民事再生法 第132条の2(再生債務者の受けた反対給付に関する相手方の権利等)
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- 第百二十七条第一項若しくは第三項又は第百二十七条の二第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
- 一再生債務者の受けた反対給付が再生債務者財産中に現存する場合当該反対給付の返還を請求する権利
- 二再生債務者の受けた反対給付が再生債務者財産中に現存しない場合共益債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
- 2.前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、再生債務者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が再生債務者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
- 一再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が再生債務者財産中に現存する場合共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利
- 二再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益が再生債務者財産中に現存しない場合再生債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
- 三再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が再生債務者財産中に現存する場合共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び再生債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利
- 3.前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百二十七条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、再生債務者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
- 4.否認権限を有する監督委員又は管財人は、第百二十七条第一項若しくは第三項又は第百二十七条の二第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により再生債務者財産に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により共益債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、再生債務者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。
この条文の基本情報
再生債務者の受けた反対給付に関する相手方の権利等とは何ですか?
定義再生債務者の受けた反対給付に関する相手方の権利等とは、民事再生法第132条の2に定められた規定で、「第百二十七条第一項若しくは第三項又は第百二十七条の二第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第132条の2(再生債務者の受けた反対給付に関する相手方の権利等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第132条の2の条文原文は「第百二十七条第一項若しくは第三項又は第百二十七条の二第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を…」で始まります。
- 民事再生法第132条の2は第二節 否認権に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第132条の2の前の条は民事再生法第132条です。
- 民事再生法第132条の2の次の条は民事再生法第133条です。
- 民事再生法第132条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第132条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第132条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/132_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法132条の2は、否認された取引の相手方が反対給付の返還または価額償還を請求できると定める。債務者の隠匿意図を知っていた場合は再生債権に格下げされる。
Q · 倒産した取引先から適正価格で買った資産が否認されたら、払った代金はどうなるの?
善意なら共益債権で保護、悪意なら再生債権に格下げされます
民事再生法132条の2により、否認された取引の相手方は、渡した反対給付が再生債務者財産に現存すれば現物の返還を、現存しなければ共益債権者として価額償還を請求できます。共益債権は原則随時・満額で最優先の地位です。ただし取引当時、債務者が対価を隠匿する意思を持ち、相手方がそれを知っていた場合は、地位が再生債権者へ格下げされ、配当が数パーセントに落ちることもあります。相手方が役員・親会社など127条の2第2項該当者なら悪意が推定されます。
解説
取引先の会社から、相場どおりの適正価格で工場の土地を買った。何も後ろめたいことはない。ところが半年後、その会社が民事再生に入り、監督委員から「あの売買を否認する、土地を返せ」と通知が来る。あなたは当然こう思う、では払った代金は返ってくるのか。民事再生法132条の2が、その運命を決める。鍵は二つ。第一に、あなたが渡した代金(反対給付)が再生債務者の財産の中にまだ残っているか。残っていれば現物を取り戻せる。消えていれば、共益債権者として優先的に価額の償還を受けられる。第二に、ここが本当の分水嶺だ。売買当時、相手が代金を隠す意思を持っていて、しかもあなたがそれを知っていた場合、あなたの地位は共益債権者から再生債権者へと格下げされる。共益債権なら原則満額、再生債権なら配当は数パーセントということもある。「知っていたか」の一点で、回収額が天と地ほど変わる。
法的な位置づけ
民事再生法132条の2は、否認された行為の相手方が有する権利を定める規定である。相手方は、反対給付が再生債務者財産中に現存する場合は現物の返還を、現存しない場合は共益債権者として価額償還を請求できる。ただし相手方が債務者の隠匿等の処分の意思を知っていたときは、その地位は再生債権者へ引き下げられる。
手順
- 1.否認対象行為と反対給付の現存を確認 否認された行為が127条か127条の2か、自分が渡した反対給付が再生債務者財産中に現存するかを確認する。現存すれば現物返還を、消えていれば価額の共益債権を主張できるかを整理する
- 2.善意(隠匿意図を知らなかったこと)の証拠を保全 取引当時に相手の隠匿意図を知らなかったことを裏づける査定書・財務説明メール・社内稟議記録を収集し保全する。共益債権に留まれるか再生債権に落ちるかは、この立証で決まる
- 3.推定の有無を確認して防御方針を立てる 自分が127条の2第2項各号(役員・親会社・関係者など)に該当するかを確認する。該当すれば132条の2第3項で悪意が推定され立証責任が逆転するため、推定を覆す事情を具体的に用意する
- 4.価額償還の提案と否認訴訟に対応 監督委員・管財人から第4項の差引価額償還を提案されたら控除額の計算根拠を精査する。争いが残れば否認の請求・否認訴訟(135条)の中で善意を主張し、行使期間(139条)内の攻防を組み立てる
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法132条の2とは何ですか?
否認された取引の相手方が持つ権利を定めた規定です。反対給付が現存すれば返還、現存しなければ共益債権として価額償還を請求でき、悪意なら再生債権に格下げされます。
Q2取引先が倒産したら買った物は返さないといけませんか?
否認権が行使されれば返還義務が生じます。ただし善意であれば、代金は共益債権として原則満額の優先弁済を受けられるため、取引全体で損をしない保護が働きます。
Q3反対給付の価額償還とは何ですか?
渡した対価が再生債務者の財産に現存しないとき、その金銭的価値の返還を請求する権利です。善意なら共益債権、悪意なら再生債権として償還を求めます。
Q4民事再生の否認はいつまでできますか?
否認権は再生手続開始の日から2年、または行為の日から20年で行使できなくなります(民事再生法139条)。この期間内に否認されると本条の権利関係が生じます。
Q5隠匿等の処分の意思とは何ですか?
債務者が対価として得た財産を、債権者の追及から隠したり費消したりする意思のことです。相手方がこれを知っていると、地位が再生債権へ格下げされます。
Q6共益債権はいつ支払われますか?
共益債権は再生計画によらず随時、原則満額で弁済される最優先の債権です。手続費用と並ぶ地位で、再生債権のような大幅カットを受けません。
Q7破産と民事再生で否認の扱いは違いますか?
枠組みは共通で、破産法168条が本条とほぼ同じ相手方保護を定めます。現存・非現存と善意・悪意で地位が段階づけられる構造は両者で対応しています。
Q8監督委員から否認の通知が来たらどうすればいいですか?
まず否認対象行為と自分の反対給付が現存するかを確認し、取引当時に隠匿意図を知らなかった証拠(メール・稟議書・査定書)を保全して、早期に倒産に強い弁護士へ相談します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1適正価格で買ったのに、なんで返さなきゃいけないんですか?
否認の対象が不当に安い取引だけではないからです。民事再生法127条の2は、適正価格でも、債務者が代金を隠す意図を持ち相手がそれを知っていた処分行為を否認の対象にします。価格の妥当性ではなく、責任財産が散逸したかどうかを問題にするのです。実務のポイント:実務では「いくらで買ったか」より「相手の懐事情をどこまで知っていたか」が争われます。価格交渉の正当性を強調するより、相手の資産隠しを知らなかった証拠を固めるほうが効く
Q2共益債権と再生債権って、そんなに違うんですか?
天と地ほど違います。共益債権(132条の2第1項2号)は手続外で随時、原則満額支払われる最優先の地位、再生債権は再生計画でカットされ配当率が数パーセントということもあります。だから2項の「悪意による格下げ」は実質的な制裁として機能します。実務のポイント:弁護士が否認事件で最初に見るのは、相手方が共益債権に留まれるか再生債権に落ちるかの線引きです。回収額が一桁変わるこの一線が、和解交渉の主戦場になる
Q3自分は善意だと、どうやって証明すればいいんですか?
原則は否認する側(監督委員・管財人)が悪意を立証しますが、相手が役員や親会社など127条の2第2項該当者なら、132条の2第3項で悪意が推定され立証責任が逆転します。取引当時のメール、稟議書、財務説明の記録が善意の裏づけになります。実務のポイント:推定が働く関係者は「知らなかった」と言うだけでは足りません。積極的に無知を裏づける痕跡を残していたかが勝負で、後から作った弁解は通用しにくい
間違えやすい点 AI による整理
- 「適正価格で正々堂々と買ったのだから否認されるはずがない」と思い込んでいる人が多いが、132条の2が前提とするのは、まさに相当の対価を得てした処分行為(127条の2)が否認される場面だ。安く買い叩いたわけでなくても、相手に資産隠しの意図があり、あなたがそれを知っていれば、取引は覆る
- あなたから見れば「ちゃんと代金を払った正当な買主」だが、再生手続から見れば「債務者の責任財産を流出させた相手方」だ。この視点の落差を理解しないまま善意を主張しても、なぜ自分が共益債権に守られるのか、なぜ悪意だと再生債権に落ちるのか、その分岐の意味を掴み損ねる
- 「知っていたかどうかで結論が変わる」ことは分かっても、その深刻さを多くの人は読み違える。共益債権は手続費用と並ぶ最優先で原則随時満額、再生債権は再生計画で大幅カットされ配当率が一桁パーセントになることも珍しくない。同じ取引、同じ金額で、回収額が十倍以上違う世界がここにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 132条の2:否認された行為の相手方が持つ返還・価額償還請求権 | 132条:否認の効果として財産が再生債務者財産に復帰する 破産法168条:破産手続における相手方保護(民再とほぼ同一) |
| 相手方の地位を分ける軸 | 反対給付の現存・非現存 × 相手方の善意・悪意 | 否認の可否そのもの(原状回復の要否) 現存・非現存 × 善意・悪意(民再と対応) |
| 悪意の効果 | 共益債権者から再生債権者へ格下げ(配当が大幅減) | 規定なし(効果規定) 破産債権への格下げ(民再と同旨) |
| 推定規定 | 127条の2第2項該当者は悪意を推定(3項) | なし 破産法上も同種の推定あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も倒産手続で不当な財産流出行為の撤銷を認めるが、相手方の反対給付返還を共益債権/一般債権に段階づける明文構造は日本ほど精緻ではない
韓国の統合倒産法も否認権を定め、相手方の反対給付の扱いを規律する。悪意の相手方を劣後させる発想は日本と共通する
ドイツ倒産法は否認(Insolvenzanfechtung)を体系化し、§ 144で否認相手方の反対給付返還請求権を定める。日本の否認制度の母法的位置にある
米連邦倒産法は preference / fraudulent transfer の avoidance を定め、否認された移転を回復された相手方の債権を§502(h)で処理する。善意抗弁の構造は個別規定ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 経営が苦しいと噂の取引先から、工場設備を市場価格で買い取った。半年後その会社が民事再生を申し立て、監督委員が「相当の対価を得てした処分行為の否認」を主張してくる。あなたが隠匿の意図を知らなかったと示せれば、設備を返しても代金は共益債権として満額が戻る。知っていたと認定されれば、再生債権に落ちて配当は雀の涙だ
- もし、あなたの会社が再生債務者の親会社や役員と取引していたとしたら? 132条の2第3項により、あなたは相手の隠匿意図を「知っていた」と推定される。善意の立証責任が、いきなりあなたの側に乗ってくる
- 適正価格で買ったのに、その代金がもう会社に残っていない。それでも共益債権者として価額の償還を請求できる。現物が消えても、あなたの優先権までは消えない
- 監督委員から否認の通知が届いた。否認権は再生手続開始から2年で行使できなくなるが、それまでに相手は動いてくる。あなたに残された時間で、取引当時の善意を裏づけるメール・稟議書・査定資料をかき集められるかが勝負を決める
- 事業譲渡で相手企業の不採算部門を適正価格で買収した直後、相手が民事再生へ。譲渡代金がすでに別の債権者への返済に消えていた場合、あなたは共益債権者として価額償還を求められる。ただし買収交渉で相手の資金繰りの内情を聞き込んでいたなら、その「知りすぎ」が悪意認定の材料に化けうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 否認された行為が127条か127条の2か、自分の反対給付が再生債務者財産中に現存するかを確認、現存すれば現物返還、消えていれば価額の共益債権を主張2. 共益債権者の地位を守るため、取引当時に相手の隠匿意図を知らなかった証拠(査定書、財務説明メール、稟議記録)を保全3. 監督委員・管財人から第4項の価額償還(差引精算)を提案されたら、控除額の計算根拠を精査4. 争いが残れば否認訴訟・否認の請求(135条)の中で善意を主張する
訴えられた側:1. 127条の2第2項各号(役員・親会社・関係者など)に自分が該当するか確認、該当すれば3項で悪意が推定されると覚悟する2. 推定を覆すため、取引時点で相手の隠匿意図を知り得なかった事情を具体的に立証、面談記録・社内決裁・第三者評価を揃える3. 反対給付が現存利益として残っていれば、せめて共益債権部分(2項各号)を確保する主張を組む4. 早期に倒産・否認に強い弁護士へ、立証責任が自分側にある前提で防御方針を立てる
時効(請求できる期限):否認権そのものは、再生手続開始の日から2年、または行為の日から20年で行使できなくなる(民事再生法139条)。この期間内に否認されると本条の権利関係が生じる。相手方の価額償還請求権など個別の権利には、別途一般の消滅時効(民法166条、原則5年)が問題となりうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:132条の2は否認の効果として相手方に生じる原状回復的権利を定める規定であり、責任財産の回復という否認権の趣旨と、対価を提供した善意の相手方の保護とを、反対給付の現存・非現存と善意・悪意の二軸で段階的に調整するものと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)。破産手続とは別に、事業・生活の再建を目的とする再生手続を創設し、否認権と相手方保護の枠組みを整備した
- 2.平成16年(2004年) 改正:破産法全部改正に伴う倒産法制整備の中で、相当の対価を得てした処分行為の否認(127条の2)や隠匿等の処分の意思に関する規律が整理され、相手方の地位段階づけが明確化された(最新の改正状況はご確認ください)
- 民事再生法 第127条詐害行為否認、本条が前提とする否認類型
- 民事再生法 第127条の2相当対価処分行為の否認、本条の主たる適用場面
- 民事再生法 第132条否認権行使の効果、前条として価額償還の基礎
- 民事再生法 第135条否認権の行使方法(訴え・否認の請求・抗弁)
- 民事再生法 第139条否認権の行使期間の制限
- 破産法 第168条破産手続における同一の相手方保護規定
- 民法 第424条平時の詐害行為取消権、否認権の母法的位置
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