民事再生法 第105条(再生債権の査定の裁判)
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- 再生債権の調査において、再生債権の内容について再生債務者等が認めず、又は届出再生債権者が異議を述べた場合には、当該再生債権(以下「異議等のある再生債権」という。)を有する再生債権者は、その内容の確定のために、当該再生債務者等及び当該異議を述べた届出再生債権者(以下この条から第百七条まで及び第百九条において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に査定の申立てをすることができる。ただし、第百七条第一項並びに第百九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。
- 2.前項本文の査定の申立ては、異議等のある再生債権に係る調査期間の末日から一月の不変期間内にしなければならない。
- 3.第一項本文の査定の申立てがあった場合には、裁判所は、当該申立てを不適法として却下する場合を除き、査定の裁判をしなければならない。
- 4.査定の裁判においては、異議等のある再生債権について、その債権の存否及びその内容を定める。
- 5.裁判所は、査定の裁判をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。
- 6.第一項本文の査定の申立てについての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
再生債権の査定の裁判とは何ですか?
定義再生債権の査定の裁判とは、民事再生法第105条に定められた規定で、「再生債権の調査において、再生債権の内容について再生債務者等が認めず、又は届出再生債権者が異議を述べた場合には、当該再生債権(以下「異議等のある再生債権」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第105条(再生債権の査定の裁判)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第105条の条文原文は「再生債権の調査において、再生債権の内容について再生債務者等が認めず、又は届出再生債権者が異議を述べた場合には、当該再生債権(以下「異議等のある再生債権」という。」で始まります。
- 民事再生法第105条は第三節 再生債権の調査及び確定に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第105条の前の条は民事再生法第104条です。
- 民事再生法第105条の次の条は民事再生法第106条です。
- 民事再生法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法105条は、異議等のある再生債権について、当該債権者が調査期間の末日から一月の不変期間内に、異議者等の全員を相手方として裁判所へ査定の申立てをできると定める。
Q · 取引先の民事再生でうちの債権が『認められない』と言われたら、もう回収できないの?
査定の申立てで争える。期限は一月の不変期間
回収の機会を諦める必要はありません。民事再生法105条により、再生債務者等が認めず、または他の届出債権者が異議を述べた「異議等のある再生債権」を持つ債権者は、異議者等の全員を相手方として裁判所に査定の申立てができます。裁判所は却下事由がなければ査定の裁判をし、債権の存否と内容を定めます(3項・4項)。ただし申立ては調査期間の末日から一月の不変期間内に限られ(2項)、この期限を過ぎると理由を問わず不適法として却下されます。査定に不服があれば送達から一月以内に異議の訴え(106条)を起こせます。
解説
取引先が民事再生を申し立てた。あなたは売掛金500万円の債権を届け出た。ところが裁判所から届いた通知に「再生債務者が認めず」と書かれている。ここで多くの債権者が固まる。何をどの順番でやればいいのか分からないまま、日付だけが過ぎていく。これが命取りだ。民事再生法105条は、届け出た再生債権の内容について再生債務者等が認めない、または他の届出債権者が異議を述べた場合、その債権者は「査定の申立て」を裁判所にできると定める。しかも調査期間の末日から一月の不変期間以内。この期限を一日でも過ぎれば、あなたの債権は確定の道を失う。査定は通常の訴訟より速い決定手続だが、放置すれば500万円が紙くずになる。動くか、消えるか、判断のタイムリミットはあなたが思うより短い。
法的な位置づけ
民事再生法105条は再生債権の査定の申立てを定める規定であり、再生債権の調査において再生債務者等が認めず、又は届出再生債権者が異議を述べた異議等のある再生債権について、その内容確定のため、当該再生債権者が異議者等の全員を相手方として裁判所に査定を求める簡易迅速な決定手続を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.調査期間の末日を確認し一月をカウント 裁判所からの通知が届いたら、まず異議等のある再生債権に係る調査期間の末日を確認する。そこから一月の不変期間を逆算し、査定の申立て期限をカレンダーと手帳に記入する。不変期間は延長できないため、この一手を最優先で行う
- 2.認められなかった理由を特定 調査結果の記載(104条)を取り寄せ、なぜ認められなかったのか(金額の過大、債権の存否、弁済済み、相殺など)を特定する。理由を絞り込むことで、査定で主張すべき争点を一点に集中できる
- 3.債権の証拠を時系列で固める 契約書、注文書、納品書、請求書、入金履歴を時系列で整理する。査定手続は書面審理が中心で、最初に提出する資料の完成度がそのまま結論に響く。後出しは効きにくいので、一月の前半で証拠を完成させる
- 4.異議者等の全員を相手方として査定の申立てを提出 再生債務者等および異議を述べた届出再生債権者、すなわち異議者等の全員を相手方として、調査期間の末日から一月の不変期間内に裁判所へ査定の申立書を提出する。相手方に漏れがあると不適法になり得るため、異議者等の範囲を正確に確認する
- 5.審尋・査定の裁判に備え、不服なら異議の訴えを準備 裁判所は査定前に異議者等を審尋する(5項)。査定の裁判書が送達されたら内容を確認し、結論に不服があれば送達日から一月以内に異議の訴え(106条)を提起する。査定はゴールではなく中間地点であることを意識する
よくある質問 AI による整理
Q1再生債権の査定の申立てとは何ですか?
再生手続で届け出た債権が認められなかったとき、その存否と内容を裁判所に判断してもらう手続です。民事再生法105条が根拠で、通常訴訟より速い決定手続です。
Q2査定の申立ての期限はいつまでですか?
異議等のある再生債権に係る調査期間の末日から一月の不変期間内です(105条2項)。不変期間のため裁判所でも延長できず、一日過ぎると不適法却下となります。
Q3不変期間とは何ですか?
裁判所の裁量でも伸縮できない絶対の期限を指します。査定の申立て期間はこれに当たり、徒過すれば理由を問わず却下され、債権確定の機会を失います。
Q4査定の申立ては誰を相手方にしますか?
認めなかった再生債務者等および異議を述べた届出再生債権者、すなわち異議者等の全員を相手方とします(105条1項)。一部を欠くと不適法になり得ます。
Q5査定の裁判で何が決まりますか?
異議等のある再生債権について、その債権の存否と内容が定められます(105条4項)。裁判所は査定前に異議者等を審尋しなければなりません(5項)。
Q6査定の申立てをしないとどうなりますか?
一月の不変期間を徒過すると、その再生債権は確定のための手続を失います。放置は事実上の回収放棄につながるため、通知到達後すぐ動く必要があります。
Q7すでに訴訟が続いている債権も査定の申立てが必要ですか?
訴訟係属中の債権は査定ではなく訴訟の受継(107条)で処理します。査定申立ての例外に当たるため、手続の入口を取り違えないことが重要です。
Q8査定の裁判書はどう届きますか?
査定の申立てについての裁判があると、その裁判書が当事者に送達されます(105条6項)。この送達日が異議の訴え(106条)の一月の起算点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が民事再生して、うちの売掛金が『認められない』と言われました。泣き寝入りですか?
泣き寝入りする必要はありません。調査期間の末日から一月以内に裁判所へ査定の申立て(105条)をすれば、債権の存否と金額を裁判所が判断してくれます。通常の訴訟より速い決定手続です。実務のポイント:多くの債権者は『認められない』の通知で諦めますが、査定の申立てをしないまま期間が過ぎると、その時点で確定の機会が消えます。逆に言えば、相手は『放置してくれれば儲けもの』と考えている。動いた債権者だけが回収の土俵に残る
Q2査定で勝てば、それで確定ですか?
必ずしもそうではありません。査定の裁判に不服がある当事者は、決定の送達から一月以内に異議の訴え(106条)を起こせます。訴えが出れば本格的な訴訟に移行し、査定の結論はそこで覆る可能性があります。実務のポイント:査定はあくまで簡易迅速な第一関門。相手が異議の訴えを起こす体力(弁護士費用と時間)があるかどうかで、査定で実質決着するか長期戦になるかが読める。相手の規模と本気度を見て、和解のタイミングを計るのが実務の勘どころ
間違えやすい点 AI による整理
- 「再生手続が始まったら、あとは裁判所と監督委員に任せておけばいい」と考える債権者が多い。だが問いの立て方が間違っている。届け出た債権が認められなかったとき、動くのはあなた自身だ。裁判所があなたの代わりに査定を申し立ててはくれない
- 査定の申立ては「都合がつき次第すればいい」と思われがちだが、調査期間の末日から一月の不変期間という厳格な締切がある。不変期間とは、裁判所の裁量でも延ばせない絶対の期限。一日遅れれば理由を問わず不適法として却下される
- 査定の決定が出れば終わり、と理解している人がいる。確かに査定の裁判は出る。だがその深刻さを見落としている。査定に不服があれば、当事者は決定の送達から一月以内に異議の訴え(106条)を起こせる。査定で勝っても、相手が訴えを起こせば本格的な訴訟に移る。査定はゴールではなく中間地点だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 105条:査定の申立て(簡易迅速な決定手続) | 106条:査定に対する異議の訴え(本格訴訟) 107条:係属中の訴訟の受継 |
| 使う場面 | 異議等のある再生債権を初めて確定させたいとき | 査定の裁判の結論に不服があるとき 査定申立て時点で既に訴訟が係属しているとき |
| 期限 | 調査期間の末日から一月の不変期間(2項) | 査定の裁判書の送達から一月以内 所定の受継手続期間(107条による) |
| 判断者・帰結 | 裁判所が債権の存否と内容を決定(4項) | 判決で査定の結論が覆る可能性 従前の訴訟がそのまま確定手続として進行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では破産手続の債権申報審査、会社更生(重整)では重整債権の申報・審査で争いを処理する。争いある債権を裁判所主導で確定させる枠組みは日本と機能的に共通する。
韓国の統合倒産法は회생채권 조사확정재판を置き、異議のある会生債権を簡易な재판で確定させる。日本の査定の申立てにきわめて近い設計。
ドイツ倒産法は bestrittene Forderungen(争われた債権)について Feststellungsklage(確定訴え)で処理する。日本の査定は訴訟前置の簡易決定手続を挟む点でより迅速志向。
米連邦倒産法は claim を原則 allowed とし、objection があれば裁判所が allowance を判断する。査定という中間決定手続はなく、異議処理が直接 contested matter となる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 長年取引してきた卸先が民事再生を申し立てた。あなたは売掛金を届け出たが、再生債務者が「その金額は認められない」と争ってきた。調査期間の末日から残り三週間。この間に査定の申立てをしなければ、債権の確定の機会そのものを失う。証拠の整理と書類の準備を、今週から始めないと間に合わない
- もし、あなたが個人再生をした知人にお金を貸していて、その知人があなたの貸金を「もう一部返した」と否認してきたら、どうなる? あなたは異議者である知人を相手方として、裁判所に査定を申し立てることになる。放置すれば、貸した側のあなたが取りはぐれる
- あなたが再生債務者の立場で、水増しと思える債権届出に異議を述べた。すると相手が査定を申し立て、裁判所からあなたへの審尋通知が届く。ここで黙っていてはいけない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知が届いたら、まず調査期間の末日を確認し、そこから一月の不変期間を逆算してカレンダーに記入2. 債権の根拠資料(契約書、注文書、納品書、請求書、入金記録)を時系列で整理3. 末日から一月以内に、異議者等の全員を相手方として裁判所に査定の申立てを提出4. 裁判所の審尋に備え、争点(金額か、存否か、弁済済みか)を一点に絞って主張を準備。期間を過ぎると確定の機会を失うので、弁護士相談はカウント開始の直後に
訴えられた側:1. 査定の申立てを受けたら、裁判所からの審尋通知に必ず応じる。沈黙は不利に働く2. なぜその債権を認めなかったのか(過大請求、二重請求、弁済済み、相殺)を資料で裏付ける3. 査定の裁判に不服があれば、決定の送達から一月以内に異議の訴え(106条)を提起できる4. 既に訴訟が係属していた債権なら、査定ではなく訴訟の受継(107条)の問題になるため、手続の入口を間違えない
時効(請求できる期限):査定の申立ては、異議等のある再生債権に係る調査期間の末日から一月の不変期間内(105条2項)。不変期間のため裁判所の裁量で延長されず、一日でも過ぎれば不適法却下。査定の裁判に対する異議の訴えは、決定の送達日から一月以内(106条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:民事再生法105条の査定手続は、多数の再生債権を短期間で確定させる要請に応えるための簡易迅速な決定手続であり、書面審理を中心としつつ異議者等の審尋(5項)で最低限の手続保障を確保する。査定で確定するのではなく、不服があれば異議の訴え(106条)による本格訴訟に移る二段構えと理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)制定に伴い新設。従来の和議法を全面的に置き換え、再建型倒産手続における争いある再生債権の確定手続として、簡易迅速な査定の申立て制度を設けた。
- 民事再生法 第100条再生債権の届出、査定手続の前提
- 民事再生法 第104条再生債権の調査結果の記載、異議の有無の確定
- 民事再生法 第106条査定の裁判に対する異議の訴え
- 民事再生法 第107条係属中の訴訟がある場合の訴訟の受継
- 民事再生法 第109条執行力ある債務名義のある債権への異議の方法
- 破産法 第125条破産手続における破産債権査定決定の並行規定
- 会社更生法 第151条会社更生手続における更生債権査定の並行規定(現行効力を要確認)
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