民事再生法 第187条(再生計画の変更)
クイックジャンプ
- 再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画に定める事項を変更する必要が生じたときは、裁判所は、再生手続終了前に限り、再生債務者、管財人、監督委員又は届出再生債権者の申立てにより、再生計画を変更することができる。
- 2.前項の規定により再生債権者に不利な影響を及ぼすものと認められる再生計画の変更の申立てがあった場合には、再生計画案の提出があった場合の手続に関する規定を準用する。ただし、再生計画の変更によって不利な影響を受けない再生債権者は、手続に参加させることを要せず、また、変更計画案について議決権を行使しない者(変更計画案について決議をするための債権者集会に出席した者を除く。)であって従前の再生計画に同意したものは、変更計画案に同意したものとみなす。
- 3.第百七十五条及び第百七十六条の規定は、再生計画変更の決定があった場合について準用する。
この条文の基本情報
再生計画の変更とは何ですか?
定義再生計画の変更とは、民事再生法第187条に定められた規定で、「再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画に定める事項を変更する必要が生じたときは、裁判所は、再生手続終了前に限り、再生債務者、管財人、監督委員又は…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第187条(再生計画の変更)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第187条の条文原文は「再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画に定める事項を変更する必要が生じたときは、裁判所は、再生手続終了前に限り、再生債務者、管財人、監督委員又は…」で始まります。
- 民事再生法第187条は第八章 再生計画認可後の手続に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第187条の前の条は民事再生法第186条です。
- 民事再生法第187条の次の条は民事再生法第188条です。
- 民事再生法第187条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第187条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第187条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/187
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法187条は、認可された再生計画も、やむを得ない事由があれば裁判所が再生手続終了前に限り変更できると定める。申立権者は債務者・管財人・監督委員・届出債権者に限られる。
Q · 認可された再生計画って、払えなくなったら変更できないんですか?
手続終了前でやむを得ない事由があれば変更できる
民事再生法187条により、認可決定後でも「やむを得ない事由」があれば、裁判所は再生手続終了前に限り再生計画を変更できます。申立権者は再生債務者・管財人・監督委員・届出再生債権者で、弁済期間の延長や弁済率の見直しが認められます。ただし、自分の見通しの甘さは「やむを得ない事由」に含まれず、再生手続が終結すればこの扉は二度と開きません。窓が開いている間に動けるかどうかが分水嶺です。
解説
資金繰りに目処をつけ、債権者の頭を下げて回り、ようやく再生計画の認可までこぎつけた。だが計画どおりの弁済を二年続けたところで、主力取引先が倒産し売上が想定の半分に落ちる。ここで多くの経営者は「もう計画は確定したのだから、払えなければ即アウト」と思い込む。違う。民事再生法187条は、認可後でも「やむを得ない事由」があれば、裁判所が再生計画そのものを変更できると定めている。弁済期間の延長、弁済率の見直し、それが正面から認められる。ただし条件が二つある。第一に「やむを得ない事由」、つまりあなたの読み違いではなく外部要因であること。第二に、再生手続が終了する前という時間の窓が開いている間だけ。手続が終結すればこの扉は二度と開かない。あなたが知っておくべきは、計画の挫折は終わりではなく、もう一度だけ設計し直せる猶予がここに用意されているという事実だ。
法的な位置づけ
再生計画の変更とは、民事再生法187条に基づき、認可決定後に生じたやむを得ない事由により、裁判所が再生手続終了前に限って再生計画に定める事項(弁済期間・弁済率等)を変更する制度をいう。再生債務者・管財人・監督委員・届出再生債権者が申立権者となり、債権者に不利な変更には再度の決議手続が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生手続が終了していないか真っ先に確認 計画が崩れたと気づいたら、まず再生手続が終結していないかを確認する。遂行完了・監督終了・認可確定後3年経過等(188条)で手続が終結すると187条の申立て自体ができない。窓が開いている残り時間を把握する
- 2.「やむを得ない事由」に当たるか外部要因を検証 計画挫折の原因が取引先倒産・災害・売上激減などの外部要因か、自己の見通しの甘さかを冷静に検証する。前者でなければ変更は認められにくい。事由を裏づける客観資料を洗い出す
- 3.履行可能な変更計画案を設計 弁済期間の延長・弁済率の見直しなど、現実に遂行できる変更案を設計する。数字が甘いと再度の決議で否決されるため、実現可能性を担保した案にする
- 4.裁判所へ変更申立て、再度の決議手続に備える 申立権者(債務者・管財人・監督委員・届出債権者)として裁判所へ変更を申し立てる。債権者に不利な変更なら再生計画案提出時の手続が準用され、再度の決議手続を見込む
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法187条とは何ですか?
認可後の再生計画を、やむを得ない事由がある場合に裁判所が再生手続終了前に限り変更できる制度を定めた規定です。弁済期間の延長や弁済率の見直しが可能になります。
Q2再生計画は認可後に変更できますか?
できます。民事再生法187条により、やむを得ない事由があり、かつ再生手続が終了していなければ、裁判所への申立てで弁済期間や弁済率を変更できます。
Q3再生計画変更の「やむを得ない事由」とは?
取引先倒産・災害・売上激減など、再生債務者の見通しの甘さや努力不足ではない外部要因を指します。自己の経営判断ミスは原則として含まれません。
Q4再生計画変更の申立権者は誰ですか?
再生債務者・管財人・監督委員・届出再生債権者です(民事再生法187条1項)。債務者本人が動かなくても監督委員から申し立てられます。
Q5再生計画の変更はいつまでできますか?
再生手続の終了前に限られます。計画が遂行されたときや監督終了時等に手続が終結すると(188条)、その後は変更申立てができなくなります。
Q6変更計画案の決議はどのように行われますか?
債権者に不利な変更の場合、再生計画案提出時の手続が準用され、再度の決議手続が行われます。不利益を受けない債権者は参加不要です(187条2項)。
Q7再生計画変更の「同意みなし」とは?
変更計画案に議決権を行使せず、従前の計画に同意していた債権者は、変更案にも同意したとみなされます(187条2項但書)。沈黙が同意になり得ます。
Q8会社更生と民事再生で計画変更の扱いは違いますか?
会社更生では会社更生法が別途規律しますが、認可後に事情変更が生じた場合の計画変更という発想は共通です。適用法令と手続の細部が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認可された再生計画って、払えなくなったらもう破産するしかないんですか?
破産が唯一の出口ではありません。やむを得ない事由があり、再生手続がまだ終了していなければ、187条1項で計画変更を申し立て、弁済期間の延長や弁済率の見直しを求められます。実務のポイント:実務では、不履行が表面化してから慌てるより、資金繰り予測の段階で計画維持が困難と見えた時点で、申立権者(債務者・監督委員等)と裁判所に早期相談するのが定石です。窓が開いている間に動いたかどうかで、会社が残るか破産に転落するかが決まる
Q2債権者集会の通知が来たけど忙しくて欠席した、何か不利になりますか?
不利になりえます。187条2項但書では、変更計画案に議決権を行使せず、かつ従前の計画に同意していた債権者は、変更案にも同意したものとみなされます。つまり欠席・沈黙が、自分への弁済率を下げる変更への同意に化けることがある。実務のポイント:『反対したいなら必ず集会に出席して議決権を行使する』のが鉄則。出席さえすれば同意みなしの対象から外れる。通知を放置して回収額を削られる債権者は、この一行を知らない人が大半です
間違えやすい点 AI による整理
- 「認可された再生計画は確定判決と同じで、もう一文字も動かせない」と思い込んでいる人が多い。確かに計画は確定し拘束力を持つが、それは「絶対不変」を意味しない。187条は、やむを得ない事由という限定された条件下で、確定後の変更という例外の扉を残している。確定と不変は別物だ
- 「計画変更を申し立てれば、いつでも、何度でもやり直せる」と楽観している経営者がいるが、これは深刻さの読み違い。要件は『やむを得ない事由』であり、自分の見通しの甘さや努力不足は含まれない。さらに再生手続終了という時間の壁がある。使えるのは外部要因が直撃したとき、しかも窓が開いている間だけ。安易な保険ではない
- 債権者の側では「自分が何もしなければ、現状の計画のまま守られる」と考えがちだが、立てている前提が逆。187条2項但書では、変更案について議決権を行使せず、かつ従前の計画に同意していた債権者は、変更案にも同意したものとみなされる。沈黙は防御ではなく、不利な変更への同意になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 局面・機能 | 民訴再生187条:認可後の再生計画の変更 | 民訴再生174条:再生計画の認可決定(計画の確定) 民訴再生188条:再生手続の終結 |
| タイミング | 認可決定後〜再生手続終了前 | 計画案の可決後 計画遂行完了時・監督終了時・認可確定後3年経過等 |
| 申立権者・主体 | 債務者・管財人・監督委員・届出再生債権者 | 裁判所(可決を受けた認可判断) 裁判所(終結決定) |
| 効果 | 弁済期間・弁済率等の変更(不利益変更は再決議) | 再生計画の確定・拘束力の発生 再生手続の終了、以後187条は使えない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個人の更生方案変更を消費者債務清理條例で、企業の重整計画を公司法で扱い、日本の民事再生法のように単一法で統合していない点が構造的に異なる。
韓国は債務者回生法(統合倒産法)で会生計画の変更を規律し、認可後の事情変更に応じた変更を認める枠組みは日本と類似する。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)の枠組みで再建を図り、計画の履行・監督局面での対応を規律する。DIP 型ではなく管財人主導が基本である点が日本と異なる。
米国チャプター11は計画変更を確認前後で区別し、確認後の実質的変更には要件と再投票を課す。民事再生法187条の設計はこの DIP 型再建の発想を参照している。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし認可後に大口取引先が突然倒産して、約束した弁済率が物理的に払えなくなったら、どうなる? そのまま不履行なら再生手続は廃止され、待っているのは破産。だが「やむを得ない事由」として187条の変更を申し立てれば、弁済期間の延長や弁済率の引下げで再建を続けられる余地が残る
- あなたが債権者として届出をしている取引先が、再生計画の変更を申し立てた。変更案はあなたへの弁済率を下げる内容だ。187条2項により、不利益を受けるあなたは再度の決議手続に参加できる。ここで一票を投じるかどうかで、回収額が変わる
- 再生債務者の経営者であるあなたに残された時間は、再生手続が終結するまでのわずかな期間。手続が終わってしまえば、計画が崩れても187条の救済は使えない。終結前に動けるかどうか、それが分水嶺
- 監督委員として再生債務者の遂行を見ているあなたが、計画の前提が崩れたと判断した。187条1項は監督委員にも変更の申立権を認めている。債務者本人が動かなくても、あなたから手を打てる
取るべき行動
被害を受けた側:債権者として不利な変更を突きつけられた側の手順。1. 変更案の中身を即確認、自分への弁済率・弁済期がどう変わるかを数字で把握2. 187条2項により再度の決議手続に参加できるので、議決権行使の通知を絶対に放置しない(沈黙すると同意みなしのリスク) 3. 変更計画案の債権者集会に出席し、反対なら明確に反対票を投じる4. 『やむを得ない事由』が本当に存在するか疑わしければ、その点を争い、変更の認可決定に対する不服申立て(即時抗告)の可否を検討する
訴えられた側:計画を変更したい再生債務者・申立権者側の手順。1. 計画が崩れた原因が『やむを得ない事由』(外部要因)に当たるかを冷静に検証、自分の見通しの甘さは認められにくい2. 取引先倒産通知・罹災証明・売上推移など客観資料を揃え、事由を立証可能な形にする3. 何より先に、再生手続が終了していないかを確認、終結後は申立て自体ができない4. 弁済期間延長・弁済率見直しなど現実に履行可能な変更案を設計し、裁判所へ申立て、不利益を受ける債権者がいれば再度の決議手続を見込む
時効(請求できる期限):申立ては再生手続終了前に限る(民事再生法187条1項)。再生計画が遂行されたとき、または監督委員による監督の場合は認可決定確定後3年が経過したとき等に再生手続は終結し(同188条)、その後は変更の申立てができなくなる。特定の消滅時効ではなく、手続の存続そのものが時間的限界となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:認可により確定した再生計画の変更は例外であり、187条の『やむを得ない事由』は、再生債務者の帰責によらない外部的・後発的な事情変更に限定して厳格に解される。確定と不変は区別され、限定要件と再生手続終了前という時間的限界の双方を満たす場合にのみ変更が許される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:旧和議法に代わる再建型倒産手続として民事再生法を制定(平成11年法律第225号、施行2000年4月1日)。認可後の計画変更を定める本条もこのとき整備された。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める