民事再生法 第107条(異議等のある再生債権に関する訴訟の受継)
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- 異議等のある再生債権に関し再生手続開始当時訴訟が係属する場合において、再生債権者がその内容の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。
- 2.第百五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。
この条文の基本情報
異議等のある再生債権に関する訴訟の受継とは何ですか?
定義異議等のある再生債権に関する訴訟の受継とは、民事再生法第107条に定められた規定で、「異議等のある再生債権に関し再生手続開始当時訴訟が係属する場合において、再生債権者がその内容の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第107条(異議等のある再生債権に関する訴訟の受継)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第107条の条文原文は「異議等のある再生債権に関し再生手続開始当時訴訟が係属する場合において、再生債権者がその内容の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、…」で始まります。
- 民事再生法第107条は第三節 再生債権の調査及び確定に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第107条の前の条は民事再生法第106条です。
- 民事再生法第107条の次の条は民事再生法第108条です。
- 民事再生法第107条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第107条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第107条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/107
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法107条は、異議のある再生債権について再生手続開始当時に訴訟が係属していた場合、再生債権者は異議者等の全員を相手方として訴訟手続の受継を申し立てなければならないと定める。
Q · 取引先と裁判している最中に相手が民事再生を申し立てたら、その訴訟はどうなるの?
係属中なら訴訟を受継して債権を確定させます
民事再生法107条により、再生手続開始当時に訴訟が係属していた再生債権に異議が出た場合、再生債権者は査定の申立て(105条)ではなく、係属中の訴訟を受継して債権内容を確定させます。ただし異議者等の全員を相手方にする必要があり、一人でも漏らすと申立ては不適法として却下されるおそれがあります。さらに105条2項の準用により、受継の申立ては調査期間末日から1か月の不変期間内に行わなければならず、この期限は裁判所の裁量でも延ばせません。
解説
取引先に貸した金、納品した商品の代金をめぐって訴訟を起こしていた。その最中に、相手が民事再生を申し立てた。普通の感覚なら「裁判はどうなるんだ」と慌てる。ここで知っておくべきは、その係属中の訴訟は消えないという点だ。民事再生では、あなたの債権が認められるかどうかは「債権調査」で決まる。そこで再生債務者や他の債権者から異議が出ると、あなたは自分の債権額を確定させるために動く必要がある。普通は「査定の申立て」という簡易手続だが、再生手続が始まった時点で既に訴訟が係属していた場合、ゼロからやり直すのではなく、その訴訟を「受継」して続ける。しかも相手は元の被告だけではない。異議を述べた者全員を相手方にしなければならない。そして105条2項が準用され、調査期間末日から1か月の不変期間という鉄の締切がかかる。この一手を打ち損ねると、訴訟で勝てたはずの債権が、配当の対象から外れる。
法的な位置づけ
民事再生法107条は、異議等のある再生債権について再生手続開始当時に訴訟が係属していた場合の債権確定方法を定める規定である。再生債権者は、査定の申立て(105条)ではなく、異議者等の全員を相手方として係属中の訴訟手続を受継し、その訴訟の中で債権内容を確定させる。105条2項の準用により、受継の申立ては調査期間末日から1か月の不変期間内に行う必要がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.係属中の訴訟を棚卸し 取引先が民事再生を申し立てたら、その相手方との間に再生手続開始当時から係属している訴訟があるか即座に洗い出す。係属の有無で受継か査定申立てかルートが分かれるため、債権ごとに一覧表を作る
- 2.債権届出と異議の確認 債権届出を期限内に提出し、債権調査における異議の有無を監督委員・再生債務者に確認する。異議者等が誰かを債権調査の記録(104条)で特定し、書面で確定させる
- 3.調査期間末日から締切を逆算 異議が出た場合、調査期間(一般または特別)の末日を起算点として1か月の不変期間をカレンダーに赤で記入する。異議の連絡を待たず、調査スケジュールを先回りで押さえて起算日を把握する
- 4.異議者等の全員を相手方に受継申立て 1か月の不変期間内に、異議者等の全員を相手方として係属中の訴訟手続の受継を申し立てる(107条・105条2項準用)。相手方が一人でも漏れると却下されるため、確定した異議者リストと照合する
- 5.受継後の訴訟で主張制限に注意 受継した訴訟では108条の主張制限を踏まえて防御・立証を組み立てる。確定判決は全再生債権者に効力が及ぶ(110条)ため、和解や認諾は他の債権者の配当への影響を考慮する
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生の訴訟の受継とは何ですか?
再生手続開始当時に係属していた訴訟を、再生債権者が引き継いで債権内容を確定させる手続です。査定の申立てとは別ルートで、民事再生法107条が定めます。
Q2受継の申立てはいつまでにすればよいですか?
調査期間(一般または特別)末日から1か月の不変期間内です(107条2項・105条2項準用)。起算点は調査期間末日で、異議を知った日ではありません。
Q3受継申立ての不変期間は延長できますか?
できません。不変期間は裁判所の裁量による伸長が認められない鉄の期限で、事情説明による猶予も通用しません。
Q4査定の申立てと訴訟の受継はどう違いますか?
未係属の債権は簡易な査定申立て(105条)、開始前から訴訟係属中の債権は受継(107条)です。係属の有無でルートが分岐します。
Q5民事再生に入った取引先から売掛金は回収できますか?
債権届出と債権調査を経て確定すれば、再生計画に従い一部が配当されます。訴訟係属中なら受継を怠らないことが回収の前提です。
Q6異議者等とは誰を指しますか?
再生債務者のほか、届出債権に異議を述べた監督委員や他の届出債権者を含みます。債権調査の記録(104条)で確認します。
Q7受継の相手方が一人漏れたらどうなりますか?
異議者等の全員を相手方にしないと申立ては不適法として却下されるおそれがあります(107条1項)。事前に異議者リストの確定が必須です。
Q8破産と民事再生で債権確定手続は違いますか?
構造は類似し、破産にも同旨の受継規定(破産法127条)があります。ただし手続の名称・期間・監督機関の扱いに差があるため個別確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先と訴訟中なんですが、相手が民事再生を申し立てました。私の裁判はどうなるんですか?
再生手続開始で訴訟は中断します。あなたの債権に異議が出た場合、調査期間末日から1か月の不変期間内に異議者全員を相手方として受継を申し立てれば、その訴訟が債権確定の場として続きます(107条、105条2項準用)。実務のポイント:弁護士でも倒産専門でないと、この中断から受継への切替えと不変期間を見落とすことがある。一般の民事の感覚で「次回期日まで待とう」と構えていると締切を踏む。倒産が絡んだ瞬間、係属訴訟は別の時計で動き始めると考えるべき
Q2異議を出したのが管財人みたいな人と、別の債権者の二人いました。両方を相手にしないとダメですか?
はい、異議者等の全員を相手方にしなければなりません(107条1項)。一人でも漏らすと申立ては不適法として却下されるおそれがあります。実務のポイント:誰が異議者等に当たるかは、債権調査の記録(104条)を確認しないと正確に拾えない。再生債務者・監督委員・他の届出債権者など複数になり得る。受継申立て前に異議者リストを書面で取り寄せて確定させるのが実務の鉄則で、ここを口頭確認で済ませると後で当事者の漏れが発覚する
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判中なんだから、相手が倒産しても訴訟をそのまま続ければいい」と思いがちだが、違う。再生手続が始まると訴訟は中断し、あなたが受継の申立てをして異議者全員を相手方にしない限り、止まったままだ。放置すれば1か月の不変期間が過ぎ、債権確定の道が閉じる
- 受継申立てが必要なことは知っていても、その締切が「不変期間」である重みを知らない人が多い。不変期間は裁判所の裁量でも延ばせない鉄の期限。「少し遅れても事情を説明すれば」が通用しない、数少ない期限の一つだ
- 「誰を被告にするか」を従来の訴訟相手で考えるのが、そもそも間違い。問うべきは「誰が異議を述べたか」。異議者が再生債務者以外に複数いれば、その全員が相手方になる。一人でも漏らせば申立ては不適法として却下される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 107条:開始当時に訴訟が係属していた異議ある再生債権 | 105条:訴訟未係属の異議ある再生債権(査定の申立て) 106条:査定決定に不服がある場合(異議の訴え) |
| 手続の性質 | 係属中の訴訟を受継して債権確定の場とする | 裁判所への簡易な査定申立て 査定決定後の通常訴訟 |
| 相手方 | 異議者等の全員(一人漏れると却下) | 査定申立ての相手方構成による 査定決定の当事者間 |
| 期限 | 調査期間末日から1か月の不変期間(105条2項準用) | 調査期間末日から1か月の不変期間(105条2項) 査定決定送達から1か月の不変期間(106条) |
他国ではどう定めているか 3 か国
韓国の債務者回生法も、回生債権の調査で異議が出た場合の確定手続を定め、係属訴訟の受継的処理を認める点で日本と類似。
ドイツ倒産法も、争いある債権について倒産手続開始時に係属していた訴訟は受継(Aufnahme)により確定させる構造をとり、日本の受継規定と同旨。
米国連邦倒産法は claim objection を通じて債権の allowance を決するが、係属中の州裁判所訴訟の扱いは automatic stay(§362)と relief 手続で調整され、日本の受継とは構造が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先と売掛金訴訟の真っ最中、相手が民事再生を申し立てた。あなたの債権に監督委員が異議を出した。残された時間は調査期間末日から1か月。受継申立てを忘れたら、勝てる訴訟もろとも債権が宙に浮く。明日、申立書のドラフトを始めなければ間に合わない
- あなたが再生債務者側、または監督委員だとして、過大な債権を主張する原告がいる。その債権は再生手続開始前から訴訟係属中だった。あなたは異議を述べた。すると相手は受継申立てで訴訟をあなたに引き継がせてくる。あなたも当事者として防御線を張り直すことになる
- 債権者が複数の異議者のうち一人だけを相手に受継申立てをした。却下。全員を相手にしなければ申立て自体が不適法だ
- もし、あなたの会社が複数の取引先に訴訟を抱えたまま、その一社が再生に入ったら? 各債権ごとに、訴訟係属の有無で受継か査定申立てかルートが分かれる。一覧表を作らないと、どれが1か月の締切に乗っているか見落とす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が再生を申し立てたら、その相手と係属中の訴訟があるか即座に棚卸し2. 債権届出を期限内に提出し、債権調査での異議の有無を監督委員・再生債務者に確認3. 異議が出たら、調査期間末日から1か月の不変期間内に、異議者全員を相手方として訴訟手続の受継を申し立てる(105条2項準用) 4. 未係属の債権は受継ではなく査定申立てルート、混同しないこと
訴えられた側:1. あなたが再生債務者または監督委員として債権に異議を述べる側なら、その債権が開始前から訴訟係属していないか先に確認2. 係属していれば、相手は受継申立てであなたを訴訟相手方に引き込む。元の被告でなくても当事者になる3. 受継後の訴訟では108条の主張制限に注意、債権調査で述べた異議の範囲を踏まえて防御を組む4. 確定判決は全再生債権者に効力が及ぶ(110条)、安易な認諾は他の債権者の配当を削る
時効(請求できる期限):第百五条第二項の準用により、一般調査期間(または特別調査期間)の末日から一月の不変期間内に受継の申立てをしなければならない。不変期間のため裁判所の裁量による伸長は不可。起算点は調査期間末日であり、異議を知った日ではない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:再生手続開始前から訴訟が係属していた異議ある再生債権は、簡易な査定手続に押し込まず、既存訴訟を受継して確定させるのが手続保障と集団的迅速処理の調和として妥当とされる。異議者等の全員を相手方とする要件は、確定判決の対世効(110条)を正当化する手続的基盤と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。旧和議法に代わる再建型倒産手続として、係属訴訟の受継と査定申立てを分岐させる債権確定の枠組みを整備した。
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