要点民事再生法 109 条は、執行力ある債務名義や終局判決のある再生債権について、異議者が再生債務者のなしえた訴訟手続でのみ争えると定め、立証責任を異議者側へ転換する。
Q · 判決を取った相手が民事再生に入ったら、私の債権はまた立証し直すの?
立証し直す必要はなく、争うのは異議者側です
民事再生法 109 条により、執行力ある債務名義や終局判決のある再生債権については、異議のある側(異議者等)が、再生債務者のなしえた訴訟手続(請求異議の訴えなど)によってのみ異議を主張できます。立証責任は債権者ではなく異議者へ転換されます。さらに調査期間の末日から一月の不変期間内に提起または受継しなければ、異議はなかったものとみなされ、債権はそのまま確定します。逆にあなたが異議者側なら、この一月を逃すと争う権利そのものを失います。
裁判で何年も争ってようやく勝訴の確定判決を取った。あるいは公正証書(執行認諾文言付き、すなわち執行証書)で相手の支払いを担保していた。ところが取引先が民事再生を申し立てた瞬間、あなたの債権にも「異議」が入る。ここで多くの人が誤解する。判決を取り直さなければ、また一から立証し直さなければ、と。違う。109条はそのルールをひっくり返す。確定判決や執行力ある債務名義(裁判所が強制執行を認めた公式の証書)を持つ債権については、文句がある側、つまり異議者の方が、再生債務者ができたはずの訴訟手続(請求異議の訴えなど)で攻めてこなければならない。しかも調査期間の末日から一月という不変期間(延ばせない締切)の内に。動かなければ、異議はなかったものとみなされ、あなたの債権はそのまま確定する。立証責任という重い荷物を、相手の背中に括り付ける条文だ。
民事再生法 109 条は、執行力ある債務名義または終局判決のある再生債権に対する異議の方法を定める規定である。異議者等は再生債務者がなしえた訴訟手続によってのみ異議を主張でき、調査期間の末日から一月の不変期間内に提起または受継しなければ、異議はなかったものとみなされる。立証責任を異議者側へ転換する点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
債務名義や終局判決のある再生債権について、異議のある側が再生債務者のなしえた訴訟手続でのみ争え、立証責任が異議者へ移ると定める規定です。
確定判決、執行認諾文言付き公正証書(執行証書)、仮執行宣言付支払督促など、強制執行の根拠となる公的な文書のことです。
債務名義のある債権では、異議者は調査期間の末日から一月の不変期間内に請求異議の訴え等を提起または受継しなければなりません。
できません。不変期間は伸長されないため、調査期間末日を起点に即座に期限管理する必要があります。
終局判決は審級の審理を完結させる判決で、確定判決は上訴期間が経過し確定したものです。109 条は確定前の終局判決も対象に含みます。
民事執行法 35 条に基づき、債務名義に表示された請求権の存在・内容を争う訴えです。109 条で異議者が用いる代表的手段です。
異議者は新たに別訴を起こすのではなく、係属中の訴訟を受継して争わなければなりません(109 条 2 項)。
債務名義がない場合は、債権を有する側(債権者)が査定の申立てや異議の訴えで確定を求める立場となり、攻守が逆になります。
いいえ。確定判決や執行力ある債務名義がある債権は、109条1項で、文句のある異議者の方が、再生債務者ができたはずの訴訟手続で争わなければなりません。あなたは原則として守りの立場です。業界裏話ヒント:実務では、債務名義の有無で攻守が真逆になることを知らず、債権者側が自分から確定訴訟を起こしてしまう事故があります。まず手元の書類が債務名義に当たるかを確認するのが先決で、当たるなら動くのは相手側です
公正証書に「直ちに強制執行に服する」旨の陳述(執行認諾文言)が入っていると、その公正証書は執行力ある債務名義(執行証書)になります。ただの借用書や私製の契約書では債務名義にはなりません。業界裏話ヒント:同じ金額の貸付でも、公証役場で執行認諾文言付きの公正証書にしておくかどうかで、相手が倒産したときの立場が天と地ほど変わります。貸す前のひと手間が、109条で立証責任を相手に押し付けられるかを決める。最新の手数料・要件は公証役場でご確認ください
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる債権 | 109 条:執行力ある債務名義または終局判決のある再生債権 | — |
| 誰が訴える側に立つか | 異議者等(立証責任が異議者へ転換) | — |
| 争いの手段 | 再生債務者がなしえた訴訟手続(請求異議の訴え・再審等)のみ | — |
| 期間 | 調査期間末日から一月の不変期間(3 項が 105 条 2 項を準用) | — |
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