第二十七条及び第三十一条の規定は、問屋について準用する。
要点商法 557 条は、代理商の通知義務(27 条)と留置権(31 条)を問屋に準用する。問屋は売買成立後に遅滞なく通知し、手数料の弁済を受けるまで委託者の物品を留置できる。
Q · 委託販売に品物を預けたのに、売れた連絡もなく、手数料を滞納したら別の品まで返してもらえない。これって合法なの?
合法です。問屋には通知義務と強い留置権があります。
商法 557 条が代理商の規定を準用するためです。問屋は売買が成立したら遅滞なく委託者へ通知する義務を負い(27 条準用)、これを怠れば債務不履行になります。また手数料・立替金の弁済を受けるまで、占有する委託者の物品を留置できます(31 条準用)。この留置権は民法 295 条の一般留置権と違い、押さえる物品と未払い債権との牽連性を要しないため、未払い手数料と無関係の別の預かり品でも留置できます。
美術品やブランド時計を委託販売に出す、証券会社に株の売買を取り次いでもらう。これらに共通するのが「問屋(といや)」の仕組みだ。自分の名で、他人のために物品を売り買いする業者を指す。商法557条はたった一行、代理商のルールである27条と31条を問屋にも準用すると定める。だが中身は重い。27条準用で、問屋は売買を成立させたら遅滞なくあなたに通知する義務を負う。連絡が来ないのは不親切ではなく違反だ。さらに31条準用で、問屋はあなたから受け取るべき手数料や立替金のために、手元にあるあなたの品物を留置できる。しかもこの留置権は、民法295条の一般留置権と違い、押さえる品物と未払い債権が無関係でもよい。あなたが時計の販売手数料を滞納すれば、業者は別件で預かっているあなたの絵画を合法的に人質にできる。委託という気軽な行為の裏に、これだけの法的構造が埋まっている。
商法 557 条は、問屋に対する代理商規定の準用を定める規定である。代理商の通知義務(27 条)と留置権(31 条)を問屋に準用し、問屋は売買成立後に委託者へ遅滞なく通知する義務を負うとともに、手数料および立替金の弁済を受けるまで、占有する委託者の物品を留置できる。この留置権は民法 295 条と異なり牽連性を要しない。
自己の名をもって他人のために物品の販売または買入れをすることを業とする者です(商法 551 条)。証券会社の株式取次や美術品の委託販売業者が典型例で、商法 557 条により代理商の通知義務と留置権が準用されます。
民法 295 条の民事留置権は、押さえる物と債権との牽連性が必要です。これに対し商法 557 条が準用する問屋の留置権(31 条)は牽連性を要さず、未払いと無関係の別の預かり品でも留置できます。
不要です。商法 557 条・31 条準用の留置権は、占有する物品と被担保債権との個別の関連性を要しません。これは商人間取引の決済を確実にするための特則で、一般の民事留置権との大きな違いです。
通常は売買が成立し代金を回収した時点で発生します。問屋は売却代金から手数料・立替金を控除でき、未払いがあれば 557 条・31 条準用の留置権で委託者の物品を担保に取れます。
代理商の通知義務を定める商法 27 条と、代理商の留置権を定める 31 条の二つを問屋に準用しています。条文自体は一行ですが、通知義務と牽連性不要の留置権という重い効果を問屋に課します。
商法 27 条準用の通知義務に違反すると債務不履行となり、委託者は売却代金の引渡しや遅延損害金を請求できます。連絡が来ない場合は、売約済を自分で確認した時点で書面請求するのが有効です。
代行業者が自己の名で売却する形態なら、法的には問屋に近づきます。手数料を滞納すると、預けた他の出品物まで 557 条・31 条準用の留置権の射程に入るリスクがあります。
留置権自体に消滅時効はありませんが、被担保債権である手数料・立替金請求権が消滅すれば留置権も消えます。これらの債権は民法 166 条の一般消滅時効(原則 5 年)にかかります。
問題です。問屋は売買を成立させたら遅滞なく委託者へ通知する義務があります(商法557条・27条準用)。通知を怠れば債務不履行となり、あなたは売却代金の引渡しを請求できます。業界裏話ヒント:通知が遅い業者は、代金を一時的に自社の運転資金に流用していることがある。連絡が来ない期間が長いほど、資金繰り悪化のサインと読める。売約済を自分で見つけたら、すぐ代金引渡しを書面請求するのが鉄則
原則として返してもらえません。問屋・代理商の留置権(商法557条・31条準用)は、民法295条の一般留置権と違い、留置する品物と未払い債権との牽連性が不要だからです。未払い手数料のために、無関係の別の預かり品も留置できます。業界裏話ヒント:この『牽連性不要』は商人間取引の特権で、一般消費者の感覚とずれている。複数の品物を同じ業者に預けるリスクを契約前に意識しておくと、人質を取られずに済む
関係あります。証券会社が自己の名で顧客のために株を売買する取次は、商法上の問屋にあたります。約定後の取引報告は、金融商品取引法の報告義務に加え、商法27条準用の通知義務にも支えられています。業界裏話ヒント:実務では金融商品取引法のルールが先に細かく効くため、商法の問屋規定が表に出ることは少ない。だが特別法でカバーされない美術品・骨董・ブランド品の委託販売では、商法557条が今も最後の拠り所になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 牽連性の要否 | 商法 557 条・31 条準用:牽連性不要(無関係の別品も留置可) | — |
| 適用主体 | 問屋(自己の名で他人のために物品売買) | — |
| 機能 | 手数料・立替金回収のための担保(留置) | — |
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