保険業法 第271条の4(保険議決権保有届出書に関する変更報告書の提出)
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- 保険議決権大量保有者は、一の保険会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権又は一の保険持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者となった日の後に、前条第一項各号に掲げる事項の変更があった場合(議決権保有割合の変更の場合にあっては、百分の一以上増加し又は減少した場合に限る。)には、内閣府令で定めるところにより、その日から五日以内(保有する議決権の数に増加がない場合その他の内閣府令で定める場合にあっては、内閣府令で定める日以内)に、当該変更に係る報告書(以下この条及び次条において「変更報告書」という。)を内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、議決権保有割合が百分の一以上減少したことによる変更報告書で当該変更報告書に記載された議決権保有割合が百分の五以下であるものを既に提出している場合その他の内閣府令で定める場合については、この限りでない。
- 2.議決権保有割合が減少したことにより変更報告書を提出する者は、短期間に大量の議決権を譲渡したものとして政令で定める基準に該当する場合においては、内閣府令で定めるところにより、譲渡の相手方及び対価に関する事項についても当該変更報告書に記載しなければならない。
- 3.保険議決権保有届出書又は変更報告書(以下この節において「提出書類」という。)を提出する日の前日までに、新たに変更報告書を提出しなければならない事由が生じた場合には、当該変更報告書は、第一項本文の規定にかかわらず、提出されていない当該提出書類の提出と同時に内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 4.提出書類を提出した者は、当該提出書類に記載された内容が事実と相違し、又は記載すべき事項若しくは誤解を生じさせないために必要な事実の記載が不十分であり、若しくは欠けていると認めるときは、訂正報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
- 5.第二条第十五項の規定は、第一項及び第二項の場合において保険議決権大量保有者が保有する議決権について準用する。
この条文の基本情報
保険議決権保有届出書に関する変更報告書の提出とは何ですか?
定義保険議決権保有届出書に関する変更報告書の提出とは、保険業法第271条の4に定められた規定で、「保険議決権大量保有者は、一の保険会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権又は一の保険持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者となった日の後に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の4(保険議決権保有届出書に関する変更報告書の提出)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の4の条文原文は「保険議決権大量保有者は、一の保険会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権又は一の保険持株会社の総株主の議決権の百分の五を超える議決権の保有者となった日の後に…」で始まります。
- 保険業法第271条の4は第一節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の4の前の条は保険業法第271条の3です。
- 保険業法第271条の4の次の条は保険業法第271条の5です。
- 保険業法第271条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の4は、保険議決権大量保有者に対し、届出事項に変更があった日から5日以内の変更報告書提出を義務付ける。議決権保有割合は1% 以上の増減が対象となる。
Q · 保険会社の株を5% 超持ったあと、どんなときに報告書を出さないといけないの?
記載事項の変更や1% 以上の増減があれば5日以内に報告が必要
保険業法271条の4第1項により、保険議決権大量保有者は、保険議決権保有届出書(同法271条の3第1項各号)の記載事項に変更があった日から5日以内に変更報告書を内閣総理大臣へ提出しなければなりません。議決権保有割合の変更は1% 以上の増減があった場合に限られますが、保有目的の変更や担保契約の締結など割合以外の事項も引き金になります。減少による報告で短期大量譲渡の政令基準に該当すれば、譲渡の相手方と対価も記載する必要があります(2項)。
解説
保険会社の株を5% 超まで買い集めたその瞬間から、あなたは金融庁の監視レーダーに乗る。しかも一度届け出て終わりではない。保有割合が1% 動くたび、担保に入れるたび、保有目的を「純投資」から「経営参画」に変えるたび、5営業日以内に変更報告書を出す義務が発生する。271条の4が縛るのはその「その後」の世界だ。さらに厄介なのが2項。短期間に大量に売り抜けた場合、誰に売ったか、いくらで売ったかまで書かされる。通常の大量保有報告では譲渡先の氏名など書かない。この上乗せは、水面下で保険会社の支配権が転売されるのを防ぐために置かれている。あなたが資産管理会社を通じて保険会社株を持つオーナー経営者なら、相続や信託設定という「取引ですらない出来事」が、5日の起算点を押してしまうことを知っておく必要がある。
法的な位置づけ
保険業法271条の4は、保険議決権大量保有者の継続報告義務を定める規定である。保険議決権保有届出書の記載事項に変更が生じた場合、変更日から5日以内に変更報告書を内閣総理大臣へ提出することを義務付け、議決権保有割合については1% 以上の増減を基準とする。短期大量譲渡に該当する減少では譲渡の相手方及び対価の記載も要求される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.議決権保有割合を分母から再計算する 直近の総株主の議決権数を分母として保有割合を再計算する。自己株式の消却、新株発行、種類株式の転換などで分母が動いていないかを発行会社側の資本異動情報から確認する
- 2.前条1項各号の記載事項の変更点を洗い出す 保有割合だけでなく、保有目的、担保契約その他の重要な契約、共同保有者との関係など、保険議決権保有届出書の記載事項について前回提出時からの差分を一覧化する
- 3.減少の場合は短期大量譲渡基準の該当性を判定する 議決権保有割合の減少により報告する場合、短期間に大量の議決権を譲渡したものとして政令で定める基準に該当するかを判定する。該当すれば譲渡の相手方及び対価に関する事項の記載が必要になる(2項)
- 4.未提出の提出書類があれば同時提出に切り替える 保険議決権保有届出書または変更報告書を提出する日の前日までに新たな変更事由が生じた場合、3項により順次提出は認められず、未提出の提出書類と同時に提出する必要がある
- 5.変更日から5日以内に内閣総理大臣へ提出する 内閣府令の定めるところにより変更報告書を提出する。起算日は取引日ではなく記載事項に変更があった日であるため、相続・質権設定・分母変動など取引を伴わない事由の発生日も起算点になりうる
- 6.提出後に記載内容を再点検し、必要なら訂正報告書を出す 提出済み書類に事実との相違、記載すべき事項の欠落、誤解を生じさせないために必要な事実の記載不足がないかを点検し、認めたときは速やかに訂正報告書を提出する(4項)
よくある質問 AI による整理
Q1保険議決権大量保有者とは何ですか?
一の保険会社または保険持株会社の総株主の議決権の5% を超える議決権を保有する者をいいます。保険業法271条の3で届出義務が、271条の4で継続的な変更報告義務が課されます。
Q2変更報告書の「5日以内」は営業日ですか暦日ですか?
条文は「その日から五日以内」と定め、算定方法や期限の特例は内閣府令に委ねられています。実務上は極めて短い期限であるため、最新の内閣府令の定めを必ず確認してください。
Q3変更報告書はどこに提出しますか?
内閣総理大臣宛てに提出します。金融行政の実務では金融庁が所管しており、提出方法・様式は内閣府令の定めによります。
Q4訂正報告書はどんなときに出しますか?
提出済み書類の内容が事実と相違する場合のほか、記載すべき事項や誤解を生じさせないために必要な事実の記載が不十分・欠落している場合にも提出義務が生じます(4項)。
Q5提出した変更報告書は誰でも見られますか?
保険業法271条の5が提出書類の公衆縦覧を定めています。支配構造の透明性確保が目的で、記載内容は外部から参照されうる前提で作成する必要があります。
Q6保険持株会社の株でも変更報告書は必要ですか?
必要です。1項は保険会社と保険持株会社の双方を対象とし、いずれも総株主の議決権の5% 超の保有者が継続報告義務を負います。
Q7非上場の保険会社の株でも報告義務はありますか?
あります。金融商品取引法の大量保有報告制度とは別個の制度で、上場・非上場を問わず保険業法上の届出・変更報告義務が課されます。
Q8変更報告書を出さないとどうなりますか?
不提出や虚偽記載には保険業法上の制裁や当局の監督上の対応が想定されます。具体的な罰則の条番号と内容は、現行法令をご確認のうえ弁護士にご相談ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分では何も売り買いしていないのに報告が必要になることって、本当にあるんですか?
あります。1項は「前条第一項各号に掲げる事項の変更があった場合」を引き金にしており、保有割合の増減はその一部にすぎません。保有目的の変更、担保契約の締結、共同保有者との関係の変化も対象です。加えて保険会社側の自己株消却等で分母が動けば、保有割合そのものが変わります。実務のポイント:届出管理を証券会社の取引報告だけに依存している会社ほど、この「自分が動いていない変動」を取りこぼす。発行会社側の資本異動情報を監視ラインに組み込んでいるかどうかが、実務の分かれ目になる
Q25% を下回ったら、もう報告しなくていいんですよね?
自動的に終わるわけではありません。1項ただし書は、議決権保有割合が1% 以上減少したことによる変更報告書で、その報告書に記載された保有割合が5% 以下であるものを既に提出している場合等を除外しています。つまり「5% 以下になった旨を記載した変更報告書を出し終えて」初めて義務のループから抜けます。実務のポイント:この最後の一通を出し忘れたまま保有を続け、後年の検査で一連の未提出を指摘される例がある。降りるときの手続を終わらせて初めて、上がったときの手続が完結する
Q3売却先の名前まで書かされるのは、さすがにやりすぎでは?
2項は、短期間に大量の議決権を譲渡したものとして政令で定める基準に該当する場合に限り、譲渡の相手方および対価に関する事項の記載を求めています。全ての売却に及ぶわけではありません。趣旨は、保険会社の支配権が誰の手に移ったかを不透明なまま進行させないことにあります。実務のポイント:この記載義務があるために、基準に触れるかどうかで売却の期間設計そのものを変える実務がある。売り方を決めてから規制を確認するのではなく、規制を見てから売り方を決める順序が、開示範囲を左右する
間違えやすい点 AI による整理
- 「5% を超えたときに届け出れば、あとは自由に売買できる」と理解している人が多い。実際には1% 以上の増減ごとに5営業日以内の報告が続く。保有を続ける限り義務は終わらず、5% 以下に落ちて所定の変更報告書を出した時点で初めて止まる(1項ただし書)
- 報告義務は「自分が買ったか売ったか」で判断すると思われている。だがこの問いの立て方自体が誤っている。条文が要求しているのは前条1項各号の掲げる事項に変更があったかどうかであり、保有割合の増減はその一部にすぎない。保有目的、担保契約、共同保有者との関係、これらの変化も引き金になる
- 1% の増減は自分の売買でしか起きないと考えがちだが、法律から見れば分母も動く。保険会社が自己株式を消却したり新株を発行したりすれば、あなたが何もしていなくても議決権保有割合は変わる。この落差が、取引記録だけを見ている管理体制を突き破る
- 2項の譲渡先開示は「大量売却の事後報告」だと軽く見られている。深刻さはその先にある。誰にいくらで売ったかが公衆縦覧に置かれるということは、保険会社の支配権移動の経路が公開されるということだ。売主の交渉上の秘密より、保険契約者から見た支配構造の透明性が優先されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の役割 | 271条の4:届出後の継続的な変更報告 | 271条の3:5% 超取得時の初回届出 271条の10:主要株主基準値超の取得に係る事前認可 |
| 引き金 | 前条1項各号の記載事項の変更(保有割合は1% 以上の増減) | 総株主の議決権の5% 超の保有者となったこと 主要株主基準値以上の議決権の取得・保有 |
| 時期と手続 | 変更日から5日以内の事後報告(内閣府令の特例あり) | 保有者となった日からの事後届出 取得前の認可取得(事前規制) |
| 追加開示の有無 | 短期大量譲渡の政令基準該当時は譲渡の相手方・対価も記載(2項) | 初回届出事項の記載のみ 認可審査基準に基づく資力・適格性の審査対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も同一人・同一関係人が保険会社株の5% 超を保有した場合の申報義務と、5% 超後に累積で1パーセントポイントを超えて増減した場合の申報義務を置く。5% と1% の二段構えは日本の271条の3・271条の4と構造が酷似しており、比較対象として最も有用
韓国は保険会社の大株主について変更承認・報告の仕組みを置く。事前承認の色彩が相対的に強く、日本の271条の4のような5日以内の細かな事後報告よりも、主要株主規制(日本では271条の10)に重心がある
ドイツは保険監督法の所有者管理手続により、重要な持分の取得・増加・減少について監督当局への届出を求める。EU の保険監督枠組み(ソルベンシー II 体系)に由来する点が、純国内法として設計された日本法との違い
米国は州法ベースで、支配の取得は Form A による事前承認、保険持株会社グループの年次情報は Form B で開示する。10% を支配の推定基準とする点が、5% を出発点とする日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同族オーナーが保険会社株7% を資産管理会社名義で保有していた。父の死去で持株が相続され、保有者の内訳が変わった。売買はしていない。それでも前条1項各号の記載事項が変わっている以上、変更報告書の提出義務は動き出す。あと5日、税理士は相続税の話をしていて、誰も金融庁の期限を数えていない
- ファンドが保険持株会社株を8% から6.5% まで売却した。1% 以上の減少なので変更報告書が必要。しかも4営業日で売り切っている。政令基準に触れれば、売却先のファンド名と単価まで書く羽目になる。競合に手の内を晒す結果になると気付いたときには、もう提出期限の中にいる
- もし、提出済みの届出書に誤記があると後から気付いたらどうなる? 4項は「事実と相違する」場合だけでなく、「誤解を生じさせないために必要な事実の記載が不十分」な場合にも訂正報告書を義務付けている。書いた内容が嘘でなくても、書かなかったことで誤解が生まれれば義務が生じる
- 銀行から融資を受けるため、保有する保険会社株に質権を設定した。株主名簿上のあなたの名前は変わらない。だが議決権行使に関する重要な契約を結べば、前条1項各号の事項の変更に当たりうる。融資実行日がそのまま5日のカウント開始日になる
- 変更報告書を出す準備をしている最中に、さらに株を買い増した。3項により、新しい変更報告書は「準備中の書類と同時に」出さなければならない。順番に出せばいいと思っていた担当者が、ここで期限を二重に落とす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保有する保険会社・保険持株会社株の議決権保有割合を、直近の総株主議決権数を分母として再計算する。自己株消却や新株発行で分母が動いていないか必ず確認2. 前条1項各号の記載事項(保有目的、担保契約、共同保有関係等)について、前回提出時からの変更点を洗い出す3. 変更日から5営業日以内という短い期限を前提に、誰が変更を検知し誰が起案するかを事前に決めておく4. 売却側なら、政令の短期大量譲渡基準に触れるか事前に判定する
訴えられた側:1. 提出遅延や記載不備を指摘された場合、まず事実関係と発生時期を正確に固める。推測で回答しない2. 4項に基づく訂正報告書を速やかに提出し、誤記や記載不足を自主的に是正する3. 遅延の原因が体制不備にあるなら、再発防止策(検知フローの整備、担当者の明確化)をあわせて説明する4. 金融規制対応に実績のある弁護士に早期に相談し、当局との窓口を一本化する
時効(請求できる期限):変更があった日から5日以内(保有議決権数に増加がない場合など内閣府令で定める場合は、内閣府令で定める日以内)。提出予定の書類がある期間中に新たな変更事由が生じたときは、3項により順番に出すことは許されず、未提出の書類と同時に提出する。なお期間計算の営業日・暦日の扱いを含め、最新の内閣府令の定めをご確認ください
学説
一般的な理解:本条は金融商品取引法の大量保有報告制度とは別個の、保険業法独自の業法上の継続開示義務と位置付けられる。上場・非上場を問わず適用され、保険契約者保護の観点から保険会社の支配構造の変動を継続的に可視化する機能を担うと説明される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年)前後 新設:銀行法における同旨の議決権大量保有・主要株主規制の整備と歩調を合わせ、保険業法にも保険議決権保有届出書および変更報告書の制度が導入されたと理解されている。具体的な改正法律番号と施行日は現行法令の沿革をご確認ください
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