民事訴訟法 第112条(公示送達の効力発生の時期)
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- 公示送達は、前条の規定による措置を開始した日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第百十条第三項の公示送達は、前条の規定による措置を開始した日の翌日にその効力を生ずる。
- 2.外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、六週間とする。
- 3.前二項の期間は、短縮することができない。
この条文の基本情報
公示送達の効力発生の時期とは何ですか?
定義公示送達の効力発生の時期とは、民事訴訟法第112条に定められた規定で、「公示送達は、前条の規定による措置を開始した日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第百十条第三項の公示送達は、前条の規定による措置を開始し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第112条(公示送達の効力発生の時期)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第112条の条文原文は「公示送達は、前条の規定による措置を開始した日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第百十条第三項の公示送達は、前条の規定による措置を開始し…」で始まります。
- 民事訴訟法第112条は第四款に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第112条の前の条は民事訴訟法第111条です。
- 民事訴訟法第112条の次の条は民事訴訟法第113条です。
- 民事訴訟法第112条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第112条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第112条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/112
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法112条は、公示送達が掲示開始日から二週間(外国は六週間)の経過で効力を生じると定める。被告が書類を見ていなくても送達は完了し、この期間は短縮できない。
Q · 公示送達って、いつから効力が出るの?私が書類を見てなくても進むの?
掲示開始から二週間経過で効力が生じ、見ていなくても進む
民事訴訟法112条により、公示送達は裁判所の掲示場に書類を掲示した日から二週間を経過することで効力が生じます。外国での送達は六週間です(110条3項の二度目以降は掲示の翌日)。重要なのは、被告が書類を一切受け取っていなくても、期間経過で送達は完了したものとみなされる点です。さらにこの期間は短縮できません(同条3項)。これは被告の防御機会を最低限確保するための堤防であり、原告が手続を急いで被告の反論機会を奪うことを防いでいます。
解説
裁判所からの訴状が、あなたの手元に一度も届かないまま、あなたが被告として敗訴している。そんなことが現実に起きる。その仕組みが公示送達であり、112条はその「いつ効力が生じるか」を定める。相手があなたの居場所を裁判所に説明できないとき、裁判所書記官は裁判所の掲示場に書類を掲示する。そして掲示を始めた日から二週間が経過すると、あなたが一切見ていなくても、送達は法的に完了したものとみなされる。外国での送達なら六週間。一度公示送達を受けた後の二度目以降は、翌日に効力が生じる(110条3項)。重要なのは、この期間は短縮できない(3項)という点だ。これは被告であるあなたを守る最後の堤防であり、原告が手続を急いで被告の防御機会を奪うことを防いでいる。だが二週間という堤防は、あなたが何も知らなければ、ただ静かに決壊する。
法的な位置づけ
民事訴訟法112条は公示送達の効力発生時期を定める規定であり、掲示を始めた日から二週間(外国における送達は六週間)の経過によって送達の効力が生じる旨を規定する。110条3項の公示送達は掲示の翌日に効力を生じ、これらの期間は短縮することができない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決を知った日を即座に証拠化する 差押通知や登記など、公示送達による判決の存在を知った日付を必ず記録・保全する。追完(97条)の起算点になるため、この日付が逆転できるかどうかを決める
- 2.裁判所で訴訟記録を閲覧する 事件を起こされた裁判所で訴訟記録を閲覧し、判決書の内容と公示送達の経緯(所在調査が尽くされたか)を確認する。詐害的公示送達の疑いもここで見極める
- 3.事由消滅から一週間以内に控訴の追完を申し立てる 自分の責めに帰せない事由で控訴期間を守れなかった場合、事由消滅から一週間以内に控訴の追完(97条)を申し立てる。一日でも過ぎると原則不可のため最優先で動く
- 4.詐害的公示送達なら再審を並行検討する 原告が住所を知りながら所在不明と偽った疑いがあれば、再審(338条)も並行して検討する。過去に住所宛の郵便を送った記録や住所を伝えたやり取りを証拠として集める
- 5.知った当日に弁護士へ動く 追完も再審も期間が極端に短い短期決戦のため、判決を知った当日に弁護士へ相談する。期間の起算と書面作成を専門家に任せ、取りこぼしを防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1公示送達はいつ効力が生じますか?
掲示を始めた日から二週間を経過したときに効力が生じます(民事訴訟法112条1項)。外国においてすべき送達は六週間です(同条2項)。
Q2公示送達の期間は短縮できますか?
できません。民事訴訟法112条3項が明文で期間の短縮を禁じています。被告が偶然にでも掲示を知り防御に入る最低限の猶予を確保するためです。
Q3公示送達されたら裁判に負けるのですか?
出席せず反論しなければ欠席判決で敗訴し得ます。ただし追完(97条)や再審(338条)という救済があり、知った日から極めて短い期間内なら逆転の余地があります。
Q4二度目以降の公示送達はいつ効力が生じますか?
同一当事者への二度目以降(110条3項の場合)は、掲示を始めた日の翌日に効力が生じます。初回の二週間より大幅に早まります。
Q5公示送達を知らずに判決が確定したら取り消せますか?
確定判決は原則覆りませんが、自分の責めによらず期間を守れなかった場合は控訴の追完(97条)、重大な手続違反なら再審(338条)で争える余地があります。
Q6公示送達の追完はいつまでにすればいいですか?
事由が消滅した日から一週間以内に控訴の追完を申し立てる必要があります(民事訴訟法97条)。一日でも過ぎると原則として認められません。
Q7相手が住所を知っていたのに公示送達されたら無効ですか?
原告が住所を知りながら所在不明と偽った詐害的公示送達なら、確定判決でも再審で取り消せる余地があります(338条)。郵便記録などが決め手になります。
Q8引っ越して住民票を移し忘れると公示送達されますか?
債権者が所在不明を理由に公示送達を申し立てる引き金になり得ます。書類を見ないまま掲示から二週間後に被告として手続が進む危険があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1知らないうちに裁判で負けていたら、もう何もできないんですか?
原則は確定で覆りませんが、二つの抜け道があります。自分の責めに帰せない事由で控訴期間を守れなかった場合、事由消滅から一週間以内に控訴の追完ができます(民事訴訟法97条)。さらに重大な手続違反があれば再審(同338条)も。実務のポイント:追完の起算点は「判決があったと知った日」そのものではなく「公示送達による判決だと知り、かつ事由が消滅した日」です。差押通知が届いた日付を証拠化しておくと、その日から一週間を主張できる。多くの人はここを知らず、諦めて窓を閉じてしまう
Q2相手は私の住所を知ってるはずなのに、「所在不明」で公示送達されました。これって有効なんですか?
原告が住所を知りながら所在不明と偽って公示送達を得た場合、いわゆる詐害的公示送達として、確定判決でも再審で取り消せる余地があります(民事訴訟法338条1項)。実務のポイント:相手が過去にあなたの住所宛に郵便を送った記録や、あなたが住所を伝えたメッセージ履歴があれば「所在不明と偽った」決定的証拠になる。裁判所は公示送達の申立て時に所在調査を求めますが、原告の虚偽申告までは見抜けないことがある。だからこそ、あなたの手元の記録が勝負を分ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判所からの書類は必ず手元に届くはずだ」と信じているが、公示送達は届かないことを前提にした制度。あなたが受け取らなくても、掲示から二週間で送達は完了したものとみなされる。問われるのは「届いたか」ではなく「掲示から何日経ったか」だ。あなたが立てている問いそのものがずれている
- 公示送達という言葉を聞いたことはあっても、それで欠席判決が確定し、控訴期間まで公示送達で淡々と進み、気付いたときには差押えまで終わっている、その連鎖の速さと容赦のなさを知らない。制度を知っていることと、その破壊力を体感していることは別物だ
- 「知らないうちの判決なら、当然やり直せるはずだ」と思いがちだが、確定した判決は原則として覆らない。追完(97条)や再審(338条)という例外を、しかも極めて短い期間内に正しく使えた人だけが救われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する事項 | 112条:公示送達の効力発生時期 | 110条:公示送達の要件・申立て 111条:公示送達の方法(掲示) |
| 効力・救済の局面 | 掲示から二週間(外国六週間)で送達完了とみなす | 所在不明等の事由を要件に手続を開始させる 掲示行為そのもの、112条の起算点となる |
| 被告側の対抗手段 | 短縮不可(3項)が防御の堤防、知った後は97条・338条 | 要件不備なら送達自体が無効 掲示の不備は手続違背として争点化 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公示送達の効力発生時期を法定し、掲示後一定期間の経過で送達があったものとみなす点で日本と同型。
韓国は公示送達の効力を掲示後一定期間の経過で生じるとし、初回と二回目以降で起算を区別する点が日本に類似。
ドイツの öffentliche Zustellung が日本の公示送達の母法。掲示・公告から一定期間の経過で効力を認める構造を共有する。
米国は公示送達(service by publication)を許容しつつ、デュープロセス上「合理的に通知に資する手段」が要求され、安易な公示は違憲となり得る。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ある朝、給料の差押通知が届いた。身に覚えのない貸金返還請求で敗訴し、判決はとっくに確定している。公示送達で、訴状も判決も「届いたこと」になっていた。残された逆転の窓は、事由消滅から一週間。今日が何日目かを今すぐ数えなければならない
- もし、あなたが半年前に引っ越して住民票を移し忘れていたら? 元交際相手や貸主は「所在不明」を理由に、あなたを公示送達で訴えられる。あなたは一度も書類を見ないまま、掲示から二週間後に被告として手続が進んでいく
- あなたが貸したお金を返さない相手が夜逃げした。住所も電話も繋がらない。公示送達を使えば訴訟は進められるが、掲示から二週間(相手が外国なら六週間)待たなければ効力は生じず、短縮もできない。回収を急ぐあなたには、この待ち時間が重くのしかかる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決の存在を知った日(差押通知や登記の日付など)を必ず証拠化、これが追完の起算点になる2. 即座に裁判所で訴訟記録を閲覧、判決書と公示送達の経緯を確認3. 事由消滅から一週間以内に控訴の追完(民事訴訟法97条)を申し立てる、一日でも過ぎると原則として不可4. 原告があなたの住所を知っていた疑いがあれば、再審(民事訴訟法338条)も並行検討5. すべて短期決戦、知った当日に弁護士へ動く
訴えられた側:1. 公示送達を申し立てる前に、相手の住民票・戸籍附票の取得や現地調査など、所在調査を尽くす、調査不十分だと後で再審で覆される2. 相手の住所を知っていながら所在不明と偽ると詐害的公示送達となり、判決が無効化されるリスク3. 調査の経緯を記録に残し、申立書に正確に記載4. 二週間(外国は六週間)の効力発生を待ってから次の手続へ進む、期間の短縮はできない(112条3項)
時効(請求できる期限):公示送達の効力発生は掲示開始から二週間(外国においてすべき送達は六週間、110条3項の場合は掲示の翌日)、この期間は短縮できない。判決確定後の救済は、控訴の追完が事由消滅から一週間以内(民事訴訟法97条)、再審が事由を知った日から三十日以内かつ判決確定から五年以内(民事訴訟法342条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:112条の二週間(外国六週間)の期間は、被告の手続保障を確保するための最低限の猶予であり、短縮不可(3項)とすることで原告による手続の急速な進行から被告の防御機会を守るものと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。公示送達の効力発生時期を整理し、現行112条として掲示開始から二週間・外国六週間・短縮不可の枠組みを明文化。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正。送達・掲示に関する規律が見直され、電磁的方法を含む手続のデジタル対応が進められた。
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