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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第176条の2(受命裁判官による書面による準備手続)

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  1. 裁判所は、受命裁判官に書面による準備手続を行わせることができる。
  2. 2.書面による準備手続を受命裁判官が行う場合には、前条の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、同条第三項において準用する第百五十条の規定による異議についての裁判は、受訴裁判所がする。

この条文の基本情報

受命裁判官による書面による準備手続とは何ですか?

定義受命裁判官による書面による準備手続とは、民事訴訟法第176条の2に定められた規定で、「裁判所は、受命裁判官に書面による準備手続を行わせることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第176条の2(受命裁判官による書面による準備手続)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第176条の2の条文原文は「裁判所は、受命裁判官に書面による準備手続を行わせることができる。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第176条の2は第三款 書面による準備手続に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第176条の2の前の条は民事訴訟法第176条です。
  7. 民事訴訟法第176条の2の次の条は民事訴訟法第177条です。
  8. 民事訴訟法第176条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第176条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第176条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/176_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法176条の2は、受命裁判官が書面による準備手続を行えると定める。裁判長の職務は受命裁判官に移るが、150条の異議についての裁判は受訴裁判所が行う。

Q · 書面による準備手続を受命裁判官が一人で進めるとき、不服はどこに言えばいいの?

権限は受命裁判官へ、異議の裁判だけ受訴裁判所へ

民事訴訟法176条の2第1項により、裁判所は受命裁判官に書面による準備手続を行わせることができます。この場合、前条が裁判所及び裁判長に与えた職務は受命裁判官が行います(同条2項本文)。ただし、176条3項が準用する150条の異議についての裁判は受訴裁判所が行うと明記されています(2項ただし書)。つまり訴訟指揮への不服は、目の前の一人ではなく本体の裁判体が判断する構造です。

解説

書面による準備手続、つまり当事者が出頭せずに準備書面のやり取りだけで争点を絞り込む手続がある。その手続を、合議体の裁判官全員ではなく、指名された一人の裁判官(受命裁判官)に丸ごと任せられるのが本条だ。あなたが原告や被告として訴訟に巻き込まれているとき、実務上の意味はこうなる。あなたの主張が整理され、争点が固まっていく最も重要な局面を、判決を書く三人ではなく一人が仕切る。ただし条文は一点だけ例外を残した。相手方や裁判所書記官の処置に対して異議を述べたとき、その異議の裁判だけは受命裁判官ではなく受訴裁判所(本体の裁判体)が判断する。つまり、受命裁判官の運営に不満があるなら、異議という形で本体の裁判官全員に届く回路が用意されている。この回路の存在を知らない当事者は、受命裁判官の一言で議論が閉じたと思い込んで引き下がる。

法的な位置づけ

民事訴訟法176条の2は、書面による準備手続を受命裁判官に行わせる場合の権限配分を定める規定である。前条が裁判所及び裁判長に与えた職務は受命裁判官に移転するが、訴訟指揮に対する異議(150条)についての裁判権は受訴裁判所に留保される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.受命裁判官と協議方法を確認する 書面による準備手続に付する旨の告知を受けたら、受命裁判官が誰か、合議体のどの構成員か、協議は電話会議・ウェブ会議・書面のみのどれで行うかを確認する。裁判長自ら担当か陪席担当かも記録しておく
  2. 2.協議内容を自分でも記録化する 協議で確認された事項、受命裁判官の釈明や示唆をその場でメモし、次回の準備書面の冒頭に「前回のご指摘を踏まえ」と書いて記録に落とす。口頭のやり取りは調書に残るとは限らない
  3. 3.訴訟指揮に不服があればその場で異議を述べる 主張立証の機会を打ち切られた、釈明に応じてもらえないなど不服があれば、その協議の場で150条の異議を述べる。異議についての裁判は受訴裁判所が行うため、一人の判断を合議体に持ち上げられる
  4. 4.終結前に主張と証拠を出し切る 終結の告知が来る前の最後の協議までに、主張と書証を全部提出する。終結後の新たな攻撃防御方法には相手方の求めに応じた説明義務が生じ(167条)、実質的に出しにくくなる
  5. 5.争点整理の結果確認で認識のずれを正す 終結後の口頭弁論で争点整理の結果が確認される(177条)。自分の理解と違う整理がされそうなら、その場で訂正を申し入れる。ここで固まった争点が証拠調べの範囲を縛る

よくある質問 AI による整理

Q1受命裁判官とは何ですか?

合議体の構成員のうち、特定の職務を単独で行うよう合議体から指名された裁判官です。書面による準備手続では176条の2により争点整理の運営を一人で担当します。

Q2書面による準備手続はどこまで受命裁判官が決められますか?

前条が裁判所及び裁判長に与えた職務全般を行えます。ただし150条の異議についての裁判だけは受訴裁判所に留保され、受命裁判官は判断できません(176条の2第2項ただし書)。

Q3受命裁判官の訴訟指揮に異議は出せますか?

出せます。176条3項が準用する150条の異議を述べれば、その裁判は受命裁判官ではなく受訴裁判所が行います。不服の宛先は本体の裁判体です。

Q4書面による準備手続はいつ使われますか?

当事者が遠隔地に居住しているときなど、出頭を要しない争点整理が相当と認められる場合に、当事者の意見を聴いて事件を付します(民訴175条)。

Q5弁論準備手続と書面による準備手続は違いますか?

違います。弁論準備手続は期日を開いて行い証拠決定もできますが、書面による準備手続は期日を開かず準備書面と協議で争点を整理する手続です。

Q6書面による準備手続が終わったら何が起きますか?

口頭弁論で争点整理の結果が確認され(民訴177条)、その後に新たな攻撃防御方法を出すと相手方の求めに応じ説明義務が生じます(167条)。

Q7受命裁判官は判決の評議に参加しますか?

参加します。受命裁判官は合議体の構成員から指名されるため、整理した争点はそのまま合議体の審理と評議の骨格になります。

Q8受命裁判官が担当だと不利になりますか?

不利にはなりません。権限は法律上明確に配分され、異議の裁判権は受訴裁判所に残ります。手続の格が下がるわけではありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1受命裁判官って、判決を書く人と別人なんですか?

別人ではない。受命裁判官は合議体を構成する裁判官の中から指名される者で、判決の評議には参加する。争点整理の局面だけを一人で担当するという役割分担だ(民事訴訟法176条の2第1項)。実務のポイント:受命裁判官が誰かで、その事件に合議体がどれだけ時間を割く姿勢かが読める。陪席が担当する場合と裁判長自ら担当する場合では、事件への注力度が違うと実務家は見る

Q2書面だけの手続で、こちらの言い分がちゃんと伝わるんでしょうか?

書面によるといっても、電話会議やウェブ会議で協議する運用が通常で(176条が準用する規定による)、完全に紙だけで終わることは少ない。ただし口頭で述べた内容が調書に残るとは限らないため、重要な主張は必ず準備書面に落とす。実務のポイント:協議で裁判官が漏らした心証めいた発言は記録に残らない。その場でメモを取り、次回の準備書面の冒頭で「前回のご指摘を踏まえ」と書いて記録化する弁護士は多い

間違えやすい点 AI による整理

  • 受命裁判官が担当になったと聞くと「格下の裁判官が適当に処理している」と受け取られがちだが、前提が違う。受命裁判官は合議体の構成員そのもので、整理された争点はそのまま合議体の審理の骨格になる。手抜きの手続ではなく、判決の設計図を描く工程である
  • 「書面準備手続だから電話やウェブで済むし、こちらの負担が軽い」という理解は半分正しく、半分危険だ。負担が軽いのは移動コストだけで、争点整理としての拘束力は口頭弁論の準備手続と変わらない。終結後の新主張には説明義務が課される(167条)。軽い手続だと油断した側が、証拠調べの入口で締め出される
  • 受命裁判官の訴訟指揮に不満があっても「担当裁判官がそう言うなら仕方ない」と諦める人が多い。だが本条2項ただし書は、150条の異議に限って判断権を受訴裁判所に留保している。あなたから見れば一人の裁判官の判断でも、法律から見れば異議の裁判権は最初から本体にある。この落差を知らずに引き下がると、使えたはずの一手を捨てることになる
比較の観点この条文ほかの条文
誰が手続を行うか176条の2:受命裁判官が単独で書面による準備手続を行う176条:裁判所及び裁判長が書面による準備手続の職務を行う
171条:受命裁判官が弁論準備手続を行う
期日の有無期日を開かず、準備書面の交換と電話会議等の協議で進行同じく期日を開かない書面中心の手続
弁論準備手続の期日を開いて当事者双方が関与
本体の裁判体に留保される権限150条の異議についての裁判は受訴裁判所が行う(2項ただし書)職務は裁判所及び裁判長にあり配分の問題が生じない
受命裁判官の権限には条文上の除外があり、証拠決定等に制限がある
終結後の効果177条で争点確認、167条の説明義務が働く同じく177条・167条の適用がある
174条により167条が準用され同様の説明義務が働く

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第270条

台湾も合議事件の準備程序を受命法官が行う構造を採る。準備程序で整理された争点が本案審理を拘束する点も日本と共通する

韓国
대한민국 민사소송법(변론준비절차)

韓国も裁判長が合議部員を弁論準備手続の担当裁判官として指定できる仕組みを持つ。書面中心の準備を認める点も類似する

ドイツ
ZPO § 527・§ 361

ドイツは準備を担当する Einzelrichter・beauftragter Richter の制度を持ち、合議体が判断すべき事項を留保する設計思想が日本の母法にあたる

アメリカ
Fed. R. Civ. P. 16、28 U.S.C. § 636

米国は pretrial conference を magistrate judge に付託でき、その決定に対する不服は district judge が審査する。判断権を本体に戻す構造は本条の設計と機能的に近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 遠方の取引先を相手に売買代金請求訴訟を起こした。裁判所から「書面による準備手続で進めます、受命裁判官は○○裁判官です」と告知される。あなたは疑問に思う、判決を書く三人はどこへ行ったのか。実は争点整理の場に出てくるのは一人で、その一人が整理した結果が三人の判断の土台になる
  • もし受命裁判官があなたの主張立証の一部を「その点はもう十分でしょう」と打ち切ったら、どうなる? 準用される150条の異議を述べれば、その判断は受命裁判官ではなく受訴裁判所が下す。一人の判断を三人に持ち上げる回路が、条文上明記されている
  • 被告側の代理人として、原告の主張が二転三転していると感じている。書面準備手続の協議で釈明を求めたが受命裁判官が取り合わない。争点整理の結果は後の証拠調べの範囲を縛る。ここで引き下がるか異議を出すかが、証人尋問で聞ける範囲を決める
  • 訴訟提起から8か月、次回の協議期日まであと10日。書面準備手続の終結が近い。終結後に新しい主張を出すと、なぜ早く出さなかったかの説明を求められる(167条)。今この10日で出し切るかどうかが分水嶺になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 書面準備手続の開始を告げられたら、受命裁判官が誰か、合議体の構成員か、協議の方法(電話会議・ウェブ会議・書面のみ)はどれかを確認する2. 各回の協議で何が確認されたかを自分でも記録に残す。後の争点整理結果の確認(177条)で認識のずれを正す材料になる3. 訴訟指揮に不服があればその場で異議を述べ、受訴裁判所の判断を求める4. 終結前に主張・証拠を出し切る

訴えられた側:1. 被告側でも手続構造は同じ。受命裁判官が一人で進めることに実体的な不利はないと理解した上で臨む2. 原告の主張が不明確なら釈明を求め、応じられなければ異議を検討する3. 争点整理の結果として確認される事項は後の審理範囲を縛るため、自分の認識と違う整理がされそうなら終結前に必ず訂正を申し入れる4. 終結後に新たな防御方法を出す必要が生じたら、説明義務(167条)に備えて理由を準備する

時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし訴訟指揮への異議は当該協議の場で述べる必要があり、書面準備手続終結後の新たな攻撃防御方法には説明義務が生じる(民事訴訟法167条)。実体的な権利の消滅時効は訴え提起で完成猶予される(民法147条)

学説

通説:受命裁判官への職務委譲は準備工程の運営に限られ、当事者の手続保障に直結する判断権は合議体に留保されるという理解が一般的である。本条2項ただし書はその線引きを明文化したものと位置づけられる

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法の全部改正により、遠隔地居住者等を想定した書面による準備手続が創設され、期日を開かない争点整理の枠組みが整えられた
  2. 2.令和4年(2022年) 新設:民事裁判手続の IT 化に関する改正の一環として、書面による準備手続に関する規定が再編され、受命裁判官による実施を定める本条が独立の条文として置かれた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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