第百五条第一項本文の査定の申立てに係る査定の手続又は第百六条第一項の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、再生債権者は、異議等のある再生債権の内容及び原因について、再生債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。
要点民事再生法 108 条は、査定手続や異議の訴えで、再生債権者が再生債権者表に記載された内容及び原因のみを主張できると定める。届出に書いていない事項は後から主張できない。
Q · 倒産した取引先に異議が出たら、裁判で何を主張できるの?
届出に書いた内容と原因しか主張できない
民事再生法 108 条により、査定手続や異議の訴えで再生債権者が主張できるのは、再生債権者表に記載された内容及び原因の事項のみです。再生債権者表は最初に出した債権届出書を基礎に作られる(104 条)ため、届出時に書かなかった遅延損害金や別の法的構成は、後から争いの場で足すことができません。異議への対応も、査定の申立て(105 条)を異議を受けた日から 1 月の不変期間内に行う必要があります。
取引先が民事再生を申し立てた。あなたはその会社に 2,000 万円の売掛金がある。慌てて債権を届け出る。ここまでは多くの人がやる。だが本当の勝負はその先にある。あなたの届け出た債権に「異議」が出ると、その債権は査定手続や訴訟手続にかけられる。そして 108 条があなたの手足を縛る。この手続であなたが主張できるのは、再生債権者表に記載されている内容と原因だけ。再生債権者表は、あなたが最初に出した届出書をもとに作られる。つまり、届出のときに書いた「売買代金債権 2,000 万円」という枠から一歩も出られない。後から「実は遅延損害金もある」「別の法律構成でも請求できる」と気付いても、もう足せない。多くの債権者は、届出を事務作業だと思って雑に書く。そして異議が出てから初めて、自分が最初の一筆に縛られていたことを知る。この条文を知っている債権者は、届出の瞬間に勝負を決めている。
民事再生法 108 条は再生債権の確定をめぐる主張の制限を定める規定であり、査定の申立てに係る査定手続および異議等のある再生債権に関する訴訟手続において、再生債権者が再生債権者表に記載された内容及び原因の事項のみを主張しうる旨を規定する。届出と債権調査の段階で争点を確定させる機能を担う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
裁判所書記官が債権届出を基礎に作成する、再生債権の内容・原因・額などを記載した公的記録です(104 条)。査定や訴訟で主張できる範囲はこの表の記載に限定されます(108 条)。
内容は債権の種類や額、原因は債権が発生した法律上の根拠(売買代金・貸金・損害賠償など)です。108 条は両方を主張の枠とするため、原因の記載漏れは取りこぼしに直結します。
異議等を受けた者が異議等を受けた日から 1 月の不変期間内です(105 条 1 項)。不変期間のため原則として伸長されず、過ぎると債権が確定せず配当から外れます。
査定の申立ても異議の訴えもしないまま不変期間が過ぎると、その債権は確定せず再生計画の配当から除外されます。沈黙は和解ではなく失権を意味します。
原則できません。査定・訴訟で主張できるのは再生債権者表の記載事項のみで、表は届出に基づくため、調査期間経過後の増額は厳しく制限されます。
構造は類似し、破産では破産債権査定の手続(破産法 125 条)が並行します。いずれも債権表の記載に主張が縛られる点は共通の発想です。
対象です。求償権の根拠と範囲を届出時に書き切っていないと、査定でそこから先へ主張を広げられません。保証人も内容・原因を漏れなく記載すべきです。
査定の裁判に不服がある者は、所定期間内に異議の訴え(106 条)へ移行できます。この訴訟でも主張は再生債権者表の記載事項に限定されます。
原則できません。査定手続でも訴訟手続でも、主張できるのは再生債権者表に記載された内容と原因だけ(108 条)で、その表はあなたの届出に基づいて作られます(104 条)。増額は届出の変更・追完の問題になり、調査期間経過後は厳しく制限されます。業界裏話ヒント:実務では届出時に遅延損害金や予備的な法律構成を『念のため』すべて盛り込んでおくのが鉄則です。後で削るのは自由ですが、後で足すのはほぼ不可能。届出書は事務作業ではなく、回収上限を決める最終文書だと考えること
査定の申立て(105 条)も異議の訴え(106 条)もしないまま 1 月の不変期間が過ぎると、その債権は確定せず、再生計画の配当から除外されます。沈黙は和解ではなく失権です。業界裏話ヒント:異議は再生債務者や他の債権者が出しますが、通知は郵便で届くだけなので見落としやすい。届出を出したら、調査期間と自分の債権への異議の有無を自分から確認しに行くこと。受け身で待っていると、何の説明もないまま配当ゼロになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 108 条:査定・訴訟での主張を再生債権者表の記載に限定 | — |
| 局面 | 異議後の争いの場(査定手続・訴訟手続) | — |
| 債権者の行動 | 表に記載された内容・原因の範囲でのみ主張 | — |
| 懈怠の効果 | 記載外の事項は主張できず取りこぼす | — |
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