民事再生法 第246条(破産管財人による再生手続開始の申立て)
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- 破産管財人は、破産者に再生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。以下この条において同じ。)の許可を得て、当該破産者について再生手続開始の申立てをすることができる。
- 2.裁判所は、再生手続によることが債権者の一般の利益に適合すると認める場合に限り、前項の許可をすることができる。
- 3.裁判所は、第一項の許可の申立てがあった場合には、当該申立てを却下すべきこと又は当該許可をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、労働組合等(当該破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、当該破産者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは当該破産者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。
- 4.第一項の規定による再生手続開始の申立てについては、第二十三条第一項の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
破産管財人による再生手続開始の申立てとは何ですか?
定義破産管財人による再生手続開始の申立てとは、民事再生法第246条に定められた規定で、「破産管財人は、破産者に再生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第246条(破産管財人による再生手続開始の申立て)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第246条の条文原文は「破産管財人は、破産者に再生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。」で始まります。
- 民事再生法第246条は第一節 破産手続から再生手続への移行に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第246条の前の条は民事再生法第245条です。
- 民事再生法第246条の次の条は民事再生法第247条です。
- 民事再生法第246条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第246条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第246条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/246
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法246条は、破産管財人が裁判所の許可を得て、破産者について再生手続開始を申し立てられると定める。許可は再生が債権者の一般の利益に適合する場合に限られる。
Q · 破産手続が始まった会社は、もう再生(立て直し)はできないの?
破産管財人が許可を得れば再生へ切替可能
できる余地があります。民事再生法246条により、破産管財人は破産者に再生手続開始の原因があるとき、裁判所の許可を得て再生手続開始を申し立てられます。ただし裁判所が許可を出せるのは、再生による方が債権者の一般の利益に適合すると認める場合に限られます(2項)。清算してバラ売りするより事業を続けた方が回収額が増えるなら、倒産は終点ではなく分岐点になります。許可前には労働組合等の意見聴取が必要です(3項)。
解説
取引先が破産した、勤め先が破産手続に入った。多くの人はそこで「もう終わり、財産を切り売りして分けて解散だ」と諦める。だが民事再生法246条は、その諦めに逆回転のギアを差し込む。破産手続を進めている破産管財人は、その会社に再生手続開始の原因があると判断すれば、裁判所の許可を得て、破産から再生(事業の立て直し)への切り替えを申し立てられる。しかも裁判所が許可を出せるのは、再生による方が「債権者全体にとって得だ」と認めるときに限られる(2項)。つまり清算してバラバラに売るより、事業を続けた方が回収額が増えるなら、倒産は終点ではなく分岐点になる。あなたが債権者なら、配当通知をただ待つ前に、この逆回転の可能性が検討されているかを問える立場にある。
法的な位置づけ
民事再生法246条は、破産手続開始後の破産者に再生手続開始の原因があるとき、破産管財人が裁判所の許可を得て再生手続開始を申し立てることができる制度を定める規定である。裁判所の許可は再生が債権者の一般の利益に適合すると認める場合に限られ、許可前には労働組合等の意見聴取を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再生の経済合理性を数字で管財人に示す 債権者として、清算より事業継続の方が回収額が増える根拠(取引先からの入金見込み、事業譲渡先やスポンサーの存在)を具体的な数字で破産管財人に提示する。管財人は246条2項の「債権者の一般の利益」で動くため、感情論より回収増の試算が効く
- 2.換価(資産売却)着手前に動く 資産の換価が進むと事業価値が消え、246条2項の天秤が清算側に固定される。主力設備が競売にかかる前の一点に賭けて働きかける。時間的限界を意識し、配当を待つ前に問い合わせる
- 3.従業員側は3項の意見聴取で再建案を提示 従業員なら、労働組合または過半数代表を通じ、246条3項の意見聴取の場で雇用維持と再建の現実味を具体的な計画とともに主張する。過半数代表の選出と意見書の準備を早く進めるほど発言力が出る
- 4.申立権は管財人のみと理解し働きかけに徹する 246条1項の申立権者は破産管財人だけである。債権者や従業員が自らこの条文で申し立てることはできない。自分は管財人・裁判所に働きかける立場だと理解し、通常の再生申立(21条)との違いも押さえる
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法246条とは何ですか?
破産手続中の会社を、破産管財人が裁判所の許可を得て再生手続へ切り替えられると定める規定です。倒産手続が一方通行ではないことを示す条文です。
Q2破産から民事再生に切り替えできますか?
できる余地があります。民事再生法246条により、破産管財人が裁判所の許可を得れば再生手続開始を申し立てられます。清算より債権者の取り分が増えることが条件です。
Q3牽連倒産とは何ですか?
取引先の倒産が連鎖して自社の資金繰りも詰まる状態を指します。相手が破産から再生に切り替われば、止まっていた売掛金が再生計画に乗って戻る可能性があります。
Q4破産管財人の権限はどこまでですか?
破産財団の管理・換価・配当を担うほか、民事再生法246条により再生への切替申立ても裁判所の許可を得て行えます。裁判所の許可を要する行為が体系的に定められています。
Q5民事再生と破産の違いは何ですか?
破産は資産を換価して早く確実に分配する清算手続、再生は事業を続けて将来の収益から弁済する再建手続です。246条は破産から再生へ戻す扉を開きます。
Q6破産手続中に再生できる条件は何ですか?
破産者に再生手続開始の原因があり、かつ再生が債権者の一般の利益に適合すると裁判所が認めることが条件です(246条2項)。経営者や従業員の希望だけでは足りません。
Q7労働組合の意見聴取はいつ必要ですか?
裁判所が246条の許可を出す前に、労働組合または従業員過半数代表の意見を聴かなければなりません(3項)。却下や許可が明らかな場合を除きます。
Q8取引先が倒産したら債権回収はどうなりますか?
破産なら配当は数%にとどまることが多いですが、管財人が246条で再生へ切り替えれば回収見込みが書き換わる可能性があります。事業継続で回収額が増える根拠を管財人に示せます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1破産した会社の債権者なんですが、自分で再生を申し立てられますか?
246条1項の申立権者は破産管財人だけで、債権者がこの条文で直接再生を申し立てることはできません。ただし通常の再生申立て(民事再生法21条)とは別ルートとして、債権者は管財人に切替を促せます。実務のポイント:管財人は「債権者の一般の利益」(246条2項)で動くので、感情論ではなく「清算より再生で配当が増える」数字を示すと検討に乗りやすい。事業譲渡先の当てを一緒に持ち込むのが効く
Q2勤め先が破産したら、もう再就職を探すしかないですか?
必ずしもそうではありません。246条3項は、裁判所が再生切替を許可する前に、労働組合または従業員過半数代表の意見を聴かなければならないと定めます。再生に切り替われば事業と雇用が残る可能性があります。実務のポイント:この意見聴取は形式ではなく、従業員側が具体的な再建案や事業の継続価値を主張できる数少ない公式機会。過半数代表の選出と意見書の準備を早く動かすほど発言力が出る
Q3再生に切り替われば、会社は必ず助かるんですか?
いいえ。246条2項は「再生手続によることが債権者の一般の利益に適合すると認める場合に限り」裁判所が許可すると定めます。清算より再生の方が債権者の取り分が増えると認められなければ許可されません。実務のポイント:「従業員のため」「地域のため」という理由だけでは裁判所は動かない。判断軸はあくまで債権者の経済的利益。逆に言えば、回収増の数字さえ立てば、感情とは無関係に切替の道が開く
間違えやすい点 AI による整理
- 「破産手続が始まったら、もう再生はできない」と思われているが、246条はその逆を定める。破産管財人が裁判所の許可を得れば、破産から再生へ切り替えられる。倒産手続は一方通行ではない
- 「再生に切り替われば誰にとっても得」と軽く考えがちだが、その判断軸の冷たさを見落としている。246条2項は「債権者の一般の利益に適合すると認める場合に限り」許可すると釘を刺す。再生の方が回収が減るなら、たとえ雇用や事業が惜しくても裁判所は許可しない。基準はあなたの希望ではなく、債権者全体の損得だ
- 「債権者である自分がこの再生を申し立てられる」と思って動こうとする人がいるが、問いの立て方が誤っている。246条1項の申立権者は破産管財人だけ。あなたにできるのは管財人や裁判所に働きかけることであって、自分でこの条文を使って申し立てることではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 246条:破産手続からの逆転移行(破産→再生) | 21条:最初からの再生手続開始申立 33条:再生手続開始決定の効果発生 |
| 申立権者 | 破産管財人のみ(1項) | 債務者または債権者 (申立てではなく裁判所の決定) |
| 許可・開始の判断軸 | 再生が債権者の一般の利益に適合するか(2項) | 再生手続開始の原因の有無 開始要件の充足 |
| 労働者の関与 | 労働組合等の意見聴取が必須(3項) | 本条固有の意見聴取規定なし 本条固有の意見聴取規定なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は清算(破産)と重整を別法域で扱い、管財人による破産→重整の直接転換制度は日本ほど明確でない。重整は裁判所主導の会社更生に近い
韓国は2006年に回生・破産を統合した通合倒産法を制定し、破産手続と回生手続の相互移行を単一法典内で規律する。日本より統合度が高い
ドイツは清算と再建を単一の Insolvenzverfahren に統合し、再建は Insolvenzplan(倒産計画)で実現する。破産と再生を別手続とする日本とは構造が異なる
米国は Chapter 7(清算)から Chapter 11(再建)への転換を明文で認め、日本246条の破産→再生移行に最も近い構造。転換の判断も債権者利益を重視する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が破産。配当は数%と聞いて電卓を置いていたら、破産管財人が「この工場は稼働を続ければ売掛先からの入金で配当が倍になる」と判断し、再生への切り替えを裁判所に申し立てた。あなたの回収見込みそのものが書き換わる
- もし、あなたの勤め先が破産手続に入ったら、職は必ず消えるのか。246条3項は、裁判所が許可を出す前に労働組合または従業員過半数代表の意見を聴かなければならないと定める。再生に切り替われば、事業と雇用が残る道がある
- あなたが破産管財人だとする。資産を切り売りするより事業ごと譲渡した方が債権者の取り分が増える。裁判所の許可を取り、再生へ舵を切る
- 破産の換価(資産売却)手続が進み、主力工場の設備が競売にかかろうとしている。あと数週間で設備がバラ売りされれば、事業価値は消える。再生への切替申立ては、換価が完了する前でなければ意味を失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが債権者なら、破産管財人に対し、清算より事業継続の方が回収額が増える根拠(取引先からの入金見込み、事業譲渡先やスポンサーの存在)を数字で具体的に示す2. あなたが従業員なら、労働組合または過半数代表を通じ、246条3項の意見聴取で雇用維持と再建の現実味を主張する3. 換価(資産売却)が始まる前に動く、事業価値が消えると再生の天秤が傾く4. 直接の申立権は管財人のみと理解し、自分は働きかける立場に徹する
訴えられた側:1. あなたが破産した会社の経営側なら、事業に継続価値があることを示す資料(受注残、技術、取引関係、許認可)を管財人に提供する2. スポンサー候補や事業譲渡先があれば早期に管財人へ繋ぐ、再生の現実味が一気に増す3. 従業員代表と連携し、246条3項の意見聴取で雇用維持を含む再建像を裁判所に届ける4. ただし最終判断の軸は「債権者の一般の利益」(2項)であり、自社の存続願望だけでは許可は下りないと心得る
時効(請求できる期限):本条の申立てに固有の出訴期間や時効はないが、破産手続が進行し資産の換価・配当が完了すると、事実上申立ての意味が失われる。再生による回収増が見込めるうち、換価着手前に動くことが実務上の時間的限界(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:246条の破産・再生間の移行は、清算と再建の連絡扉を制度化したものであり、許可の可否は経営者の存続願望や雇用維持の要請ではなく、あくまで再生が債権者の一般の利益に適合するかという経済合理性で判断されるとされる。3項の意見聴取は労働者保護の緩衝として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(平成11年法律第225号)により、旧和議法に代わる再建型倒産手続を創設。破産手続からの再生手続への移行制度を含めて整備された
- 民事再生法 第21条再生手続開始の原則的申立権者(債務者・債権者)
- 民事再生法 第33条再生手続開始の決定(切替後の効果発生)
- 民事再生法 第23条第4項により本条の申立てには適用除外される規定(現行内容を要確認)
- 破産法 第74条破産管財人の選任、本条の申立権者の地位の根拠
- 破産法 第78条破産管財人の権限と裁判所の許可を要する行為の体系
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