民事訴訟法 第290条(口頭弁論を経ない控訴の却下)
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控訴が不適法でその不備を補正することができないときは、控訴裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、控訴を却下することができる。
この条文の基本情報
口頭弁論を経ない控訴の却下とは何ですか?
定義口頭弁論を経ない控訴の却下とは、民事訴訟法第290条に定められた規定で、「控訴が不適法でその不備を補正することができないときは、控訴裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、控訴を却下することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第290条(口頭弁論を経ない控訴の却下)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第290条の条文原文は「控訴が不適法でその不備を補正することができないときは、控訴裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、控訴を却下することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第290条は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第290条の前の条は民事訴訟法第289条です。
- 民事訴訟法第290条の次の条は民事訴訟法第291条です。
- 民事訴訟法第290条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第290条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第290条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/290
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法290条は、控訴が不適法で補正できないとき、控訴裁判所が口頭弁論を経ずに判決で控訴を却下できると定める。控訴期間の徒過が典型例である。
Q · 控訴したのに、法廷で一度も話せないまま負けになることってあるんですか?
期限切れなど不適法な控訴は、弁論なしで却下されます
あります。民事訴訟法290条により、控訴が不適法でその不備を補正できないとき、控訴裁判所は口頭弁論を経ずに判決で控訴を却下できます。最も典型的なのは控訴期間(判決書の送達から2週間、民訴285条)の徒過です。この期間は不変期間で原則延長できず、一日でも過ぎれば中身の当否を一切審理されないまま書面だけで控訴が終わります。控訴の利益の欠如や方式違反も同様です。
解説
一審で負けた。納得できないから控訴する。もう一度、別の裁判官が自分の話を法廷でちゃんと聞いてくれる。そう思っている人は多い。だが民訴290条は、その期待を一行で打ち砕く力を持つ。控訴が「不適法」で、しかもその不備を「補正できない」とき、控訴裁判所は口頭弁論を開かずに、判決で控訴を却下できる。口頭弁論を開かない、つまりあなたは一度も法廷に立てないまま、書面審査だけで控訴が終わる。典型例は控訴期間(判決書の送達から2週間、民訴285条)を一日でも過ぎたケースだ。この期間は「不変期間」で、原則として一切延ばせない。控訴の中身が正しいかどうか以前に、入口で門前払いになる。控訴に勝ち目があったかどうかは、もう誰も判断してくれない。
法的な位置づけ
民事訴訟法290条は控訴の不適法却下を定める規定であり、控訴が不適法でその不備を補正することができない場合に、控訴裁判所が口頭弁論を経ないで判決により控訴を却下できる旨を規定する。控訴期間の徒過や控訴の利益の欠如など、補正不能な入口要件(適法要件)の欠缺を対象とし、本案の当否とは別レイヤーで判断される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.送達日を確定し控訴期限を逆算する 判決書を受け取ったら、本文を読むより先に送達を受けた日を確定する。その翌日から2週間後が控訴期限(不変期間、民訴285条)。末日が土日祝なら翌平日まで。カレンダーに赤で記録する
- 2.理由が固まる前にまず控訴状を提出する 控訴理由が未確定でも、期間内に控訴状を第一審裁判所に提出して入口要件を確保する。控訴理由書は控訴提起後50日以内に追って提出すればよい(民事訴訟規則182条)
- 3.裁判長の補正命令に即応する 印紙不足や記載不備があると裁判長から補正命令が出る(民訴288条)。補正できる不備は速やかに直せば却下を免れる。放置すると命令により却下される
- 4.期間を過ぎた場合は追完を検討する 自分の責めに帰せない事由(天災・誤った送達など)で期間を守れなかった場合、その事由の消滅後1週間以内に訴訟行為の追完(民訴97条)を主張できる余地があるか、すぐ弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1控訴の不適法却下とは何ですか?
入口要件を欠く控訴を、控訴裁判所が口頭弁論を開かずに判決で却下することです。民訴290条が根拠で、控訴期間の徒過など補正できない不備が対象です。
Q2控訴期間を過ぎたらどうなりますか?
控訴権が消滅し一審判決が確定します。期間内に提起しても補正不能なら民訴290条で却下され、いずれも中身を審理されません。送達日の翌日から2週間が期限です。
Q3控訴 却下と棄却の違いは何ですか?
却下は入口要件(適法性)を欠くための門前払い、棄却は中身を審理した上で理由なしとする判断です。290条の却下は本案を一切審理しません。
Q4口頭弁論なしで控訴を却下できるのはなぜですか?
補正できない明白な不適法に審理資源を割かず、勝訴当事者の地位を早期に安定させるためです。補正できる不備は補正命令で救済されます。
Q5控訴 却下されたら確定しますか?
控訴却下判決が確定すれば一審判決も確定します。却下判決に不服なら上告できますが、適法性の判断が誤っている場合に限られ、ハードルは高いです。
Q6控訴の利益とは何ですか?
一審判決を自分に有利に変更する余地があることです。全部勝訴した側には控訴の利益がなく、控訴しても補正不能な不適法として却下されます。
Q7控訴期間の起算日はいつですか?
判決書または調書の送達を受けた日の翌日です(民訴285条)。判決言渡日ではなく送達日が基準で、末日が休日なら翌平日まで延びます。
Q8控訴 期限 過ぎた 救済はありますか?
自分の責めに帰せない事由で期間を守れなかった場合、その事由の消滅後1週間以内に訴訟行為の追完を主張できる余地があります(民訴97条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴って、とりあえず出しておいて、理由は後から考えればいいんですか?
はい、控訴状自体に控訴理由を詳しく書く必要はなく、まず期間内に控訴を提起することが最優先です(民訴286条)。控訴理由書は控訴提起後50日以内に提出すれば足ります(民事訴訟規則182条)。実務のポイント:弁護士が控訴を受けると、まず期限だけ押さえて控訴状を出し、理由は後でじっくり書きます。素人ほど『理由が固まってから』と待って2週間を逃す。順番が逆です。迷ったらまず出す、が鉄則
Q2口頭弁論を開かないで判決するって、言い分も聞かずに負けにされるってことですか?
それは入口要件を満たさない不適法な控訴に限った話です。控訴期間の徒過のように補正できない不備があるとき、控訴裁判所は審理を開かず書面だけで却下できます(民訴290条)。中身が適法な控訴は、通常どおり口頭弁論が開かれます。実務のポイント:『口頭弁論を経ないで却下できる』は『却下しなければならない』ではありません。裁判所には裁量があり、微妙なケースでは弁論を開くこともある。ただし期間徒過のような明白な不適法では、まず弁論なしで切られると考えておくべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴すれば必ず口頭弁論が開かれ、もう一度話を聞いてもらえる」と思い込んでいる人が多いが、不適法で補正できない控訴は、弁論を一切開かずに却下される。法廷に立つ前に終わる道が、制度の中に用意されている
- 控訴期間が2週間だということは知っていても、それが「不変期間」で原則として一切延長できないという深刻さを、多くの人は分かっていない。一日の遅れと一週間の遅れに差はなく、どちらも等しく致命傷になる
- 「控訴の中身さえ正しければ、期限は多少融通がきくはずだ」と問いを立てる人がいるが、その問いの立て方自体が誤っている。290条は中身を一切見ない。入口要件(適法性)と本案(中身の当否)は完全に別レイヤーで、前者を外せば後者は審理すらされない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象とする不備 | 民訴290条:不適法かつ補正不能(期間徒過・控訴の利益欠如等) | 民訴288条:控訴状の方式違反・印紙不足(補正可能) 民訴140条:第一審の不適法な訴え(補正不能) |
| 判断の主体・形式 | 控訴裁判所が判決で却下 | 裁判長が命令で補正・却下 第一審裁判所が判決で却下 |
| 口頭弁論 | 経ないで却下できる | 命令手続のため弁論なし 経ないで却下できる |
| 救済の余地 | 民訴97条の追完(責めに帰せない事由) | 期間内に補正すれば適法 上訴で適法性を争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
上訴が不合法でその不備を補正できないときは裁定で駁回する。日本と同様、入口要件の欠缺を本案に先立って処理する構造
부적법한 항소로서 흠을 보정할 수 없는 경우 변론 없이 판결로 각하할 수 있다. 日本法と近い手続構造
不適法な控訴は口頭弁論を経ず決定(Beschluss)で却下する。日本が判決形式なのに対しドイツは決定形式という差はあるが、弁論省略の発想は共通
期限内の上訴申立てを管轄事項(jurisdictional)とし、徒過した上訴は救済の余地なく却下。期間徒過を入口で切る点で機能的に類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 判決書を受け取ったのが先週の金曜。控訴したいが、今日で何日経った? 2週間の不変期間は土日も祝日も数える。気づいたら過ぎていた、では取り返しがつかない。あと数日で、あなたの控訴権は永久に消える
- あなたが一審で勝った側。相手が控訴してきたが、控訴状の提出が控訴期間を過ぎている。慌てる必要はない。控訴裁判所は口頭弁論すら開かず却下し、一審判決はそのまま確定する
- 一審であなたの請求が全部認められた(全部勝訴)。なのに「本当はもっと取れたはず」と控訴した。だが全部勝った側には控訴の利益がない。これは補正できない不備で、口頭弁論なしに却下される。勝ったのに控訴する、という発想自体が入口で止まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決書(または調書)の送達を受けた日を確定、ここが起算点(民訴285条)2. 送達日の翌日から2週間を計算、これは不変期間で原則延長不可、末日が休日なら翌平日まで3. 控訴理由が固まっていなくても、まず控訴状を第一審裁判所に提出して期間を守る、理由は後から控訴理由書で追える4. 手数料の印紙や必要書類の不備があれば、裁判長の補正命令に即応5. 期間を過ぎてしまった場合は、自分の責めに帰せない事由があれば訴訟行為の追完(民訴97条)を主張できる余地があるか、すぐ弁護士に相談
訴えられた側:1. 相手の控訴状の提出日と、相手が判決書送達を受けた日を照合し、控訴期間内かを確認2. 期間徒過・方式違反・控訴の利益の欠如など不適法事由があれば、それを書面で指摘し不適法却下を求める3. 控訴が適法なら、一審判断の維持を求める本案の反論を準備4. 不適法却下は口頭弁論を経ずに決まり得るので、早い段階で適法性の問題点を書面で突くことが勝負
時効(請求できる期限):控訴期間は判決書または調書の送達を受けた日から2週間の不変期間(民訴285条)。この期間内に控訴を提起しないと控訴権が消滅し一審判決が確定する。期間内に提起しても不適法で補正不能なら290条で却下。当事者の責めに帰すことのできない事由で期間を守れなかった場合は、その事由が消滅した後1週間以内に追完できる(民訴97条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:控訴の適法要件は職権調査事項であり、補正できない不適法(控訴期間の徒過、控訴の利益の欠如等)については、口頭弁論を経ないで判決により控訴を却下できる。補正可能な不備は補正命令による救済が先行する、という二段構えで手続保障と迅速性を調整する。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文番号が再編され、現行290条として整理。不適法かつ補正不能な控訴を口頭弁論を経ずに判決で却下できる枠組みを明文で維持した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法から条文番号が再編され、現行290条として整理。不適法かつ補正不能な控訴を口頭弁論を経ずに判決で却下できる枠組みを明文で維持した
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化を中心とする改正。控訴審手続全体のデジタル対応が進められたが、不適法却下の基本枠組み自体は維持されている
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