民事訴訟法 第288条(裁判長の控訴状審査権等)
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第百三十七条の規定は控訴状が第二百八十六条第二項の規定に違反する場合について、第百三十七条の二の規定は民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い控訴の提起の手数料を納付しない場合について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
裁判長の控訴状審査権等とは何ですか?
定義裁判長の控訴状審査権等とは、民事訴訟法第288条に定められた規定で、「第百三十七条の規定は控訴状が第二百八十六条第二項の規定に違反する場合について、第百三十七条の二の規定は民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い控訴の提起の手数料を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第288条(裁判長の控訴状審査権等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第288条の条文原文は「第百三十七条の規定は控訴状が第二百八十六条第二項の規定に違反する場合について、第百三十七条の二の規定は民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い控訴の提起の手数料を…」で始まります。
- 民事訴訟法第288条は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第288条の前の条は民事訴訟法第287条です。
- 民事訴訟法第288条の次の条は民事訴訟法第289条です。
- 民事訴訟法第288条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第288条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第288条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/288
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法288条は、控訴状の記載不備や手数料未納について137条を準用し、裁判長が補正を命じ、従わなければ命令で控訴状を却下できると定める。
Q · 控訴状を出せば、あとは法廷で中身を争えるんですか?
形式不備や手数料未納だと、裁判長が控訴状を却下できる
民事訴訟法288条により、第一審の訴状審査権を定める137条が控訴状にも準用されます。控訴状が286条2項の必要的記載事項に違反する場合、または控訴提起の手数料(第一審の1.5倍)を納めない場合、裁判長は相当の期間を定めて補正を命じ、従わなければ命令で控訴状を却下できます。合議体が中身を審理する前の入口の関門であり、控訴期間は経過済みのため却下されると再提出できません。
解説
第一審で負けた。納得できないあなたは、判決送達から二週間という厳しい期限(民訴285条)に追われて控訴状を書き上げ、裁判所に提出する。ここで多くの人が見落とすのが、控訴状は「出せば受理される」わけではないという事実だ。288条は、控訴状の記載に不備があるとき、または控訴の手数料(第一審の1.5倍)を納めないとき、裁判長一人の権限で補正を命じ、従わなければ命令で控訴状を却下できると定める。つまり、三人の合議体が中身を審理する前に、入口で門前払いされうる。しかもこの却下は「判決」ではなく「命令」だから、不服があれば即時抗告という別ルートで争うことになる(準用される137条3項)。控訴状の書き方と手数料、この二つの形式要件で、あなたの控訴は審理にすら入れないまま終わりうる。
法的な位置づけ
民事訴訟法288条は控訴状の審査に関する規定であり、第一審の訴状審査権を定める137条を控訴状に準用する。控訴状が286条2項の必要的記載事項に違反する場合、または控訴提起の手数料が納付されない場合に、裁判長が相当の期間を定めて補正を命じ、補正がないときは命令で控訴状を却下する権限を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提出前に286条2項の必要的記載事項を確認 控訴状に、当事者および法定代理人、第一審判決の表示とこれに対して控訴をする旨が漏れなく記載されているかを指差し確認する。判決理由の組み立てに気を取られ、この形式要件を落とすと審査段階で補正対象になる
- 2.控訴手数料を計算し収入印紙で納付 民事訴訟費用等に関する法律に従い、第一審の手数料の1.5倍を算出し、収入印紙で納付する。最新額は同法で確認する。未納のまま提出すると288条による補正命令・却下の対象になる
- 3.補正命令が届いたら指定期間内に即補正 裁判長から補正命令が届いたら、その日のうちに不備の内容を確認し即日補正する。控訴期間は既に経過しているため、指定期間を一日でも過ぎると控訴状が却下され控訴権を失う
- 4.手数料が払えないなら却下前に訴訟救助を申し立てる 無資力で手数料を納付できない場合、控訴状が却下される前に訴訟救助(民訴82条)を申し立てる。払えないからと放置して控訴権を失う前に打つべき一手
- 5.控訴状却下命令には1週間以内に即時抗告 控訴状却下命令が出たら、準用される137条3項により告知から1週間の不変期間内に即時抗告を申し立てる。形式不備を理由とする却下なら、その判断自体を上級審で争える余地がある
よくある質問 AI による整理
Q1控訴状審査権とは何ですか?
裁判長が控訴状の形式(必要的記載事項と手数料納付)を入口で審査する権限です。民事訴訟法288条が137条を準用して認めています。
Q2控訴状却下命令と控訴却下判決はどう違いますか?
控訴状却下命令は裁判長一人が形式不備を理由に出す処分(288条)。控訴却下判決は合議体が控訴の不適法を本案前に判断するもの(290条等)で、主体も形式も異なります。
Q3控訴状の補正命令が来たらどうすればいいですか?
裁判長が定めた期間内に不備を直して再提出します。控訴期間は既に過ぎているため、期間を逃すと控訴状が却下され取り返しがつきません。
Q4控訴状却下命令に不服があるときは?
即時抗告ができます。準用される137条3項により、告知から1週間の不変期間内に申し立てれば、却下の当否を上級審で争えます。
Q5控訴状の必要的記載事項は何ですか?
286条2項により、当事者および法定代理人、第一審判決の表示とこれに対して控訴をする旨を記載する必要があります。これを欠くと審査の対象になります。
Q6控訴の手数料はいくらですか?
民事訴訟費用等に関する法律により、第一審の手数料の1.5倍です。請求額が大きいと数十万円になることもあり、未納だと補正命令の対象になります。
Q7控訴状は誰が審査するのですか?
合議体ではなく裁判長一人です。288条の形式審査は裁判長の専権で、補正命令や却下命令も裁判長が単独で出します。
Q8控訴状が却下されたら再び控訴できますか?
原則できません。控訴期間(判決送達から2週間)が経過した後に却下されるため、第一審判決がそのまま確定します。即時抗告で却下命令自体を争うのが基本ルートです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴状を出したのに「却下する」と言われました。これって控訴が負けたってことですか?
いいえ、中身で負けたのではありません。288条による控訴状却下命令は、記載事項の不備や手数料の未納という形式的理由で、裁判長が入口で門前払いした処分です。本案(中身)はまだ審理されていません。実務のポイント:控訴状却下命令には即時抗告(準用される137条3項)で争えます。1週間以内に動けば、形式不備を理由とする却下なら、その判断自体をひっくり返せる余地がある。却下の二文字で諦めず、まず命令の理由を確認すること
Q2控訴の手数料が高くて払えません。払わなかったらどうなりますか?
裁判長が相当の期間を定めて納付を命じ(補正命令)、それでも納めなければ命令で控訴状が却下されます(288条が準用する137条)。控訴期間は過ぎているので、却下されると控訴の道が閉ざされます。実務のポイント:無資力なら訴訟救助(民訴82条)の申立てで手数料の納付を猶予できる場合があります。却下される前に申し立てるのが鉄則で、これを知らずに払えないまま放置して控訴権を失う人が後を絶たない(最新の手数料額は民事訴訟費用等に関する法律でご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴状さえ期限内に出せば、あとは法廷で争うだけ」と考えている時点で、問いの立て方がずれている。提出はゴールではなく、まず裁判長の形式審査という関門を通る必要がある。ここで却下されれば、法廷での主張は一言も聞かれない
- 「控訴を却下するのは裁判官の合議体だ」と思われているが、288条の場面では裁判長一人の命令で控訴状が却下される。三人で議論して決めるわけではない
- 手数料を払い忘れただけ、と軽く考える人は多い。だが控訴期間内に補正されなければ、その払い忘れ一つで控訴そのものが消え、第一審判決が確定する。金額の問題ではなく、権利を失うかどうかの問題だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判断の主体 | 288条:裁判長一人(控訴状の形式審査) | 137条:裁判長一人(第一審の訴状審査) 290条:控訴裁判所(合議体)の口頭弁論を経ない却下 |
| 審査の対象 | 控訴状の記載不備(286条2項違反)と手数料未納 | 訴状の記載不備(134条2項違反)と手数料未納 控訴自体の不適法(控訴の利益欠如・控訴期間徒過等) |
| 処分の形式 | 補正命令 → 従わなければ控訴状却下命令 | 補正命令 → 従わなければ訴状却下命令 判決(口頭弁論を経ないことができる) |
| 不服申立ての方法 | 即時抗告(準用137条3項、告知から1週間) | 即時抗告(137条3項、告知から1週間) 上告・上告受理申立て |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では上訴が不適法・不合法な場合に裁定で却下する仕組みがあり、形式要件の入口審査という機能で日本288条と通底する
韓国は原審裁判長が控訴状(항소장)の方式と印紙を審査し、補正がなければ控訴状却下命令(항소장 각하명령)を出す。裁判長単独の形式審査という構造が日本ときわめて近い
ドイツは Berufungsschrift の方式を § 519が定め、不適法な控訴は § 522 Abs. 1により決定(Beschluss)で却下される。形式不備の入口排除という発想は共通
米国では notice of appeal の方式と手数料が要件で、不備や未納は dismissal の対象になりうる。ただし職権主義の度合いや却下の主体構造は日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 控訴状を出して安心していたら、裁判所から「補正命令」が届いた。指定期間内に直さなければどうなるか? 裁判長は命令一本であなたの控訴状を却下する。控訴期間(2週間)はもう過ぎているから、却下されれば再提出はできず、第一審判決がそのまま確定してしまう
- あなたが第一審で勝った側だとする。相手が控訴してきても、控訴状の記載に不備があれば、裁判長の審査段階で却下されることがある。本案で応戦する前に決着がつく場合がある
- 控訴の手数料は第一審の1.5倍。請求額が大きいと数十万円になる。手元に金がなく納められないまま放置すれば、裁判長は補正を命じ、それでも納めなければ控訴状を却下する。却下される前に訴訟救助(民訴82条)を申し立てられるかが分かれ道
取るべき行動
被害を受けた側:1. 控訴状を出す前に、286条2項の必要的記載事項(当事者と法定代理人、第一審判決の表示およびこれに対して控訴をする旨)を漏れなく書く2. 控訴手数料(第一審の1.5倍)を計算し、収入印紙で納付する3. 提出後に補正命令が届いたら指定期間を絶対に守る。控訴期間は経過済みなので、却下されると再提出できない4. 手数料が払えないなら、却下される前に訴訟救助(民訴82条)を申し立てる
訴えられた側:1. 相手が控訴してきたら、まず控訴状の記載に不備がないか、手数料が納付されているかを確認する2. 形式不備があれば、裁判長の審査段階で控訴状が却下される可能性があり、本案の応訴準備より先に決着しうる3. ただし不備の有無は裁判所が職権で審査するので、過度な期待は禁物4. 控訴状却下命令が出ても相手は即時抗告できるため、確定するまでは油断しない
時効(請求できる期限):控訴状却下命令に対しては即時抗告ができ、その期間は告知を受けた日から1週間の不変期間(民訴332条、準用される137条3項)。補正命令の補正期間は裁判長が個別に定める相当の期間で、数日のこともある。控訴期間そのものは第一審判決の送達から2週間(民訴285条)
学説
通説:288条の控訴状審査は、第一審の訴状審査権(137条)を準用する形式審査であり、必要的記載事項の充足と手数料納付という入口要件を裁判長が単独で確認する。補正命令と即時抗告による不服申立ての道を確保することで、形式の厳格さと控訴権へのアクセスの均衡が図られていると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の全面改正により現行の条文番号・準用構造に整理された。訴状審査権(137条)を控訴状にも準用する形で控訴段階の形式審査を明文化。改正回数の正確な集計は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、訴状審査権を定める137条を控訴状に準用する現行の準用構造に整理された。控訴段階の形式審査が条文上明確化された。改正回数の正確な集計は人的検証を要する
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