものですか?
形式的な届出ではありません。3項が五つの不許可事由を定めており、特に2号は「日本の保険会社または外国保険会社等と同等または有利な条件で契約することが容易であること」を不許可事由とします。日本で同じ保険が買えるなら、それだけで許可されない構造です。実務のポイント:だから実務で許可が使われるのは、日本市場に引受先が存在しない特殊リスク(特定の巨大リスク、ニッチな賠償責任など)が中心。保険料が安いという理由だけでは通りません
Q3無許可で契約してしまった場合、罰則はどれくらいですか?
保険業法317条の2が無許可で外国保険業者と契約した者に対する罰則を定めており、また1項に違反した外国保険業者側も処罰対象になりえます(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実務上より痛いのは罰則より、その契約が保険業法上の保護枠外にある事実です。引受会社が破綻しても保険契約者保護機構(保険業法259条以下)の補償は及ばない。監督も補償もない相手に、会社の巨大リスクを預けている状態になります
Q4本社が海外でまとめて手配した保険に日本法人が乗っているだけでも、うちの責任になりますか?
2項の義務は「申込みをしようとする者」に課されるので、誰が申込者かの事実認定が分かれ目です。本社が申込者で日本法人は被保険者にすぎない構成もありえますが、実務上、解釈が分かれる領域です。実務のポイント:グローバルプログラムでは、日本国内の引受会社が現地証券を発行し、海外側は再保険で受けるという設計(フロンティング)が一般的です。これは日本の保険会社との契約なので186条の問題を回避できる。海外本社に対しては、この設計を要求するのが定石です
間違えやすい点 AI による整理
- 「規制されるのは保険会社の側で、契約者である自分は保護される立場だ」という前提そのものがずれている。1項は外国保険業者を縛るが、2項は許可を取る義務を申込者、つまり日本側の契約者に直接負わせている。あなたは保護対象であると同時に、規制の名宛人でもある
- 無許可で結んだ契約について「契約自体が無効になるだけ」と軽く考えている人がいるが、深刻度はそこではない。保険会社が日本に拠点を持たないということは、保険金を払わないと言われたときに、日本の裁判所で争えるか、判決を海外で執行できるか、そもそも金融庁の監督も保険契約者保護機構のセーフティネットも及ばない、という三重の裸の状態を意味する。罰則は目に見える方のリスクにすぎない
- 「許可申請すれば通るだろう」と手続の問題として捉えている人が多いが、3項は不許可事由を五つ並べており、その二号は「日本の保険会社と同等または有利な条件で契約することが容易であること」だ。つまり、日本で同じ保険が普通に買えるなら、それだけで不許可になりうる。許可制度は形式審査ではなく、日本市場で代替できないかを問う実質審査である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 186条:支店等を設けない外国保険業者との保険契約そのもの | 185条:支店等を設けて日本で営業する外国保険業者の免許 3条:日本で保険業を営む者全般の免許制 |
| 義務を負う人 | 186条2項:申込みをしようとする者(日本側の契約者) | 185条:外国保険業者本人 3条:保険業を営もうとする者 |
| 必要な手続 | 申込みを行う時までの内閣総理大臣の許可(政令の除外類型は不要) | 外国保険業免許の取得(187条以下の申請手続) 内閣総理大臣の免許 |
| 違反した場合 | 317条の2の罰則に加え、保険契約者保護機構(259条以下)の補償が及ばない裸の状態 | 無免許で営業した外国保険業者側が処罰対象 無免許営業として処罰対象 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は外国保険業の無許可営業と、未経核准の外国保険業のための招攬・代理(いわゆる地下保單)を取締る構成。日本の186条2項のような、契約者側への事前許可義務は置かれていない
韓国は「何人も保険会社でない者と保険契約を締結してはならない」と契約者側も含めて規律し、大統領令で国内に引受先がない場合等の例外を定める。日本の186条に最も近い構造
中国は境内の法人・組織が境内保険を付保する場合、境内の保険会社に付保しなければならないと定める。許可による個別解除ではなく、原則的な国内付保義務として構成する
ドイツは第三国保険会社の国内営業を許可制とする一方、顧客が自発的に国外の保険会社と契約するいわゆる Korrespondenzversicherung には契約者側の許可義務を課さない点が日本と異なる
米国は非認可保険会社との付保を全面禁止せず、州登録の surplus lines broker 経由かつ国内市場で引受先が得られないことを要件とする。日本の3項2号と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自社の海外子会社をまとめて付保するグローバル保険プログラムを本社が組んだ。日本子会社の資産も対象に入っている。引受会社は日本に拠点のないロンドンの保険会社。この時点で、日本所在の財産に係る保険契約であり186条の射程に入る。誰が許可申請するのか、本社なのか日本子会社なのか、契約書のどこにも書いていない
- もし、あなたが海外駐在中に現地で加入した生命保険を、帰国後も継続していたとしたら? 被保険者であるあなたが日本に住所を持った瞬間、その契約は「日本に住所を有する人に係る保険契約」になる。政令で除外される類型に当たるか、逐一確認する必要がある
- 船主として日本国籍の船を持っている。海外の P&I クラブに加入したい。船舶に係る保険契約は186条が名指しで挙げる対象だが、実務では海上保険を中心に政令による除外規定が置かれている。除外に当たるかどうかで、許可申請の要否が正反対になる
- スタートアップの CFO として、海外の InsurTech が提供する D&O 保険をオンラインで申し込もうとしている。申込みボタンを押すまであと3日。押した後に許可を取ろうとしても、2項は「当該申込みを行う時までに」と書いている。順番を間違えると取り返しがつかない
- 金融庁の検査で、過去5年分の保険契約リストの提出を求められた。海外グループ会社経由で付保していた契約が一件見つかる。担当者はすでに退職している。当時の許可申請書類がどこにもない
取るべき行動
被害を受けた側:無許可契約で保険金が支払われない事態に陥ったら、1. 契約書の準拠法・裁判管轄条項を確認、日本の裁判所で争えるかを最初に判定2. 引受会社が日本に支店等を持たない以上、金融庁の監督も保険契約者保護機構の補償も及ばないことを前提に、海外での提訴・仲裁コストを試算3. 仲介したブローカーや代理店があれば、説明義務違反による損害賠償(民法709条、415条)を検討4. 並行して、日本の保険会社での再付保を急ぎ、無保険期間を最小化する
訴えられた側:無許可契約を指摘されたら、1. 当該契約が政令の除外類型(海上保険等)に当たらないか、まず条文と政令を突き合わせる、除外なら違反自体が成立しない2. 除外でなければ、申込み時期・契約者の特定・誰が申込者だったかを事実として固める、本社が手配した契約で日本法人が申込者でない構成もありうる3. 自主的に金融庁へ報告し、契約の解消または日本の保険会社への切替えを進める4. 社内の保険手配フローに事前チェック工程を組み込み、再発防止策として提示する
時効(請求できる期限):許可は「当該申込みを行う時までに」取得しなければならない(2項)。申込み後の追完は制度上想定されていない。特定の消滅時効は定められていないが、無許可契約から生じる民事責任には一般消滅時効(民法166条、権利行使可能を知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される。罰則の公訴時効は法定刑に応じ刑事訴訟法250条による(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(立法趣旨に即した理解):186条の趣旨は、継続的な監督が及ばない主体との保険契約から国内の契約者を保護する点にあり、全面禁止と自由化の両端を、1項括弧書きの政令除外と2項の個別許可という二つの調整弁で埋める構造として理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号)により、外国保険業者に関する規律が同法に統合され、日本に支店等を設けない外国保険業者との保険契約の原則禁止と事前許可制が現行の形で置かれた
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