保険業法 第240条の3(業務の停止等)
クイックジャンプ
内閣総理大臣は、前条第三項の承認をした場合において、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、期限を付して当該保険会社の保険契約の解約に係る業務の停止その他必要な措置を命ずることができる。
この条文の基本情報
業務の停止等とは何ですか?
定義業務の停止等とは、保険業法第240条の3に定められた規定で、「内閣総理大臣は、前条第三項の承認をした場合において、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、期限を付して当該保険会社の保険契約の解…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第240条の3(業務の停止等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第240条の3の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第三項の承認をした場合において、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、期限を付して当該保険会社の保険契約の解…」で始まります。
- 保険業法第240条の3は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第240条の3の前の条は保険業法第240条の2です。
- 保険業法第240条の3の次の条は保険業法第240条の4です。
- 保険業法第240条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第240条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/240_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法240条の3は、内閣総理大臣が契約条件の変更手続の承認をした保険会社に対し、期限を付して解約に係る業務の停止を命じられると定める。契約自体は存続する。
Q · 保険会社が危ないとき、解約って国の命令で止められるんですか?
止まりうる。保険業法240条の3の命令が根拠
保険業法240条の3により、内閣総理大臣は、契約条件の変更手続の開始について前条第三項の承認をした場合で、保険契約者等の保護のため必要と認めるときは、当該保険会社に期限を付して解約に係る業務の停止その他必要な措置を命ずることができます。止まるのは解約という出口だけで、契約自体は有効に存続し、保険料の支払義務も保障も原則として続きます。停止期間は、予定利率の引下げを含む契約条件の変更を詰めるための時間でもあります。
解説
保険会社が傾いたという報道が出た翌朝、契約者が一斉にやることは決まっている。解約である。返戻金を今のうちに引き出すのは、個人としては最も合理的な行動だ。だがそれが一斉に起きれば資産は現金となって流出し、残った契約者の取り分が削られる。保険業法240条の3は、その瞬間に窓口を閉じる権限を内閣総理大臣に与えている。前条240条の2第3項で「保険業の継続が困難となる蓋然性がある」として手続の開始が承認された保険会社に対し、期限を付して解約に係る業務の停止その他必要な措置を命じることができる。あなたの契約は生きているのに、出口だけが法律の力で塞がれる期間がありうるということだ。しかもその停止期間は、予定利率の引下げを含む契約条件の変更を詰めるための時間でもある。窓口が再び開いたとき、戻ってくる金額が凍る前と同じとは限らない。
法的な位置づけ
保険業法240条の3は、契約条件の変更手続に関する解約業務停止命令を定める規定である。内閣総理大臣が前条第三項の承認をした保険会社に対し、保険契約者等の保護の必要が認められる場合に、期限を付して保険契約の解約に係る業務の停止その他必要な措置を命ずる権限を根拠づける。早期解約による責任準備金の流出を抑え、契約者集団の取り分を保全する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の契約の基礎数値を控える 保険証券を出し、予定利率・契約年月・現時点の解約返戻金額・保険種類の四つを控える。報道が出てからでは会社に問い合わせが殺到し確認が遅れるため、平時に控えておく
- 2.金融庁と保険会社の公表文を原文で確認する 命令が出た場合、報道の要約ではなく金融庁および当該保険会社の公表文を読む。止まったのが解約に係る業務だけか、「その他必要な措置」に何が含まれるか、期限はいつまでかを一字一句確認する
- 3.停止期間中も保険料の支払を継続する 停止されているのは解約という出口だけで、契約は有効に存続する。支払をやめれば失効という別の出口から放り出され、保障を失ったうえ手元に戻る額を自分で選べなくなる
- 4.契約条件の変更手続の異議申述期間を押さえる 後続の契約条件の変更手続には契約者の異議申述の機会があり、期間は公告で示される。一定割合の異議が集まれば手続が進まないため、裁判より速く効く可能性がある。公告日と締切を控える
- 5.乗り換えの判断は命令解除後に行う 停止期間中に焦って他社へ乗り換えを検討しても、既往症の告知で条件が悪化するか引受を断られる可能性がある。特にバブル期の高予定利率契約は解約すれば二度と同条件では買えない
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法240条の3とは何ですか?
契約条件の変更手続に入った保険会社に対し、内閣総理大臣が期限を付して解約に係る業務の停止その他必要な措置を命ずることができる規定です。契約者等の保護が発動要件です。
Q2解約停止命令はいつまで続きますか?
命令に付された「期限」までです。条文上の固定期間はなく、契約条件の変更手続の進行に応じて内閣総理大臣が定めます。延長の可否を含め、公表文で期限を確認してください。
Q3解約停止命令が出ると保険料の支払いは止まりますか?
止まりません。停止されるのは解約に係る業務であり、契約は有効に存続します。支払いをやめると失効となり、解約より不利な結果になりうるため注意が必要です。
Q4解約停止中に死亡保険金は支払われますか?
原則として支払われます。命令の対象は解約に係る業務ですが、「その他必要な措置」の範囲は広いため、金融庁と保険会社の公表文で停止対象業務を確認することが重要です。
Q5保険の予定利率は引き下げられることがありますか?
あります。保険業法の契約条件の変更手続により、内閣総理大臣の承認(240条の2第3項)を経て引き下げられる場合があります。引下げには法令上の下限が設けられています。
Q6解約停止命令は契約者が裁判で争えますか?
命令の名宛人は保険会社で、契約者は第三者です。取消訴訟では原告適格(行政事件訴訟法9条)が壁になります。出訴期間は処分を知った日から6か月です。
Q7保険会社が破綻したら払ったお金はどうなりますか?
生命保険契約者保護機構が引き継ぎ、原則として責任準備金の90% が補償されます。高予定利率契約は補償割合が下がり、保険金額の維持を意味するものでもありません。
Q8240条の2と240条の3の違いは何ですか?
240条の2は契約条件の変更手続の開始とその承認を定め、240条の3はその承認を前提に解約に係る業務の停止等を命ずる規定です。承認が命令の発動要件になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1解約が止められている間に、入院や死亡があったら保険金は出るんですか?
止まるのは解約に係る業務であり、契約自体は有効に存続する。保険料の支払義務も保険金の支払も原則として続く(240条の3が命じるのは解約に係る業務の停止その他必要な措置)。実務のポイント:「その他必要な措置」の幅は条文上かなり広い。命令が出たら、金融庁の公表文で何の業務が止まったのかを一字一句読む。ここを読み違えると、出るはずの請求を自分で止めてしまう
Q2予定利率って、契約したときの数字が最後まで変わらないんじゃないんですか?
原則は変わらない。だが保険業法第10章の契約条件の変更手続に入り、内閣総理大臣の承認(240条の2第3項)を経れば変更されうる。引下げには法令上の下限が設けられている(具体的な水準は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:この制度は創設以来、実際に発動された例がないとされる。だが「使われていない」は「使えない」ではない。高予定利率の古い契約を大量に抱える会社ほど、この条文の射程に近い
Q3解約を止められた契約者は、その命令を裁判で争えますか?
命令の名宛人は保険会社であり、契約者は第三者にとどまる。取消訴訟には原告適格(行政事件訴訟法9条)の壁があり、認められるかは実務上、解釈が分かれている。出訴期間は処分を知った日から6か月(同法14条)。実務のポイント:契約者が現実に効かせられるのは訴訟より後続手続の異議申述だ。契約条件の変更には契約者の異議手続が組み込まれ、一定割合の異議が集まれば手続自体が進まない。裁判所より、そちらのほうが速い
Q4結局、保険会社が潰れたら払った保険料は消えるんですか?
生命保険契約者保護機構が引き継ぎ、原則として責任準備金の90% が補償される(高予定利率契約は補償割合が下がる、保険業法259条以下)。ただし補償対象は責任準備金であり、契約時の保険金額が維持されるとは限らない。実務のポイント:90% という数字だけが独り歩きしている。移転後は予定利率も引き下げられるため、将来の受取額は9割よりさらに目減りしうる。「9割守られる」は満期保険金の話ではない
間違えやすい点 AI による整理
- 解約が止められうることを何となく知っている人でも、止まっている間に自分の契約の中身が書き換わりうることまでは知らない。停止期間は、予定利率の引下げを含む契約条件の変更を詰めるための時間である。凍っていたのは解約という手続だけではなく、あなたの契約の経済的な中身そのものだった、と後から気付くことになる
- 「解約を止められている間の保険料はどうなるのか」と多くの人が問う。だが問いの立て方が逆だ。止まっているのは出口だけで、契約は有効に生きており、保険料の支払義務も保障も原則として続いている。払うのをやめれば、失効という別の出口から放り出されるだけで、そこでは保障を失ったうえに手元に戻る額を自分では選べない
- あなたから見れば「自分の金を引き出せない」という財産権の制約だが、法律から見れば「残る契約者の責任準備金を守る措置」である。この落差が効いてくるのは、早く逃げた者だけが得をする構造を潰すのが本条の狙いだという点だ。あなたが逃げ遅れた側に立つなら、この条文はあなたを守っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 保険業法240条の3:承認を前提に解約に係る業務の停止等を命ずる | 保険業法240条の2:契約条件の変更手続の開始と第三項の承認 保険業法132条:監督上の処分としての業務停止命令の基本規定 |
| 発動の前提 | 前条第三項の承認 + 保険契約者等の保護の必要性 | 保険業の継続が困難となる蓋然性 業務運営の健全性・適切性を欠く状況等 |
| 命令の中身 | 期限付きの解約に係る業務の停止その他必要な措置 | 命令ではなく手続開始の承認 業務の全部または一部の停止等 |
| 契約者への効果 | 解約返戻金請求権の行使が期限まで事実上封じられる | 予定利率を含む契約条件が変更されうる 新契約や一部業務が停止され既存契約は存続 |
他国ではどう定めているか 3 か国
主管機関が保険業に対し業務停止・監管・接管等の処分を行える点で機能的に近い。ただし台湾は安定基金による接管が中心で、既存契約の予定利率引下げ手続は日本ほど明文化されていない
ドイツは監督当局 BaFin が支払停止(Zahlungsverbot)とともに、解約および解約返戻金の支払を禁止できる。解約の出口を閉じる構造は日本の本条と極めて近い
米国は州ごとの receivership 手続の中で、裁判所の命令により解約(surrender)のモラトリアムが課される。行政命令ではなく裁判所主導である点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している生命保険会社に金融庁の手が入ったと報道が出たら、あなたの解約請求はどうなる? 240条の3の命令が出た後は、コールセンターが電話を受けても解約は成立しない。命令に付された期限が切れるまで、あなたの解約返戻金請求権は行使できない状態のまま置かれる。窓口が開くのを待つ以外の手が、その間は事実上ない
- 他社の医療保険への乗り換えを決め、告知書まで書き終えた矢先に停止命令の報道が流れる。新契約の責任開始日まであと10日、しかし元の契約が解約できない。二重に保険料を払う期間が発生しうるし、乗り換え先の審査結果が出る前に元の契約の条件が変わる可能性もある。命令の期限と新契約の日付を、今日中に逆算する必要がある
- 保険会社の商品部門にいるあなたのもとに、期限付きの停止命令が届く。解約受付システムを止め、全代理店に通知し、殺到する苦情を捌く。この三つを同時に、しかも命令の期限内に回しきるのが業務停止命令の実務だ
- 親が入っている個人年金の会社が対象になったと、友人から聞かされる。親は「早く解約しろ」と電話をかけ続けるが、停止命令下では解約自体が受け付けられない。ここで焦って別の保険に乗り換えれば、既往症の告知で条件が悪化するか、そもそも引受を断られる。動かないことが最善手になる局面が、保険にはある
- 命令の名宛人は保険会社であって、契約者ではない。あなたは処分を受けた当事者ではないのに、効果だけを全身で受ける。理不尽だと感じて取消訴訟を考えても、最初に立ちはだかるのは中身の話ではなく原告適格(行政事件訴訟法9条)という入口の壁だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証券を出し、予定利率・契約年・現時点の解約返戻金額の三つを控える。判断材料はここからしか出てこない2. 金融庁と当該保険会社の公表文を原文で読み、止まったのが解約に係る業務だけか、期限はいつまでかを確認する。報道の要約では区別されない3. 停止期間中も保険料の支払は止めない、失効は解約より不利になりうる4. 後続の契約条件の変更手続には契約者の異議申述の機会があり、期間は公告で示される、逃さない5. 乗り換えの検討は命令解除後でも間に合う、告知と既往症の問題があるため焦って動かない
訴えられた側:1. 命令書の「期限」と「その他必要な措置」の範囲を最初に確定させる。対象業務の線引きが曖昧なままシステムを止めれば、別の債務不履行を生む2. 代理店・コールセンターへの通知文を統一し、契約者への説明窓口を一本化する3. 前提となる240条の2第3項の承認と、後続の契約条件変更手続のスケジュールから逆算して開示計画を組む4. 不服がある場合は審査請求・取消訴訟の期間制限を押さえつつ、実務上は監督当局との協議を優先するのが相場である
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。実際の時間軸は内閣総理大臣が命令に付す「期限」であり、それが延長されるかどうかで契約者の拘束期間が決まる。命令を争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月・処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)。契約条件の変更に対する異議申述は公告で定められた期間内に限られる(最新の規定をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める