要点民事再生法266条は、裁判所命令違反に百万円以下、資料提出要求への不応諾に十万円以下の過料を定める。過料は刑罰ではなく前科はつかないが、再生計画の認可審査に影響する。
Q · 民事再生の途中で裁判所から資料を出せと言われて放置したら、どうなる?
正当な理由なく応じないと十万円以下の過料が科されます
民事再生法266条2項により、再生債務者・その法定代理人・再生債権者が、正当な理由なく227条6項の資料提出要求に応じないと、十万円以下の過料が科されます。さらに186条3項の裁判所命令に違反した場合は、百万円以下の過料です(266条1項)。過料は罰金と違い刑罰ではなく前科もつきませんが、非協力の事実は再生計画の認可を判断する裁判所の心証を損ない、金額以上の代償になり得ます。間に合わない事情があるなら、期限前に『正当な理由』を書面で疎明するのが鉄則です。
過料と書いて「かりょう」と読む。罰金と同じだと思っていた人は、ここで一つ得をする。あなたが民事再生、とりわけ借金を整理する個人再生の最中、裁判所が「この資料を出せ」と求めてきたのに正当な理由なく応じないと、十万円以下の過料を科される(266条2項)。さらに再生のために担保を出した人や債務を引き受けた人が、186条3項の裁判所命令に背けば、百万円以下の過料だ(同1項)。ここで多くの人が誤解する。過料は刑罰ではない。前科はつかず、刑事裁判でもなく、非訟事件手続という別ルートで裁判所が職権で決める。罰金(前科あり)でも科料(前科あり)でもない、第三のカテゴリーだ。だが「前科がつかないから軽い」と読み違えると足をすくわれる。十万円は現実に財布から消えるし、再生手続で裁判所の心証を損なえば、計画の認可そのものが危うくなる。過料は入口の罰、本当の痛手はその先にある。
民事再生法266条は、再生手続における協力義務違反に対する過料を定める規定である。再生債務者・担保提供者等が186条3項の裁判所命令に違反した場合は百万円以下(1項)、再生債務者・法定代理人・再生債権者が正当な理由なく227条6項の資料提出要求に応じない場合は十万円以下(2項)の過料に処せられる。過料は刑罰ではなく非訟事件手続による秩序罰であり、前科を伴わない。
行政上・手続上の義務違反に科される金銭的制裁で、刑罰ではありません。前科はつかず、非訟事件手続により裁判所が職権で科す秩序罰の一種です。
186条3項の裁判所命令違反は百万円以下(1項)、227条6項の資料提出要求への正当な理由なき不応諾は十万円以下(2項)です。
正当な理由なく応じないと十万円以下の過料の対象になります。さらに手続への非協力とみなされ、再生計画の認可審査で裁判所の心証を損なう恐れがあります。
科料は千円以上一万円未満の刑罰で前科がつきます。過料は刑罰ではなく前科がつかない秩序罰です。読みは同じ『かりょう』でも法的性質が全く異なります。
過料の裁判が確定すると検察官の命令で執行されます。納付が困難な場合の取扱いは事案により異なるため、裁判所書記官や代理人弁護士に相談するのが確実です。
当事者が請求するものではなく、裁判所が非訟事件手続により職権で科します。過料の裁判では意見を述べる機会が与えられます。
過料の裁判が確定すれば強制執行の対象になります。放置しても消えず、財産の差押えにつながる可能性があります。刑罰ではないため前科はつきません。
再生手続で裁判所が担保提供者や債務引受人等に対して発する命令です。これに違反すると266条1項により百万円以下の過料の対象になります。
全く別物です。罰金・科料は刑罰なので前科がつきますが、過料(266条)は手続上の秩序罰で、刑事裁判ではなく非訟事件手続で科され、前科はつきません。業界裏話ヒント:前科がつかないからと軽視するのが最大の落とし穴。過料を招いた「非協力」そのものが、再生計画の認可を判断する裁判所の心証を直撃する。金額より心証の代償のほうが大きい。
再生債権の評価のため、裁判所は債権者にも資料提出を求めることがあり(227条6項、244条で準用)、正当な理由なく拒めば債権者でも十万円以下の過料の対象になります。業界裏話ヒント:実務で債権者に過料が実際に科される例は多くないが、「応じない債権者」という記録は、後で再生計画案へ異議を述べるときの説得力を確実に削ぐ。早めに応じたほうが結局は得です。
「正当な理由」があれば過料は科されません(266条2項は正当な理由なき不提出が要件)。間に合わない事情を、期限が来る前に裁判所へ書面で伝えるのが鉄則です。業界裏話ヒント:弁護士・司法書士が代理人なら、提出遅延の見込みを事前に裁判所書記官へ一報するだけで実務上ほぼ問題化しない。沈黙して期限を徒過するのが最悪の選択で、連絡という一手が過料も心証悪化も防ぎます。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象行為 | 266条1項:186条3項の裁判所命令への違反 | — |
| 制裁の内容 | 百万円以下の過料(非刑罰) | — |
| 前科 | つかない | — |
| 手続 | 非訟事件手続(裁判所が職権で科す) | — |
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