民事訴訟法 第87条の2(映像と音声の送受信による通話の方法による口頭弁論等)
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- 裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、口頭弁論の期日における手続を行うことができる。
- 2.裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、審尋の期日における手続を行うことができる。
- 3.前二項の期日に出頭しないでその手続に関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなす。
この条文の基本情報
映像と音声の送受信による通話の方法による口頭弁論等とは何ですか?
定義映像と音声の送受信による通話の方法による口頭弁論等とは、民事訴訟法第87条の2に定められた規定で、「裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第87条の2(映像と音声の送受信による通話の方法による口頭弁論等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第87条の2の条文原文は「裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しな…」で始まります。
- 民事訴訟法第87条の2は第一節 訴訟の審理等に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第87条の2の前の条は民事訴訟法第87条です。
- 民事訴訟法第87条の2の次の条は民事訴訟法第88条です。
- 民事訴訟法第87条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第87条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第87条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/87_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法87条の2は、裁判所が相当と認めるとき、当事者の意見を聴いてウェブ会議の方法で口頭弁論期日の手続を行えると定める。ウェブで関与した当事者は出頭したものとみなされる。
Q · 裁判の口頭弁論って、自宅からウェブ会議で参加できるんですか?
裁判所が認めれば、ウェブ会議で参加できます
民事訴訟法87条の2により、裁判所が相当と認め、当事者の意見を聴いたうえで、映像と音声を双方向でやりとりするウェブ会議の方法で口頭弁論期日の手続を行えます(第1項)。審尋は音声のみの方法でも可能です(第2項)。そしてウェブで関与した当事者は、その期日に出頭したものとみなされます(第3項)。ただし、利用するかどうかを決めるのは裁判所の裁量で、当事者にあるのは意見を述べる権利です。希望は早期に裁判所(書記官)へ伝えるのが実務上有効です。
解説
福岡に住むあなたが、東京地裁に訴えられたとする。かつてなら口頭弁論期日のたびに新幹線で往復し、出廷のために一日仕事を休んだ。その百年来の常識を、令和4年(2022年)改正で新設された民事訴訟法87条の2が覆した。裁判所が相当と認めれば、当事者の意見を聴いたうえで、映像と音声を双方向でやりとりするウェブ会議の方法で口頭弁論期日の手続を行える。しかも第3項は、出頭せずにウェブで関与した当事者を『出頭したものとみなす』と定める。つまり画面越しの参加が、法律上、法廷に立ったのと同じ効果を持つ。日本の裁判所は実際に Microsoft Teams を使ってこの期日を運用している。あなたが押さえるべきは、これが裁判所の裁量だという点だ。あなたが望んでも、相手が望んでも、最後に『相当』と判断するのは裁判所であり、あなたにできるのは意見を述べることだ。同意権ではなく、意見を言う権利。ここを取り違えると期待が外れる。
法的な位置づけ
民事訴訟法87条の2は、口頭弁論および審尋の期日をウェブ会議の方法で行うことを認める規定である。第1項は口頭弁論を映像と音声の双方向送受信により、第2項は審尋を音声送受信により行えるものとし、第3項はこれらの方法で関与した当事者を出頭したものとみなすと定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の出頭負担を整理する 訴状や呼出状を受け取ったら、距離・交通費・宿泊費・休業損害・健康状態など、自分の出頭負担を具体的に書き出す。裁判所が「相当」と判断する材料になる
- 2.ウェブ会議の希望を早期に伝える 第1回期日や進行協議の場など、期日の進め方が固まる前に、ウェブ会議を希望する旨を裁判所(書記官)へ伝える。口頭で流さず、進行に関する意見として記録に残す
- 3.接続テストと本人確認の準備をする 認められたら、最高裁規則に従い接続テストの機会を書記官に依頼し、カメラ・マイク・安定した通信環境を整える。本人確認の方法も事前に確認する
- 4.通信トラブル時の対応を確認しておく 接続不良で不利益が出ないよう、トラブル時に期日を中断・再設定する手順を事前に裁判所と確認する。当日は予備の通信回線を用意しておくと安心
よくある質問 AI による整理
Q1ウェブ会議で裁判をするかは誰が決めますか?
裁判所が決めます。民訴87条の2は「裁判所が相当と認めるとき」「当事者の意見を聴いて」と定め、当事者にあるのは意見陳述権で、同意権や決定権ではありません。
Q2口頭弁論のウェブ会議はいつから始まりましたか?
令和4年(2022年)改正で87条の2が新設され、口頭弁論のウェブ会議は令和6年(2024年)3月1日に施行されました。それ以前から弁論準備手続では運用されていました。
Q3ウェブ会議の期日を希望するにはどうすればいいですか?
裁判所(書記官)へ早期に希望を伝えます。期日の進行が固まる前ほど認められやすく、遠隔地居住・業務多忙・療養中などの具体的事情を示すのが有効です。
Q4審尋もウェブ会議でできますか?
できます。ただし第2項により審尋は音声の送受信(電話会議)で足ります。映像が必須の口頭弁論(第1項)とは認められる通信方法が異なります。
Q5ウェブ参加は欠席扱いで不利になりますか?
なりません。第3項が「出頭したものとみなす」と定めるため、画面越しの参加でも法的には出頭と同じ効果で、陳述も有効です。
Q6海外からウェブ会議で日本の裁判に参加できますか?
条文の射程には入りますが、国外からの参加は送達や最高裁規則上の制約が絡むため、事前に裁判所との協議が前提になります。
Q7ウェブ会議の裁判は何のソフトを使いますか?
日本の裁判所は主に Microsoft Teams で運用しています。招待を受けて接続し、安定した通信環境とカメラ・マイクが必要です。
Q8ウェブ会議だと公開の裁判ではなくなりますか?
なりません。審理自体は法廷で行われ、傍聴は法廷でできます。当事者だけが遠隔で参加し、憲法82条の公開原則は維持されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ウェブ会議って、自分のスマホやパソコンならどれでも使えるんですか?
裁判所は主に Microsoft Teams で運用しており、招待を受けて接続します。スマホでも参加できますが、本人確認や画面共有の都合上、安定した通信環境とカメラ・マイクが要ります(87条の2第1項)。実務のポイント:裁判所は事前に接続テストの機会を設けることが多い。ぶっつけ本番で当日に接続トラブルを起こすと心証に響くので、書記官に事前テストを頼んでおくのが実務の定石。これを知る当事者と知らない当事者で、当日の落ち着きがまるで違う
Q2ウェブで参加したら傍聴人から見られない、公開の裁判じゃなくなるのでは?
口頭弁論は憲法82条で公開が原則です。当事者がウェブで参加しても、審理自体は法廷で行われ、傍聴は法廷でできる建て付けです(87条の2第1項)。当事者だけが遠隔で、公開性は維持されます。実務のポイント:審尋(2項)はもともと非公開の手続だから音声のみで足り、口頭弁論は公開原則があるから映像+音声が要求される。この『公開かどうか』こそ、手続によって通信方法が違う本当の理由。条文を丸暗記しても見えてこない設計思想がここにある
間違えやすい点 AI による整理
- 「ウェブ会議を使うかどうかは自分で決められる」と考えて申出を準備する人がいるが、問いの立て方が誤っている。条文は『裁判所が相当と認めるとき』『当事者の意見を聴いて』と定める。あなたが決めるのではなく、あなたは意見を述べ、裁判所が決める。同意権ではなく意見陳述権だと頭を切り替えないと、申し出れば必ず通ると思い込んで足をすくわれる
- 口頭弁論はウェブでできると知っていても、第2項の審尋は『音声のみ』(電話会議)で足りる点まで意識している人は少ない。手続の種類によって認められる通信方法が違う。口頭弁論は映像+音声、審尋は音声のみ。この差を知らないと、どの期日でどこまで省力化できるかを読み違える
- 「ウェブ参加は出頭していないから欠席扱いで不利になる」と思われがちだが、第3項は明確に『出頭したものとみなす』と定める。画面越しの参加は法的に出頭と同じ。陳述は有効で、対面より不利になることはない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象手続 | 87条の2:口頭弁論・審尋の期日をウェブ会議/音声で実施 | 87条:口頭弁論の必要性(原則対面) 204条:映像等の送受信による証人尋問 |
| 通信方法 | 口頭弁論は映像+音声(1項)、審尋は音声のみ(2項) | 法廷での口頭弁論 映像と音声の送受信 |
| 出頭の扱い | ウェブ関与でも出頭したものとみなす(3項) | 現実の出頭が原則 証人が遠隔地から尋問に応じる |
| 決定権者 | 裁判所が相当と認め、当事者の意見を聴いて決定 | 法定の口頭弁論主義 裁判所が相当と認める場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は商業事件審理法で遠距視訊審理を認め、証人等の遠距訊問も整備。科技設備による審理を相当性判断のもとで認める点で日本と方向性が近い
韓国も映像中継装置による期日・尋問を法定。当事者の事情と裁判所の判断を要件とする枠組みは日本と類似する
ドイツは早くから映像・音声送受信による口頭弁論を認める規定を持ち、裁判所の裁量で当事者・代理人の遠隔参加を許す。日本の87条の2はこの系統に連なる現代的整備
米国は正当事由(good cause)と適切な保護措置があれば別の場所からの同時中継による証言等を認める。公開・対面の原則を前提に例外として遠隔を許す構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが地方在住で東京の裁判所に呼び出されたとしたら? 次回期日まであと10日。新幹線代と宿泊費、休業損害で一回あたり数万円、それが何度も続く。ウェブ会議を申し出れば自宅やオフィスから参加できる可能性がある。だが申出のタイミングを逃すと、裁判所はそのまま対面で進めてしまう
- あなたが原告で、相手方(被告)がウェブ会議を希望している。相手の表情や反応を直接見られないことに不安を覚える。だが意見を述べる権利はあなたにもある。直接主義の観点から対面が望ましいと裁判所に伝えることもできる。決めるのはあなたでも相手でもなく、双方の意見を聴いた裁判所だ
- 離婚調停が不調に終わり訴訟へ移った。相手と同じ法廷の空気を吸いたくない。ウェブ会議なら別々の画面から参加できる。DV事案では、この一点が出廷できるかどうかを分ける。
- 海外赴任中に日本で訴訟の当事者になった。帰国せずに口頭弁論へ参加できるかが87条の2の射程に入る。ただし国外からの参加は送達や規則上の制約が絡むため、裁判所との事前協議が前提になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴状や呼出状を受け取ったら、自分の出頭負担(距離・費用・時間・健康)を整理し、ウェブ会議を希望する旨を早期に裁判所(書記官)へ伝える2. 希望は口頭で流さず、書面や進行に関する意見として記録に残す3. 裁判所が『相当』と判断する材料(遠隔地居住、業務多忙、療養中など)を具体的に示す4. 認められたら、最高裁規則に従い接続テストと本人確認の準備をし、安定した通信環境を整える
訴えられた側:1. 相手方がウェブ会議を希望し、あなたが対面を望むなら、その理由(直接主義の重視、相手の真意確認、証拠の取扱い)を意見として裁判所に述べる2. ただし最終判断は裁判所の裁量で、ウェブ会議を一方的に拒否する権利はないと理解する3. ウェブで進むことになっても、画面越しの陳述は有効(3項)なので対面と同じ準備をする4. 通信トラブルで不利益が出ないよう、接続不良時の対応を事前に裁判所と確認する
時効(請求できる期限):ウェブ会議の申出自体に法定の期限はないが、期日の進行が固まる前ほど認められやすい。なお口頭弁論期日に正当な理由なく欠席し、ウェブでも参加しなければ、擬制陳述(民事訴訟法158条)や不利益な進行を受けるリスクがあるため、各期日ごとに早めの対応が必要(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:87条の2は、出頭負担の軽減による司法アクセスの拡大と、憲法82条の公開原則・直接主義との緊張を、(1)裁判所が相当と認めるときに限る裁量、(2)当事者の意見聴取、(3)審理自体は法廷で行いつつ出頭方法のみ柔軟化する、という三段階の絞りで調整したものと理解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)新設 民事訴訟手続のIT化(デジタル化)改正により新設。口頭弁論期日を映像+音声のウェブ会議で、審尋期日を音声送受信の方法で行えるようにし、ウェブで関与した当事者を出頭擬制した。口頭弁論のウェブ会議は令和6年(2024年)3月1日に施行された
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正(平成8年法律第109号)により現行民訴法が成立。本条はこの時点では存在しない。
- 2.令和4年(2022年) 新設:民事訴訟手続のIT化(デジタル化)改正(令和4年法律第48号)により87条の2を新設。口頭弁論をウェブ会議で、審尋を音声送受信で行えるようにし、ウェブ関与の当事者を出頭擬制した。
- 3.令和6年(2024年) 改正:口頭弁論のウェブ会議に関する規定(第1項・第3項関係)が令和6年3月1日に施行され、実務運用が本格化した。
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