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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第105条

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医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第105条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第105条の条文原文は「医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第105条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第105条の前の条は刑事訴訟法第104条です。
  7. 刑事訴訟法第105条の次の条は刑事訴訟法第105条の2です。
  8. 刑事訴訟法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第105条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/105
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法105条は、医師や弁護士などの専門職が業務上預かった他人の秘密に関する物の押収を拒める権利を定める。ただし本人が承諾した場合などは拒否できない。

Q · 病院や弁護士事務所にある自分の秘密、警察は勝手に押収できるの?

原則できない。預かった専門家が押収を拒否できる

刑事訴訟法105条により、医師・歯科医師・助産師・看護師・弁護士・弁理士・公証人・宗教者およびこれらの職にあった者は、業務上委託を受けて保管・所持する他人の秘密に関する物の押収を拒めます。重要なのは、拒否権を持つのは秘密を預かった専門家であり、秘密の本人ではない点です。ただし本人が承諾した場合、被告人のためのみの権利濫用と認められる場合(本人が被告人の場合を除く)、裁判所規則の定める事由がある場合は拒否できません。

解説

あなたが心療内科のカウンセリングで打ち明けた過去、弁護士に預けた自分に不利な書類、僧侶や神父に告げた懺悔。これらは、その専門家のもとに記録や物として残る。ある日、別の事件の捜査で警察がその専門家の事務所に踏み込み、あなたに関する物を押収しようとしたとき、何が起きるか。刑事訴訟法105条は、医師・歯科医師・助産師・看護師・弁護士(外国法事務弁護士を含む)・弁理士・公証人・宗教者、そしてかつてこれらの職にあった者に、業務上の信頼で預かった他人の秘密に関する物の押収を拒む権利を与えている。重要なのは、この権利は専門家のものだが、守られるのはあなたの秘密だという点だ。だから「本人が承諾した場合」、つまりあなたが OK を出せば押収できる。逆にあなたが拒めば、専門家はあなたの盾になる。あなたの秘密の支配権は、最終的にあなたの手の中にある。

法的な位置づけ

刑事訴訟法105条は押収拒絶権を定める規定であり、医師・歯科医師・助産師・看護師・弁護士・弁理士・公証人・宗教者およびこれらの職にあった者が、業務上の委託を受けて保管・所持する他人の秘密に関する物について押収を拒める旨を規定する。差押権限(刑訴99条)に対する職業上の秘密保護の特則として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.捜査の兆候を察知したら専門家に意思を伝える 自分の秘密に関する物を医師や弁護士が保管している状況で捜査の兆候を察知したら、まずその専門家に連絡し『承諾しない、押収拒絶権を行使してほしい』と明確に伝える。本人の意思が明確なら専門家は権利濫用の疑いを受けず堂々と拒否できる
  2. 2.対象となる物を専門家と整理する どの物が『業務上委託を受けたため保管・所持する他人の秘密に関する物』に当たるかを専門家と整理する。事件と無関係な私物や秘密性のない物は対象外のため、保護される範囲を事前に切り分けておく
  3. 3.安易な承諾を避ける 捜査機関から承諾(同意書)を求められても即答しない。一度同意すれば押収を止められないため、必ず弁護士に相談してから判断する。本人の承諾は105条但書の例外であり拒絶権を消滅させる
  4. 4.令状執行の現場で押収拒絶権を行使する 捜索差押許可状を持った捜査員が到着したら、専門家が現場で押収拒絶を主張する。秘密の本人が被告人本人である場合は『被告人のためのみの濫用』の例外に当たらず、拒否を維持しやすい
  5. 5.違法な押収には準抗告で争う 拒絶にもかかわらず違法に押収された場合、令状の範囲と対象物の秘密性を記録し、準抗告(刑事訴訟法430条)で争う。速やかな申立てが求められるため、押収直後に弁護士へ依頼する

よくある質問 AI による整理

Q1押収拒絶権とは何ですか?

医師・弁護士・宗教者などの専門職が、業務上預かった他人の秘密に関する物について押収を拒める権利です。刑事訴訟法105条が根拠で、職業上の信頼関係を保護します。

Q2宗教者への告解は押収から守られますか?

宗教の職にある者は105条で告解に関する物の押収を拒めます。守られるのは告白した本人の秘密であり、本人が承諾しない限り宗教者は押収を拒否できます。

Q3看護師や助産師も押収を拒否できますか?

できます。105条は医師・歯科医師に加え助産師・看護師も明示的に列挙しています。業務上委託された他人の秘密に関する物が対象です。

Q4押収拒絶権はいつ行使するのですか?

捜索差押許可状による押収が執行される現場で行使します。一度押収されると物は捜査機関の手に渡るため、令状執行の場で即座に主張する必要があります。

Q5違法な押収にはどう対抗できますか?

捜査機関の押収処分には準抗告(刑事訴訟法429条・430条)で争えます。速やかな申立てが求められるため、押収後はすぐに弁護士に相談すべきです。

Q6押収拒絶権と証言拒絶権はどう違いますか?

押収拒絶権(105条)は物の押収を拒む権利、証言拒絶権(149条)は法廷での証言を拒む権利です。いずれも同じ専門職の業務上の秘密を保護します。

Q7退職した元医師でも押収を拒否できますか?

できます。105条は『これらの職に在つた者』も対象とし、退職・廃業後も在職中に業務上委託された秘密に関する物の押収を拒めます。

Q8本人が承諾したら押収拒絶権はどうなりますか?

本人が承諾すれば専門家は押収を拒めません。105条但書の第一の例外です。捜査機関は本人の同意書を取りに来ることがあり、安易な承諾は拒絶権を失わせます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1心療内科のカルテって、警察に勝手に持っていかれるんですか?

原則として、医師は105条であなたのカルテの押収を拒めます。カルテは『業務上委託を受けたため保管する他人の秘密に関する物』に当たるからです。ただしあなた本人が承諾すれば押収できます。実務のポイント:捜査機関は本人の同意書を取りに来ることがある。安易にサインすると拒絶権が消える。同意を求められたら即答せず、弁護士に相談してから判断する

Q2弁護士に渡した証拠書類なら、絶対に押収されないんですか?

絶対ではありません。105条の但書で、本人が承諾した場合、被告人のためだけの権利濫用と認められる場合(本人が被告人なら除く)、裁判所規則の定める事由がある場合は拒否できません。実務のポイント:自分が被告人本人として弁護士に預けた防御用の資料は、『被告人のためのみの濫用』の例外(本人が被告人の場合を除く)に当たらないため、最も強く守られる。誰の秘密かで保護の強さが変わる

Q3押収を拒めるのは誰ですか、自分で拒否できるんですか?

拒否権を持つのは秘密を預かった専門家(医師・弁護士・宗教者等)であって、秘密の本人であるあなた自身ではありません。あなたができるのは、承諾しないこと、専門家に拒否を促すことです(105条、証言面は149条)。実務のポイント:専門家が事情を知らずに任意提出してしまう事故が一番怖い。捜査が及びそうなら、先回りして専門家に『私の件は押収を拒んでほしい』と意思を伝えておくと、現場で専門家が迷わない

間違えやすい点 AI による整理

  • 「自分の秘密が押収されそうだから、自分が拒否すればいい」と考える人がいるが、問いの立て方そのものが違う。押収を拒む権利を持つのは秘密を預かった専門家であって、あなた本人ではない。あなたができるのは、専門家に拒否を促すこと、そして承諾しないことだ。主役と脇役を取り違えると、守れるものも守れない
  • 「弁護士に渡した物なら何でも押収を拒める」と思われがちだが、対象は『業務上委託を受けたため保管・所持する物で、他人の秘密に関するもの』に限られる。事件と無関係に弁護士の机にあった私物や、秘密性のない物は対象外。範囲を誤解すると、拒否しても通らない
  • 押収拒絶権があることは聞いたことがあっても、その例外の深刻さを知る人は少ない。本人が承諾すれば崩れ、被告人のためだけの権利濫用と見なされれば崩れ、裁判所規則の定める事由でも崩れる。「拒否できる」は「絶対に守られる」ではない。盾には穴が三つ空いている
比較の観点この条文ほかの条文
保護される秘密の主体105条:医師・弁護士・宗教者など専門職が業務上預かった『他人の秘密』103条:公務員・元公務員が職務上知り得た『公務上の秘密』
149条:105条と同じ専門職が証人として知った『業務上の秘密』
拒める対象業務上委託で保管・所持する物の押収公務上の秘密に関する物の押収
法廷等での証言
主な例外本人の承諾/被告人のためのみの権利濫用/裁判所規則の事由監督官庁の承諾
本人の承諾/権利濫用等

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第182条・第134条

台湾も業務上の秘密について証言拒絶(182条)と押収制限(134条)を分けて規定し、専門職の守秘を保護する点で日本と類似する

韓国
대한민국 형사소송법 제112조

韓国は112条で業務上の秘密に関する物の押収拒絶を直接規定。専門職の列挙と本人承諾による例外の構造が日本に近い

ドイツ
StPO § 97 i.V.m. § 53

ドイツは証言拒絶権者(§ 53)が所持する物の押収を § 97で禁止する。日本105条の直接の系譜的源流であり構造が酷似する

アメリカ
Attorney-Client / Physician-Patient / Clergy Privilege

米国は単一条文ではなく証拠法上の各種特権(privilege)として構成。捜索差押の場面では特権資料の扱いに特別手続が用いられる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたの主治医のもとに警察が来て、あなたのカルテを押収しようとしたら? 医師は105条で押収を拒める。だがあなたが知らないところで医師が「どうぞ」と渡してしまうこともある。拒否するか承諾するかの判断材料を、あなたは事前に医師と共有しておく必要がある
  • あなたが弁護士で、依頼者から預かった日記を警察が押収しに来た。105条で拒否できるが、その拒否が「被告人のためだけの権利濫用」と見なされれば突破される。プロとしての判断が問われる瞬間だ
  • 捜索差押許可状を持った捜査員が、あと数時間で事務所に到着する。押収拒絶権を行使するか否かを決める時間はわずか。一度押収されてしまえば、後から「あれは秘密だった」と主張しても物は戻らない
  • 知人が宗教者にした告解の内容が、別の刑事事件の証拠として狙われた。宗教者が105条で守れるかどうかで、その人の人生の秘密が法廷に出るか、闇に消えるかが変わる

取るべき行動

被害を受けた側:1. あなたの秘密に関する物を専門家が保管している状況で捜査の兆候を察知したら、まずその専門家に連絡し「承諾しない、押収拒絶権を行使してほしい」と明確に伝える2. どの物が『業務上委託した秘密に関するもの』に当たるかを専門家と整理する3. あなた自身が被疑者でない限り、専門家の拒否は基本的にあなたの秘密を守る方向に働く4. 捜査機関から承諾を求められても安易に応じない。一度同意すれば押収を止められない

訴えられた側:1. あなたが医師・弁護士・宗教者等として依頼者や患者の秘密に関する物の押収を求められたら、その場で105条による拒絶を主張できる2. ただし本人が承諾済みか、拒絶が被告人のためだけの権利濫用に当たらないかを確認する3. 秘密の本人が被告人本人である場合は濫用の例外に当たらず、拒否を維持しやすい4. 判断に迷えば令状の範囲と対象物の秘密性を記録し、拒絶の理由を明確にしておく。不当な押収処分には準抗告(刑事訴訟法430条)で争える

時効(請求できる期限):押収拒絶権は押収が執行される現場で行使するもので、特定の時効はない。ただし一度押収されると物は捜査機関の手に渡るため、拒絶は令状執行の現場で即座に主張する必要がある。違法な押収処分には準抗告(刑事訴訟法429条、430条)で争えるが、速やかな申立てが求められる

学説

通説:押収拒絶権は秘密を委託された専門職に帰属する権利だが、実質的に保護されるのは委託者本人の秘密である。したがって本人が承諾すれば拒絶権は消滅し、秘密の本人が被告人本人である場合は『被告人のためのみの濫用』の例外に当たらず保護が最も強い。職業上の信頼関係の維持を制度趣旨とする。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.大正11年(1922年) 改正:旧刑事訴訟法でドイツ型の押収禁止・証言拒絶の構造を継受。専門職の業務上の秘密保護の原型が置かれた
  2. 2.昭和23年(1948年) 改正:現行刑事訴訟法を制定。英米的な当事者主義を加味しつつ、105条として専門職の押収拒絶権を明文化

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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