民事再生法 第266条(過料)
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- 再生債務者又は再生のために債務を負担し、若しくは担保を提供する者は、第百八十六条第三項の規定による裁判所の命令に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。
- 2.再生債務者若しくはその法定代理人又は再生債権者が正当な理由なく第二百二十七条第六項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による資料の提出の要求に応じない場合には、十万円以下の過料に処する。
この条文の基本情報
過料とは何ですか?
定義過料とは、民事再生法第266条に定められた規定で、「再生債務者又は再生のために債務を負担し、若しくは担保を提供する者は、第百八十六条第三項の規定による裁判所の命令に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第266条(過料)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第266条の条文原文は「再生債務者又は再生のために債務を負担し、若しくは担保を提供する者は、第百八十六条第三項の規定による裁判所の命令に違反した場合には、百万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 民事再生法第266条は第十五章 罰則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第266条の前の条は民事再生法第265条です。
- 民事再生法第266条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第266条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第266条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/266
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法266条は、裁判所命令違反に百万円以下、資料提出要求への不応諾に十万円以下の過料を定める。過料は刑罰ではなく前科はつかないが、再生計画の認可審査に影響する。
Q · 民事再生の途中で裁判所から資料を出せと言われて放置したら、どうなる?
正当な理由なく応じないと十万円以下の過料が科されます
民事再生法266条2項により、再生債務者・その法定代理人・再生債権者が、正当な理由なく227条6項の資料提出要求に応じないと、十万円以下の過料が科されます。さらに186条3項の裁判所命令に違反した場合は、百万円以下の過料です(266条1項)。過料は罰金と違い刑罰ではなく前科もつきませんが、非協力の事実は再生計画の認可を判断する裁判所の心証を損ない、金額以上の代償になり得ます。間に合わない事情があるなら、期限前に『正当な理由』を書面で疎明するのが鉄則です。
解説
過料と書いて「かりょう」と読む。罰金と同じだと思っていた人は、ここで一つ得をする。あなたが民事再生、とりわけ借金を整理する個人再生の最中、裁判所が「この資料を出せ」と求めてきたのに正当な理由なく応じないと、十万円以下の過料を科される(266条2項)。さらに再生のために担保を出した人や債務を引き受けた人が、186条3項の裁判所命令に背けば、百万円以下の過料だ(同1項)。ここで多くの人が誤解する。過料は刑罰ではない。前科はつかず、刑事裁判でもなく、非訟事件手続という別ルートで裁判所が職権で決める。罰金(前科あり)でも科料(前科あり)でもない、第三のカテゴリーだ。だが「前科がつかないから軽い」と読み違えると足をすくわれる。十万円は現実に財布から消えるし、再生手続で裁判所の心証を損なえば、計画の認可そのものが危うくなる。過料は入口の罰、本当の痛手はその先にある。
法的な位置づけ
民事再生法266条は、再生手続における協力義務違反に対する過料を定める規定である。再生債務者・担保提供者等が186条3項の裁判所命令に違反した場合は百万円以下(1項)、再生債務者・法定代理人・再生債権者が正当な理由なく227条6項の資料提出要求に応じない場合は十万円以下(2項)の過料に処せられる。過料は刑罰ではなく非訟事件手続による秩序罰であり、前科を伴わない。
よくある質問 AI による整理
Q1過料とは何ですか?
行政上・手続上の義務違反に科される金銭的制裁で、刑罰ではありません。前科はつかず、非訟事件手続により裁判所が職権で科す秩序罰の一種です。
Q2民事再生法266条の過料はいくらですか?
186条3項の裁判所命令違反は百万円以下(1項)、227条6項の資料提出要求への正当な理由なき不応諾は十万円以下(2項)です。
Q3個人再生で資料提出を拒むとどうなりますか?
正当な理由なく応じないと十万円以下の過料の対象になります。さらに手続への非協力とみなされ、再生計画の認可審査で裁判所の心証を損なう恐れがあります。
Q4過料と科料はどう違いますか?
科料は千円以上一万円未満の刑罰で前科がつきます。過料は刑罰ではなく前科がつかない秩序罰です。読みは同じ『かりょう』でも法的性質が全く異なります。
Q5過料は分割で払えますか?
過料の裁判が確定すると検察官の命令で執行されます。納付が困難な場合の取扱いは事案により異なるため、裁判所書記官や代理人弁護士に相談するのが確実です。
Q6民事再生の過料は誰が決めますか?
当事者が請求するものではなく、裁判所が非訟事件手続により職権で科します。過料の裁判では意見を述べる機会が与えられます。
Q7過料を払わないとどうなりますか?
過料の裁判が確定すれば強制執行の対象になります。放置しても消えず、財産の差押えにつながる可能性があります。刑罰ではないため前科はつきません。
Q8民事再生法186条の裁判所命令とは何ですか?
再生手続で裁判所が担保提供者や債務引受人等に対して発する命令です。これに違反すると266条1項により百万円以下の過料の対象になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って、罰金とどう違うんですか? 前科つきますか?
全く別物です。罰金・科料は刑罰なので前科がつきますが、過料(266条)は手続上の秩序罰で、刑事裁判ではなく非訟事件手続で科され、前科はつきません。実務のポイント:前科がつかないからと軽視するのが最大の落とし穴。過料を招いた「非協力」そのものが、再生計画の認可を判断する裁判所の心証を直撃する。金額より心証の代償のほうが大きい。
Q2お金を貸した側なのに、なんで私が過料を取られるんですか?
再生債権の評価のため、裁判所は債権者にも資料提出を求めることがあり(227条6項、244条で準用)、正当な理由なく拒めば債権者でも十万円以下の過料の対象になります。実務のポイント:実務で債権者に過料が実際に科される例は多くないが、「応じない債権者」という記録は、後で再生計画案へ異議を述べるときの説得力を確実に削ぐ。早めに応じたほうが結局は得です。
Q3資料が期限までに揃いそうにないんですが、どうすれば?
「正当な理由」があれば過料は科されません(266条2項は正当な理由なき不提出が要件)。間に合わない事情を、期限が来る前に裁判所へ書面で伝えるのが鉄則です。実務のポイント:弁護士・司法書士が代理人なら、提出遅延の見込みを事前に裁判所書記官へ一報するだけで実務上ほぼ問題化しない。沈黙して期限を徒過するのが最悪の選択で、連絡という一手が過料も心証悪化も防ぎます。
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料を払うと前科がつくのでは」と心配する人がいるが、問いの立て方そのものが誤っている。過料は刑罰ではないため、前科という概念自体が存在しない。心配すべきは前科ではなく、過料を招いた「非協力」が再生計画の認可審査でどう評価されるかだ。
- 「お金を貸した債権者は罰せられる側ではない」と思い込みがちだが、逆である。再生債権の評価のために裁判所が資料を求めたとき、債権者がこれを正当な理由なく拒めば、債権者自身が十万円以下の過料の対象になる(227条6項)。
- 過料の存在は知っていても、その本当の怖さを知らない人が多い。十万円という金額より深刻なのは、裁判所が「この当事者は手続に非協力的だ」と判断する材料になること。再生計画の認可は裁判所の裁量が効く場面であり、心証の悪化は金額以上の代償を生む。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象行為 | 266条1項:186条3項の裁判所命令への違反 | 266条2項:227条6項の資料提出要求への正当な理由なき不応諾 255条:財産の隠匿・不利益処分など債権者を害する悪質行為 |
| 制裁の内容 | 百万円以下の過料(非刑罰) | 十万円以下の過料(非刑罰) 10年以下の懲役等の刑事罰 |
| 前科 | つかない | つかない つく |
| 手続 | 非訟事件手続(裁判所が職権で科す) | 非訟事件手続(裁判所が職権で科す) 刑事訴訟手続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は非協力に対し過料ではなく聲請の駁回等で対応し、制裁の設計が異なる
韓国の債務者回生・破産法も非協力に対する過怠料(과태료)規定を置く
ドイツ倒産法は債務者の情報提供・協力義務違反に対し強制勾引等の強制手段を認める
米国連邦倒産法は債務者の義務違反を免責不許可(denial of discharge)で制裁する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 個人再生を申し立てたあなたに、裁判所から追加資料の提出を求める書面が届いた。仕事が忙しくて後回しにし、催促まで来てしまった。これを無視し続けたらどうなる? 正当な理由なき不提出は十万円以下の過料、しかも手続そのものが頓挫しかねない。
- あなたは貸した側、つまり再生債権者の立場。相手の個人再生で、自分の債権額を裁判所が評価するために資料提出を求めてきた。「面倒だから」と放置すると、お金を貸した債権者であるあなた自身が十万円以下の過料の対象になる(227条6項)。罰せられる側が逆転する。
- 保証人として担保を提供したあなた。186条3項の裁判所命令を軽く見て放置した。百万円の過料が現実味を帯びてくる。
- 資料提出の期限まで、あと数日。出さなければ過料、出すには書類が揃わない。この板挟みで取るべき一手は、間に合わない事情を期限前に裁判所へ伝える「正当な理由」の疎明だ。
- あなたが法人の代表として給与所得者等再生(244条で227条を準用)に関わり、法定代理人として資料要求を放置した。会社の手続でも、応じない個人が過料を負う構造になっている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが再生債権者で、再生債務者が裁判所命令や資料要求に応じず手続が滞っているなら、監督委員(選任されていれば)または裁判所へ事実を書面で報告する2. 過料は当事者が請求するものではなく裁判所が職権で科すため、あなたの役割は正確な情報提供に徹する3. 自分の債権が正しく評価されないリスクには、再生債権の届出・異議(227条関連)で対抗する4. 手続の遅延で実害が出るなら、再生計画の認可要件を満たさない事情として意見を述べる
訴えられた側:1. まず「正当な理由」があるかを点検する。資料が物理的に揃わない、病気・災害などは疎明できれば過料を免れうる2. 期限が来る前に裁判所へ事情を書面で伝え、提出可能な時期を示す。事後対応より事前申告が圧倒的に有利3. 過料の裁判(非訟事件手続)では意見を述べる機会があるので、放置せず陳述する4. 命令違反(186条3項)の場合は、命令の趣旨を弁護士・司法書士と確認し、履行可能な範囲を即実行して誠意を示す
時効(請求できる期限):過料は刑罰ではないため公訴時効はない。過料の裁判は非訟事件手続法に基づき裁判所が職権で行い、命令違反や資料不提出の事実があれば再生手続の係属中に科されうる。資料提出の「期限」そのものは裁判所が個別に指定するため、書面記載の期日が実質的なリミットとなる(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:266条の過料は刑罰ではなく、非訟事件手続法に基づき裁判所が職権で科す秩序罰と解される。前科を伴わない点で罰金・科料と区別され、再生手続の実効性を担保する強制手段として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法制定(法律第225号)。従来の和議法に代わる再建型倒産手続として導入され、手続の実効性を担保する過料規定として266条が設けられた。
- 民事再生法 第186条1項の過料の対象となる裁判所命令の根拠
- 民事再生法 第227条2項の過料の対象となる資料提出要求の根拠
- 民事再生法 第244条227条を給与所得者等再生に準用
- 民事再生法 第255条非協力が悪質化した場合の詐欺再生罪
- 非訟事件手続法 第120条過料の裁判の手続を規律(現行効力を要確認)
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