要点民事再生法 127 条の 2 は、相当の対価を得た財産処分でも、財産の種類変更が隠匿のおそれを現に生じさせ、債務者に隠匿意思があり相手方が悪意なら、否認できると定める。
Q · 時価どおりに払って買った不動産でも、相手が倒産したら取り戻されるの?
時価でも三要件がそろえば否認され取り戻される
民事再生法 127 条の 2 により、相当の対価を得た処分でも否認され得ます。(1)不動産を現金に換えるなど財産の種類変更が隠匿のおそれを現に生じさせ、(2)債務者に隠匿の意思があり、(3)相手方がその意思を知っていた、という三要件をすべて満たす場合です。正当な対価を払った事実は盾になりません。相手が役員・親族・同居者などの内部者なら、2 項により悪意が推定され、立証負担があなたに移ります。
「正当な値段で買ったのだから、後から取り消されるはずがない」。不動産取引でそう信じている人は多い。だがその常識は、相手企業が民事再生に入った瞬間に崩れる。127条の2は、再生債務者が相当の対価(つまり時価相応の金額)を得て財産を処分した場合でも、三つの条件がそろえば、その取引を否認(巻き戻し)できると定める。鍵は「財産の種類が変わること」。不動産を現金に換えると、現金は隠しやすい。だから時価で売った取引であっても、(1)隠匿のおそれを現に生じさせ、(2)債務者に隠す意思があり、(3)あなたがその意思を知っていた、この三つがそろえば、あなたが手に入れた財産は再生財産に取り戻される。正当な対価を払った事実は、あなたを守る盾にならない。
民事再生法 127 条の 2 は、再生債務者が相当の対価を得てした財産処分行為の否認を定める規定である。処分による財産の種類の変更が隠匿等の処分のおそれを現に生じさせ、債務者に隠匿の意思があり、相手方がその意思を知っていたという三要件を満たす場合に限り、再生手続開始後にその行為を否認することができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生債務者が時価で財産を処分しても、財産の種類変更が隠匿のおそれを生じさせ、債務者に隠匿意思があり相手方が悪意なら否認できる制度です。民事再生法 127 条の 2 が根拠です。
民事再生法 139 条により、再生手続開始日から 2 年、または行為の時から 20 年で行使できなくなります。開始後に管財人や監督委員が動ける窓は限られます。
時価売却でも、不動産を現金化して隠匿のおそれを現に生じさせ、債務者に隠す意思があり、買主がその意思を知っていた三要件がそろった場合に否認されます。
不動産を現金に換えるなど財産の種類を変えることで、債務者が財産を隠したり無償で処分したりして再生債権者を害する危険が現に生じることを指します。
管財人または監督委員です(民事再生法 135 条)。一般の再生債権者は直接行使できず、監督委員に否認の検討を申し入れる形になります。
趣旨はほぼ同じで、破産法 161 条が民事再生法 127 条の 2 に対応します。相当対価を得た処分の否認要件は両手続でほぼ共通です。
あります。買主が親族など内部者なら、民事再生法 127 条の 2 第 2 項で隠匿意思を知っていたと推定され、否認されやすくなります。
①種類変更で隠匿等のおそれが現に生じ、②債務者に隠匿の意思があり、③相手方がそれを知っていた、の三つをすべて満たすことです。
取り戻され得ます。127条の2は、まさに相当の対価を得た処分行為を対象にしているからです。価格が妥当でも、不動産を現金に換えるような『財産の種類の変更』が隠匿のおそれを現に生じさせ、債務者に隠す意思があり、あなたがそれを知っていれば三要件がそろいます。業界裏話ヒント:実務では『あなたが知っていたか』の立証が最大の壁。否認する側は取引時のメールや交渉記録から悪意を立証しようとするので、価格交渉で相手の資金繰りに触れた記録があるほど不利になる
立証の向きが逆になります。2項により、相手方が再生債務者の役員、親族、同居者などの内部者であるときは『隠匿意思を知っていた』ことが推定されます。否認する側が立証しなくても悪意があったと扱われ、あなたが『知らなかった』を自分で証明しなければならない。業界裏話ヒント:この推定は実務上きわめて重い。親族間やグループ会社間の倒産直前取引はほぼ否認されると考えてよく、弁護士は最初に当事者の関係性を確認する
否認権を行使するのは管財人または監督委員です(民事再生法135条)。一般の再生債権者が直接あなたを訴えるわけではありません。行使方法は否認の請求、否認の訴え、抗弁の三つで、あなたは相手方として応訴する立場になります。業界裏話ヒント:否認の請求は決定手続で進むため通常訴訟より早く動く。決定に不服なら異議の訴えに移る流れなので、最初の主張の組み立てが後の訴訟の土台になる。早めに倒産事件に強い弁護士へ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象行為 | 127 条の 2:相当の対価を得てした財産処分行為 | — |
| 対価の位置づけ | 相当の対価(時価相応)を得ていることが前提 | — |
| 主観・要件の核 | 種類変更で隠匿のおそれ+債務者の隠匿意思+相手方の悪意の三要件 | — |
| 立証の転換 | 相手方が内部者なら 2 項で悪意を推定(立証負担が相手方へ) | — |
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