民事訴訟法 第20条の2(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)
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- 第六条第一項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を第四条、第五条若しくは第十一条の規定によれば管轄権を有すべき地方裁判所又は第十九条第一項の規定によれば移送を受けるべき地方裁判所に移送することができる。
- 2.東京高等裁判所は、第六条第三項の控訴が提起された場合において、その控訴審において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を大阪高等裁判所に移送することができる。
この条文の基本情報
特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送とは何ですか?
定義特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送とは、民事訴訟法第20条の2に定められた規定で、「第六条第一項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第20条の2(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第20条の2の条文原文は「第六条第一項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠…」で始まります。
- 民事訴訟法第20条の2は第二節 管轄に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第20条の2の前の条は民事訴訟法第20条です。
- 民事訴訟法第20条の2の次の条は民事訴訟法第21条です。
- 民事訴訟法第20条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第20条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第20条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/20_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法20条の2は、東京・大阪に集中する特許権等の訴えを、専門技術的事項を欠くなどの事情があるとき、申立てまたは職権で本来の地元の地方裁判所へ移送できると定める規定である。
Q · 特許やソフトの裁判は東京か大阪でしかできないって聞いたけど、地元に戻す方法はないの?
技術判断が不要なら地元の地裁へ移送できる
民事訴訟法20条の2により、特許権等の訴えが東京地裁・大阪地裁に集中(同法6条)していても、審理すべき専門技術的事項を欠くなどの事情で著しい損害または遅滞を避ける必要があるときは、申立てまたは職権で、4条・5条・11条で本来の管轄を持つ地方裁判所へ移送できます。プログラムの著作物も集中対象に含まれるため、争点が契約や金額だけのソフトウェア紛争では、地元へ戻す余地が大きいといえます。
解説
あなたが自社開発したソフトウェアの著作権を侵害されたとして提訴を考えたとき、意外な壁にぶつかる。特許権やプログラムの著作権に関する訴えは、原則として東京地裁か大阪地裁でしか起こせない(民訴6条)。北海道に住んでいても九州で商売していても、だ。理由は専門技術の集中にある。専門部の裁判官と技術調査官に判断を集めることで、全国でばらつかない高水準の審理を実現する。だが、すべての事件が高度な技術判断を要するわけではない。契約があったか、金額はいくらか、それだけが争点で、技術の中身を裁く必要がない事件まで遠方に縛りつけるのは不合理だ。20条の2は、その集中ルールに開けられた逆流弁である。専門技術的事項を欠くなどの事情で著しい損害や遅滞が生じるなら、申立てまたは職権で、事件を本来の管轄を持つ地元の地裁へ戻せる。この一本の抜け道を知っているかどうかで、あなたが何度東京へ往復するかが変わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法20条の2は、特許権等の訴えの集中管轄(同法6条)に対する逆方向の移送規定である。集中管轄裁判所に専属する事件であっても、審理すべき専門技術的事項を欠くなどの事情で著しい損害または遅滞を避ける必要があるときに、申立てまたは職権で本来の管轄を持つ地方裁判所への移送を認める。第2項は知財高裁から大阪高裁への控訴審移送を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の事件が技術判断を要するか分析 争点が契約の有無・金額・事実関係だけで、技術の中身を解析する必要がないかを冷静に切り分ける。専門技術的事項を欠くと言えれば移送の余地が大きい
- 2.移送先となる地方裁判所を特定 4条・5条・11条で本来の管轄を持つ地方裁判所、または19条1項で移送を受けるべき地方裁判所を確認し、移送先を具体的に指定する
- 3.移送申立書を早期に提出 訴訟の早い段階、争点整理に入る前に20条の2に基づく移送申立書を提出する。『専門技術的事項を欠くこと』と『著しい損害又は遅滞』を具体的事実で主張する
- 4.却下されたら即時抗告 移送の申立てが却下された、または不利な移送決定が出た場合、告知から1週間の不変期間内に即時抗告(民訴21条・332条)を申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1特許の裁判はどこの裁判所でやりますか?
原則として東日本は東京地裁、西日本は大阪地裁に集中します(民訴6条)。ただし20条の2で、技術判断が不要な事件は本来の地元の地方裁判所へ移送できます。
Q2特許訴訟の移送はどんなときに認められますか?
審理すべき専門技術的事項を欠くなどの事情により、著しい損害または遅滞を避ける必要があると認められるときです。申立てまたは職権で移送されます(民訴20条の2第1項)。
Q3ソフトウェアの著作権侵害も東京・大阪でしか訴えられないのですか?
プログラムの著作物は集中管轄の対象に含まれます(民訴6条1項)。ただし争点が技術と無関係なら20条の2で地元へ移送できる余地があります。
Q4特許訴訟の移送は誰が申し立てられますか?
当事者の申立てでも、裁判所の職権でも移送できます。職権発動を待たず、著しい損害・遅滞を具体的に主張して申し立てるのが実務上有利です。
Q5移送の申立てが却下されたら争えますか?
移送に関する裁判には即時抗告が認められます(民訴21条)。告知から1週間の不変期間内に申し立てる必要があります(民訴332条)。
Q6特許訴訟の移送はいつまでに申し立てるべきですか?
法定の期限はありませんが、審理が技術的争点に踏み込んだ後では『専門技術的事項を欠く』との主張が通りにくくなります。争点整理前の早期が定石です。
Q7控訴審でも特許訴訟を移送できますか?
できます。20条の2第2項により、東京高裁(知財高裁)に係属した控訴を大阪高裁へ移送できます。専門技術的事項を欠く等の要件は第1項と同様です。
Q8専属管轄なのに移送できるのはなぜですか?
通常は専属管轄だと移送が制限されます(民訴20条)が、20条の2はその例外として、集中管轄の弊害を是正するための特別の移送を認めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許の裁判って、なんで東京か大阪じゃないとダメなんですか?
特許権・実用新案権などの専門技術が絡む訴えは、判断に高度な技術理解が要るため、東京地裁(東日本管轄)と大阪地裁(西日本管轄)に集中させています(民訴6条1項)。専門部の裁判官と技術調査官が対応するためです。実務のポイント:この集中対象にはプログラムの著作物も含まれます。つまりソフトウェアの著作権紛争は、自動的に東京・大阪行き。ただし20条の2で、技術判断が不要なら地元へ戻せる。多くの人はこの逆ルートを知らずに遠方で戦っている
Q2技術の話じゃなくて契約の話なのに、東京まで行くしかないんですか?
いいえ、20条の2の移送申立てという手があります。争点が契約の有無や金額だけで専門技術的事項を裁く必要がないなら、申立てまたは職権で本来の管轄を持つ地元の地裁へ移送できます。実務のポイント:移送は職権でも可能ですが、裁判所が自発的に動くとは限りません。当事者が『著しい損害又は遅滞』を具体的に主張して申し立てるかどうかで結果が変わる。遠方の当事者は黙って待たず、争点整理に入る前の早期に申し立てるのが鉄則
間違えやすい点 AI による整理
- 特許やソフトの裁判が東京・大阪に集中することは知っていても、その集中が『絶対』だと思い込んでいる人が多い。実際には20条の2という逆方向の移送規定があり、技術判断を要しない事件は地元へ戻せる。集中ルールの存在は知っていても、その例外の出口まで知る人は実務家でも少ない
- 『どうやって専門裁判所で有利に戦うか』を考える前に、問いそのものを疑うべき場面がある。あなたの事件は本当に高度な技術判断を要するのか。要さないなら、専門裁判所に留まること自体が、あなたの出廷負担と時間を無駄に増やしているだけかもしれない
- 移送は裁判所が勝手にやるものだと思われがちだが、当事者の『申立て』でも動かせる。黙って職権発動を待つのではなく、著しい損害や遅滞を具体的事実で主張して申し立てれば、裁判所の判断を能動的に引き出せる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 移送の方向 | 20条の2:集中管轄(東京・大阪)から本来の地元地裁へ戻す | 6条:本来の地裁から東京・大阪へ集中させる 17条:遅滞回避等のための一般的な裁量移送 |
| 発動要件 | 専門技術的事項を欠く等 + 著しい損害又は遅滞の回避 | 特許権等に関する訴えであること 訴訟の著しい遅滞・当事者の衡平のため必要 |
| 専属管轄との関係 | 専属管轄でも例外的に移送可(20条の特則) | 専属管轄を新たに発生させる 原則として専属管轄事件には適用されない(20条) |
| 不服申立て | 即時抗告(21条) | —(管轄の根拠規定) 即時抗告(21条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は IP 事件を智慧財產及商業法院に集中させる。日本のような『集中からの逆移送』の明文規定は限定的で、運用上の管轄調整に委ねられる部分が大きい
韓国も特許権等の訴えに専属管轄を設け、控訴審を特許法院に集中させる。専門技術判断を欠く事件の地元移送は日本ほど明文化されていない
ドイツは特許侵害訴訟を各州の専門部(Patentstreitkammern)に集中。無効審判は連邦特許裁判所が専管し、侵害と有効性を分離する二元主義をとる点が日本と異なる
米国は特許事件を連邦裁判所の専属管轄とし、控訴を連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)に一元化。地裁レベルの地理的選択は広く、20条の2のような技術判断不要を理由とする逆移送制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社が地方にあり、自社アプリのプログラム著作権を侵害されたとして提訴したいとき、争点が『利用許諾の契約があったか』だけだったら? 技術の中身を解析する必要のないこの事件まで、東京地裁に縛られるのは負担でしかない。20条の2の移送申立てで、本来の管轄である地元の地裁へ戻せる余地がある
- あなたが被告側で、相手が地元の地裁への移送を申し立ててきた。だがあなたとしては技術論を専門部できっちり戦いたい。移送は『申立てにより又は職権で』なされるが、判断材料は当事者の便宜だけでなく専門技術的事項の要否。あなたは『この事件こそ高度な技術判断を要する』と主張し、移送を阻止する側に回る
- 控訴審が東京高裁(知財高裁)に係属したが、審理を進めるうち争点が技術論から離れた。あと数週間で次回期日。20条の2第2項なら、大阪高裁への移送という選択肢が残っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の事件の争点が本当に高度な技術判断を要するか冷静に分析、契約・金額・事実関係だけが争点なら移送の余地が大きい2. 訴訟の早い段階で20条の2に基づく移送の申立書を提出、『専門技術的事項を欠くこと』と『著しい損害又は遅滞』を具体的事実で主張3. 移送先は4条・5条・11条で管轄を持つべき地裁、または19条1項で移送を受けるべき地裁を特定して指定4. 申立てが却下されても、移送に関する裁判には即時抗告(民訴21条)の道がある
訴えられた側:1. 相手の移送申立てに対し、この事件こそ高度な技術的争点を含むと反論し、専門部での審理の必要性を具体的に主張2. 著しい損害・遅滞の要件を満たさないこと、専門裁判所での審理が遅延につながらないことを反証3. 職権移送の動きが見えたら、技術論の重要性を準備書面で早期に印象づける4. 移送決定が出たら即時抗告(民訴21条)で争う
時効(請求できる期限):移送申立てに法定の期限はないが、審理が技術的争点に踏み込んだ後では『専門技術的事項を欠く』という主張は通りにくくなる。実務上は訴訟の早期、争点整理の前に申し立てるのが定石。移送の裁判に対する即時抗告は、裁判の告知から1週間の不変期間内(民訴332条)
学説
通説:20条の2は特許権等の集中管轄(6条)の趣旨が及ばない事件、すなわち専門技術的事項を欠く事件について、当事者の便宜と審理の迅速を回復する例外的移送を認めるものと解される。専属管轄でも移送を許す20条の特則として位置づけられ、要件である『著しい損害又は遅滞』は当事者の出廷負担や審理遅延を総合考慮して判断される。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)公布、平成16年(2004年)施行 知的財産訴訟の専門的処理を強化する改正の一環として新設。特許権等の訴えを東京・大阪に集中させる6条と対をなし、専門技術的事項を欠く事件を本来の管轄裁判所へ戻す逆方向の移送を可能にした(最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:知的財産訴訟の専門的処理を強化する改正の一環として新設。特許権等の訴えを東京・大阪に集中させる6条と対をなし、専門技術的事項を欠く事件を本来の管轄裁判所へ戻す逆方向の移送を可能にした(平成16年施行。最新の改正状況をご確認ください)。
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