要点民事再生法223条は、裁判所が個人再生委員を選任できると定める規定。再生債権の評価の申立てがあれば選任は必須で、委員は財産・収入を調査し、その報酬は再生債務者が負担する。
Q · 個人再生を申し立てると、必ず個人再生委員がつくの?
評価の申立てがあれば選任は必須。多くの裁判所は原則選任
民事再生法223条により、裁判所は小規模個人再生の申述があった場合に個人再生委員を選任でき、再生債権の評価の申立てがあったときは選任が義務づけられます(1項但書)。委員の職務は、財産・収入の調査、再生債権評価の補助、適正な再生計画案作成の勧告です(2項)。委員は通帳や帳簿を検査でき(8項)、その費用と報酬は再生債務者が負担します(9項)。東京地裁などでは運用上ほぼ全件で選任され、報酬を申立て前から毎月積み立てる『履行テスト』を兼ねます。
借金が膨らんで個人再生を申し立てた。あなたは『あとは裁判所が中立に手続を進めてくれる』と思っているかもしれない。だが東京地裁をはじめ多くの裁判所では、申立てとほぼ同時に、見知らぬ第三者の弁護士があなたの財産と収入を調べ始める。それが個人再生委員だ。民事再生法223条は、裁判所がこの委員を選任できる(再生債権の評価の申立てがあれば必ず選任する、1項但書)と定める。委員の仕事は三つ。あなたの財産・収入を調査し(2項1号)、債権額の評価で裁判所を補助し(同2号)、適正な再生計画案を作るよう勧告する(同3号)。さらに委員はあなたに帳簿や通帳の提出を求め、検査できる(8項)。そして見落とされがちなのが9項。委員には報酬が発生し、それを払うのはあなただ。東京地裁では十数万円から、しかも申立て前の積立(履行テスト)として毎月引き落とされる。個人再生を『安く済む簡単な手続』と思って飛び込むと、この一条が想定を崩す。
民事再生法223条は個人再生委員の選任を定める規定であり、裁判所が小規模個人再生の申述に基づき、財産・収入の調査、再生債権評価の補助、再生計画案作成の勧告を職務として委員を選任できる旨を規定する。再生債権の評価の申立てがある場合は選任が義務づけられ、委員の費用および報酬は再生債務者の負担とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
個人再生で裁判所が選任する第三者の弁護士です。財産・収入の調査、再生債権評価の補助、再生計画案作成の勧告を職務とし、通帳や帳簿の検査権も持ちます(民事再生法223条)。
223条2項で三つです。財産・収入の状況調査、再生債権の評価に関する裁判所の補助、適正な再生計画案を作るための勧告。裁判所が一つまたは複数を指定します。
委員報酬を申立て前から毎月積み立てる運用で、毎月返済を続けられるかの実地検証を兼ねます。一度でも滞納すると返済能力を疑われ、認可が遠のきます。
財産・収入の調査が職務に指定されると裁判所が報告期間を定めます(223条3項)。期限内に合理的な説明ができないと財産隠しを疑われ、計画認可が危うくなります。
選任・変更・取消しの決定には即時抗告ができます(223条5項)。ただし執行停止の効力はなく(6項)、抗告中も委員の調査は止まらず進みます。
つく場合があります。223条は給与所得者等再生に準用され(244条)、裁判所の運用によっては選任されます。小規模個人再生と同様の調査・勧告が行われます。
委員は報告を求め帳簿・通帳を検査できます(223条8項)。出金や資産移動の客観的根拠を示せないと心証を損ね、計画不認可や詐欺再生罪(255条)のリスクにつながります。
個人再生は財産を残して計画返済するため委員が計画案作成を勧告します。自己破産は破産管財人が財産を換価・配当する立場で、目的と権限が異なります。
裁判所の裁量で選任するのが原則ですが(223条1項本文)、再生債権の評価の申立てがあった場合は必ず選任されます(同項但書)。つまり付くかどうかをあなたが選ぶことはできません。さらに東京地裁など一部の裁判所では、運用上ほぼ全件で選任しています。業界裏話ヒント:同じ個人再生でも、どの裁判所に管轄があるかで委員が付く確率も積立額も大きく変わります。本来の住所地で管轄が決まるので、各地裁の運用差を事前に知っておくと心構えが違う。
223条9項で委員は裁判所が定める報酬を受け、それを再生債務者が負担します。東京地裁の運用では弁護士代理人が付く場合で15万円程度、本人申立てではより高額になる傾向です。しかも申立て前から毎月分割で積み立てる『履行テスト』を兼ねます。業界裏話ヒント:この積立は単なる費用ではなく、毎月返済できる人かどうかの実地テストです。一度でも滞納すると返済能力を疑われ、認可が遠のく。費用ではなく『認可の予行演習』と捉えて死守するのが実務の鉄則。(最新の運用をご確認ください)
断れません。財産・収入の調査を職務に指定された委員は、あなたに報告を求め、帳簿や物件を検査する権限を持ちます(223条8項)。拒否や虚偽報告は、再生計画の不認可や手続廃止につながります。業界裏話ヒント:委員に隠した財産は、後で見つかると詐害行為とみなされ、最悪は詐欺再生罪(255条)に問われます。隠して通ることを期待するより、先に開示して『正直な債務者』の心証を取る方が、結果的に減額幅でも得をするケースが多い。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 選任される手続 | 個人再生委員(223条):小規模個人再生・給与所得者等再生 | — |
| 主な職務 | 財産・収入の調査、債権評価補助、再生計画案作成の勧告(223条2項) | — |
| 財産の扱い | 債務者が財産を保持し計画返済(調査・勧告にとどまる) | — |
| 費用負担 | 委員報酬を債務者が負担、積立(履行テスト)を兼ねる(223条9項) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。