保険業法 第271条の31(保険持株会社に係る合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可)
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- 保険持株会社を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併前に保険持株会社であった一の会社が当該合併後も保険持株会社として存続するものに限る。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 2.保険持株会社を当事者とする会社分割(当該会社分割により事業を承継させた保険持株会社又は当該会社分割により事業を承継した保険持株会社が、その会社分割後も引き続き保険持株会社であるものに限る。)は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 3.保険持株会社を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け(当該事業の譲渡又は譲受けをした保険持株会社が、その譲渡又は譲受け後も引き続き保険持株会社であるものに限る。)は、政令で定めるものを除き、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 4.第二百七十一条の十九第一項の規定は、前三項の認可の申請があった場合について準用する。
この条文の基本情報
保険持株会社に係る合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可とは何ですか?
定義保険持株会社に係る合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可とは、保険業法第271条の31に定められた規定で、「保険持株会社を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併前に保険持株会社であった一の会社が当該合併後も保険持株会社として存続するものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第271条の31(保険持株会社に係る合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第271条の31の条文原文は「保険持株会社を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併前に保険持株会社であった一の会社が当該合併後も保険持株会社として存続するものに限る。」で始まります。
- 保険業法第271条の31は第五款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第271条の31の前の条は保険業法第271条の30です。
- 保険業法第271条の31の次の条は保険業法第271条の32です。
- 保険業法第271条の31には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の31 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第271条の31(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/271_31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法271条の31は、保険持株会社の合併・会社分割・事業譲渡について内閣総理大臣の認可を効力発生要件と定める。会社分割と事業譲渡は政令で定めるものが除外される。
Q · 保険会社の親会社が合併すると発表したら、それだけで合併は決まるの?
決まりません。認可がなければ効力が生じません
保険業法271条の31第1項は、保険持株会社を当事者とする合併について「内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」と定めます。制裁型の規制ではなく、認可が効力発生要件です。株主総会の特別決議も合併契約書への調印も、認可が下りなければ法律上その合併は成立しません。会社分割(2項)と事業の譲渡・譲受け(3項)も同じ構造で、政令で定めるものだけが除外されます。認可申請には同法271条の19第1項が準用されます。
解説
保険会社そのものではなく、その上に立つ「親会社」を動かすときのルールである。保険持株会社が合併する、会社分割で事業を移す、事業を譲り渡す・譲り受ける。この三つの行為は、内閣総理大臣(実務上は金融庁長官に委任)の認可がなければ、そもそも効力が生じない。ここを読み飛ばしてはいけない。「認可を受けなければ処罰される」ではなく「認可がなければ効力を生じない」と書いてある。株主総会で特別決議を通しても、合併契約書に調印しても、登記を申請しても、認可がなければ法律上その合併はなかったことになる。あなたがその会社の株主なら、保有株式が何に化けるかは金融庁の判断待ちであり、従業員なら、雇用主が誰になるかも同じ扱いだ。保険業は契約者の数十年先の保険金を預かる産業であり、その支配構造の組み替えには、当事者の合意だけでは足りないという設計になっている。
法的な位置づけ
保険業法271条の31は、保険持株会社が当事者となる企業再編行為の認可を定める規定である。合併(1項)、会社分割(2項)、事業の全部または一部の譲渡・譲受け(3項)について、行為の前後で保険持株会社としての地位が継続する場合に、内閣総理大臣の認可を効力発生要件とする。会社分割と事業譲渡は政令で定めるものが除外され、4項は271条の19第1項を準用する。
手順
- 1.スキームが保険持株会社の「地位継続」に当たるか確定する 法務デューデリジェンスの最初期に、再編の前後で保険持株会社としての地位が継続するかを確定させる。この一点で271条の31の射程に入るか別条文に移るかが分岐し、必要手続の全体像が変わる
- 2.会社分割・事業譲渡なら政令の除外類型を条文で確認する 2項・3項の「政令で定めるものを除き」に自社案件が当たるかを、保険業法施行令の本体まで降りて確認する。規模が小さいという理由では除外されない。条文の但書の存在と自案件の該当性は別問題として扱う
- 3.271条の19第1項の審査枠組みに沿って申請資料を整える 4項が準用する271条の19第1項の審査基準を参照先まで読み込み、保険契約者保護の観点から説明できる資料を先に作る。準用条文は参照先こそが本体であり、そこを読まずに申請すると追加照会で時間を失う
- 4.効力発生日と外部開示を認可取得後に合わせる 合併契約・分割契約では認可取得を停止条件とし、効力発生日を認可後に置く。プレスリリースには「関係当局の認可を前提として」と想定時期の幅を明記し、断定的なスケジュールを出さない
よくある質問 AI による整理
Q1保険持株会社とは何ですか?
保険会社を子会社として支配し、グループの資本・人事・資金配分を決める親会社のことです。契約者と直接契約するのは子会社ですが、その健全性を左右する立場にあるため保険業法の規制対象になります。
Q2認可の申請先はどこですか?
条文上は内閣総理大臣ですが、実務上は金融庁長官に権限が委任され、金融庁が審査します。申請書の記載事項や添付書類は保険業法施行規則で定められています。
Q3保険会社の合併と保険持株会社の合併は手続が違いますか?
根拠条文が違います。保険会社自体の合併は保険業法167条以下、親会社である保険持株会社の再編が271条の31です。グループ全体の再編では両方が同時に問題になることがあります。
Q4認可はどれくらいの期間がかかりますか?
案件の規模と内容によって異なります。標準処理期間は金融庁の事務ガイドライン等で示されているため、申請前に最新の運用を確認し、効力発生日はその幅を織り込んで設定する必要があります。
Q5親会社が合併したら自分の保険契約はどうなりますか?
持株会社の再編それ自体で契約内容が自動的に不利になるわけではありません。ただし子会社の移動を伴う場合は引受主体が変わることがあるため、自分の契約の担い手を保険会社に文書で確認しておくと安全です。
Q6独占禁止法の企業結合審査も必要ですか?
保険業法の認可とは別に、規模要件を満たせば独占禁止法15条等に基づく公正取引委員会への届出・審査が並走します。監督官庁の認可が下りても競争法上の問題が消えるわけではありません。
Q7再編後に保険持株会社でなくなる場合も本条の対象ですか?
本条の各項は、行為の前後で保険持株会社としての地位が継続する場合を捕捉する構造です。地位が外れるスキームは別の条文の射程に移るため、どの条文の土俵かを設計段階で確定させる必要があります。
Q8契約書に認可を条件と書く必要はありますか?
認可が効力発生要件である以上、実務では認可取得を停止条件とし、効力発生日を認可取得後に置く条項を入れます。外部発表でも「認可を前提として」と明記しておくと、遅延時の開示訂正リスクが下がります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認可を取らずに合併しちゃったら、どうなるんですか?
本条1項は「認可を受けなければ、その効力を生じない」と定める。制裁の前に、そもそも合併が法律上成立しない。株主総会決議も合併契約も、効力の土台を欠いたままになる。実務のポイント:実務でこの事態がまず起きないのは、当事者が守っているからというより、登記や開示の各段階で認可の有無が確認され、前に進めない設計になっているためである。逆に言えば、認可見込みの評価を誤ると案件は途中で止まる。止まる場所は契約締結後であることが多い
Q2会社分割や事業譲渡は「政令で定めるものを除き」ってありますが、これは小規模なら不要ということ?
規模の大小で自動的に決まるのではなく、政令が定めた類型に当たるかどうかで決まる(2項、3項)。条文に除外の余地があることと、自分の案件が除外に当たることは別問題である。実務のポイント:この種の「政令で定めるものを除き」を見たら、必ず政令本体まで降りて要件を読む。条文だけ読んで除外を前提にスケジュールを組むのは、実務で最も高くつく読み飛ばしの一つ
Q34項の「準用」って、結局どういう意味があるんですか?
4項は、前三項の認可申請があった場合について271条の19第1項を準用する。つまり持株会社の再編認可についても、同条が定める審査の枠組みが当てはまるということである。実務のポイント:準用条文は条文を読むだけでは中身が分からず、参照先を開いて初めて審査基準の実質が見える。準用が張られている条文は、参照先こそが本体だと考えて先に読む
間違えやすい点 AI による整理
- 「認可が要る」という点は多くの人が知っている。だがその効果の深刻度を取り違えている。本条は「認可なしにやったら過料や業務改善命令」という制裁型ではなく、認可を効力発生要件にしている。つまり無認可の合併は制裁の問題ではなく、私法上そもそも成立していない。取引の巻き戻しリスクの質がまるで違う
- 「保険会社の合併規制の話でしょう、持株会社は入れ物にすぎない」という前提そのものがずれている。契約者と直接向き合うのは子会社の保険会社だが、資本・人事・資金配分を決めるのは持株会社である。だから法は、契約者に直接触れない親会社のレイヤーにも同等の関門を置いた。規制の対象は「保険を売る主体」ではなく「保険を売る主体を支配する構造」である
- 会社分割・事業譲渡について「政令で定めるものを除き」とあるのを見て、「小さい案件は大体除外だろう」と読む向きがあるが、除外は政令が具体的に定めた類型に限られる。条文の但書の存在と、自分の案件が除外に当たることは、まったく別の話である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象のレイヤー | 271条の31:保険持株会社(親会社)の合併・分割・事業譲渡 | 167条:保険会社自体の合併 271条の18:保険持株会社の設立・株式保有 |
| 認可の法的性質 | 効力発生要件(認可がなければ効力を生じない) | 保険会社の合併に係る認可 保険持株会社となることへの事前認可 |
| 除外の余地 | 会社分割・事業譲渡は政令で定めるものを除外(合併に除外なし) | 契約者保護手続(異議申述等)が別途要求される 保有割合等の要件で適用範囲が画される |
| 審査枠組み | 4項が271条の19第1項を準用 | 保険会社の健全性・契約者保護の観点から審査 グループの経営管理体制を審査 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も金融持株会社の設立・合併等に主管機関(金融監督管理委員会)の許可を要求し、グループ支配構造の組み替えを事前審査に服させる点で日本と同じ発想を採る
韓国は保険を含む金融持株会社を単一法で横断的に規律し、設立・合併・転換に金融委員会の認可を要する。業態別ではなく持株会社法制に集約している点が日本と異なる
ドイツは保険持株会社をグループ監督の枠組みで捉え、重要持分の取得・移転を Inhaberkontrollverfahren(持分保有者審査)に服させる。効力要件型ではなく禁止処分型の構成が中心
米国は州ごとの保険監督官が Form A 手続で支配権取得を承認する。連邦一元ではなく州単位である点、また承認は取引の私法上の効力ではなく支配権取得の適法性を規律する点で構成が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 生命保険会社の株を持っていたら、その親会社である保険持株会社が他のグループと経営統合すると発表した。プレスリリースには「関係当局の認可を前提として」という一行がある。この一行が本条であり、認可が下りなければ統合そのものが無効で、発表された合併比率もスケジュールも全部白紙に戻る
- 保険持株会社の経営企画にいるあなたは、傘下の少額短期保険子会社を切り出す会社分割を設計している。担当役員は「小規模だから届出で足りるだろう」と言う。だが本条2項の認可除外は「政令で定めるもの」に限られる。政令の除外要件に当たるかを条文で確認せずにスキームを固めると、クロージング直前に認可申請からやり直しになる
- M&A アドバイザーとして買い手側についた。売り手は保険持株会社で、事業の一部を譲り受ける契約を詰めている。ここで問われるのは「譲受け後もその会社が保険持株会社であり続けるか」。本条の各項は、行為の前後で保険持株会社としての地位が続く場合を捕捉する構造になっており、地位が外れるスキームなら別の条文の射程に移る。どの条文の土俵かを間違えると、必要な手続の全体像がずれる
- 統合発表から認可申請まで、あと何週間? 4項は271条の19第1項を準用し、申請があった場合の審査の枠組みを引き込む。審査には保険契約者保護の観点からの検討が入り、当事者の希望する効力発生日が動くこともある。スケジュールを先に外部発表してしまうと、認可が遅れた瞬間に開示訂正が必要になる
取るべき行動
被害を受けた側:契約者・株主として再編に直面したら、まず開示書類で認可の取得状況と想定時期を確認する。認可前の段階は法的に未確定であり、合併比率や事業の帰属先が動く余地が残る。保険契約の内容そのものは再編で自動的に不利になるものではないが、子会社の移動を伴う場合は、自分の契約の引受主体がどこになるかを保険会社の窓口に文書で確認し、回答を保存しておく
訴えられた側:再編を進める側なら、スキーム確定前に本条の各項のどれに当たるか、会社分割・事業譲渡なら政令の除外類型に該当するかを条文と政令で直接確認する。認可申請は4項が準用する271条の19第1項の審査枠組みに乗るため、保険契約者保護の観点から説明できる資料を先に整える。効力発生日は認可取得後に置き、契約書にも認可を停止条件として明記しておく
時効(請求できる期限):本条自体に期間制限はないが、認可が効力発生要件であるため、合併契約や分割契約で定めた効力発生日までに認可が下りなければ、その日程自体を組み直す必要がある。認可申請から処分までの標準処理期間は金融庁の事務ガイドライン等で示されており、案件ごとに異なる(最新の運用状況をご確認ください)
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